前作
橘ありす「わらしべ長者フレデリカ?」


2 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:05:32.65 :EGar4AzC0

~事務所~

ガチャ

橘ありす「おはようございます」

五十嵐響子「あ! ありすちゃん、おはようございます」パタパタ

ありす「響子さん。手にハタキ……ということは、お掃除中ですか?」

響子「はいっ。そうなんです!

ありす「ご苦労様です。何かお手伝いしましょうか?」

響子「いえいえ、もうほとんど終わってるので、大丈夫ですよ」

ありす「そうですか。何だか申し訳ないです……」

響子「ふふっ。気持ちだけで十分です。……あ、でも」

ありす「?」

響子「あの棚の上の方、私じゃちょっと届かなくて……」

ありす「ああ、ですが、それは私では解決できませんね……」

響子「でも、大丈夫です! お手伝いとして、真奈美さんを呼んであるので」

ありす「なるほど、真奈美さんなら余裕でしょうね」

響子「そろそろ来てくださるはずなんですが……」

ガチャ

ありす「あ、噂をすれば、でしょうか」


宮本フレデリカ「お掃除、木場に代わりまして~! 宮本~!」ババーン


ありす&響子「!?」


3 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:06:18.92 :EGar4AzC0

フレデリカ「こーんにーちはー!」

ありす「ふ、フレデリカさん!?」

響子「木場さんに代わりましてって、どういうことなんですか……?」

フレデリカ「さっき電話があったの! なんか、『インドで虎を狩りに行くロケが入ってしまって……』だって!」

ありす「なんて仕事をアイドルに持ってきてるんですか!?」

フレデリカ「二つ返事でOKしたって!」

響子「悩みましょうよ!?」


4 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:07:05.44 :EGar4AzC0

フレデリカ「だから、フレちゃんが来たんだよー!」

響子「ま、まあ、手伝ってくださるなら嬉しいんですけど……」

フレデリカ「ハタキ借りるねーっ」パッ

フレデリカ「えいっ! えいっ!」パタパタ

響子「……」

フレデリカ「えいっ! えいっ!」パタパタ

ありす「……」

フレデリカ「えいっ! えいっ!」パタパタ

フレデリカ「ふー……!」

ありす&響子「……」

フレデリカ「届かないね!」

ありす&響子「ですよね!!!」


5 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:07:54.49 :EGar4AzC0

ありす「なんで1回目で諦めなかったんですか!」

フレデリカ「もしかしたらこのタイミングで、ググーンと背が伸びるかも……」

響子「いや、流石に、それはちょっと……」

ありす「ありえませんよ! バカじゃないですか!」

響子「あ、ありすちゃん、それは当たりが強いんじゃ……」

フレデリカ「わかんないよ~? ありすちゃんだって、明日にはナイスバディーかもよ~?」

響子(その返しもちょっと……)

ありす「それは……まあ、ありえますが……」

響子「ありすちゃん!? あまり言いたくないですけどありえないですからね!?」


6 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:08:32.12 :EGar4AzC0

ありす「はっ! と、とにかく、掃除できてないじゃないですか」

フレデリカ「おっかしいね~?」

響子「まあ、真奈美さん(172cm)でギリギリですからね……」

フレデリカ「フレちゃん(164mm)じゃムリだったよ……」

ありす「単位」

響子「小人なんですか?」

フレデリカ「大人だよーっ!!!」プンプン

響子「沸点がぜんぜんわからない……」
 

7 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:09:14.13 :EGar4AzC0

フレデリカ「さて、どうしよっか?」

響子「いえ、別に今日やらなきゃいけないわけでもないですし……」

ありす「背の高い人が来るまで後回しでいいんじゃないんですか?」

フレデリカ「そうだね! フレちゃんがありすちゃんを肩車すれば解決だね!」

ありす「話聞いてましたか!?」

フレデリカ「かもーん!」シャガミ

響子「は、早い……」

ありす「い、イヤですよ!」

フレデリカ「ええ~? なんで~?」

ありす「なんでじゃないです!」

フレデリカ「じゃあキョーコちゃん!」

響子「ええ!? わ、私ですか!?」

ありす「!?」

フレデリカ「かもんかもん!」

響子「あ、でも、ちょっと楽しそうかも……」チラッ

ありす「……」

フレデリカ「でっしょー?」

ありす「だ、ダメです!!!」

響子「え?」

フレデリカ「?」
 

8 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:09:42.43 :EGar4AzC0

ありす「あ……い、いや、その、き、響子さんより私の方が軽いですし……いえ、決して響子さんが重いとかそういうあれでは……で、でもフレデリカさん的にも楽な方がアレですし……だ、だからと言って私が乗るとも言ってなくて……!」グルグル

フレデリカ「???」

響子「お、落ち着いて!」

ありす「ぜ、ぜんぜん、響子さんが乗っても私的にはぜんぜんアレですけど、でもあの、高さ的にも高すぎて困って天井とか危ないかもしれなくて、も、もちろん私が乗るなんてわけでもないんですけれど……えっと……えっと、なんなんですかもう!!!!!」グルグルグルグル

響子「あ、ありすちゃん!」

ありす「えっと、えっと」

フレデリカ「ありすちゃん」

ありす「は、はひっ!」

フレデリカ「……かもん!」キラキラ

響子(何ですかこの表情)

ありす「よ、よろしくお願いしましゅ!?」

響子「ありすちゃん! 正気に戻って!」

フレデリカ「いっくよー? せーのっ!!!」

ガチャ

諸星きらり「おっすおっす! 今日もいい天気だにぃ! ……あれあれー? どうかしたのー?」


ありす「あ」

響子「あ」

フレデリカ「あ」


きらり「?」


9 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:10:19.89 :EGar4AzC0

~~~~~~~~~~


響子「きらりちゃん、ありがとうございましたっ」

きらり「これくらいおやすいごようだにぃ☆」

フレデリカ「いやー、フレちゃん、活躍できなかったね! 残念無念!」

ありす「……」

響子「……ありすちゃん?」

ありす「ふ、フレデリカさんがきらりさんを肩車すればよいのでは!?」グルグル

響子「まだ混乱してたんですか!?」


10 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:10:55.22 :EGar4AzC0

響子「あ!」

フレデリカ「どうかしたのー?」

響子「流れで言い忘れてましたけど、、今日、フレデリカさんの誕生日じゃないですか!」

ありす(……!)

きらり「うきゃー! めでたいにぃ!」

フレデリカ「おおー! まるでフレちゃん博士だね!」

響子「というわけで、はい、プレゼントのエプロンです!」サッ

フレデリカ「え! いいの!?」

響子「はい! トリコロールの、可愛いデザインなんですよ!」

フレデリカ「Da? Vi? Vo?」

ありす「トリコロールって聞いた途端に編成組もうとするのやめましょう」


11 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:11:37.31 :EGar4AzC0

きらり「じゃあきらりからは、はい!」

フレデリカ「わ! マシュマロの詰め合わせ!」

きらり「とっても美味しいんだよぉ?」

フレデリカ「きらりちゃんが言うなら間違いないね! 家宝にしちゃおう!」

ありす「食べ物を!?」

フレデリカ「じゃあ食べよ! ありすちゃん! マシュマロ投げて!」

ありす「普通に食べてください!」

きらり「いっくにぃ~!!!」ガバッ

ありす「なんで振りかぶってるんですか!」

フレデリカ「おもしろき こともなき世を おもしろく」

ありす「すでに辞世の句をしたためている!?」

きらり「えいっ!!!」ギュオオォォォォン

響子「マシュマロが飛ぶ効果音じゃない!!!」

フレデリカ「フレちゃんね? 無事に帰れたら、ありすちゃんにプロポーズするんだ……」

ありす「この期に及んで余計なフラグを!!!!!」


12 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:12:24.82 :EGar4AzC0

フレデリカ「楽しかったよ……」

ありす「フレデリカさん!!!」


ギュオオォォォォン!!!!!!!!!!


響子「ああ!!!」



ポスッ



ありす「……」

響子「……」

フレデリカ「……あれ?」

きらり「なーんて☆ 運動エネルギーは質量と速さの2乗をかけて2で割った値だから、とーっても軽いマシュマロがちょ~っと速くっても、ダメージは少ないんだにぃ☆」

ありす「きらりさん!?」


13 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:13:10.61 :EGar4AzC0

~~~~~~~~~~


フレデリカ「響子ちゃんときらりちゃんはライオンを狩りに行ったよ!」

ありす「急にウソつかない! そもそも誰に言ってるんですか!」

フレデリカ「ありすちゃん、ここからは響子ちゃんがいないけど、大丈夫?」

ありす「よ、余計なお世話です!」

フレデリカ「ふーん? じゃ、行こっか!」

ありす「……はい?」

フレデリカ「今日のフレちゃんは、困ってる人を助けるピンチヒッターだよ!」

ありす「……今日はそういうコンセプトなんですね」

フレデリカ「慣れてきたね!」

ありす「不本意極まりないですが」


14 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:13:57.07 :EGar4AzC0

フレデリカ「よーし! じゃあ、この部屋に突撃~☆」ガチャ

ありす「相変わらず適当な……」


兵藤レナ「あら、こんにちは」


ありす「げ、レナさんじゃないですか」

レナ「げ、だなんて失礼ね。傷ついちゃうわ」

フレデリカ「なにしてるのー?」

レナ「ちょうどよかったわ、私とちょっと遊ばない? ヒマになっちゃったところなのよ」

フレデリカ「いいよいいよ! なにするのー?」

レナ「まずお互いにナイフを持って、その逆の手同士を紐で結びます」

ありす「デスゲームの気配」

レナ「冗談よ、和ませるための、気が利いた、ね」

ありす「気が触れた、の間違いでは?」

レナ「勝負に使うのは、今話題のトランプよ」スッ

ありす「今話題のって必要でした?」

フレデリカ「え! 気の触れたトランプ!?」

ありす「わざわざ発言をさかのぼって国際情勢に殴り込むのやめません!?」


15 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:14:31.56 :EGar4AzC0

ありす「というかヒマになっちゃったって、何か予定があったんですか?」

レナ「うーん、まあ、予定と呼べるほどのものでもないわ。ほたるちゃんに、トランプゲームのコツを教えてあげる約束をしてたんだけど」

フレデリカ「ふむふむ! アイドルトークもあるもんね!」

ありす「そういうのやめましょう」

レナ「ほたるちゃんから、体調不良で来れないって連絡があってね。」

ありす「それで時間が空いたんですね」

レナ「ま、どのみち空き時間だったから問題ないわ」

フレデリカ「ほたるちゃん、風邪でも引いちゃったの?」

レナ「それが、インフルだって」

ありす「ああ、いくらほたるさんが強くても、インフルは出社停止ですからね」

フレデリカ「インフルレンジャー?」

ありす「なんですかその不健康な集まり」

レナ「いいえ、インフルネンザよ」

ありす「インフルネンザ!?」


16 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:15:27.52 :EGar4AzC0

ありす「い、インフルエンザではなく!?」

レナ「ええ、インフルだと診断された帰り道に、バナナナの皮に滑って転んだらしいわ」

フレデリカ「バナナナ!?」

ありす「ば、バナナではなく!?」

レナ「ええ、フィリピソって国でよく取れるらしいわ」

フレデリカ「フィリピソ!?」

ありす「ふ、フィリピンではなく!?」

レナ「ええ、東南ゴジラに属する国らしいわ」

フレデリカ「東南ゴジラ!?」

ありす「と、東南アジアではな……もういいですよ!!!」


17 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:16:45.42 :EGar4AzC0

ありす「なんですか今のノリは!!!」

レナ「あら、楽しんでたじゃない」

ありす「そ、そんなことないです!」

レナ「まあいいわ、本題に戻しましょう」

フレデリカ「バナナナって美味しいの?」

ありす「本題に戻しましょう」

レナ「ええ、パーフェとかクキーッや、チョコフィョオンデュにしてもおすすめよ」

ありす「本題に戻しましょう!!!」
 

18 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:17:38.89 :EGar4AzC0

レナ「じゃ、ポーカーでもしましょうか。ありすちゃんもやる?」

ありす「私はいいです」

レナ「あら残念、フレちゃん、よろしくね」

フレデリカ「おっけ!」


フレデリカ「ポーカー、白菊に代わりまして~! 宮本~!」ババーン


ありす「それ言わなきゃいけないんですか」


19 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:18:24.35 :EGar4AzC0

レナ「本来ならお金とかチップとか賭けるんだけど……」チラッ

ありす「……」キッ

レナ「あらあら、かわいくってこわーいお目付け役がいるのね」クスクス

フレデリカ「賭け事はよくないよー!」

レナ「大丈夫よ、賭けるとしても二束三文。または菜々ちゃんの魂くらいだから」

ありす「勝手に賭けるだけでも最低なのに、よりによって"二束三文"の後に言いましたね」


20 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:19:10.58 :EGar4AzC0

~第一戦~


レナ「面倒だからレイズもコールもなし! 5枚配って1回交換で、相手が強そうなら降りるってことで」

ありす「ポーカーの良さ、割と消してますね」

レナ「もちろん、気持ちだけは本気でね! 何も賭けてないからとりあえず勝負なんてカッコ悪いもの」

フレデリカ「いいよいいよ! フレちゃんのポーカーフェイス、見せちゃうよ~!」

レナ「じゃ、ありすちゃん、配ってもらえる?」

ありす「はいはい……」パッパッ

レナ「~♪」

ありす(表情が崩れない……、そこは流石ですね。フレデリカさんは……)チラッ

フレデリカ「」

ありす(表情が死んでる!!!)
 

21 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:20:13.81 :EGar4AzC0

レナ「2枚交換でお願い」

フレデリカ「さ、さんまい……」

ありす(ポーカーフェイスどこいったんですか)

フレデリカ「!」パッ

ありす(あ、何かしら揃ったんですね)

フレデリカ「はい勝負! 勝負!」

ありす「露骨」

レナ「あら、これは勝ちね」ボソッ

フレデリカ「!?」

ありす「!」

レナ「ごめんなさい、独り言よ、じゃあ、勝負に……」

フレデリカ「ま、まってまってまって!」

レナ「あら、勝負じゃないの?」

フレデリカ「……」

ありす(巧い……)

フレデリカ「や、やめとくね……」

ありす「意志が弱い!!!」
 

22 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:20:46.71 :EGar4AzC0

ありす「で、ではオープン」

フレデリカ「ストレート……」パラッ

ありす「そ、それで降りたんですか!?」

フレデリカ「だってレナさんが"勝ちね"って!!!」

レナ「ごめんね、見間違いだったみたい」パラッ

ありす「!!!」

フレデリカ「そ、揃ってないよー!?」

レナ「でもフレちゃん降りちゃったもの。私の勝ちね」

フレデリカ「ぐぬぬ……」

ありす「露骨なカモじゃないですか」
 

23 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:21:14.71 :EGar4AzC0

~第二戦~


レナ「1枚交換で」

フレデリカ「ニマイ コウカン」

ありす「表情を殺そうとしすぎて気持ち悪い!!!」

フレデリカ「!!!」ニヤニヤ

ありす「隠せてない……」

レナ「あら、今回は微妙だけど、まあ挑んでみようかしら」

フレデリカ「ふ、フレちゃんも弱いけど、ほ、ホントに弱いけど勝負しまーす!」

ありす(改善される気配がない……)

フレデリカ「はい! フラッシュ!」

ありす「さっきから引きいいですねこの人」

レナ「はいフルハウス」

フレデリカ「もぉぉぉぉ!!!!!」

ありす(……ちょっとかわいい)


24 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:21:51.81 :EGar4AzC0

~第三戦~


フレデリカ(これ以上ありすちゃんの前で恥はかけないよ!)

ありす(なんか余計なこと考えてそうですね)

レナ「2枚お願い」

フレデリカ「3枚!」

ありす「わかりました」パッパッ

フレデリカ「……」

ありす(微妙そうな表情ですが……)

フレデリカ「いやー! フレちゃんやっぱ引きいいね! 今度こそ、レナさん、降りた方がいいよ!」

ありす(……)

レナ「あらあら、ブラフを使うなら、せめて配られた時から自信満々でいなきゃダメよ?」

フレデリカ「!」

レナ「ちゃんと、配られた時も、交換した直後も、表情が冴えなかったのを見てたんだから♪」

ありす(流石ですね……)

フレデリカ「そ、それは気のせいだよ! ね? 降りよ???」

レナ「はいはい、私は勝負するわ」

フレデリカ「……」

ありす「お、降りてもいいんですよ?」

フレデリカ「勝負するよ!!!」

レナ(……!)

ありす「では、おーぷ」

レナ「ストップ」

ありす「へ?」


25 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:22:29.89 :EGar4AzC0

フレデリカ「……」

レナ「ごめんなさい、急用を思い出しちゃった。失礼するわね」

ありす「え!? こ、このタイミングでですか!?」

レナ「そのトランプ、フレちゃんにあげるわ。誕生日おめでとう。練習に使ってね。……まあ、必要かどうかわからないけど」

ありす「???」

レナ「じゃあね」ガチャ

ありす「な、なんだったんでしょう……」

フレデリカ「……ふーん?」

ありす「一応、置いていったレナさんの手札は……」

ありす「!」

フレデリカ「ストレートだね」

ありす「命拾いしましたね、フレデリカさ……」

フレデリカ「残念だったね~」パラッ

ありす「!!!」

ありす「す、ストレートフラッシュ……!?」


26 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:23:20.25 :EGar4AzC0

ありす「か、勝ってたんですか!?」

フレデリカ「でも降りられちゃったからね~! 残念無念~」

ありす「……」

フレデリカ「どしたの?」

ありす「1回目と2回目、本気でした? まさか最後に勝つために……」

フレデリカ「フレちゃんはそんなに頭のいいレディじゃないよ~♪」

ありす(……わからない人ですね)

フレデリカ「じゃ、トランプであそぼっか! なにする? 投げてキュウリでも切断する?」

ありす「それ楽しいんですか!?」


27 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:23:49.54 :EGar4AzC0

~カフェ~


安部菜々「しあわせ家族計画じゃないですか!!!」

菜々「……あれ?」


28 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:24:39.08 :EGar4AzC0

~~~~~~~~~~


ありす「あれ、なにか外から声が聞こえたような……」

フレデリカ「気のせいだって思うよ~」

ありす「そう……ですね」

フレデリカ「次はこの部屋~!」ガチャ

ありす「せ、せめてノックくらい! ……ってこの部屋は」


~ラボ~

池袋晶葉「うわぁ! お、驚かせないでくれ! ってフレデリカ!?」

佐城雪美「ありすも……いる……」


ありす「すみません突然……。取り込み中ならすぐ帰りますから……」

フレデリカ「なにか困ったこと、なーい?」

雪美「ノックもしないフレデリカに……困ってる……」

ありす「ド直球」

雪美「……晶葉が」

晶葉「こっちに放り投げるな!」


29 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:25:05.86 :EGar4AzC0

雪美「ふふ……佐城のジョークでサジョーク……ね」

ありす「解説いらないですから」

フレデリカ「……」コンコン

晶葉「今さらノックされても……」

雪美「……」チョンチョン

晶葉「?」

雪美(せっかくだから……2人に……)コソコソ

晶葉(し、しかし、それは本末転倒な気が……)コソコソ

雪美(遅かれ……早かれ……)

晶葉(うーむ……)

ありす「?」

フレデリカ「ここで働かせてください!」

ありす「何ですか急に。神隠しに遭いたいんですか」


30 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:26:19.95 :EGar4AzC0

ありす「そういえば気になってたんですが、なにか甘い匂いがするような……」

フレデリカ「あ! フレちゃんも気になってた! チョコの匂いだねー?」

晶葉「まあ、このまま帰すのも変な話だからな……」

雪美「……」コクッ

フレデリカ「?」

晶葉「実は、こんなものを作ったんだ」バーン

ありす「えっと、この機械は……?」

雪美「チョコレートを右から入れて……フルーツとかお菓子を……左から入れる……」

晶葉「すると、自動で混ぜてチョコを作ってくれるんだ」

ありす「す、すごいですね……」

晶葉「例えば、チョコとイチゴを入れれば、イチゴ味のチョコができるというわけだな」

雪美「バナナナ味も……作れる……」

ありす「まだ私を苦しめるんですかバナナナは!!!」

フレデリカ「やっぱりフィリピソ?」

ありす「もういいでしょうその流れは!!!」

雪美「ブラジノレがおすすめ……」

フレデリカ「ブラジルではなく!?」

ありす「うるさいな!!!!!」


31 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:27:23.91 :EGar4AzC0

晶葉「しかも、混ぜるモードだけじゃないんだ」

雪美「晶葉……"まぜまぜモード"」

晶葉「……まぜまぜモードだけじゃないんだ」

ありす「謎のこだわり」

雪美「生チョコみたいになる……とろとろモード……」

晶葉「ケーキみたいになる、えーと……、そうだ、"ふわふわモード"もあるぞ」

フレデリカ「便利だね! すごい!」

晶葉「あと、材料の周りをチョコでコーティングするモードもあるんだ」

ありす「なるほど、"ぺたぺたモード"とでもいうんですか?」

雪美「塗装モード」

ありす「塗装モード」


32 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:28:16.18 :EGar4AzC0

ありす「どうして急に熟語に!?」

雪美「天啓……」

ありす「塗装の神がいるんですか!?」

晶葉「すまない、そのやり取り、さっきやったんだ……」

ありす「知りませんけど!?」


33 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:29:00.13 :EGar4AzC0

晶葉「そこで、ちょっと味見をしてほしいんだ」

フレデリカ「え、食べていいの!?」

雪美「動作確認で……一通り作ったけど……食べきれない……」

ありす「それならいただきますが……」

フレデリカ「最初っから2人で食べるつもりだったの?」

晶葉「まさか、本当はキャンディーアイランドの3人に味見を手伝ってもらおうと思ったんだが……」

ありす「急用ですか?」

雪美「急に……ロケ……」

フレデリカ「それはしょうがないねー……」

ありす「どこに行ってしまったんですか?」

雪美「ガーナ……」

ありす「ガーナ!?」


34 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:29:39.66 :EGar4AzC0

晶葉「なんでも、バレンタインだから、チョコを作るためにカカオから取るとか……」

ありす「はあ!?」

ありす「アイドルが!!!」

ありす「バレンタインだからって!!!」

ありす「そんなお仕事するわけが!!!!」

ありす「ないでしょう!!!!!」


35 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:30:08.66 :EGar4AzC0

~ガーナ~


双葉杏「ハクション!!!」

緒方智絵里「マンション!!!」

三村かな子「サカナクション!!!」

智絵里「誰かが私たちのウワサをしてるのかなっ」

かな子「ふふっ、そうかもね」

杏「まって、2人のくしゃみ、おかしくなかった?」

智絵里「ディクソン!!!」

かな子「ジョンソン!!!」

杏「なんで助っ人外国人攻めなの!? 言わないよ!? "ジャクソン!!!"とか!」


36 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:30:54.39 :EGar4AzC0

~ラボ~


フレデリカ「味見、双葉・緒方・三村に代わりまして~! 宮本~!」ババーン

晶葉「なんだそれ」

ありす「どれを食べればいいんですか?」

晶葉「解説なし!?」


ありす(でも普通に味は美味しいですね……)モグモグ

晶葉「どうだ?」

ありす「いえ、正直、美味しいです。見事ですね」

雪美「……」ドヤッ

晶葉「雪美、お前、ネーミングしかしてないだろう」

雪美「晶葉が褒められると……嬉しい……」ニコッ

晶葉「な……!」

フレデリカ「照れてる~?」

晶葉「う、うるさい! 雪美! 早く包装しろ!」

フレデリカ「?」

ありす「包装……?」

雪美「あらかじめ包装しておいたものが……こちら……」

晶葉「料理番組!?」
 

37 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:31:27.49 :EGar4AzC0

晶葉「ま、まあいい……」

雪美「はい、フレデリカ……」

フレデリカ「え?」

晶葉「私たちからの誕生日プレゼントのチョコだ。……まさか本人に味見をさせることになるとは思わなかったがな」

フレデリカ「い、いいの!?」

雪美「いつも……遊んでくれて……ありがと……」

フレデリカ「ユキミちゃぁぁぁん!!!」ダキッ

雪美「ふふ……あまえんぼう……ね」

ありす(……)

晶葉「まったく……」
 

38 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:32:20.52 :EGar4AzC0

~~~~~~~~~~


フレデリカ「さて! チョコ、美味しかったね~」

ありす「まあ、晶葉さんですから、あれくらいは作れるでしょうね」

フレデリカ「じゃ、ちょっと運動がてら、外にいこっか!」トコトコ

ありす「ま、まってください」トコトコ


~運動場~


フレデリカ「あれは!」

ありす「たくさんの子供と……友紀さんと美波さん?」


ワイワイガヤガヤ

姫川友紀「うーん、どうしよっか?」

新田美波「ううん……」

友紀「美波ちゃん、打つ?」

美波「ええ!? わ、私は別に……」

フレデリカ「おーい! どうかしたの?」

美波「あ、2人共、こんにちは」

ありす「なにかトラブルですか?」

友紀「あのね、今、近所の少年を集めて野球やってたんだ!」

ありす「普通に言いますけどあなた20歳ですよね?」

フレデリカ「ミナミちゃんも?」

美波「ううん、私は見てただけなの」

友紀「イヤらしい目で?」

美波「ふ、普通に見てました! というか呼んだのは友紀さんですからね!?」

友紀「そんで、今、九回ウラ2アウト満塁って場面だったんだけど、バッターの子が足を痛めちゃって……」

ありす(……ってことは、文字通りの)


フレデリカ「ピンチヒッター、少年に代わりまして~! 宮本~!」ババーン


友紀「おお! フレちゃん、ノリノリだね!」

フレデリカ「王貞治の生まれ変わりって呼ばれた実力、見せちゃうよ!!!」ブンブン

美波(王さん、まだご存命なんだけど……)


39 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:33:06.24 :EGar4AzC0

友紀「じゃ、フレちゃんがバッターやるなら、あたしがピッチャーね!」

ありす「少年たちが置いてけぼりにされていく……」

フレデリカ「よーし! かかってシルブプレ~☆」

友紀「じゃ、いくよ! 第一球!」ビュッ

フレデリカ「!」ブオン

「アアアアイイイッッッ!!!」(ストライク)

ありす「あの審判、クビにできません?」


40 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:33:41.10 :EGar4AzC0

友紀(次は内角低め!)ビュッ

フレデリカ「えいっ!」ブオン

「ストライク!!!」

ありす「直ってる」

友紀「ほらほら~2ストライクだよ!」

フレデリカ「まだまだ!」

友紀(一球、外側に外して……あっ!)スポーン

ありす「すっぽ抜けですね、あれじゃ敬遠ですよ」

美波「キャッチャーさん、取れるかな……」

フレデリカ「ええーい!!!」ブオン!

みんな「!?」

カスッ

「ファール!!!」

ありす「な、なんで振ったんですか!?」

フレデリカ「急にボールが来たから……」

美波「野球なのに!?」
 

41 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:34:20.10 :EGar4AzC0

フレデリカ「でもでも、当たったよ!」

ありす「前に飛ばさなきゃ意味ないんですって」

友紀「何か知らないけどラッキー♪」

フレデリカ「次~!」

友紀「はいよっ!」ビュッ

フレデリカ「えいっ」ブオン

カスッ

フレデリカ「とりゃっ」ブオン

カスッ

フレデリカ「そいっ!」ブオン

カスッ

フレデリカ「よいしょっ!!」ブオン

カスッ

フレデリカ「とりゃあっ!!!」ブオン

カスッ

ありす「……威勢だけじゃないですか!!!」


42 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:35:02.86 :EGar4AzC0

友紀「も~! しつこいな! こうなったら次で決めるよ!」

ありす「まあ、投げる方も疲れますよね」

友紀「美波ちゃん、アレ、お願い!」

美波「え、え!? ほ、ホントに言うの!?」

友紀「お願い!」

フレデリカ「?」

ありす「?」

美波「い、1度だけですからね!」

友紀「ありがと!」


美波「……」スゥ

美波『ミナミを甲子園へ連れてって!!!』


友紀「おおおおお!!! 燃えてきた!!!」

ありす「美波さん、そのために呼ばれたんですか!?」


43 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:35:46.72 :EGar4AzC0

友紀「よし! じゃあラストボール、いくよ!」

フレデリカ「ずるい!!!」

友紀「へ?」

美波「?」

ありす「こ、この流れは……」

フレデリカ「ターイム!」クルッ

ありす「なんでこっち向いたんですか」

フレデリカ「ありすちゃん! 応援して!!」

ありす「ええ……」

フレデリカ「お願い! ありすちゃんが応援してくれれば、フレちゃんはなーんだってできるんだよ!」

ありす「そもそもこんな草野球で……」

フレデリカ「お願いだよ~!」

ありす「ですが……」

美波「……ありすちゃん」

ありす「え? み、美波さん?」

美波「ありすちゃんは、フレデリカちゃんが喜ぶ姿、見たくない?」

ありす「そ、それは……」

美波「私もさっきのセリフ、とっても恥ずかしかったの。でも、友紀さんが喜んでるのを見て、どうでもよくなっちゃった」

ありす「……」

美波「たまには、素直に……ね?」

ありす「……」
 

44 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:36:19.15 :EGar4AzC0

フレデリカ「あーりすちゃーん!」

ありす「一度しか……言いませんよ」

フレデリカ「!!!」

ありす「……」スゥ


ありす『フレデリカさん! 頑張って!!!』


フレデリカ「……うんっ」ニコニコ


45 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:36:50.66 :EGar4AzC0

友紀「お、もういい感じ? 待ちわびたよ~」

フレデリカ「今のフレちゃんはね、ムテキだよ」ニコニコ

友紀「……そっか、じゃ、いくね」

フレデリカ「……」コクリ

友紀「どおりゃぁぁぁ!!!」ビュッ!!!!

友紀(低めの最高のコース! もらった!)


フレデリカ(なんか不思議だねー? ボールがゆーっくりに見えるの!)

フレデリカ(やっぱり、フレちゃんは1人じゃなーんにもできないなーって!)

フレデリカ(楽しくって……嬉しいな♪)




ブオン!!!!!

カキーン!!!!!!!!



~~~~~~~~~~
 

46 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:37:25.51 :EGar4AzC0

~帰り道~


フレデリカ「いや~! 飛んだね!」

ありす「ど、どこにあんなパワーがあったんですか!?」

フレデリカ「うーん、わかんない☆」

ありす「なんなんですか……」

フレデリカ「今年のドラ1はフレちゃんで決まりだね!」

ありす「そうやってすぐ調子に乗る!」

フレデリカ「入場曲は何にしよっかな~」

ありす「持ち歌でいいじゃないですか」

フレデリカ「やっぱりエレファントカシマシかな! 宮本だけに!」

ありす「伝わりにくっ!」


47 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:38:05.50 :EGar4AzC0

フレデリカ「じゃ、フレちゃんはこっちの道だから~」

ありす(あっ……)

フレデリカ「でもその前に! はい!」

ありす「え?」

フレデリカ「なんでポカーンとしてるの? チョコだよチョコ! 渡すタイミングがなかなかなくってね!」

ありす「わ、私に……?」

フレデリカ「ありすちゃん以外だれがいるのさ~」

ありす「あ、ありがとう……ございます……」

フレデリカ「じゃあフレちゃんはこの辺で! 気をつけて帰ってね! 家に帰るまでがピンチヒッターだよ!」

ありす「私は別にピンチヒッターのお仕事してないですからね!?」


48 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:38:52.87 :EGar4AzC0

フレデリカ「じゃーね!」クルッ

ありす「あ……」

フレデリカ「~♪」トコトコ

ありす「ま、待って!!!」

フレデリカ「わ!? そ、そんなに大きな声出してどうしたの!? 忘れ物!?」

ありす「……」

フレデリカ「?」

ありす「……こ、これ」スッ

フレデリカ「え、えっと?」

ありす「……差し上げます」

フレデリカ「!!!」

ありす「お、おお誕生日とババババレンタインが重なってるようですし? ま、まあついでに何かあげるのも悪くはなかったり思わなくも……」



「たまには、素直に……ね?」



ありす(あ……)


49 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:39:24.06 :EGar4AzC0

フレデリカ「いやあ~、嬉しいな~」ニヤニヤ

ありす「いえ、違いますね」

フレデリカ「え!? な、何が……!?」

ありす「……」

フレデリカ「あ、ありすちゃん???」


ありす「いつもありがとうございます。……フレデリカさんが私のことを考えてくれているの、まあ……伝わってます……し」

ありす「だから……その……これからも……お、お願いします……」ペコリ


フレデリカ「!!!!!」ズキューン!!!!!

ありす「ふ、フレデリカさん?」

フレデリカ「」

ありす「ちょっと!」

フレデリカ「」

ありす「なに永眠してるんですか! ちょっと!!!!!」



おわり


50 :◆i/Ay6sgovU :2017/02/14(火) 00:39:53.47 :EGar4AzC0

フレちゃん誕生日おめでとー!


過去作


智絵里「わたしたちの」ほたる「冠番組」朋「『○っく・らっく・らっく』……?」

鷺沢文香「燃える彼女がくれるもの」(シリアス系)

神谷奈緒「今年も常務は憎めない」

渋谷凛「みんなをあだ名で」本田未央「呼んでみたい?」


などもよろしくお願いします


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【SS速報VIP】橘ありす「ピンチヒッターフレデリカ?」
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