・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・明確にアニメ世界線と定めているわけではない為、一部その他のコンテンツの要素が入り混じることがあります



----事務所----

ガチャ
智絵里「……お疲れさまですっ」

杏「うん、お疲れなら帰ろうか」

かな子「ちょっ、早すぎるよ杏ちゃん!」


2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:20:58.60 :VbzcyYgv0

杏「えー? もう今日は充分働いたじゃん……」

智絵里「働いたっていうか、レッスンだったんだけど……」

杏「労働の為のレッスンは最早労働だよ、智絵里ちゃん」

智絵里「う、うーん……分かるような、分からないような……?」

かな子「あはは……。でも、今日はなかなか新鮮だったね。ニュージェネレーションズのみんなとの合同レッスン!」

杏「まあ、多少ね」

杏「……人数が増える分、こっそりサボってもばれないかなと期待してたんだけどなぁ、杏は」

智絵里「一緒にやれて楽しかったけど……未央ちゃん達、やっぱり歌もダンスも、凄くって」

智絵里「それに比べると、やっぱりわたし、まだまだだなぁって……」シュン

かな子「そうかなぁ? 智絵里ちゃん、すごく頑張ってたと思うけど」

 
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:21:24.25 :VbzcyYgv0

杏「いつも言ってるじゃん、智絵里ちゃんはもうちょい自信持っていいんだって」

智絵里「うぅ……そ、そうかな……?」

杏「そうそう。ニュージェネ三人衆にも負けてないよ」

かな子「ほら、試しに凛ちゃんっぽく振る舞うのはどう? キリッと、背筋を伸ばす感じで!」

杏「うぉ、なんてキラーパス」

智絵里「ええぇ……そんな、急に言われても……」

杏「……まぁ、芸能界に身を置く者として、無茶振り耐性は付けておくに越したことはないよね」

かな子「智絵里ちゃん、クールにだよ、クール」

智絵里「え、えっと……くーる、くーる……」

 
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:22:04.66 :VbzcyYgv0

智絵里「……の、残していきましょう……わたしたちの、足跡っ!」キリッ

かな子「……」

杏「……」

智絵里「あ、あの……せめて、何か反応を……」オロオロ

杏「うーん……まだ蒼さが足りないかなぁ」

かな子「どっちかっていうと……ピンク色?」

智絵里「あう……やっぱり」

智絵里「……そもそも、自信を持てるかと、クールに振る舞えるかは、少し違うんじゃ……?」

杏「……そこに気付くとは。やるね、智絵里ちゃん」

かな子「……言われてみれば、確かにそうだね」

杏「なんでやねん!」ビシ

かな子「あぅ」

 
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:22:36.26 :VbzcyYgv0

杏「くっ、振った側の方が天然だったか……!」

かな子「ごめんね、智絵里ちゃん。変なこと言って」

智絵里「い、いえっ! そんな、謝ってもらうほどのことでは……」

杏「かな子ちゃーん、ツッコミでなけなしの体力を奪われてしまった杏には何か無いのー?」ゴロゴロ

かな子「え? えーと、それじゃあ……昨日作ってきた洋梨のタルト、みんなで食べよう?」

杏「さすがかな子ちゃん。分かってるぅ」

智絵里「あ、それなら……卯月ちゃんが後で事務所に寄るって言ってたから、四人で食べませんか?」

かな子「いいねっ! そうしようか!」

 
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:23:24.29 :VbzcyYgv0

杏「むー……杏は今すぐにでも糖分を補給したいのに……」

杏「仕方ない、それまで飴でも舐めるか」ガサゴソ

かな子「ふふっ♪ タルトの上手な作り方、この間愛梨ちゃんに教えてもらったんだ!」

智絵里「へぇ……! 愛梨ちゃんも、ケーキ作りすっごく上手だったもんね」

杏「……あのさ。杏、思ったんだけど」

かな子「どうかしたの?」

杏「『好きこそ物の上手なれ』って諺、あるじゃん?」

智絵里「あります、ね」

 
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:24:27.19 :VbzcyYgv0

杏「実際、かな子ちゃんや愛梨ちゃんはこうして、お菓子が好きだから作るのも上手でさ」

かな子「えへへ……改めて言われると、ちょっと照れちゃうかも」

杏「だからさ、杏もこうやって飴を食べ続けていたら」

杏「いつかそのうち、何も無い空間から飴を生成する能力に目覚めたりしないかなって」

智絵里「そ、それはさすがに無茶だよ……」

かな子「私だって、材料も何も無しにお菓子作りなんて、そんな超能力みたいなこと出来ないよ~!」

杏「超能力か……どこかの自称サイキックアイドルが飛んできそうだな」

智絵里「いくら杏ちゃんが頭が良くていろいろ器用でも、さすがに『上手なれ』のレベルを飛び越し過ぎだと思うよ?」

杏「……でもさ。実際、欲しくない? 超能力」

 
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:25:05.08 :VbzcyYgv0

かな子「うーん、どうだろう……? 考えたことも無かったよ」

智絵里「ケーキを食べてるときにスプーンが曲がっちゃったら、食べにくくて困るよね」

かな子「そうだねー」

杏「……いや、そういうのじゃなくって」

杏「ほら、テレポーテーションとかさ。あんなチカラがあったら、予定があってもギリギリまで家で寝てられるじゃん!」

智絵里「そっか、なるほど」

杏「あとは、クレヤボヤンスっていうの? 視界に映らないものまで見渡せる、みたいなやつ」

かな子「とっても遠くのものまで見えちゃうってこと?」

智絵里「千里眼……みたいな感じかな?」

杏「あー、そうそうそれ」

 
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:25:44.96 :VbzcyYgv0

杏「千里眼が使えれば、きらりやプロデューサーが杏を仕事に連れて行こうとするのを、事前に察知して逃げられるからね!」

かな子「……とりあえず、杏ちゃんのぐうたら癖が更に悪化しそうなのは分かったよ」

杏「別にいいじゃん。超能力だろうがなんだろうが、便利なものは有益に使うべきだよ」

智絵里「有益……なのかな? なんだか前向きなようで後ろ向きな気がするけど……」

杏「えー? 気のせいじゃない?」グデー

かな子「智絵里ちゃんは、もしも超能力が使えたらどうする?」

智絵里「えっ!? ……どうしよう? 頭の中で念じて、四つ葉のクローバーを探しだす、とか……?」

智絵里「でも、超能力で見つけたクローバーだと、あまり効き目が無さそう……」

 
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:26:30.41 :VbzcyYgv0

杏「あ、いいこと思いついたよ」

かな子「なになに?」

杏「ステージで緊張しちゃった時にさ、超能力で観客を全部カエルさんに変身させちゃうの。どうよ?」

智絵里「そ、そんなことしませんよっ!」

智絵里「もう、カエルさんのおまじないには頼らないって……き、決めたんですから」

かな子「……人の姿を変えちゃうって、もう超能力っていうより、魔法だよね……」

杏「マジカルちえりん、か……。アリだな」

かな子「アリかも」

智絵里「ええっ!?」

 
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:27:06.83 :VbzcyYgv0

かな子「そういえば智絵里ちゃん。前にラジオの収録で、お客さんをカエルさんだと思い込むようにしてたことがある……っていう話、したじゃない?」

智絵里「う、うん……緊張を和らげる方法の話になったから……」

かな子「あのラジオが終わってから、私たちのステージの時に……」

かな子「カエルのかぶりものをしてるファンの人を、ちょくちょく見掛けるようになったよね」

杏「あー……いるいる、確かに」

智絵里「うぅ……や、やっぱり、見間違いじゃなかったんですね……」

杏「訓練され過ぎでしょ、私達のファン」

かな子「あはは……あれも応援のひとつ、なのかな? 智絵里ちゃんが緊張しないようにって」

 
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:28:03.71 :VbzcyYgv0

智絵里「う、嬉しいのは嬉しいんですけど……ちょっぴり、複雑かな……?」

杏「あの人達、そのうち私達の歌に合わせて輪唱しだしたりして……カエルだけに」

智絵里「あっ、でも! この間の握手会のとき、杏ちゃんと同じ『働いたら負け』のシャツを着たファンの人、来てましたよね?」

杏「あははは! そうそう、杏思わず、両手で手ぇ握っちゃったよ。同士だー、って」

かな子「杏ちゃん、あの時は営業スマイルじゃなくて、本心からの笑顔だったよね」

杏「しかもさ、その人が言うんだよ」

杏「『いやぁ、有給取って来た甲斐がありました!』って」

杏「ちゃんと働いてるんじゃん」

 
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:28:39.94 :VbzcyYgv0

智絵里「ふふっ……!」

かな子「それもそれで、杏ちゃんと一緒だね」

杏「……そうか、杏もあの瞬間まさに働いてたわけだしね」

杏「……人生、ままならないものだなぁ……」トオイメ

智絵里「た、達観してますね……」

かな子「お菓子作りだって、少し分量や焼き加減が変わっただけで、思い描いていたのと違う出来になっちゃったりするしね」

杏「……あ、そうだよお菓子! 杏、早くかな子ちゃんのタルト食べたいんだけど」

智絵里「卯月ちゃん、まだ来ないね……」

 
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:29:14.99 :VbzcyYgv0

杏「ちょっとかな子ちゃん。かな子ちゃんのスイーツサイキックで、卯月ちゃんを召喚してよ」ユサユサ

かな子「え、えぇ!? 杏ちゃんも、結構な無茶振りだよ!?」

智絵里「スイーツサイキックって、初めて聞きました……。超能力って、そんな種類もあるんですねっ」

かな子「ほらぁ、智絵里ちゃんがちょっと真に受けちゃってるよ~!」

杏「いいからいいから。物は試しって言うし。ね?」

かな子「もう、しょうがないんだから……」

かな子「……えぇと、こんな感じ、かな? む、むむむーん……」

 
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:29:48.54 :VbzcyYgv0



ガチャ
卯月「お疲れ様です!」



三人「……!」

卯月「……あの……どうか、しましたか?」

かな子「ど、どうしよう……私、目覚めちゃったかも……?」

卯月「えっと……あ、仮眠していたんですかね?」

杏「そうじゃない」



おわり
 

16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/12(月) 03:30:23.64 :VbzcyYgv0

お付き合いありがとうございました。

前作
キャンディアイランドの一向に毒にも薬にもならないおしゃべり

も、よろしければどうぞ。


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【SS速報VIP】キャンディアイランドの案の定毒にも薬にもならないおしゃべり
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