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1 :◆5F5enKB7wjS6:2017/06/30(金)22:30:20 :cxk(主)
―――とあるマンションの一室、リビング
泰葉「――それではこれより、『第4回・多田李衣菜生誕祭』作戦会議を始めます」
加蓮「始めましょう」
泰葉「李衣菜さんも今年で21歳。大人です」
加蓮「なんだか最近色っぽくなってきましたね」
泰葉「振る舞いも大人らしくなって」
加蓮「大人メイクも慣れてきて」
泰葉「好きな人ができたのでしょうか?」
加蓮「それは4年くらい前からでは?」
泰葉「確かにそうですね。さておき、早速本題に入りましょう。今年の誕生日プレゼントについてですが」
加蓮「はい」
李衣菜「あのさ、私もしかして席外した方がいい?」
2 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:30:57 :cxk(主)
このSSは
多田李衣菜「3年目の絆」
↑のSSの続きとなっています
李衣菜と泰葉と加蓮が一緒に住んでいて家族になっていたりちょっと大人になっているお話です
3 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:32:26 :cxk(主)
加蓮「あ、李衣菜さん。まずはお誕生日おめでとうございます」ペコリ
泰葉「おめでとうございます。良き1年になりますようお祈りしております」ペコリ
李衣菜「ご、ご丁寧にどうも。……じゃなくて!」
泰葉「どうかしました李衣菜さん?」
李衣菜「いや、どうもなにも。プレゼント考えてくれる……んだよね? 私いたらサプライズにならないんじゃ」
加蓮「考えるの面倒なので李衣菜さんに直接聞こうと思いましてですね」
李衣菜「面倒!? 祝う本人を前にして面倒って!」
泰葉「加蓮さん、言葉が過ぎますよ」
加蓮「はっ……ごめんなさい泰葉お姉さま李衣菜お姉さま」
李衣菜「ていうか喋り方気持ち悪いし……」
4 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:33:33 :cxk(主)
加蓮「気持ち悪いなんてありませんのことよ」
泰葉「そうでございますの」
李衣菜「どんどんおかしくなってる……。もういいよ、それで? プレゼント、なにかリクエストしてもいいってこと?」
泰葉「はい。どんなことでもお申し付けください、李衣菜お姉さま」
加蓮「私たちにできることならなんでも致します、李衣菜お姉さま」
李衣菜「じゃあその気色悪い喋り方今すぐやめてくれる?」
「「でしょうね」」
5 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:34:59 :cxk(主)
加蓮「なにこれ気持ち悪っ。お姉さまだって。おえ」
泰葉「背中痒くなってきちゃった……」
李衣菜「はぁ……。なんなの一体」
泰葉「ノリで」
加蓮「泰葉がなんか始めたからノッとこうと思って」
泰葉「お姉さまだと別の意味になっちゃうよ」
加蓮「んー? 別の意味ってなーにかな~? 加蓮ちゃん子供だから分かんないなぁ~」
泰葉「うわ……」
李衣菜「もうすぐ20歳の女がなんか言ってるよ……」
加蓮「結構つらい」
6 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:36:21 :cxk(主)
泰葉「ともかく。李衣菜、なにか欲しいものはないの?」
李衣菜「えー? んー、そう言われても特にないなぁ……」
加蓮「じゃあ私たちにしてほしいことでもいいから。せっかくお姉ちゃんの誕生日なんだし、ねぇ?」
泰葉「ふふ、うん。たまには妹の顔も立ててほしいな」
李衣菜「あはは……。それ言ったら顔立てたいのはむしろ私だよ、いつもお世話になってるしさ」
7 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:37:34 :cxk(主)
泰葉「え? お世話した覚えなんてないけど……」
李衣菜「ほら、毎朝起こしてくれたり」
加蓮「そんなのお世話のうちに入んないから。家族なんだから当然でしょ」
李衣菜「う……。じゃ、じゃあ……あ、遅く帰ってきたときご飯あっためてくれたり!」
泰葉「それはお互い様でしょう。李衣菜だって遅くまで起きて用意してくれるじゃない」
李衣菜「そ、そうでした……」
8 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:38:24 :cxk(主)
加蓮「はいはい、もういいから。観念して妹に甘えなさい」
泰葉「なにもないって言うなら……、とりあえずぎゅってする?」
加蓮「あ、いいじゃん! するするー」
李衣菜「え、いやなに言って」
加蓮「ぎゅー」
泰葉「ぎゅ」
李衣菜「あうっ」ムギュウ
9 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:39:40 :cxk(主)
加蓮「ん。李衣菜抱きしめるのって結構久しぶり?」ギュー
李衣菜「あ、あの……」
泰葉「かも。前よりもずっと忙しいし……」ギュー
李衣菜「2人とも~……?」
加蓮「はぁ……落ち着くー。昔みたいにじゃれつくーなんてあんまりできないしなー」スリスリ
泰葉「あれ、加蓮は時々李衣菜のベッドに潜り込んでなかった?」スリスリ
加蓮「それはノーカンのーかん。李衣菜いないときだけだし」
泰葉「ふふ……もう」
李衣菜「ちょ、ちょっとぉ……!」
10 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:41:18 :cxk(主)
泰葉「なぁに李衣菜。なにかしてほしいこと思いついた?」
加蓮「なにもないなら今日ずっとこうだからね。ふふふっ」ギュッ
李衣菜「…………。うん、これがいいな。このまま……。なんだか抱きしめられたら安心しちゃった」
加蓮「へ? なにそれ」
李衣菜「だから、こうしてハグしてくれるの。これが誕生日プレゼントで」
泰葉「え、こんなことでいいの? 言ってくれたらこれくらいいつでも……」
11 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:43:15 :cxk(主)
李衣菜「うん。いつでも言えたけど……なんか、大人になったんだからしっかりしなくちゃ、って考えてたから」
加蓮「!」
李衣菜「だから……2人には甘えられなかった。お姉ちゃんだし。……Pさんには相変わらずだけどさ、えへへ」
加蓮「……甘えていいんだから。もっともっと、今日だけじゃなくて」ギュ…
李衣菜「ん……。お姉ちゃんらしく、大人らしくしなきゃ……って思ってたけど……背伸びしすぎてたかな」
泰葉「そうね、ちょっとロックじゃなかったかも。ふふっ……♪」ギュウ…
12 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:44:41 :cxk(主)
加蓮「お姉ちゃん」
李衣菜「あ、うん……はい」
加蓮「これからも私、わがまま言うかもしれない」
李衣菜「うん」
加蓮「だからお姉ちゃんもわがまま言って。言っていいんだから。あなたの妹からのお願い」
李衣菜「へへ……分かった。ありがと」
加蓮「♪」
泰葉「ずるい加蓮……言いたいこと全部言っちゃって」
加蓮「ふーん♪」
13 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:46:39 :cxk(主)
泰葉「もう。……私はね、お姉ちゃん」スリ…
李衣菜「泰葉」
泰葉「私……やっぱりあなたのことが大好き。いつも眩しくて、真っ直ぐで、自分の間違いを素直に認めて正すことができる」
李衣菜「そ、そんなかな私……照れるよ」
泰葉「きっとこれからもそれは変わらないと思うの。ずっとずっと、もっと大人になっても……」
李衣菜「え、えへへ。そこまで言われるとなー……私も泰葉と一緒に大人になりたいな」
泰葉「うん♪」
14 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:47:59 :cxk(主)
加蓮「私は私はー?」
李衣菜「もちろん加蓮も一緒だよ。3人で大人になろう!」
加蓮「えへへ、うんっ。また再スタートかな、私たち!」
泰葉「定期的に仲良ししないとね、ふふっ♪」
加蓮「仲良し……なんか意味しーん」
15 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:48:47 :cxk(主)
泰葉「お姉さま呼びよりマシでしょう?」
加蓮「わ、やめてよ気持ち悪ーい。忘れかけてたのに」
泰葉「加蓮が先に言ったんでしょ……まったく、お子様なんだから」
加蓮「なによー」
李衣菜「喧嘩しないでよー、あはは――」
李衣菜(結局、具体的な誕生日プレゼントは思いつかなかったけど――)
李衣菜(また一歩、絆を深められたかな……なんて!)
―――
――
―
16 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:50:10 :cxk(主)
―――後日、事務所
李衣菜「――だぁ~……。疲れたぁ……」グデ…
泰葉「ふふ、お疲れさま。朝から生放送のレギュラーだものね……次のお仕事までゆっくり休んで」ナデナデ
李衣菜「あぁ眠い……。Pさぁん、やっぱ私に朝番は厳しいですってぇ」ゴロゴロ
P「そんなこと言って1年以上続いてるじゃないか。人気コーナーなんだから頑張れ」
李衣菜「コーナーじゃないですプログラムですー。Pさんペナひとつ~」
P「ああそういえばそうだったな……」
泰葉「ふふふ、拘りあるくらいならまだまだ続きそう……♪」
17 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:51:49 :cxk(主)
加蓮「――やりたくないんじゃ私がもらっちゃうよレギュラー。朝得意だし」ヒョコ
李衣菜「んぁ、加蓮……やだ、あげないからね」
加蓮「なんだ、つまんないの。……泰葉、膝枕交代」
泰葉「ん、はい。李衣菜、一旦起きて」
李衣菜「んー」ムクリ
加蓮「しょっと。はーい加蓮ちゃんのお膝にかもーん♪」
李衣菜「よいしょーえへへー」ポスン
18 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:53:05 :cxk(主)
P「交代制なのか」
泰葉「です。ふふ、李衣菜はこれからまた甘えるそうなので」
P「ん? 甘える?」
泰葉「大人らしくより、私たちらしくということで。誕生日プレゼントです」
P「???」
加蓮「こしょこしょー♪」コチョコチョ
李衣菜「あはっやめて、やめてよかれん~っ♪」ケラケラ
19 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:54:32 :cxk(主)
P「あんまりじたばたしちゃダメだぞ~。もう立派な女性なんだから」
李衣菜「へへへ、いいじゃないですかー。外じゃ流石にアレですけどホームですし」
P「良くないって……大人っぽくなってきてるんだから」
加蓮「そう? 未だに童顔なのに」
李衣菜「おおう言ってくれるね!? 泰葉よりマシだよ、泰葉なんか写真の角度によってはたまに中学生なのに!」
泰葉「あっなんで私!? 気にしてるのにっ!」
P「お、おいおい」
20 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:55:30 :cxk(主)
加蓮「ふーんだ、李衣菜と泰葉のお子様~っ♪」
李衣菜「なにおーっ!」
泰葉「2人とも表に出なさいっ!」
P「……まだまだ子供、だなぁ」
おわり
21 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:56:11 :cxk(主)
というお話だったのさ
李衣菜誕生日おめでとう!!
22 :◆5F5enKB7wjS6 :2017/06/30(金)22:56:40 :cxk(主)
モバP「だりやすかれんとお留守番」【モバマスSS】
ひとつ前のお話
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【おーぷん2ch】多田李衣菜「4年過ぎてまた始まる」【モバマスSS】
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