1:2013/05/06(月) 20:56:32.04 :xFf3kEESo

P「夏樹、改めてロックフェスのLIVE、お疲れさま!」 

夏樹「へへっ、Pさんもお疲れ!」 

P「次のLIVEも期待してるぞ!」 

夏樹「もちろん! 次はもっとアツいパフォーマンス、見せてやるよ!」 

P「お、そりゃ楽しみだ! ……ところで」 

夏樹「どうしたんだ?」 

P「あそこに転がってるのはなんなんだ?」 

李衣菜「助けてー!」ジタバタ 

夏樹「ギターパフォーマンスの練習をしてたら、コードに絡まっちゃっただりーさ」 


2:2013/05/06(月) 20:58:34.37 :xFf3kEESo

P「なにやってんだ李衣菜……ほら、じっとしてろ。ほどいてやるから」 

李衣菜「あぅぅ、すみません……」 

夏樹「せめてコード無しでやればいいものを」 

李衣菜「えー、だって本番じゃスピーカーに繋いでやんなきゃならないでしょ?」 

夏樹「そういうのはもっとちゃんと弾けるようになってから言えよな?」 

李衣菜「うっ。なつきち先生、これからもよろしくお願いしますっ」 

夏樹「しょうがねーなぁだりーは……しっかりついてこいよ!」 

李衣菜「うん!」 

P「どうやったらもやい結びになるんだこれ」


3:2013/05/06(月) 21:00:28.11 :xFf3kEESo

――― 

P「ふいー、やっとほどけた」 

李衣菜「ありがとうございますPさん! 自由だー!」 

夏樹「悪いなPさん。だりーがいつも迷惑かけちまって」 

P「いやいや、そうでもないよ。こういうところも李衣菜の魅力だしな」 

夏樹「あぁ、分かる分かる! なんつーか、ほっとけないみたいな?」 

P「そうそう! 李衣菜の可愛さってそこにあると思うんだよ!」 

夏樹「さすがPさん! やっぱアタシたちのプロデューサーだぜ!」 

P「ははは、よしてくれ。恥ずかしいじゃないか」 

李衣菜「恥ずかしいのは私ですけど!?」


4:2013/05/06(月) 21:03:05.17 :xFf3kEESo

李衣菜「むー、二人して私のこと言いたい放題! これでもチームCoolなんだけど!」 

P「Coolに入れたのは俺だけどな。出会った頃は、爽やかでかっこ可愛い感じの女の子だと思ったし」 

夏樹「今じゃ見る影もないな」 

P「まったくだ」 

李衣菜「ひどい!」 

夏樹「でもその代わり可愛いんだよな」 

P「その通り。可愛さがあふれて留まることを知らない」 

李衣菜「貶されてるのか褒められてるのか分かんないよ!」


5:2013/05/06(月) 21:05:04.92 :xFf3kEESo

P「なにを言う!」 

夏樹「アタシらはだりーの魅力を語り合ってるんだぞ!」 

李衣菜「う、うぐぐ……! で、でもそれなら、もっと私のクールなところを語ってよ!」 

P「李衣菜のクールなところ……?」 

夏樹「あ、あぁ。アレがあるじゃんPさん。アレだよ、アレ」 

P「お、おうアレな。アレだろ、アレ! 言ってやれよ夏樹!」 

夏樹「い、いやここはPさんだろ?」 

P「な、夏樹は李衣菜のパートナーだろ!?」 

夏樹「Pさんはプロデューサーじゃねーか!」 

李衣菜「せめて一つくらい言ってほしい!」


6:2013/05/06(月) 21:07:28.84 :xFf3kEESo

李衣菜「いいもんいいもん、どうせ私はクールじゃないもん」イジイジ 

夏樹「す、拗ねるなって……」 

P「あ、でも」 

夏樹「ん?」 

P「ロックフェスの時は夏樹に負けず劣らず、すごくかっこよかったなぁ」 

李衣菜「へ……?」 

P「気合の入り方が違ったというか……李衣菜のアツい気持ちが伝わってくるようだったよ」 

P「この調子なら、ロックなアイドルもそう遠くないうちになれるかもな!」


7:2013/05/06(月) 21:09:44.24 :xFf3kEESo

李衣菜「Pさん……」 

P「李衣菜……」 

李衣菜「それは、褒めてるんですよね? またからかってるとかじゃない?」ジトッ 

P「う、疑り深い……もちろんだ。李衣菜が本気を見せてくれたんだ」 

P「俺も本気で応えたいんだよ。李衣菜の本気をもっと見てみたい」 

李衣菜「……へへへ、はい。私の本気、ファンのみんなに……Pさんに! 見せてあげますっ!」 

P「あぁ!」


8:2013/05/06(月) 21:11:39.40 :xFf3kEESo

李衣菜「よぉーし、やるぞー! うおぉーっ!」ウッヒョー! 

夏樹「……へへっ。よかったな、だりー」 

P「夏樹?」 

夏樹「あ、わりぃPさん。なんだかいい雰囲気だったな? 口説いてるみたいだったぜ」 

P「なに言ってんだ。夏樹だってかっこよかったぞ?」 

夏樹「へっ、当たり前だろ?」 

P「それに、可愛かった」 

夏樹「………………へっ?」


9:2013/05/06(月) 21:13:45.98 :xFf3kEESo

P「初めての大きなLIVEに緊張してたり、本当に楽しそうに歌ったり踊ったり、な?」 

夏樹「な、な……!」カァァッ 

P「あ、あとは髪を下ろした時だな! あれならファッションモデルとしても……」 

夏樹「ちょ、ストップPさん! やめろってそういうの!」 

P「えー、なんでだよー? 照れることないだろ?」 

夏樹「てっ照れてなんかねぇよ! そうじゃなくて、アタシはもっと歌の仕事をやりたいんだ!」 

P「うーん、でももう何社かモデルの依頼受けてるんだよな」 

夏樹「今はその行動力と決断を恨むぜ!?」


10:2013/05/06(月) 21:15:26.50 :xFf3kEESo

李衣菜「んふー、な・つ・き・ちぃ?」 

夏樹「んなっ、なんだよだりー!」 

李衣菜「ダメだよなつきち、仕事を選り好みしちゃ。ロックじゃないよぉ?」ニヤニヤ 

夏樹「だりーに言われたくねぇ……あ、アタシなんかがモデルなんて務まらねぇよ!」 

P「そんなことないって。夏樹ならかっこ可愛く着こなせる!」 

李衣菜「Pさんよく分かってる! 私が言っても聞いてくれないんですよ、アタシには似合わないーって」 

P「なにっ、聞き捨てならねぇ! 似合うに決まってるだろ!」 

李衣菜「そうだそうだー!」 

夏樹「こ、こいつら……!」


11:2013/05/06(月) 21:17:25.52 :xFf3kEESo

P「なぁ夏樹、着てみよう。きっと似合う! 一回だけでもいいから!」 

李衣菜「お願いっ、私もなつきちの可愛い服装見たい!」 

夏樹「う…………わ、分かったよ……着るから。一回だけな!」 

P「よしっ! よく言ってくれた!」 

夏樹「ったく……ホント、しょうがないプロデューサーだぜ」 

李衣菜「いぇーい! ひらひらな服とかあるんですか?」 

P「それは李衣菜用に、別に用意してあるぞ!」 

李衣菜「えっ」


12:2013/05/06(月) 21:19:55.60 :xFf3kEESo

P「髪下ろしたのも撮るかなー」 

夏樹「あんまり気が進まねぇなぁ」 

P「夏樹の魅力を伝えるためさ、いいじゃないか」 

夏樹「んー……ま、やるって決めちまったし。簡単に曲げるのはロックじゃない、ってな」 

P「おー、かっこいい」 

夏樹「可愛いのはPさんに任せるよ。頼んだぜ!」 

P「おう!」 

李衣菜「ねぇなんで私はひらひらなんですか!? ねぇねぇ!」


13:2013/05/06(月) 21:21:48.22 :xFf3kEESo

――― 

P「さて、そろそろ収録終わりの娘を迎えに行かなきゃ」 

李衣菜「なんで私はひらひら……なんで……」ブツブツ 

夏樹「まだ言ってる……だりー、適材適所ってやつさ。諦めな」 

李衣菜「むぅ」ムスー 

P「はは、ちゃんと李衣菜が気に入る仕事持ってくるから」 

李衣菜「……嘘ついたら針千本ですからね?」 

P「あいよ。期待して待っててくれ」 

李衣菜「……はい!」


14:2013/05/06(月) 21:23:16.21 :xFf3kEESo

夏樹「Pさん、アタシにも頼むぜ? モデルばっかりじゃなくて歌の方もさ」 

P「あぁ、すぐにとはいかないかもしれないけどな」 

夏樹「へへ、楽しみにしてるぜ!」 

P「じゃ、ちょっと出てくるよ。みんなが戻ってきたらミーティングして、それで今日は終わりだ」 

夏樹「分かった。待ってるよ」 

李衣菜「行ってらっしゃい、Pさん!」 

P「行ってきます……っと、まだ二人に聞きたいことあったんだ」 

夏樹「聞きたいこと?」


15:2013/05/06(月) 21:25:45.52 :xFf3kEESo

P「こういうのは直接聞かないとな。大事なことだ」 

李衣菜「は、はい……なんですか?」 

P「って言っても、そんなに気を張らなくてもいいよ。……夏樹、李衣菜」 

P「二人は今回のLIVE、心の底から楽しめたか?」 

夏樹「……あぁ! 最高のステージだったぜ!」 

李衣菜「あ、わ、私も! アツくてかっこよくて……今までで一番でした!」


16:2013/05/06(月) 21:27:11.60 :xFf3kEESo

P「……うん、ならよかった。俺も楽しかったよ、ありがとう!」ナデナデ 

だりなつ「……!」 

P「一緒に頑張っていこうな。それじゃ、行ってきまーす」 

がちゃ ばたんっ 

夏樹「…………」 

李衣菜「…………」 

夏樹「へへ」 

李衣菜「えへ」


17:2013/05/06(月) 21:29:47.29 :xFf3kEESo

夏樹「Pさん、すごいよな。アタシらを簡単にやる気にさせちまう」 

李衣菜「……うん」 

夏樹「だりーがPさんに惚れるのも分かるぜ」 

李衣菜「うん。…………うん?」 

夏樹「どした?」 

李衣菜「待って待って、……え、ちょっとなつきち!? 誰が誰に惚れてるって!?」 

夏樹「だから、だりーがPさんに」 

李衣菜「わー、わぁー!!」


18:2013/05/06(月) 21:31:52.57 :xFf3kEESo

夏樹「なんだよデカイ声出して……違うのか?」 

李衣菜「ち、ちがっ! 違うもんね! だ、だぁれがPさんなんかっ!」 

夏樹「へへっ、のんびりしてたらアタシがPさん攫っちまうぜ?」 

李衣菜「………………え」 

李衣菜「い、い、今なんて……!」ワナワナ 

夏樹「んー? アタシなんか言ったか?」 

李衣菜「な、なつきちがPさんを、え、えええええ!?」


19:2013/05/06(月) 21:33:26.04 :xFf3kEESo

夏樹「そんな驚くなって、アタシだって女だぜ? 恋の一つや二つ」 

李衣菜「ダメダメダメ! いくらなつきちでもPさんは渡さないからね!!」 

夏樹「やっぱりだりーも惚れてるんじゃねーか」ニヤニヤ 

李衣菜「違うもん! 好きだけど惚れてないもん!」 

夏樹「どっちなんだよ……」 

李衣菜「ううう……ま、負けないからね、なつきち!」 

夏樹「へっ! 受けて立つぜ、だりー!」 



おわり


20:2013/05/06(月) 21:34:34.41 :xFf3kEESo

というお話だったとさ 
だりーなもなつきちもかわいい





22:2013/05/06(月) 21:45:55.81 :xFf3kEESo

李衣菜「……はっ!」 

夏樹「どうした?」 

李衣菜「二人の女が一人の男を奪い合う……なんだかロックっぽい!」 

夏樹「別に奪い合ってるわけでもないし、普通は男女逆じゃね?」 

李衣菜「燃えるね、なつきち!」 

夏樹「燃えねーよ……それに、実際奪い合うのは二人とかいうレベルじゃないだろ」 

李衣菜「え、そうなの!?」 

夏樹「……だりーは恋愛事に疎い、と」 



そんな蛇足


元スレ
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