【SS速報VIP】伊織「にらめっこという名のいたずらっこ」
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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 20:49:31.84 :z/xuZGJF0

   765プロ事務所



千早「水瀬さん、今時間はある?」

伊織「時間? レッスンはさっき終わったから、大丈夫だけど?」

千早「あの……それなら、もしよかったら、なんだけど」

伊織「何よ、はっきりしないわね。用があるならはっきり言いなさいよ?」

千早「そ、それじゃあ、私と……」

伊織「あんたと?」

千早「にらめっこをしない?」

伊織「はぁ?」


2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 20:50:49.17 :z/xuZGJF0

伊織「にらめっこぉ? あんた、熱でもあるんじゃないの?」

千早「そ、そんなことは、ないと思うわ」

伊織「一応聞くけど、どうしてにらめっこなのよ?」

千早「さっき我那覇さんと美希が、楽しそうにやってたのを見てて、ちょっと」

伊織「やってみたくなっちゃった、って、わけ?」

千早「本当にちょっとだけ、なんだけれど」

伊織「意外にかわいい所あるわよね、あんた……」

千早「水瀬さんは、私とするのは嫌かしら?」

伊織「べ、別に、あんたとが嫌とか、そういうわけじゃないけど……」


3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 20:53:06.61 :z/xuZGJF0

伊織「はぁ。この伊織ちゃんが、あんな子供っぽい遊びをねぇ」

千早「…………」

伊織「ま、いいわ。つきあってあげるわよ、千早」

千早「!」

伊織「あんたがどんな風に笑わせに来るのか、気にならないこともないしね」

千早「ありがとう、水瀬さん」

伊織「べ、別に、そんなにお礼を言われるほどじゃないわ」

千早「照れてる?」

伊織「そ、そんなわけないでしょ! どうして照れる必要があるのよ!」


4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 20:55:17.43 :z/xuZGJF0

千早「それじゃあ早速、いいかしら?」

伊織「はいはい。言っとくけど、やるからには負けるつもりはないわよ?」

千早「ふふ、望むところね」

伊織「じゃ、さっさと始めるわよ」

千早「ええ」

伊織「にーらめっこしーましょ」

千早「笑ったら負ーけよ」

伊織「あっぷっぷ!」

千早「あっぷっぷ」


5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 20:57:09.97 :z/xuZGJF0

伊織「受けなさい! 必殺変顔攻げ」

千早「こちょこちょこちょ」

伊織「ひあっ!? きゃあ!?」

千早「こちょこちょこちょ」

伊織「あは、あははははは!?」

千早「こちょこちょこちょ」

伊織「ちょ、くすぐったい! きゃははははは!」

千早「こちょこちょこちょ」

伊織「や、やめて千早あはははははやめてぇ!」


6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 20:59:18.44 :z/xuZGJF0

千早「私の勝ちね、水瀬さん?」

伊織「ひ、ひぃひぃひぃ……けほっ」

千早「ふふ、いい勝負だったわ」

伊織「こ、こら! こらこらこらこらこらぁ!」

千早「あら? どうかしたかしら?」

伊織「どうかするに決まってるでしょーが!」

千早「先に相手を笑わせた人、つまり、私が勝者だと思うけど?」

伊織「あんたねえ! 今のはどう考えたって反則よ、反則!」


7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:01:17.89 :z/xuZGJF0

千早「反則? どうして?」

伊織「どうしてもこうしてもないわよ! こんなのが許されるわけないでしょ!」

千早「…………」

伊織「にらめっこっていうのは、もっとこう! 変な顔とかで相手を笑わす」

千早「こちょこちょこちょ」

伊織「うきゃあ!?」

千早「こちょこちょこちょ」

伊織「あは、あははははははぁ!」


8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:03:22.05 :z/xuZGJF0

千早「こちょこちょこちょ」

伊織「うひぇひぇひぇひぇ! お、お願い千早脇腹はやめてぇえへへへへへ!」

千早「こちょこちょこちょ」

伊織「ひぃぃぃぃぃ!」

千早「こちょこちょこちょ」

伊織「わ、わかった! わかったから、私の負けでいいからぁはははははは!」

千早「本当かしら?」

伊織「ほ、ホントよホント! ホントだからもうやめてぇぇぇ!」


9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:05:29.72 :z/xuZGJF0

千早「それじゃあ、このぐらいで勘弁してあげるわ」

伊織「はあはあ……はひはひ……げほげほ、げほっ!」

千早「大丈夫、水瀬さん?」

伊織「だ、誰のせいでこうなってると思ってるのよ……」

千早「勝つためには、誰に対しても全力を尽くす必要があると思って」

伊織「だから! それに関してはちょっと待ちなさいっての!」

千早「あら、まだ納得いかない?」

伊織「納得いく奴がいたら、そいつの顔を見てみたいわよ!」


10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:08:01.95 :z/xuZGJF0

伊織「こんな卑怯な真似で、勝ったなんて言わせないから!」

千早「でも、さっき私の負けでいいって言ったわよね?」

伊織「い、言ってないわよそんなこと! あんたの耳がおかしいんじゃないの!?」

千早「確かに言ったわ」

伊織「う、うるさいうるさいうるさーい! 言ってないったら言ってないの!」

千早「じゃあ、もう一回する?」

伊織「いっ!?」

千早「にーらめっこしーましょ、笑ったら負ーけ」

伊織「ちょ、待って待って待って!」


11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:10:11.29 :z/xuZGJF0

千早「水瀬さん、顔が引きつってるわよ?」

伊織「な、何でもいいからちょっと待ちなさい!」

千早「ふふ。水瀬さんって、こういうの本当にダメなのね。こちょ」

伊織「だ、だから! その手つきはやめなさいってばぁ!」

千早「こちょこちょこちょこちょ」

伊織「ひああああ! ストップ! 待って待ってお願いだから待ってぇ!」

千早「それじゃ、私の勝ちでいいかしら?」

伊織「う、くっ……!」


12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:12:07.34 :z/xuZGJF0

千早「もう一回聞くけど、私の勝ちでいいかしら?」

伊織「ううっ……この伊織ちゃんが、こんな汚い手に……!」

千早「まだ足りないみたいね……こちょ」

伊織「わ、わかったわかった! わかったわよ!」

千早「あら、本当に?」

伊織「きょ、今日の所はあんたの勝ちでいいわ! だからもう、くすぐるのはやめて!」

千早「認めてもらえてよかったわ」

伊織「はぁ、全く……けほけほけほっ!」


13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:14:27.34 :z/xuZGJF0

伊織「うぅ……笑い過ぎて、お腹がズキズキするわ……」

千早「少し、やり過ぎてしまったかしら?」

伊織「どう考えてもやり過ぎに決まってるでしょ!」

千早「ふふ。ごめんなさいね、水瀬さん?」

伊織「まさか千早が、こんな手を使ってくるとは思わなかったわ……」

千早「あら、そうかしら?」

伊織「そうよ! こんないたずら、昔のあんたじゃ考えられなかったわよ!」

千早「……確かに、そうかもしれないわ」


14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:16:19.21 :z/xuZGJF0

伊織「でも……本当にあんた、変わったわよね」

千早「やっぱりこういうおふざけ、私らしくないかしら……?」

伊織「ご、誤解しないでちょうだい! もちろん、良い意味でに決まってるでしょ!」

千早「水瀬さん……」

伊織「ま、まあ私は……」

千早「…………」

伊織「今の千早の方が、昔よりもずっと好きだけど……」

千早「!」


15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:18:21.10 :z/xuZGJF0

伊織「って! わ、わ、私ってば、何を言って」

千早「水瀬さん」

伊織「へ?」

千早「嬉しいわ」

伊織「千早……」

千早「水瀬さんや、765プロのみんなのおかげね、本当に……」

伊織「べ、別に! 私は何もしてないけど……」

千早「本当にありがとう、伊織……」

伊織「っ!」


16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:20:17.11 :z/xuZGJF0

伊織「今、あんた……」

千早「どうかした、水瀬さん?」

伊織「え、あ……」

千早「うん?」

伊織「べ、別に、何でもないわよ!」

千早「……ふふ」

伊織「……呼びたくなったら、いつでも呼びなさいよね」

千早「……うん」


17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:22:16.95 :z/xuZGJF0

伊織「そ、それはそうと千早!」

千早「?」

伊織「そ、そんなに私の目を見つめないで! は、恥ずかしいじゃない!」

千早「照れてる?」

伊織「なっ……そ、そんなわけないでしょ!」

千早「顔が赤くなってるわ」

伊織「えっ!?」

千早「もちろん嘘よ」

伊織「ぐっ!?」


18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:24:20.28 :z/xuZGJF0

千早「ふふっ」

伊織「ち、ちちちち千早ぁ! この馬鹿! 馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ばかぁ!」

千早「ふふ、ふふふふふふふふっ!」

伊織「このっ……からかうのもいい加減にしなさいよ! えいっ!」

千早「きゃあっ!?」

ドシーン

千早「み、水瀬さん何するの! い、いきなり押し倒さないで!?」

伊織「もう許さないわ! これからにらめっこ第2ラウンド開始よ!」

千早「そ、それって……!?」


19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:26:23.95 :z/xuZGJF0

伊織「もちろん、あんたと同じ手を使わせてもらうわ!」

千早「ま、ちょ、待って水瀬さん!」

伊織「聞く耳持たないわね! にらめっこしましょ、笑ったら負けよ!」

千早「や、だめっ! お願い話し合う時間を」

伊織「あっぷっぷ! それっ、こちょこちょこちょ!」

千早「ちょ、あはははは!」

伊織「さあ笑いなさい千早! こちょこちょこちょ!」

千早「や、やめて水瀬さん、あははははは!」


20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:28:17.99 :z/xuZGJF0

伊織「ほらほらほら、こちょこちょこちょ!」

千早「ひ、ひひひひひっ! ちょ、水瀬さんそこはダメ!」

伊織「へーぇ、千早もここが弱かったのねぇ」

千早「お、お願い伊織! 脇腹だけは許して!」

伊織「ま、遠慮はしないけどね? こちょこちょこちょ!」

千早「きゃーっはっはっはぁ! た、助けて! 助けて伊織ぃ!」

伊織「さあ、覚悟しなさい千早! こちょこちょこちょ!」

千早「し、死んじゃう! 死んじゃうからあははっははははぁ!」


21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:30:16.88 :z/xuZGJF0

伊織「この伊織ちゃんをもてあそんだ罰よ! こちょこちょこちょこちょこちょぉ!」

千早「あーっはっはっはぁ! ごめんなさい! ごめんなさい伊織ぃぃ!」



春香「ほへぇ……。千早ちゃんがあんなに笑ってるの、初めて見たかも……」

やよい「伊織ちゃんも、びっくりするぐらい楽しそうですー!」

春香「そうだねぇ……。見てると、気持ちがほっこりするなぁ……」

やよい「何だか私まで、つられていっしょに笑っちゃいそうかも!」

小鳥「それでは記念に写真を一枚」

やよい「ちょい」

春香「待ち」

小鳥「……ピヨォ」



   おしまい!


22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 21:31:12.82 :z/xuZGJF0

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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