■関連SS
杏「事務所で」文香「フリートーク」ありす「はぁ……」
ありす「休憩時間の」文香「フリートーク」杏「差し入れだよー」
杏「事務所で」文香「フリートーク」ありす「その2です」
ありす「柚さんに」杏「ボイス実装!」文香「おめでとうございます…」
杏「文香ちゃんの誕生日を」ありす「祝いましょう」文香「……」


1 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 02:15:27.50 :Bwo1ghl90

※シンデレラガールズSSです。
※杏たちがなんらかの形で祝います。
※文香さんお誕生日記念(大遅刻)!

前々作
杏「事務所で」文香「フリートーク」ありす「その2です」

前作
ありす「柚さんに」杏「ボイス実装!」文香「おめでとうございます…」


2 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 02:17:25.91 :Bwo1ghl90

【事務所ドア前】

杏「文香ちゃんもう来てるね」

ありす「だから言ったじゃないですか……文香さんは必ずこの時間に来て読書していますから。ソースは私の独自研究です」

杏「杏にしては早く来たはずなんだけどなあ」

ありす「約束の時間から40分経ってますよ。誕生日サプライズどうするんですか? クラッカーも事務所の中ですし……」

杏「眠気には勝てなかったよ……仕方ないから、読書中の文香ちゃんの集中力に賭けるしかないね」

ありす「杏さんのせいなんですから、もっと責任感持ってください」


3 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 02:21:36.40 :Bwo1ghl90

ありす「そーっと、ですよ」

杏「このドアを静かに開けるのは無理だから諦めよう」ギィイ-!

ありす「ちょっと!」

【事務所】

杏「ほら、文香ちゃん気づいてないよ。今のうちにクラッカー持ってこよう」

ありす「……」

杏「橘ちゃん?」

ありす「いえ、昨日、帰る前にクラッカーを事務所に隠していったのですが、その……」


ありす「ソファーの下に……」

文香オンザソファ「……」ペラッ


杏「あー。文香ちゃんの下かあ」

ありす「読書が終わるまで待ちましょうか……」

杏「いやいけるよ。ほふく前進で」

ありす「いや、さすがに足元まで近づくのは」

杏「大丈夫大丈夫。ほら」グイグイ

ありす「じゃあなんで私を先に行かせようとするんですか!」

杏「あそこに置いたの橘ちゃんでしょ。大声出すとバレるよ?」

ありす「ぐっ……わかりましたよ」


4 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 02:28:48.10 :Bwo1ghl90

ありす「……あの、杏さん」ホフクゼンシン

杏「なに?」ホフクゼンシン

文香「……」ペラリ

ありす「これ、二人で行く必要ないと思いますけど」

杏「杏は見張りだよ。二人の方が索敵しやすいからね。退路も断てるし」ニヤリ

ありす「敵もなにも、文香さんしかいませんよ! それと本音は隠してください!」

杏「声が大きいよ」

ありす「誰のせいだと……あ、杏さん。この飴食べます?」

杏「え、飴くれるの!」バッ

文香「……?」チラッ

杏「あっ」

ありす「はぁ……もういいです」

杏「危ないところだった……さあ進もう」

ありす「いやもう無理ですって!思いっきり目が合ってましたし! というより現在進行形で!」

文香「ありすちゃん、おはようございます……」

ありす「あっ、ええと、おはyんむっぐ!」モゴモゴ

杏「だめだめ、静かにしないと見つかるよ」

ありす「理不尽な(いふふぃんは)!」モゴモゴ


5 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 02:32:36.42 :Bwo1ghl90

杏「獲物はすぐ近くだよ。慎重に手を伸ばして……」

ありす「諦め悪すぎません? 遮られたとはいえ挨拶まで交わしましたよ?」

文香「……きっと猫か何かですね……読書に集中しましょう」

ありす「乗らなくていいですから!」

杏「橘ちゃんが床にうつ伏せで叫んでる、と……」パシャ

ありす「写真付きで共有しないでください! って私スカートなんですけど後ろから撮らないで!」

杏「大丈夫、みんなが見れるわけじゃないから」

文香「……あ、事務所のグループトークに写真が送られて来ました……」ピロリン

ありす「ああそれなら別に……よくないです! それプロデューサーも参加してるんですよ!!」

文香「なるほど、イチゴ柄ですか……」

ありす「あああきこえない!!!」


6 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 02:37:19.83 :Bwo1ghl90

ありす「ここまできたらもう開き直りです! 文香さん、足元失礼します」ガサゴソ

文香「……」スッ

ありす「ふ、文香さん?」

文香「……ここを通りたければ、私の脚を倒してからです」

杏「くっ、こんなところで足止めを食らうなんて……脚だけに」

ありす「うまくないですよ。なんでお二人とも遊んでるんですか」

杏「弱点を見つけないと脚は倒せない。ここは杏も一緒に戦うよ」

文香「……」ペラッ

ありす「文香さんもう飽きてる!」

杏「くらえーっ」コチョコチョ

ありす「攻撃が地味!」

文香「……」プルプル

ありす「あ、ちょっと効いてますね」ツツ-

文香「……んひゅ」ビクッ

杏「!……どうやら弱点は」

ありす「“タイツの繊維に沿って爪でなぞる”ですね」

杏「とどめだー!」ツツ-!

文香「んふっ、んん……なかなか手強いですね……ですが」

杏「効いてないっ?!」

文香「私の本当の弱点は足の裏なので……こうして床に足をつけている限り、私を倒すことはできません」

ありす「ボスはどうして弱点を自らしゃべるんでしょうね」

杏「そうと分かれば……橘ちゃん」

ありす「分かってます」ギュッ

文香「……あ、ありすちゃん?」

杏「一人が脚を押さえているうちに……えい!」コチョコチョ

文香「……っ、ん~~っ、……ぁひっ!」

杏「橘ちゃん、今のうちにあれを!」

ありす「……あ、はい、クラッ……あれですね! 忘れてました」

文香「ん、……はぁ、はぁ……」

杏「相手が弱ってる……クラッカーをこっちに!」

ありす「はいっ」トス

杏「よしっ、構えて……せーの!」


7 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 02:42:14.05 :Bwo1ghl90

杏ありす「「お誕生日おめでとう!」ございます!」

文香「……?」シ-ン

ありす「あ、あれっ!?」

杏「これはクラッカーじゃなくて……」

文香「それは……ブナシメジです。香り松茸、味しめじと言いますが……この文脈でのしめじはブナシメジではなく、ホンシメジのことを指すのだとか」

ありす「キノコ解説なら他に適任がいる気もしますが」

文香「ふみペディアです……」

杏「クラッカー盗難事件……すり替えられていたブナシメジ……適任……まさか、犯人は!」

輝子「……正解だよ、小さな探偵さん……フヒ」

杏「杏は見た目は子供、頭脳は大人だからね!」ドヤァ

ありす「微妙に否定できないのが悔しいですね」

杏「言え……例のブツを、クラッカーをどこにやった!」

ありす「杏さんなんでそんなにノリノリなんですか」

輝子「知りたい……? なら、教えてあげる……クラッカーは、プロデューサーの机の……ウッ……!」パァンッ!

杏「輝子ー!」


8 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 02:46:11.47 :Bwo1ghl90

乃々「……おしゃべりが、過ぎるんですけど……」シュウウ…

ありす「乃々さんまで……輝子さんはクラッカーで死ぬ役なんですか?」

乃々「口の軽い奴は捨て駒にもならないので……消えてもらいました」

杏「くっ……なんて酷いことを!」

乃々「そんなに興奮しないでください……心配しなくても、クラッカーはここにあるんですけど」ガサ

ありす「いつの間にすり替えたんですか……ともかく、それを早く渡してください」

乃々「おっと、そこを動くと引き金を引きますけど……」

ありす「それただのクラッカーのヒモですよ」

杏「ありす、今は犯人を刺激しないほうがいいよ」

ありす「橘です。茶番はいいので早く返してください」

乃々「舐められたものですね……」クィッ

杏「だめだ、下がれありすーっ!」

ありす「橘です。だからそれクラッカーですよ」

乃々「戯言を……消してやりますけど!」パァンッ!

杏「やめろーっ!」


9 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 02:49:44.50 :Bwo1ghl90

文香「う、……っ」ガクッ

ありす「文香さん?!」

乃々「自分にクラッカーを向けようとした者を庇って……愚かな女なんですけど」

杏「文香ちゃんっ……嘘だあぁっ!」

ありす「頭にカラフルなテープ絡まったままシリアス続行するんですか?」

文香「あ……りす、ちゃ……」

杏「っ、喋っちゃダメだ! 傷口が……」

文香「ごめ、ん……ね、……最、後に、……ひとつ、だけ……」

ありす「なんですかもう」

文香「……さ、……」

ありす「さ?」


10 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 02:53:27.54 :Bwo1ghl90

文香「さ……サプライズ大成功、です……」

ありす「は? うわわっ!?」パァン! パパン!

杏「おめでとー!」

輝子「死体役は、小梅ちゃん直伝……どうだった?」

乃々「もりくぼはお雇い黒幕でしたけど……」

ありす「な、なんなんですかもう! もしかして杏さんも……文香さんもグルなんですか?!」

杏「まーね」

文香「脚本は私と、杏さんです……」

ありす「何かと思えば、全部仕込んであったんですね……はあ」

杏「文香ちゃんの足をくすぐるのは台本になかったんだけどね」

文香「あれはアドリブでしたが……ありすちゃんの指使い、……良かったです。またお願いできますか……?」

ありす「変なものに目覚めないでください」


11 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 02:59:38.96 :Bwo1ghl90

【数日前】

杏『そういえば文香ちゃん、もうすぐ誕生日だよね』

文香『……そういえば、そうですね。あまり気に留めていませんでした』

杏『なにか欲しいものないの? 本とか』

文香『これ以上本を望むのは贅沢というものですから……でも、強いて言うなら、私が……物語の中に入ってみたいです』

杏『というと?』

文香『憧れているシチュエーションがあるんです。“大切な人を庇って銃弾に倒れる”というのを……一度体験してみたいんです』


12 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 03:02:48.64 :Bwo1ghl90

~~

ありす「……それで、その文香さんのワガママを叶えるために台本を作って、協力者を取り付けたと」

乃々「なんでもりくぼが輝子ちゃんを……けぢめですか……」

杏「橘ちゃんと一緒に誕生日サプライズを企画して、その逆サプライズ演出にしたのは杏のアイデアだよ」

輝子「キノコ提供は、もちろん私……」

ありす「呆れを通り越して文句も出てきませんよ…………あれ?」



文香『“大切な人を庇って銃弾に倒れる”というのを……』



ありす「……ふふ、まあいいです。文香さんが楽しかったのなら」

文香「楽しかったです……ありすちゃん、ありがとう」

ありす「えへへ」

輝子「にやにやしてる……」

ありす「し、してませんよ!」

杏「橘ちゃんも楽しかったよね?」

ありす「無駄に疲れただけです!」

杏「まあまあ、じゃあ企画も終わったことだし……改めてクラッカーでお祝いしようよ」

ありす「……そうですね。なにはともあれ、文香さんの誕生日ですから」

文香「ありがとうございます……」

輝子「あれ、クラッカーは……?」

乃々(クラッカー使い切ってしまったんですけど……このタイミングで言い出すのは……むーりぃ……)


13 :◆csvpCWbN8Yuv :2017/10/30(月) 03:08:07.52 :Bwo1ghl90

これで終わりです。

文香さんの誕生日と聞いて書かせていただきましたが、思いっきり遅刻しました。
元はと言えば、くすぐり文香さんを書きたかっただけです。他にも脇の下とか弱そうだと思うんですけど、くすぐりSS流行りませんか?

読んでいただきありがとうございます。長々と失礼しました。


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【SS速報VIP】杏「文香ちゃんの誕生日を」ありす「祝いましょう」文香「……」
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