【SS速報VIP】ありす「プロデューサーはもう少しキリっとするべきです」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427362233/


1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:30:33.44 :JxN65EvN0

~次の日~ 


P「ですから、ありすさんの助言のように……」 

ありす「違います」 

P「これからはキリッと、常識のある言葉遣い、人に敬意を払うように」 

ありす「違うんですっ!」 

P「……わかりました」 

ありす「どう考えてもわかってませんが、聞かせてください」 

P「まず呼び名を変えろ、ということですね。橘さん」 

ありす「なっ」


2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:31:24.67 :JxN65EvN0

P「確かにこれまで、配慮が足りませんでした。気を付けますので……」 

ありす「どっ、どうして……」 

P「では橘さん、レッスンの時間がおしています、参りましょうか」 

ありす「あ、あのっ、プロデューサー」 

P「どうかしましたか?」 

ありす「……そのっ、私は」 

輝子「あ……P、台本、知らないか、私の……」 

P「おうそこだぞ、机置いといた」 

ありす「っ!」


3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:32:59.06 :JxN65EvN0

ありす「なんで……」 

輝子「……ん……あ、ありす……?」 

ありす「……名前で、呼ばないでください」 

P「輝子、ダメだぞ……橘さん、すみません。気を付けさせますから」 

輝子「う、うん……ごめん……」 

ありす「…………構いません。行きましょう、プロデューサー」 

P「はい」 

輝子「い、いってらっしゃい」


4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:34:17.90 :JxN65EvN0

P「今日のレッスンはですね」ブロロロ 

ありす「……」 

P「橘さんは昔と比べ表情がずっと豊かになりましたし、今度はそれをより…」 

ありす「私は無愛想でしたか」 

P「……そういうことでは」 

ありす(……自覚はありました) 

ありす(それでも最近は……だった、のに……)


5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:35:30.93 :JxN65EvN0

P「つきましたよ橘さん……橘さん?」 

ありす「……すみません。考え事をしていました」 

P「そうですか。悩み事なら相談をしてくださいね」 

ありす「そうですね……プロデューサー」 

P「はい」 

ありす「今日のレッスンは……一人、ですか?」 

P「いえ、合同で……」 

ありす(合同、誰が……)


6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:37:14.63 :JxN65EvN0

P「とにかくレッスン場に入りましょうか……お?」ガチャ 

幸子「もう、遅いですよ! ボクをこんなに待たせるなんて!」 

ありす「!」 

P「おう、すまんすまん」 

幸子「全く、ボクのプロデューサーなんですからもう少しキリッとして貰わないと」 

P「ああ、それは注意されてな、気を付けようと思ってるんだ」 

幸子「まったく、仕方ありませんね……おや、橘さん? どうしたんですか?」 

ありす「……いいえ、別に。早くレッスンを始めましょう」 

幸子「そうですか……じゃあ、まずはストレッチからですね」


7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:38:11.18 :JxN65EvN0

幸子「じゃあゆっくり押しますね!」グイッ 

ありす「んっ……」 

幸子「……! 橘さん、や、柔らかい……なかなかやりますね……」 

ありす「……」 


P『ありす、今日はな……』 


ありす「橘、さん……」 

幸子「でもボクだって柔軟は毎日……あ、あれ、どうかしましたか?」 

ありす「なんでも、ありません。次はこちらが押す番ですね」


8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:39:56.13 :JxN65EvN0

ありす「ありがとうございました幸子さん、交代しましょう」 

幸子「……」 

ありす「どうかしましたか?」 

幸子「橘さん。強がりもカワイイですけれど、素直になったほうがもっとカワイイと思いますよ?」 

ありす「何の話ですか。急すぎます」 

幸子「なんとなくですよ。何か悩んでいませんか?」 

幸子「なんならこのボクが相談にのってあげてもいいんですよ!」 

ありす「……」


9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:41:04.30 :JxN65EvN0

ありす「それなら、一つだけ……」 

幸子「! ふ、フフン、なんですか? なんでも来てください!」 

ありす「幸子さん、私を呼び捨てにしてみてもらえませんか……?」 

幸子「へっ?」 

幸子「え、えっと……あ、ありす……?」 

ありす「……」


10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:42:18.86 :JxN65EvN0

幸子「あ、あの。橘さん??これはいったい」 

ありす「呼び捨てで、とお願いしたはずです」 

幸子「う……ありす」 

ありす「はい」 

幸子「これで、いいんですか?」 

ありす「……もう少しお願いします」 

幸子「……ありす」 

ありす「……ふふ」 

幸子「笑わないでくださいっ、ボクだって凄く違和感がっ」 

ありす「いえ……やっぱり私は……」 

ありす(あの人に呼んでもらえるから、私はこの名前を……) 

幸子「た、橘さん……!? なっ、なんでっ、泣いて……!」


11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:42:58.85 :JxN65EvN0

――― 



P「あり……橘さん!」 

ありす「……」 

P「幸子から……連絡がありました。急に泣き出したと……大丈夫ですか?」 

ありす「大丈夫に、見えますか?」 

P「いえ……ですが、体調を崩しただとか……」 

ありす「……そうですね。崩れちゃいました。ぐずぐずです」 

P「担当アイドルの不調も見抜けない自分を情けなく思います、本当に申し訳ない……」 

ありす「……まだ言うんですか」 

P「まだ?」


12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:43:30.53 :JxN65EvN0

ありす「プロデューサー……いえ、Pさん」 

P「ぴ、Pさん?」 

ありす「ええ、Pさん、Pさんです、幸子さんにはそう呼ばれてますよね」 

P「それは……そうですが、しかし」 

ありす「しかしじゃありません。誰か一人だけを特別扱いするのは論理的ではないと思います」 

P「……それなら、幸子……いえ、輿水さん側にも――」 

ありす「どうしてそうなるんですか。Pさんと、幸子さんはいい関係ですよね?」


13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:44:49.24 :JxN65EvN0

P「でも……」 

ありす「……わかりました、分かってくれないなら私はPさんのこと呼び捨てにします」 

P「え」 

ありす「ぴ、Pを困らしてやるんですからっ!」 

P「きゅ、急に何を」 

ありす「それくらいっ!……それくらい呼び名って、特別なんです……Pさんが今、困ってるくらい」 

P「……」


14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:45:20.88 :JxN65EvN0

ありす「ね、P……さん。私のことを呼んでください」 

P「……ありす」 

ありす「はい」 

P「ありす」 

ありす「はいっ」 

P「ありす」 

ありす「はいっ!」 

P「……ごめんな」 

ありす「許してあげません。まだまだ足りないんですから」


15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:46:12.25 :JxN65EvN0

ありす「これからもっともっと呼んで貰わないと……ですからね、Pさん」 

P「その、Pさんっていうのは、続投なのか?」 

ありす「ダメですか……?」 

P「うっ」 

ありす「……P?」 

P「わ、わかった! わかったそれでいい!」


16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:46:48.86 :JxN65EvN0

――― 



P「仕事いこうか、幸子、ありすー」 

ありす「はい。呼びましたか」 

P「うん、しご……あの」 

ありす「呼びました、か?」ギュッ 

P「……ありす。離れてくれ」 

ありす「Pさんはワガママですね」 

P「うんうん、わかったから。ありす」 

ありす「えへへ」 

幸子「……」 

P「……ん? どうしたんだ幸子」


17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 18:47:33.95 :JxN65EvN0

ありす「Pさん、行かないんですか?」 

P「おい、手を引っ張るなって」 

幸子「て、手を繋っ……ぴ、Pさん!」 

P「ん、なんだ幸子」 

幸子「……Pさんはもう少し、キリッとするべきですよ!」 

P「なるほど……ありすにも言われたな……」 

幸子「だ、だったらわかりますよね? ねっ」 

P「ああ……いや。はい」 

幸子「フフーン、だったら」 

P「以降気を付けさせていただきます、輿水さん」 

幸子「えっ」 



おわり


18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:03:39.97 :JxN65EvN0

終わりです 

読んでくれてありがとうございました