アイドルマスターシンデレラガールズ 神谷奈緒のSSです

アイドルそれぞれに担当Pがいる設定


2 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:06:13.15 :DCAGNsjG0

今日はあいにくの雨降り

あたしは担当プロデューサーが来るのを、駅の改札口で待っていた


奈緒「あ、いたいた……おーい! Pさーん」

P「奈緒!ごめん、待ったか?」

奈緒「大丈夫だよ。着く時間分かってたし」

P「そうか、安心した。毎回ごめんな。アイドルにこんな事させて」

奈緒「あ、謝らなくていいよ! もう慣れたしな」

P「慣れちゃったか……」


Pさんは申し訳なさそうに言う

慣れたと言うのはあたしの照れ隠し

まさか、Pさんと帰るのが好きだからなんて絶対言えない


奈緒「ま、そんな事はいいからさ! 事務所に帰ろうよ」

P「ん、そうだな」

 
3 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:06:44.62 :DCAGNsjG0

駅から出ると、外はもちろん雨降り

パーカーのフードを被り、駆け出す青年

鞄を濡らさないようにと、抱きかかえながら走るサラリーマン

そして……彼氏の迎えに来たのか、傘をもう1本持っている若い女性

……あたしも、あんな風に見えたのかな?


P「奈緒、行こうか」

奈緒「うん」


Pさんはあたしが持ってきた大きな傘を開く

あたしが持ってきたのは、その傘1本だけ

そうなると、あたしたち2人は当然相合傘になる


P「わぁー、こりゃもっと酷くなりそうだなー」

奈緒「ほんとだ。向こうは真っ暗だ」

P「早めに帰らないとな」


4 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:07:31.04 :DCAGNsjG0


Pさんと相合傘で帰るのが当たり前になったのはいつからだろう

初めは、加蓮と凛に無理やり行かされたんだっけ

その時はまだ、傘を2本持って行ってた

Pさんがふざけてあたしの傘に入ってきて、それから相合傘になってしまったんだ


奈緒「……」

P「奈緒? 今日はやけに静かだな」

奈緒「……! あぁいや、ちょっと考え事。なんでもないから」

P「そっか。最近どうだ? トライアドの活動もようやく波に乗ってきたけど」

奈緒「うん、頑張ってるよ。ていうか、いつも見てるだろ」

P「んん? そうだったか?」

奈緒「あたし達がレッスンしてる端っこで、凛と加蓮のプロデューサー達と3人揃ってずっと見てるじゃんか。特にPさんと加蓮のプロデューサーはニヤニヤしてさ」

P「あー、あれはだな。担当アイドルの成長を確かめようとしているだけだ。ニヤニヤしてはいない……はず」

奈緒「いーや! 絶対ニヤニヤしてた! 加蓮のプロデューサーなんてデレデレだったぞ!」

P「あぁ、彼は北条さんにべた惚れだから……」

奈緒「……まったく……プロデューサーなんだからしっかりして欲しいよな」

P「やっぱりさ、自分がスカウトした子だから一層かわいく見えるんだろうな」

奈緒「…………ふぅ~ん……そうなんだ」

 
5 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:08:10.44 :DCAGNsjG0

あたしは、どう? とは聞けなかった

聞くのが怖かった


P「…………奈緒もかわいいよ」

奈緒「は……はぁ!? い、いきなりそんなこと言うなよ! ビックリするだろぉ!? ばかぁ!」

P「言ってほしそうな顔してたけどな」ニヤニヤ


不意討ちだ……

恥ずかしくて顔が赤くなるのが自分でも分かるくらい

それでも、Pさんからかわいいって言われるのは凄く……うれしい


奈緒「そ、そんな顔してない!! してないから!」

P「してたよ。顔が近いからよく見える」

奈緒「うぅ~~! 見るな~!もう離れろぉ!ばか!ばか!」

P「無理無理、相合傘なんだし…………ほら、濡れちゃうからこっちに寄りな」

奈緒「ったく! からかうなよな!……ん? Pさん、また肩濡れてる」

P「え? あぁ、いつも言ってるだろ? 気にしなくていいって」

奈緒「……うん」


相合傘の度に、Pさんの片方の肩は濡れてしまう

あたしが濡れないようにと傘を向けてくれるからだ

あぁ、守られているんだ……って安心できる

……あたしは甘えてばかり。優しいPさんにお礼の1つも言えない自分が腹立たしい


6 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:08:42.19 :DCAGNsjG0

___


P「ふぅ……なんとか酷くなる前に着いたな。奈緒が来なかったら今頃どうなってたか」

奈緒「別に、そこまで大げさな事じゃないって」

加蓮「奈緒ー!」


事務所に帰ると、ちょうど加蓮と彼女のプロデューサーに出くわした

うーわ……手つないでるよ……恥ずかしい


奈緒「加蓮……なんで手をつないでるんだ?」

加蓮「ふふ~♪ 今からプロデューサーさんとデート♪」

奈緒「おいアイドル」

加蓮「なぁに? アイドル♪」

奈緒「はぁ……あんまりはしゃぎ過ぎるなよ。明日もレッスンあるんだから」

加蓮「安心して、ちょっと買い物に行くだけだしね。……奈緒はまたお迎えデート?」ニヤニヤ

奈緒「ただの迎えだ! まったく……」

加蓮「ふふっ、それじゃあまたね」

奈緒「……」

P「あの2人はほんと仲が良いよなー」

奈緒「というより、良すぎな感じがする……アイドルとプロデューサーだぞ?」

P「まぁ、良いんじゃないか? 俺は気にしないけどね」

奈緒「プロデューサーの発言じゃないなそりゃ……さすが不真面目Pさん」

P「不真面目か? 奈緒に対しては真剣だけどな」ニヤニヤ

奈緒「んなっ!? へ、変な事いうな!ばか!」

P「ハハハ! 奈緒は反応がかわいいよなぁ」

奈緒「……ばか」

P「さーて、少し休んだら来週のラジオ番組の打ち合わせだ。仕事万歳! かわいい奈緒のために頑張りますか!」

奈緒「かわいいは余計だって!」


7 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:09:15.59 :DCAGNsjG0

___


P「到着いたしました、お嬢様。足元にお気を付け下さい」

奈緒「なんのマネだよ……」

P「さぁ、俺にもサッパリ分からないな。やって後悔した」

奈緒「ハハッ! ばーか」

P「アハハッ! ……それじゃあ明日も頑張ろう。お疲れ様」

奈緒「ん、Pさんも。また明日な」

P「あっと……奈緒! あとで明日のスケジュール送るから」

奈緒「うん。じゃあね。Pさん」


家に入ると毎度恒例、お母さんのからかいが始まる

だからあたしとPさんはそういう関係じゃない!

……否定する度にあたしの心が痛んだ

部屋着に着替え、ベッドに寝転がる

何もない天井

ぼんやり浮かぶのはあの人


奈緒「Pさん……」


8 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:09:57.39 :DCAGNsjG0

Pさんにスカウトされてアイドルになれた。それからたくさんレッスンして、かわいい衣装を着て、ライブに出て……

ファンもいっぱい出来た。ライブの度にいっぱい応援してくれる優しい人たち

アイドルの仲間やライバルもたくさん出来た。お互い刺激し合って、アイドルとしての高みを目指していける

こんな経験が出来るのは、全部……Pさんが居てくれたから

感謝してもしきれない。ただの女の子だったあたしに魔法をかけてくれた人

あたしだけの魔法使い


奈緒「好き……」


いつの間にか芽生えた恋心

その芽は日に日に大きくなっている

いつか……花開くのかな


奈緒「……」


体を起こし、机を見るとたくさんの小物

全部Pさんがプレゼントしてくれたものだ

これは初ライブの時

これはあたしの誕生日の時

これはアイドルになって1周年の時

……どれも掛け替えのない思い出のモノ

あたしは貰ってばかりで、何もPさんには返していない


9 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:10:45.64 :DCAGNsjG0

奈緒「素直じゃないよなぁ……あたし」


好意の1つも言えないなんて……

もっと素直になりたい

もっと積極的になりたい

もっとPさんに近づきたい

……


奈緒「……うぅ……くっ……うぅぅ~~」


あぁダメだ

涙が、出てきた

Pさん…………

好きになるって、こんなに苦しいんだね……

___


奈緒「…………あ……明日の予定……」


どれくらい泣いただろうか

頭は割と平静を取り戻していた

明日は昼からレッスンがある。切り替えろあたし。午前中は……なんだっけ

涙を拭いてスマホを取り出す


10 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:11:12.52 :DCAGNsjG0

奈緒「午前は…………あ」


メールを確認するとPさんからの通知

明日のスケジュール表と……1つのメッセージ


奈緒「……アッハハ! Pさん、ありがとね」


《 奈緒~! 明日も一緒に頑張ろう! 超かわいい奈緒を担当する超かっこいいPより 》


奈緒「……泣いてる場合じゃないよな、Pさん。元気、貰ったよ。……またPさんから貰っちゃったね」


涙の雨はもう止んだみたい

さっきまでの曇った気持ちがウソのようだ

心はすっかり晴れ模様


11 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:11:42.40 :DCAGNsjG0

___


【 翌日・事務所 】


奈緒「おはよ、Pさん」

P「おはよう、奈緒」

奈緒「……」

P「……」

奈緒「って、何か言えよ!」

P「いや、奈緒が話したそうな顔してたから」

奈緒「な、なんで分かるんだよ……」

P「長い付き合いってやつかな? 話してみな」

奈緒「……ふぅ~……」


よし、言うぞ

少しだけ素直になるんだ。がんばれ! あたし!


12 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:12:13.16 :DCAGNsjG0

奈緒「Pさん!」

P「……」

奈緒「い、いつも……っ、いつもあたしと一緒にいてくれて……その、あ、ありがと」

P「うん」

奈緒「えと、あたし、素直じゃないけどさ……Pさんには本当に感謝してるから! だから……こ、これからも、ずっと一緒に……いて……?」

P「もちろん。一緒にいるよ、安心してくれ」

奈緒「わ、わかってんのか!? ずっとだぞ! ずっとなんだからな!」

P「ずっと一緒だよ。俺のアイドルは奈緒だけなんだから」

奈緒「はぁ…………まぁ、それで……いいか」

P「……もっとストレートに言った方が良かったか? でも奈緒の血圧が高くなって倒れそうだからなぁ」ニヤニヤ

奈緒「…………ばか」

P「ハハハッ! ……っと、そろそろ行くか。今日はレコード会社に営業だ」

奈緒「ん、分かった。行こう、Pさん」


少し、気が楽になったな

うやむやにされた気もするけど、多分Pさんに思いは届いているよね?


13 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:12:52.94 :DCAGNsjG0

___


奈緒「なんだこの雨は……さっきまで晴れてたのに……」

P「ただのにわか雨だな。すぐ止むよ。さぁ出発だ」

奈緒「って、車じゃないのか?」

P「今日は歩きたい気分なんだ。雨降りでもね」


少し前を歩くPさんは傘を差してあたしを待っている


奈緒「……相合傘?」

P「そう、相合傘。いつもしてるだろ?」

奈緒「……じゃあ、お邪魔……します」

P「なんだよ改まって。さっきので意識した?」ニヤニヤ

奈緒「う、うるさいな! そうだよ! だって……だってさ、素直になったから……恥ずかしくて……不安で」

P「大丈夫。奈緒の本当の気持ちは伝わってるよ」

奈緒「!!」

P「さっきははぐらかしちゃったけど、ちゃんと奈緒の事は見てる。素直で優しい女の子だって事もね」

奈緒「わ、わかったから! もう恥ずかしいからやめろって~!」

P「アハハッ! 奈緒はかわいいなぁ~」

奈緒「ばか! ばかPさん!…………Pさん……」


14 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:13:30.66 :DCAGNsjG0

振り絞った勇気

あたしはPさんの肩にピッタリくっ付く


P「おっ……? 奈緒、どうした?」

奈緒「……な、なんだよ。くっ付いちゃダメなのかよ」

P「……いや、いいよ」

奈緒「こ、こうすりゃ距離が近くなって、Pさんの肩が濡れないだろ? ……あ、あたしなりの、気配り……」

P「優しいね、奈緒は。ありがとう」

奈緒「……Pさんも、ありがとな。いつも魔法をかけてくれて」

P「……俺は奈緒の魔法使いだからな。これからも魔法をかけてあげるよ」

奈緒「うん!」


いつか……魔法が切れても、傘が無くても、こうしてPさんとくっ付いて歩きたいな

今はまだ……だけど、いつか、いつかね


奈緒「なぁ、Pさん」

P「ん?」

奈緒「これからは、あたしらしく攻めていくからな! 覚悟しろよな! へへっ♪」


15 :◆Ceuv.hziBQ :2017/02/08(水) 00:13:57.24 :DCAGNsjG0

終わりです

奈緒かわいい


依頼出してきます


16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/08(水) 01:18:33.82 :iiJujpik0
なおかわ

17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/08(水) 01:49:05.54 :auej1oRNo
かわ


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【SS速報VIP】神谷奈緒「もっと近くに」
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