【SS速報VIP】P「伊織とあずささんと、また旅行に行ってみた」
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■関連SS
P「伊織とあずささんと旅行に行くだけのお話」
P「伊織とあずささんと、また旅行に行ってみた」


1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:24:24.14 :xPy7C6ZB0

P「旅は良い……俺は船の旅が好きだ。ゆっくりと舷窓を流れてゆく景色が好きなんだ」 

伊織「ねえ」 

P「海に浮かぶ島々、空を飛んでゆく海鳥たち。それらがゆっくりと、潮風と共に流れてゆく」 

伊織「ねえ」 

P「ゆっくりと波に揺られる船は、こうして俺をまだ知らぬ街へと連れてゆく」 

あずさ「綺麗ですねぇ」 

伊織「また悦に入ってるところ申し訳ないんだけどね、ちょっと良いかしら?ほんの些細なことなんだけれど」 


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P「伊織とあずささんと旅行に行くだけのお話」 

の続編です 

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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:25:18.89 :xPy7C6ZB0

P「んー。どうした伊織。船は嫌いか?隣にはあずささん、そして伊織。舷窓の外には輝く海が――」 

伊織「だから!そんなこと聞いてんじゃないのよ!私が!今!あんたに聞きたいのは、どうして今フェリーなんかに乗ってるのかって事!」 

P「伊勢湾フェリー、鳥羽丸だな」 

あずさ「今回は奮発して特別室ですよ~」 

伊織「だから!この船でどこに行こうってのよ!」 

P「今回は、伊勢神宮を見に行こうかと」 

伊織「で、なんで私がカメラマンなのよ」 

P「いや、やけにディレクターがお前のカメラワークを気に入ってな」 

伊織「仮にもアイドルに負けるカメラワークって、あんた何してんの」 

P「大丈夫。放映時には俺の顔は隠れるようにしてあるから」 

伊織「私の顔は?!」 

P「其の可愛らしい声はちゃんと入ってるゾ☆」 

伊織「海に叩き込むわよ」 


3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:25:54.42 :xPy7C6ZB0

あずさ「こーら、伊織ちゃん。他のお客さんもいらっしゃるんだから、大きい声出しちゃダメでしょ~」 

伊織「っ……で、なんで急に伊勢神宮なのよ」 

P「伊勢うどんが食いたくなってな」 

伊織「……」 

あずさ「あらー」 

伊織「……あんた、本当にそれだけ?」 

P「それだけだが何か?」 

伊織「やっぱり伊勢湾の魚の餌になりなさい!」 

P「あだだだだ!そこ引っ張っちゃらめぇっ!」 

あずさ「あらあら」 


4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:26:33.65 :xPy7C6ZB0

鳥羽フェリーのりば 

伊織「……本当についちゃったのね」 

あずさ「そういえば、鳥羽って言うと真珠が有名ですね」 

P「ミキモト真珠の真珠島ですね。世界ではじめて真珠貝の養殖に成功したっていう」 

伊織「真珠ねぇ。私はあんまり付けないけれど、あずさは似合うんじゃない?」 

あずさ「そうかしら~」 

P「後で見てみますか」 

伊織「ねえ、ところで私がカメラってのは、もう確定事項なのね」 

P「えっ」 

伊織「その、『何今更言い出すの?』っていう意外そうな顔をするのやめてもらえるかしら?」 


5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:27:15.13 :xPy7C6ZB0

伊勢神宮外宮 

P「で、ここが外宮だ」 

伊織「外宮?」 

あずさ「伊勢神宮には、外宮と内宮があるのよ~」 

伊織「へぇ。さすがは神社の総本山ね」 

P「よし、それじゃお参りするか」 


6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:28:56.27 :xPy7C6ZB0

本殿前 

あずさ「えーと、何でしたっけ、三三七拍子?」 

P「それじゃ応援団じゃないですか。三三九度ですよ」 

伊織「それは神前式でしょうが。結婚でもすんの?」 

P「あ、ああ、いやだなぁ、伊織、そんな、結婚だなんて」 

あずさ「そ、そうですよ~。も、もっとこう、段階を踏んで」 

伊織「何早とちりしてんのよ。二礼二拍一礼でしょう!」 

P「おお、伊織は賢いなぁ」 

伊織「バカにしてんの?!」 

P「冗談冗談。さて、それでは……」 

あずさ「……」 

P「……」 

伊織「……地味な絵ねぇ」 


7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:30:23.93 :xPy7C6ZB0

県道32号線 

伊織「で、次が内宮?」 

P「ああ。内宮の周りは、おかげ横丁っていう、いろんな店が並んでるんだ。そこも見てくのがお伊勢参りだな」 

あずさ「そういえば、さっきから電柱に赤福って文字が見えますけれど」 

伊織「あずさ、あんた知らないの?赤福ってのはね、あんこの中に餅が入ってる常軌を逸した食べ物よ……ほら、これ、この写真の」 

あずさ「……あんこじゃないんですか?」 

P「上から見ると、あんこの塊だもんなぁ」 

伊織「……しつこいくらいに看板出てるわね」 

P「あーかふくっ!あーかふくってな」 

伊織「どこぞの番組の見過ぎよ」 

P「なんで伊織しってるんだ?」 

伊織「律子と小鳥が見てるらしくて、よく聞こえてくるのよ」 

P「ああ、あの二人もか」 

あずさ「あの、どういう」 

P「まあ、他局の番組なんでね」 

伊織「そんな際どいネタ使えないわよ。カットよカット」 


8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:31:39.56 :xPy7C6ZB0

駐車場 

伊織「えー、歩くのぉ?」 

あずさ「駐車場、いっぱいですねぇ」 

P「さすがは日曜日。人も多いなぁ」 

伊織「ま、どうせおかげ横丁も見るから良いのかしらね」 

P「だな。さて、それじゃああずささん、はぐれないようにしてください」 

あずさ「はーい」 

伊織「……私に連れて行け、と」 

P「頼むぞ、伊織」 

伊織「カメラも持ってるんだけれど」 

あずさ「伊織ちゃんの手、小さいわねぇ」 

伊織「……」 

P「おお、照れとる」 

伊織「う、うるさい!」 


9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:32:33.19 :xPy7C6ZB0

おかげ横丁 

伊織「すごいわねぇ。道路の両側、全部お店」 

あずさ「串焼きも美味しそうですねぇ。松阪牛ですって」 

P「酒もあるな。帰りに土産で買ってくか」 

伊織「伊勢うどんの店も見当つけといてよね」 

P「おう」 


10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:33:22.67 :xPy7C6ZB0

伊勢神宮 
宇治橋前 

P「ここが宇治橋。五十鈴川だな」 

伊織「なんか、朝早くにテレビで見たような光景ね」 

あずさ「早朝ロケとかの時に見るわねぇ」 

P「あれだなぁ。さすがは伊勢神宮レベルになると、都内の神社と広さが違うなぁ」 

伊織「そうねぇ。森に囲まれてるもの」 

あずさ「なんだか、迷子になったら抜け出せないんじゃ」 

伊織「怖いこと言わないでよね」 

P「ありうるかもしれん」 

伊織「深刻そうなをして言わないでよ」 


11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:34:07.83 :xPy7C6ZB0

手水舎 

あずさ「お手てを綺麗に洗いましょ~」 

P「ほら、伊織、俺が持っといてやるから洗え」 

伊織「はいはい…………はい、終わり」 

P「ほい」 

伊織「ありがと……ナチュラルに渡してるけどね、あんたがずっと持っておくって言う選択肢はないの?」 

P「え?」 

伊織「だからその「何いってんの?」っていう意外そうな顔をやめてもらえる?」 


12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:34:50.12 :xPy7C6ZB0

参道 

伊織「……結構歩くのね」 

あずさ「広いです~」 

P「さすがに規模が違うなぁ。驚いた」 

あずさ「すごく大きな木ですねぇ」 

P「……1000年ぶりかな」 

伊織「あんたは何者なのよ」 

P「冗談はさておき。樹齢1000年を超えるような木がゴロゴロしてるなぁ」 

あずさ「神話に出てくるところですものねぇ」 

伊織「いいの?こんなところでバラエティ番組の撮影なんて……ぱっと見は、ホームビデオ以下だけれども」 

P「大丈夫、許可はもらってる」 

伊織「許可出てるとはいえねぇ……」 


13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:35:32.40 :xPy7C6ZB0

本殿前 

伊織「長いわねぇこの階段」 

あずさ「はぁ……はぁ……も、もう少しですね」 

P「よぉし頂上!」 

伊織「……さすがに神妙になるわね」 

P「じゃあ、また参拝しますか」 

あずさ「……」 

P「……」 

伊織「……やっぱり地味ね」 


14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:36:04.68 :xPy7C6ZB0

宇治橋 

P「さ、というわけで、これで伊勢神宮参拝も道半ばとなりまして」 

伊織「まだ半ばだったの?!」 

P「まだ伊勢うどんと赤福食ってないし」 

伊織「それはどうあっても食べるわけね」 

あずさ「でも、プロデューサーさん、もう夕方ですけれど、今から東京まで帰るのは大変じゃないですか?」 

P「大丈夫!今度はちゃんと宿をとってありますから」 

伊織「それが普通だってのに……」 


15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:37:27.55 :xPy7C6ZB0

伊勢うどんのお店 

P「んまい」ズゾゾッ 

あずさ「これが伊勢うどんって言うんですねぇ……ん、おいし」 

伊織「こういうのもなかなか良いじゃない」 

P「おみやげに買って帰ろう」


16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:38:30.13 :xPy7C6ZB0

赤福本店 

P「さあさあ、デザートと行きましょうか」 

伊織「……いつ見ても、アンコよね、これ」 

あずさ「これが赤福って言うんですねぇ」 

P「……甘い!」 

あずさ「これは……すごいです~」 

伊織「甘いわねぇ。甘いわぁ……春香が前作ってきたメープルシロップ5割増しなクッキー並みに甘い 

あずさ「何かあったの?」 

伊織「あの子ね、お菓子作りしてくるじゃない?そしたら『メープルシロップの賞味期限が近いから、今日はメープルシロップ祭りですー!』とかやよいのモノマネして言ってね。もうそれが甘いのなんのって」 

あずさ「あらあら」 

P「基本旨いんだけどなぁ」 

伊織「それにしてもあんたいくつ食べるつもり?」 

あずさ「太りますよ?」 

P「美味しいなら大丈夫だって346プロの子が言ってたから大丈夫だよ」 

伊織「誰よ!」


17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:44:32.09 :xPy7C6ZB0

本日の宿 

伊織「はい、それじゃあこれが私とあずさの部屋ね……あっ」 

あずさ「あっ」 

伊織「……私、ホテルの部屋ツインだって聞いてたんだけれど」 

あずさ「ですよねぇ?」 

伊織「このベッド、どう見える?」 

あずさ「ダブルベットですね」 

伊織「……ま、お風呂は温泉があるって言ってたから、あいつにしては及第点ね」 

あずさ「プロデューサーさん、一人で寂しくないかしら」 

伊織「ほっときゃ良いのよ。大体一人一部屋取りなさいって……さ、あずさ、温泉行きましょ。もうクタクタよ……」


18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:47:03.04 :xPy7C6ZB0

温泉(ここからは音声のみでお楽しみください) 


あずさ『ねえ伊織ちゃん。最近背が伸びた?』 

伊織『まあね。あずさほどじゃないけど』 

あずさ『私も大変なのよ。服とか、可愛いの探すの結構大変で』 

伊織『ふーん。スタイルがいいならいいで大変なのねぇ』 

あずさ『伊織ちゃんも、スレンダーで可愛いわぁ』 

伊織『う、うるさいわね!』 

あずさ『いーおーりーちゃーん』 

伊織『こ、こらあずさ!どこ触ってんのよ!』 

あずさ『ほらほら、こちょこちょこちょ』 

伊織『や、やめなさいってんにゃ-!』 


19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:48:51.31 :xPy7C6ZB0

翌朝 

伊織「プロデューサーが予備のバッテリー充電忘れてたから、夜の映像はありません」 

あずさ「あらあら」 

P「いやぁ、ホントすんません。でもあのあとすぐ寝たんだろう?」 

伊織「バタンキューね」 

P「バタンキューって古いなぁ」 

伊織「あ、でもあずさがホテル内で迷子になって、それを探しにいった時とか。回しといたらいい絵がとれたんじゃない?」 

あずさ「もう、伊織ちゃん!」 

伊織「はいはい。で、今日はどこ行くつもりなの?」 

P「夫婦岩ってしってるか?」 

あずさ「ああ、あの岩と岩の間にしめ縄渡してあるところですね」 

P「そうそう。開運招福、家内安全、交通安全。帰りに夜にはぴったりじゃないか」 

伊織「よしっ。それじゃ行くわよ」 

あずさ「……ねえ伊織ちゃん。だんだんカメラ持つのに抵抗なくなってない?」 

伊織「……まあね」 


20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:50:32.62 :xPy7C6ZB0

二見興玉神社 

あずさ「あれが夫婦岩ですね」 

P「ですね。周りはご夫婦連れでいっぱいです」 

伊織「やっぱり願掛けみたいなもんなのかしらねぇ……ところで、なんでここ、こんなにカエルが居るのよ?」 

あずさ「狛蛙?」 

伊織「狛犬みたいに言わないでよ」 

P「なんでも、ここを参拝した方が、ご利益があったからと奉納したとか。猿田彦大神の使いがカエルってのも関連してるらしいな」 

あずさ「かわいいわねぇ。そうだ、カエルだから、交通安全もご利益なんでしょうか?無事かえる、なんちゃって」 

伊織「カワイイ」 

あずさ「えっ?」 

伊織「なんでもないわよ」 

P「さて、じゃあここもご参拝と行きますか」 

あずさ「……」 

P「……」 

伊織「やっぱり絵が地味ねぇ……」 


21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:52:23.66 :xPy7C6ZB0

国道42号線 

伊織「ねえ、プロデューサー」 

P「何だ?」 

伊織「今調べたんだけどね、二見輿玉神社、本当は伊勢神宮行く前に寄って、そこで禊をしてから行くのが正式らしいけど」 

P「そうなのか?」 

伊織「あと一歩が甘いわねぇ……ま、今回も結構楽しかったわよ」 

あずさ「また行きたいですねぇ」 

伊織「次こそはちゃんとカメラマン手配しときなさいよ」 

P「それは局次第、かなぁ。視聴率とか」 

伊織「またそういうカットされるようなこと言って」 

P「ははは!大体こういうところが使われるんだぞ!」 

伊織「じゃあ尚更言うんじゃないわよ!」 


22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 22:54:00.44 :xPy7C6ZB0

あずさ「今度はどこですかねぇ」 

P「そうですねぇ、多分今度は、東日本じゃないですかねぇ」 

伊織「なんか大体読めたんだけど」 

P「お」 

伊織「……まあ、いいわ。そのときまでお楽しみってことにしておきましょう。それじゃあ、伊織ちゃんとあずさと愉快な仲間たちが行くミステリーツアー、今日はこの辺りで」 

あずさ「ばいばーい!」 

P「え、俺ユカイな仲間なの」 

伊織「あんたは前向いて運転する!」 

P「はーい」 



終