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百合子「音責め」
杏奈「百合子さんに嘘をついてみる」
【ミリマス】その想いに気付く時【杏奈×百合子】
杏奈「百合子さんはずるい」


1 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:13:21.77 :w4u0dL2T0

突然だけど、百合子さんは……ずるいと思う。
……何がずるいって?
……色々。いっぱい、ずるいことされたもん。


2 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:13:50.18 :w4u0dL2T0

そうだね……まず一つ、話してみる……
例が挙がってた方が、この後も分かりやすいもんね……

今から話すのは……ある日の朝、事務所に来た時の話。


3 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:14:40.37 :w4u0dL2T0

その日は、百合子さんが先に来てて……ちょうど本を読み終わったところだった。
杏奈が入ってきて、百合子さんは持っていた小説を置いて……杏奈に、こう言ったの。

『突然だけど杏奈ちゃん!ちょっとそのまま壁際にもたれ掛かってて!』


4 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:15:16.17 :w4u0dL2T0

なんで指示されたのか、これから何をするつもりなのか分からなかったけど……嬉々とした百合子さんの顔を見たら、止める気にもならなくて。

百合子さんは壁際にもたれ掛かった杏奈の目の前まで歩いて来て、一呼吸。

ーーそのまま勢い良くもたれ掛かるように顔を近付けて、杏奈の耳元で……


5 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:16:12.43 :w4u0dL2T0

『私、杏奈ちゃんのことが欲しくなっちゃった』

って。杏奈は焦りと羞恥で顔が真っ赤になって、何も言えないまま……気を失ったの……

次目が覚めた時には心配そうな顔をした百合子さんが覗き込んでて、起きたのに気付くと『ごめんね、ごめんね』って杏奈に謝ってる。

あんなことをした訳を問いただしたら、百合子さんなんて言ったと思う?
……分からない?じゃあ教えてあげる……


6 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:16:41.35 :w4u0dL2T0

『さっきまで読んでた小説で出てきて、試してみたくなっちゃって……』

……って。やっぱり百合子さんはずるいよね?


7 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:17:22.50 :w4u0dL2T0

……え?そんなことない?
まだそんなこと言うの?百合子さんはずるいのに……

……分かった。足りないって言うなら別の話もするよ。
次は、二人で歌ったステージが終わった後。舞台裏の話ね。


8 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:18:16.39 :w4u0dL2T0

百合子さんと杏奈の二人で『成長Chu→LOVER!!』を歌って、大盛況の中舞台裏へと戻って行った。
二人とも疲れてたけど、それよりも喜びの方が大きくて。

『お疲れ様杏奈ちゃん!楽しかったね!』
『うん……!杏奈も、楽しかった……!』

杏奈の手を取ってぶんぶんと上下に腕を振って、喜びを表現する百合子さん。


9 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:18:55.53 :w4u0dL2T0

と思ったら喜びを共有して今度は安心したのか、一気にフラフラとし始めた。

『大丈夫……?』
『だ、大丈夫じゃないかも……あはは……』

とりあえず水を……って焦る杏奈の前で百合子さんは『だから……』って続けてーー

ーーそのまま、ゆっくりと抱き着いてきたの。


10 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:19:21.26 :w4u0dL2T0

『もう少しだけ、こうさせて……?』

杏奈は疲れとかよりもうドキドキが止まらなくて、百合子さんを受け止めたまま硬直してた。
……やっぱり百合子さんはずるいよね?


11 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:20:15.74 :w4u0dL2T0

……まだ認めないの?百合子さんはずるいって。
まだまだこんなのじゃないんだから。もっと教えてあげるよ、百合子さんのずるいところ。


12 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:20:45.61 :w4u0dL2T0

あと……そこの事務用の机の下。亜利沙、いるの分かってるんだから。
今杏奈達大事な話してるからあっち行ってて。写真も後で消しておいてね?

「ギクッ!?な、ななな何の事でしょうか~……?ありさは何もしてませんよ……?」

このまま消さなかったら……杏奈、亜利沙のこと嫌いになっちゃうかも……

「ごめんなさい消します!消しますしあっち行ってますから嫌いにならないで~!!」

……ふぅ。厄介払いは出来たし、話を続けるね?


13 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:21:29.89 :w4u0dL2T0

この話は、杏奈が百合子さんのオススメの本を聞いた時の話。

無性に本が読みたくなって、百合子さんにオススメの本を聞いたことがあったの。
その日は『ファンタジーものならこんなのが~』とか『予想を裏切られる展開が面白くて~』とか教えてもらっただけだったんだけど。


14 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:21:55.70 :w4u0dL2T0

次の日になって……

『これ持ってきたから家で読んでみて!絶対面白いから!』

って、杏奈が読みたいと思うような本から五冊くらい貸してくれた。
お礼を言ってそのまま持ち帰ったんだけど……どれから読もうかなって本を取り出した時に……

……本の間に挟まってたのか、百合子さんの自作の小説が出てきたの。


15 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:22:28.50 :w4u0dL2T0

もう借りてた本とかどうでも良くなっちゃって、百合子さんの書いた小説ってどんなのだろうとか考えながら開いたんだ。

なんと中身は、杏奈と百合子さんが恋に堕ちるまでの話だった。
恋心が芽生えて悶々とするところから始まって、最終的に告白まで長々と書いてあった。

杏奈とこうなりたいって思って書いたのかな。
そう考えたらこっちが悶々として、夜眠れなかったよ。
やっぱり百合子さんはずるい。


16 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:22:58.61 :w4u0dL2T0

百合子「あああああああああああれ!?あれ読んだの!?」

杏奈「うん、バッチリ……でもこれで分かったでしょ?百合子さんはずるいって」

百合子「いやずるいって言うか、その……私色々と恥ずかしいこと、してたんだね……」かぁあ


17 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:23:26.52 :w4u0dL2T0

杏奈「気付くの、遅すぎ……でも、そんな百合子さんだから杏奈は……」

百合子「どうかした?杏奈ちゃん」

杏奈「な、なんでもないっ……」


18 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:23:54.10 :w4u0dL2T0

杏奈(杏奈は百合子さんのこときっと好きなんだと思う。でも、この気持ちはまだ伝えない)
杏奈(だからこれは、百合子さんへのささやかな仕返し)
杏奈(杏奈がひたすらドキドキさせられたんだから、次は百合子さんの番)
杏奈(散々やられたことやり返して、杏奈にドキドキさせてやるんだから……)
杏奈「ふふっ……♪」


19 :◆bncJ1ovdPY :2018/05/01(火) 09:28:25.04 :w4u0dL2T0

終わりです
平和なあんゆりが読みたい人生だった

直接関係はないあんゆり過去作
百合子「音責め」

杏奈「百合子さんに嘘をついてみる」

その想いに気付く時


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