注意:ホラーやキャラ崩壊の要素があるかもしれません


小梅「は、始まりました…SCP紹介ラジオ…第5回目、です…」

小梅「この番組は…SCP Foundationという創作サイトの中から、私…白坂小梅がSCPを紹介していく番組、です…そして…?」

幸子「カワイイボクこと、輿水幸子が小梅さんのお話を皆さんと一緒に聞く番組です!」

小梅「今日は、ゲストが来てくれてるよー…」

みく「リスナーのみんな、こんばんはー!前川みくにゃ!よろしくにゃん♪」

幸子「今回の犠牲者はみくさん…よろしくお願いします」

みく「犠牲者って何にゃ!?やっぱりアブナイ番組なの!?」

小梅「やっぱり、ってことは…番組のこと、誰かから聞いたの…?」

みく「美穂チャンがゲストで来たって聞いたから、どんな番組か聞きに行ったんだけど…頑張って、としか…」

幸子「あぁ…」

みく「…もう嫌な予感しかしないにゃ」

小梅「そ、それじゃあ紹介、始めていくよ…」


2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 19:43:50.82 :qCG/Hbkd0

小梅「SCP-529 - Josie the Half-Cat (半身猫のジョーシー) Object Class: Safe」


小梅「今日は、みくちゃんがゲストだから…ねこ回だよ…」

みく「わあぁ!かわいいネコちゃ…ん?」

幸子「…下半身が、ないですね…」

小梅「SCP-529は、灰色模様の、小さな家猫だよ…見ての通り、胸部からしっぽまでが、無くなってるんだ…」

小梅「でも、怪我してるわけじゃなくて、この猫…ジョーシーは健康そのものだよ…」

幸子「ちょっと不気味ではありますが、ちゃんと生きてる猫なんですね…」

みく「このネコチャン、無くなってる部分はどうなってるにゃ…?」

小梅「ジョーシーは、体が半分だから足も2本なんだけど…動き方は、普通の猫と同じなんだ…」


3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 19:45:28.14 :qCG/Hbkd0

小梅「2本足で歩いてるんじゃなくて、無いはずの後ろ足も使って歩いてるように見えるし…見た目だけだと、重心がおかしくなってると思うよ…」

小梅「でも、見えないだけじゃなくて、本当に下半身は無いから…触れないよ」

みく「身体の半分が幽霊みたいなネコチャンにゃ…」

小梅「無くなってる体の断面は…真っ黒な穴になってて…光も吸い込んじゃうから、中を確認することは、できてないよ…」

小梅「触っても、特に問題は無くて…撫でてあげると、喜んでくれるよ…ただ、やり過ぎると引っかかれるみたい…」

小梅「それ以外は、特異性は何もなくて…危険な要素もないから、収容方法も、施設内なら自由に歩かせていいことになってるよ…」

幸子「下半身が無い以外は、完全に普通の猫なんですね…」

みく「恐ろしい生き物なのかと思ったら、ちょっと不思議なだけのかわいいネコチャンだったにゃ」

幸子「…みくさん、油断しない方がいいです。こんな安全なSCPは稀です。大半は危険なものなんです」

みく「…そうだったにゃ。美穂チャンのこと忘れそうになってたにゃ」

小梅「…幸子ちゃん、そうやって身構えさせちゃ、ダメだよ…?」ニコッ

幸子「ひっ!…ご、ごめんなさい…!」

みく「何か、主従関係みたいなのが出来上がってるにゃ…」


4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 19:47:18.20 :qCG/Hbkd0

小梅「次のSCPは、これ…」

小梅「SCP-607 - Dorian the Grey Cat (灰色猫のドリアン) Object Class: Euclid」

http://scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-607 tunedtoadeadchannel 作

みく「眠そうなネコチャン…やっぱりかわいいにゃぁ…」

小梅「SCP-607は、ドリアンって書かれた首輪をつけてる、アメリカンショートヘアーだよ…」

小梅「SCP-607は最初に会った人間と…結束、をするんだけど…SCP-607と結束した人間は、ネガティブな共生関係が築かれるよ…」

幸子「ネガティブな、共生関係…ですか?」

小梅「うん…この猫は、発見された時から、ご飯も食べないし、無気力で、生きる気力がないように見られるんだけど…」

小梅「そういうネガティブな部分が、結束した人間にも影響して…この猫、ドリアンが死んじゃうと…結束した人間も、同じ死因で死んじゃうんだ…」

みく「生きる気力がないネコチャンと、文字通り生死を共にするようになるってこと…?」

小梅「そう…でも、共生関係は、精神的なものだけじゃなくて、肉体にも影響があるんだ…」


5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 19:49:54.93 :qCG/Hbkd0

小梅「実験だと、ドリアンが殴られたら、結束した人間にも痣ができるし…前足が折れたら、人間の腕の骨も、折れちゃうし…銃で撃たれたら、人間にも銃弾を受けた痕ができるよ…」

みく「ひ、ひどい実験…ドリアンがかわいそうにゃ…」

幸子「この猫が死んじゃった結果が分かってるってことは、もうこの猫はいないんですか?」

小梅「ううん…ドリアンは、死んじゃってから24時間経つと、怪我が治って蘇生するんだ…それで、蘇生後に初めて会った人間と、また結束するよ…」

小梅「ドリアンは、無気力なだけじゃなくて、行動も自滅的で…自分の爪で自分を傷つけたり、道路に飛び出したり、毒物を食べたり…自分から、死んじゃおうとする傾向が強いんだ…」

幸子「自--し続ける猫、ですか…人を巻き込みながら…」

小梅「今は、偶然財団のエージェントと結束しちゃって…エージェントも、ドリアンと仲良くなろうと頑張ったんだけど…傾向は、変わってないよ…」

小梅「だから、ドリアンに生命維持装置を付けて、箱の中で拘束するっていう収容方法になってるよ…エージェントもすぐそばにいるようにして、監視対象にされてるんだ…」

みく「…後味の悪いネコチャンにゃ…」

幸子「猫からすれば、死にたくても死ねない状況が続いてるわけですからね…自滅的にもなりますね…」

小梅「もし、ドリアンとエージェントが仲良くなれたら…寿命まで生き続けて、死んだ後にエージェントがどうなるか…気になるね…」


6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 19:51:49.88 :qCG/Hbkd0

小梅「最後のSCPは…」

小梅「SCP-531 - Paired Brass Guard Cats (対の真鍮製守り猫) Object Class:Safe」


小梅「SCP-531は、真鍮でできた、ペアになってる猫の像だよ…今は、全部で14体あるんだ…」

みく「遺跡とかにありそうな見た目してるにゃ…」

小梅「そう…エジプトにあるお墓から見つかって、収容されたんだ…」

小梅「SCP-531は、ペアで互いに向き合ってる時に、その間を通らないようにする心理的な影響を与えるよ…」

幸子「つまり、向き合ってる像の間を通れなくなるってことですか…?」

小梅「うん…でも、これはあくまで心理的な影響だから、意思がないものは普通に通れるよ…自動運転の車、とか…」

小梅「この影響は、間を通ることにとっても強い嫌悪感を感じさせるみたいで、バリアみたいだから…意思のあるSCPの収容に使えないか、検討されてるよ…」

小梅「詳しいやり方は、サイトのほうに載ってるから、見てみてね…」


7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 19:55:29.28 :qCG/Hbkd0

みく「お墓の門番みたいなネコチャン像…ちょっと見た目が怖いけど、空き巣対策には便利そうにゃ」

小梅「問題は、ペアで向き合ってないときの特性、なんだ…」

幸子「やっぱりまだ何かあるんですね…」

小梅「SCP-531の視線がペアで向き合ってない…1体しかなかったり、向き合わせずに設置されてるときに…そのSCP-531を見た人は、SCP-531と目線を合わせなくちゃいけないっていう強い圧力を感じるんだ…」

小梅「一度視線が合ったら…誰かに協力してもらわないと、視線を外せなくなっちゃうよ…」

みく「ネコチャン像をじーっと見つめたまま動けなくなっちゃうってことにゃ?」

小梅「動くことはできるけど、目線を合わせる範囲で、かな…でも、段々動けなくなって…そのまま、1時間くらいかけて、体が変形して…最終的に、自分もSCP-531に、なるよ…」

みく「怖っ!?」


8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 19:57:08.51 :qCG/Hbkd0

幸子「自分自身も像に…まさか、14体って…」

小梅「そう…お墓にあったのは、ペアの2体だけだったんだけど…実験とか、不慮の事故で、今は14体になってるんだ…」

小梅「だから、そのうちの12体は…元は人間、だよ…」

みく「み、見た目以上に恐ろしい像だったにゃ…」

小梅「今日は、アレンジ実験記録の朗読、みくちゃんにやってもらうよ…」

みく「え"っ」

小梅「みくちゃん、猫の吹き替えのお仕事、やりたがってたもんね…」ワクワク

みく「あれはそういう意味じゃないにゃあああああああああ!」

幸子「…ほっ」

小梅「幸子ちゃんは、また今度…ね?」

幸子「…ハイ」


9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 19:59:21.47 :qCG/Hbkd0

SCP-531の実験は最初の主任研究員[編集済]に代わりコウメ博士が実施しました。これより以前の実験は不適当な文書のため公式な概要として含まれていません。

実験-531-B1:
高い精神的抵抗閾値が計測されたクラスD-ミクに対しSCP-531-7を晒しました。


[0:00]
被験者D-ミク(以下ミク):あぁ…綺麗にゃ、どこ…?ああ…あの目にゃ…

コウメ博士(以下コウメ):目は、どんな感じなの…?

ミク:なんていうか…要求するような目にゃ…ようきゅ…め、目が…目が離せないにゃ!ねぇ、嘘じゃない、離せないにゃ!


[ミクは[編集済]の腕を掴もうとしたが、警備員が警棒を軽く振ってミクに同じ行動をしないようにする。
ミクは悲鳴を上げるが像から視線を外さない。]


コウメ:何を、要求してるの…?

ミク:分からな…ああ。だめにゃ、おねかい、やめて…

コウメ:何を、要求、してるの…?

ミク:ミクを求めてる…あれは、ミクが必要にゃ…嫌にゃ!やだ!やめて!


10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 20:00:56.97 :qCG/Hbkd0

[0:27]
[この時点でミクは直接SCP-531の前で屈み、震えながら多量の汗をかいている。]


ミク:あぁ…カミサマ、あーにゃん、のあにゃん…助けて…

コウメ:ミクちゃんの祈りは、十分聞いたよ…まだ、答えてないよね…?像は、なんて言ってるの…?

ミク:寂しいって…うう、とても寂しいって…カワイイボクのカワイイ相方がなくなってしまったって。今、この子に話し相手がいないにゃ…この子を満たすものがないんだにゃ…


[メモ:ミクが影響を受けているこのSCP-531は[編集済]博士であり女性。ミクは生前の像の知識は与えられていない。]


コウメ:その子の名前は…?

ミク:知らない…うう…ああおねがい、この子を見ちゃうのを止めて!

コウメ:別に、強制はしてないよ…?その子について、教えて…


11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 20:02:17.66 :qCG/Hbkd0

[0:45]
[ミクはまだ身を低くしていて呼吸は乱れているが、震えは収まっている。
被験者の衣服は散り散りに砕け始め、大部分が異様に滑らかで青銅色なった皮膚を晒す。この時点でミクの身体の形は顕著にネコ科の姿に変形している。
目の端から涙が溢れ続けるが、目は磨かれた琥珀のようになり瞬く事が出来なくなっている。]


コウメ:まだ、その子に抵抗してるの…?

ミク:そうにゃ…くそったれ…

コウメ:続けて…いいデータが、手に入ってる…

ミク:[すすり泣き笑い]言ってるにゃ…助けにはなれないって…言ってるにゃ…あんたもクソ野郎だって…

コウメ:だろうね…でも、私はサチコちゃんが策定したものより…安全な手順に従う…クソ野郎、だよ…


12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 20:03:41.19 :qCG/Hbkd0

[1:09]
[現時点でミクは他SCP-531とほぼ区別はつかず。皮膚は完全に金属的な光沢を放ち、静止した身体は大きな猫のように形作られている。
呼吸は感知できないが、バイタルサイン遠隔測定は毎分1拍子未満の心拍数と胸の鼓動を示す。]


コウメ:これで…終了?

「コウメ博士は拳でミクの頭を軽く叩き、金属音が鳴る。」

ミク:……オ……ア……

コウメ:もう、一度…

[コウメ博士はミクの口にマイクを近づける。]

ミク:……きれい、にゃ……


[更なるミクからの聞き取り可能な音声反応はなし。鼓動は1:13に停止。]
[音声記録終了。被験者ミクは現在SCP-531-8と指定されている。]


13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 20:04:32.79 :qCG/Hbkd0

幸子「…」

小梅「…お疲れ様、よかったよ…」

みく「ぐすっ…嫌にゃぁ…像になんてなりたくないにゃぁ…」

小梅「大丈夫だよ…創作だから…作り話だから…よく頑張ったね…」ナデナデ

幸子(しれっとボクも被害者になってたんですが…)


14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 20:05:56.25 :qCG/Hbkd0

小梅「今日の放送は、ここまでだよ…どうだった?」

みく「…えらい目にあったにゃ」

幸子「それでも、初めてでしっかり演じきれてましたね…さすがです」

みく「美穂チャンが頑張ってって言ってた意味が分かったにゃ…ラジオ番組とは思えない疲労感…」

小梅「みくちゃんの死にかけみたいな演技…すごかったよ…」

みく「アイドルなのに死にかけみたいな演技を褒められてる…」

小梅「お相手は、白坂小梅と…」

幸子「輿水幸子と!」

みく「ネコチャンは無害でかわいい子に限る!前川みくでしたー!」

小梅「ばいばーい…」


15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 20:12:40.60 :qCG/Hbkd0

おまけ

SCP-040-JP ねこですよろしくおねがいします オブジェクトクラス: Safe


SCP-040-JPは、██県の旧██村に放置されていた、井戸小屋です。小屋は木造で、幅約5m、奥行き4mほどの平屋です。
小屋の中央には古い年代に造られたと推測される石造の井戸が存在し、真っ直ぐ地下へと続いています。
井戸は異常に深く、探査機による調査でもこの井戸が何処まで続いているのかは未だ不明のままです。

中略

この小屋の中を人間が覗き込むと、対象は激しく動揺し、「ねこが居た」と報告します。
更に対象はこの"ねこが居る"という観念に、以降強く執着する事になります。

また、曝露した対象は「"ねこ"が居る」という観念を他者に積極的に伝えようとします。
ある程度この観念を理解した人間は、最初に曝露した対象と同様の反応及び認識異常を被る事になります。
どの程度話を聞けばそうなるのか、それとも何かトリガーとなるワードが存在するのかはわかっていませんが、これはねこです

01



16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 20:15:10.20 :qCG/Hbkd0

ねこはいます。いますその観念を伝えるのに必要な媒体は特に制限は無く、発話・文章・映像・絵画など、あらゆる媒体でも効果があります。
その為曝露した対象自体に異常性があるのではなく、この"ねこ"はそこに居ます観念その物にミーム的効果があると推測されています(担当者は文書「[編集済]」を参照してください)。
います。この観念伝達の為の行動は極めて自然な物を装う為、曝露最初期の動揺を抜けた後では、対象が曝露して影響下にあるかどうか判断する事は困難です。ねこでした


 
よろしくおねがいします
02



17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/22(土) 20:17:59.07 :qCG/Hbkd0

終わりです。

SCPのサイトを読んだ後にねこはいます背後や暗闇が異様に怖くなるのはあるあるだと思います。ねこでした


SS速報VIPに投稿されたスレッドの紹介です
【SS速報VIP】幸子「Sachiko.Coume.Protect」 小梅「SCP紹介ラジオ…!」 その5
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1492857754/