1:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 15:39:43.94 :Wr/7a9fE0

モバマスSSです。


2:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 15:40:51.60 :Wr/7a9fEo

こんにちは。 

色々と違うSS書いてましてご無沙汰になっておりました。 

古典シリーズです。


4:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 15:43:53.33 :Wr/7a9fEo

事務所 

P「~♪」 

ちひろ「あ、懐かしいですね。その音楽」 

周子「お、Pさんが鼻歌なんて珍しいね」 

蘭子「その曲はまさか…」 

P「来年だしな」 

周子「あ、来年なんだ」 

蘭子「時の流れは早いものよ…」 

ちひろ「早いですねぇ」 

杏「なんの話してんの?」 

P「タイムスリップする話だな」 

杏「あぁ、あれね」 

周子「杏も見たことあるんだ」 

杏「まぁね。杏が見たくてみたか、誰かと見たのか記憶にないけど」 

ちひろ「未来と過去だったらどっちに行きたいですか?」 

周子「どっちも行きたくないねぇ」 

杏「杏は過去でも未来でも、いつでもこんなんだからどっちも行かなくてもいいや」 

P「ブレないな杏は…」 

杏「別にキャラ付けしてる訳じゃないんだけどね」 

周子「あー、でも、どっちかに行かなきゃいけないんだったら未来の方がいいかな」 

ちひろ「行かなきゃいけない…ですか?行きたいじゃなくて?」 

周子「そ。行かなきゃいけないなら」 

P「なんか含みのある言い方だな」 

周子「うーん。大したことは含んでないんだけどね」ポリポリ 

蘭子「わ、我は異世界に…」 

P「蘭子、それは多分未来でも過去でもないな」 

蘭子「あう…」


5:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 15:44:57.39 :Wr/7a9fEo

夜 

事務所 

ピリリリ 

P「はい。もしもし」 

美嘉『あ、Pさん。今どこ?』 

P「事務所だな」 

美嘉『うえ。まだ仕事してるの?』 

P「まぁな」 

美嘉『そっか…』 

P「どうかしたのか?」 

美嘉『あ、ううん。大丈夫大丈夫。気にしないで。それじゃおやすみ』 

P「あぁ、おやすみ」 

P「どうしたんだ…?」


6:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 15:47:08.00 :Wr/7a9fEo

美嘉の部屋 

美嘉「…はぁ」 

美嘉(色々喋りたかったなぁ…) 

美嘉「でも、仕事を中断させてまで話す内容じゃないし…」 

美嘉「きっと、嫌な顔せず聞いてくれるだろうけど…」 

美嘉「んあー、でもなぁ…」ブツブツ 

美嘉(アタシらの為に頑張ってるから…ただ、雑談に付き合って欲しいとか言えないし…) 

美嘉「最近、アタシよりもPさんのが忙しそうだしなぁ」 

美嘉「代わりに夕美にでも電話しようかな」ピポパ 

夕美『はい。どうしたの?』 

美嘉「あ、遅くにごめんね」 

夕美『まぁ、いいけど…』 

美嘉「さっすが、夕美だよね★」 

夕美「どの辺が私らしいか分からないけど…」 

美嘉「まぁまぁ。それでさ――」


7:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 15:47:46.70 :Wr/7a9fEo

事務所 

P「しかし、周子はどんな意味で言ったんだろうな」 

P「ま。大した意味はないかもしれないけど」 

P「でも、過去に行く…か。下手に過去に行ったら今の俺がいなくなる可能性があるんだよな」 

P「そう考えると未来の方がいいな。まだ、生きてたいし」 

P「さ、帰るか」


8:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 15:48:25.37 :Wr/7a9fEo

翌日 

事務所 

泰葉「次のお仕事は…バラエティですか」 

P「あぁ、先方さんが泰葉を気に入ってるらしい」 

泰葉「な、なるほど…気に入って貰えるのは嬉しいことですけど」 

文香「そ、それより…私もその中に入ってるんですけど…」 

P「そこは、ほら、泰葉が上手くやってくれるから大丈夫だよ」 

泰葉「丸投げなんですね…」 

文香「少し、不安です」 

泰葉「大丈夫ですよっ。頑張りましょ!」 

文香「…は、はい」 

P「その意気だ。頑張ってくれ」 

P「それにさ、俺は八百屋にサンマを頼んでるつもりはないから」 

泰葉「はい…?」 

文香「そうですか…出来るだけのことはしてみます」 

泰葉(え、何か通じたの…?) 

泰葉「ふ、二人だけの暗号で会話するのは止めて下さいよー」 

文香「暗号ではありません…。そのままの意味、です」 

泰葉「…?」 

P「俺は仕事に戻るな」 

文香「…はい」


10:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:12:49.15 :S37ZPHrQO

泰葉「さっきの言葉ってどういう意味だったんですか?」 

文香「深い意味はありませんが…言うなれば、出来ないことは頼んでいない。とでも言いましょうか」 

泰葉「あぁ、なるほど。そういうことですか」 

文香「推測の域を出ませんが」 

泰葉「もっと、直接的に激励してくれればいいのに」 

文香「確かにそう思いますね」 

泰葉「でも、たまにはそういう回りくどい言い方もいいかもしれませんけど…」 

文香「…どっちですか」 

泰葉「どっちもです」フンス


11:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:15:35.68 :S37ZPHrQO

事務所 

ちひろ「最近、忙しいですねぇ」 

P「前からよく言ってますね」 

ちひろ「あ、確かにそうですね」 

P「皆が頑張ってますからね」 

ちひろ「私達も頑張らないとですね」 

P「えぇ」 

ちひろ「でも…」 

P「はい?」 

ちひろ「忙しくて、周りが見えてないとかはないようにしたいですね」 

P「確かにそうですね。実際に仕事をするのはあいつらな訳ですから」 

ちひろ「分かってればいいですよ」 

P「何か言いたかったんですか?」 

ちひろ「たまには、皆と遊んであげたら。とでも思っただけです」


12:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:18:54.29 :S37ZPHrQO

P「…まぁ、確かにそういうコミュニケーションを取る時間もありませんでしたしね」 

ちひろ「私も手伝いますから早いトコ終わらせちゃいましょうか」 

P「そうですね!」 

ちひろ「ちひろ、頑張りますっ!」 

P「……」 

ちひろ「な、なにか…?」 

P「が、頑張るぞー」 

ちひろ「なにか言って下さいよっ!」カァァ 

P「アイドルとか興味ありませんか?」 

ちひろ「遠慮しておきます…」 

P「半分くらい冗談ですから気にしないで下さい」 

ちひろ「リアクションに困りますね…」 

ちひろ(半分は本当ってことですし…) 


13:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:19:46.59 :S37ZPHrQO

翌日 
事務所 

志希「にゃはは」 

P「やけに上機嫌だな」 

志希「まーね。キミの上着を着てるからかな」 

P「あとでちゃんと元に戻しておいてくれよ」 

志希「分かってるってー」 

凛「さらっと凄い会話をしてるよね」 

幸子「えぇ…」 

P「慣れだな」 

幸子「そういうもんなんですねぇ…」 

凛「ふぅん…」 

志希「あたしの後なら貸してあげるけど?」 

幸子「ぼ、ボクは良いですよって」 


14:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:24:24.07 :S37ZPHrQO

P「そういや志希」 

志希「ん?なに?」 

P「次の仕事の話なんだけどさ」 

志希「うんうん」 

P「これなんだけど――」 

幸子(あの恰好のまま自然に話すんですね…) 


15:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:26:17.93 :S37ZPHrQO

志希「……ん?」クンクン 

P「どうかした?」 

志希「いや、ちょっと…キミどこかでラベンダーの石鹸とか使った?」 

P「かもなぁ。さっき外出てた時に入ったトイレに置いてあったかも」 

志希「そっかそっか」 

P「嫌いなのか?」 

志希「いや、そういうわけじゃないけどね」 

P「でも、結構匂いとしてはキツいかもな。鼻が良かったら尚更な」 

志希「まぁ、それはあるねー」 

P「ラベンダーか…」 

志希「なになに?匂いに釣られて何か面白い話でも思い出したのかな?」 

P「いや、そういう訳じゃないんだけどさ」 

志希「うん?」 

P「ちょっと過去に行けるかなって」


16:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:28:21.43 :S37ZPHrQO

志希「……?」 

P「いやさ、昔そういう話があったんだよ」 

志希「ラベンダーの匂いを嗅いで過去に行く話ってこと?」 

P「そうそう」 

志希「なんだろ…全然意味が分からないね」 

P「言ってる俺も意味が分からないな。昔本で読んだんだ」 

志希「過去に行くってことはタイムマシンでも乗ったのかな?」 

P「どうだろうな?志希はそういう物理学みたいなのも詳しいのか?」 

志希「人よりはってレベルだと思うけど」 

P「そうなのか」 

志希「うん。アタシじゃ12番目の理論は構築できないかな」 

P「神をも冒涜する12番目か」 

志希「そそ。専門外だからねー」 

P「もし、志希が過去に行けたらなにする?」 

志希「記憶を持ったまま?」 

P「そうだな」


17:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:30:07.08 :S37ZPHrQO

志希「いつに行くかによって変わるけど、確実に言えることはあるよ」 

P「ん?なんだ?」 

志希「いつの時代でも、あたしはキミに会いに行こうと思うよ」 

P「そうか」 

志希「反応が薄いね〜。結局過去に行ってもこういう風にコーヒーでも飲みながら話してると思うよ」 

志希「キミに会うためだったら神様だって冒涜するよ。科学者は神に祈らないから」 


18:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:32:54.96 :S37ZPHrQO

P「でもさ」 

志希「うん?」 

P「ちょっとズレただけで未来って変わると思うんだよな」 

志希「まぁ、そうだよねー」 

P「スナイパーが弾を打つ時に数センチずれただけで、着弾が数メートルズレることもあるからな」 

志希「そうだねー」 

P「過去をやり直せても案外、自分の願った結果にならないのかもな」 

志希「自分を取り巻く環境ってのは、自分一人で成り立ってる訳じゃないからね」 

P「難しいな」 

志希「ねー」 


19:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:34:30.12 :S37ZPHrQO

志希「キミはさ」 

P「うん?」 

志希「やり直したいことあるの?」 

P「俺か?」 

志希「うん」 

P「どうだろうなぁ」 

志希「なんとも言えない回答だねぇ」 

P「でも、志希たちをプロデュースしてることは間違いないと思うぞ」 

志希「ふぅん?」 

P「まぁ、実際に戻ることなんてないだろうから検証のしようはないんだけど」 

志希「やり直しても願い通りに行かないのに?」 

P「そう言われると弱いな…」 

志希「あはは。冗談だって。ありがとね」 



20:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:36:32.92 :S37ZPHrQO

事務所 
夜 

志希「それじゃ、ばいばーい」 

P「送っていくか?」 

志希「だって仕事あるでしょ?」 

P「それはそれだ」 

志希「うーん…他に帰る人がいるなら一緒に送って貰いたいけど…」 

小梅「あ…私帰ります」 

文香「私も…はい」 

志希「あ、それならお願いしちゃうねー」 

P「分かった」 


21:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:38:35.55 :S37ZPHrQO

車内 

小梅「あ、あの…」 

文香「な、なんでしょう?」 

小梅「さ、鷺沢さんは…本好きですよね…?」 

文香「はい。好きですね」 

小梅「怪談話とかも…読むんですか?」 

文香「まぁ…たまに」 

小梅「こ、今度、借りても…いいですか?」 

文香「本をですか?」 

小梅「は、はい…。映画になった作品を…本でも読んでみたくて」 

文香「あればお貸ししますね」 

小梅「は、はい…」 


22:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:39:59.03 :S37ZPHrQO

文香「本は好きですか?」 

小梅「……分からないです」 

文香「そうですか」 

志希「あたしは好きだよ」 

P「俺も好きだな」 

志希「ひゅー、気が合うね~」 

志希「今度本貸してあげようか?」 

P「なんの本だ?」 

志希「錬金術の本」 

P「漫画か?」 

志希「残念ながら面白くもない学術的な本なのだ」 

P「面白くないものを何故勧めようとしてくるんだ…」 

志希「キミなら興味あるかなって思って」


23:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:41:15.02 :S37ZPHrQO

P「いや、俺は別に金とか賢者の石とか興味ないんだけど…」 

志希「えー?またまたー」 

小梅「なんの…話?」 

文香「私とかと…違ったタイプの本を読むんですね」 

志希「今のは半分くらい悪ふざけだけどねー」 

P「小梅、今度俺もなんか本があったら貸してやるな」 

小梅「あ…うん。ありがとう…ございます」


24:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:42:58.50 :S37ZPHrQO

小梅「それじゃ…お疲れ様でした」 

P「お疲れ様」 

志希「おつー♪」 

文香「お疲れ様でした」 


25:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:44:09.70 :S37ZPHrQO

志希「そういや、文香ちゃんさー」 

文香「な、なんですか?」 

志希「本好きなんだよね?」 

文香「は、はい…錬金術については明るくありませんが…」 

志希「あはは。さっきの話はもう忘れていいって」 

文香「は、はい…」 

志希「あ、そうそう。それでさ」 

文香「なんでしょうか…?」 

志希「ちょっと耳貸して~」 

文香「は、はい…」 

文香(Pさんには言えない話なんでしょうか…?)


26:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:45:02.99 :S37ZPHrQO

志希「――」ヒソヒソ 

文香「…なっ!」ボッ 

志希「あ、その反応…」ニヤニヤ 

文香「ち、違いますっ!」 

志希「あ、そうなんだ」 

文香「はい。私は断じてそういう類の本は…」カァァ 

P「どうしたんだー二人共」 

文香「なんでもありません…」 


27:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:46:15.21 :S37ZPHrQO

文香「それでは、お疲れ様でした」 
P「お疲れ様」 


志希「ばいばーい」 


28:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:47:30.29 :S37ZPHrQO

車内 

P「そう言えば志希」 

志希「さっき文香ちゃんに聞いた内容の話なら答えないよ?」 

P「そうか…残念だ」 

志希「興味あったんだ」 

P「まぁ、あんなリアクションするなんて中々ないしな」 

志希「まぁ確かにねー」


29:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 16:52:25.04 :S37ZPHrQO

P「錬金術の話さっきしたじゃないか」 

志希「したねー」 

P「志希はそっちも詳しいのか?」 

志希「あくまで興味があるだけだよ。どんな素材も金に変えるって魅力的じゃない?」 

P「まぁ、確かに凄い学問だよな。賢者の石ってのがあれば出来るんだっけ?」 

志希「そうそう。中々チートな感じの代物だよね」 

志希「ま、キミも似たようなものだけどね」 

P「どういうことだ?」 

志希「色々な子をアイドルにしちゃうぜーみたいな?」 

P「言いたいことは分かったけど…実際俺は、特に何もしてないからな」 

志希「賢者の石だって触媒だし。まさにだと思うけど」 

P「なるほど…俺自身の話はともかく何となく志希が言いたいことは分かったよ」 

志希「キミがアタシ達をスカウトする文言はまさに賢者の石かもね」 

P「その気にさせるようには努力してるからな」 

志希「さっすがー♪」 

志希「キラキラ輝く姿が見えるんだよね?」 

P「あぁ」 


30:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 17:02:13.94 :S37ZPHrQO

P「さ、着いたぞ」 

志希「お、ありがとー」 

P「明日もあるから早く寝ろよ?」 

志希「はーい」 

P「返事はいいな」 

志希「コーヒーでも飲んでく?」 

P「いや、悪いし」 

志希「そっか。それじゃ、ばいばーい」 


31:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 17:04:18.63 :S37ZPHrQO

志希「あー、今日も楽しかったなぁ」 

志希「帰るまでじっくり匂いを堪能できたし」フフ 

志希「明日もハスハスしようかな」 

志希「ん? なんだろ、この匂い?」クンクン


32:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 17:05:58.23 :S37ZPHrQO

深夜 
公園? 

志希「タータラタラララー♪」 

志希「ん?ここどこ?」キョロキョロ 

志希「公園かな?」 

志希(誰かの視線を感じる…?) 

「あ…」 

志希「ん? なんだキミだったのか」 

P「キミ?」 

志希「うん。どうしたの?」 

P「あ、いえ、なんでもないです。私はもう帰るので、そのまま踊って下さって結構ですよ?」 

志希「やけに他人行儀だね?そういう気分?」 

P「誰かと勘違いしていませんか?」 

志希「勘違い?」


33:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 18:02:59.03 :S37ZPHrQO

P「私を、その…知り合いのどなたかと」 

志希「あたしが?」 

P「はい」 

志希「無いと思うけどねー。ん?ちょっと待って」 

P「なんですか?」 

志希「今って、何月だっけ?」 

P「えっと…〇月ですね」 

志希「あ、そうなんだ」 

志希(あれー?どういうことだろ?) 

P「一人でこんな所にいたら危ないですし、駅まで送りましょうか?」 

志希「え、あ、うん」 


34:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 18:03:36.41 :S37ZPHrQO

P「お名前はなんて言うんですか?」 

志希「え?えーと…一ノ瀬志希ってゆーよ」 

P「シキとは…」 

志希「えっと、希望を志すって言うんだ」 

P「そうなんですね」 

志希「そうなんですよ」 


35:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 18:05:39.26 :S37ZPHrQO

P「その、一ノ瀬――」 

志希「志希でいいよ。なんか据わりが悪いし」 

P「分かりました…えっと、その志希さんは、私を誰と間違えたんですか?」 

志希「間違えてないんだけどねぇ…」 

P「えっと…もしかして、私と会ったことがあるんですか?」 

志希「あると言うか何と言うか…」 

志希(なんか面倒な感じになりそうだから、それはソレってことにしておいた方がいいかな?) 

志希「ま。そんなことは気にしなくていいからね」 

P「でも、困ってるんでしたら…」 

志希「大丈夫だって」 

P「ならいいですけど…」 


39:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 21:04:47.63 :sQkayUhXO

志希「うーん…」 

P「どうかしましたか?」 

志希「やっぱり、もうちょっとフランクに話してくれない?」 

P「うーん…こんな感じか?」 

志希「そ。それくらいでお願い」 

P「分かった」


41:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 21:07:15.12 :sQkayUhXO

志希「先生!駅はまだですか?」 

P「もう見えてくるぞ」 

志希「お、本当だね」 

志希「キミはこれから事務所に戻るの?」 

P「えっと、そうだな…まぁ…ってえ?」 

志希「ん?」 

P「仕事の内容とか話しましたっけ?」 

志希「あたしには全てまるっとお見通しなのよ」ドヤ 

P「凄いですね…」


42:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 21:08:41.86 :sQkayUhXO

志希「それにしても、やっぱりキミも凄いよね」 

P「何がですか?」 

志希「いきなり暗闇から現れたJKと普通に喋ってるのが」 

P「まぁ、仕事柄…かな?」 

志希「確かに、アタシ位の年の子多いもんね」 

P「……そうだな」


43:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 21:10:01.29 :sQkayUhXO

志希の部屋 

志希「うーん…なんでこんなことになってんだろ?」 

志希「まさか…タイムスリップ?」 

志希「でも、あのリアクションはそういうことだよねぇ…」 

志希「でも、あたしの記憶は今のあたしの中にもあるし…」 

志希「んー…夢にしてはリアル過ぎるしにゃあ…」 

志希「むむむ…にゃんともかんとも」 

志希「ゲームをセーブしないで止めちゃったパターンと一緒みたいだなぁ」 

志希「リセット…?」 

志希「まさかね」 


44:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 21:12:21.59 :sQkayUhXO

翌朝 

志希「うーん」 

志希「変化ナシと…」 

志希「夢じゃないっぽいし」 

志希「…とりあえず、事務所にでも行こうかな」 


45:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 21:13:22.90 :sQkayUhXO

事務所 

志希「こんにちはー」 

周子「ん?」 

志希「あ、周子じゃん」 

周子「ん?」 

志希「あ、そうだった。すみませーん。プロデューサーさんいませんか?」 

周子「あ、えーっと、ちょっと待ってて…下さい?」 

志希(なんか、ちょっと懐かしい気分で楽しいかも) 

P「あ、昨日の…」 

志希「どうもー」 

P「どうかしたのか?」 

志希「うーんと実はですね…」 

ちひろ「あ」 

志希「うん?」 

ちひろ「一ノ瀬志希さんですね」 

志希「え?あ、うん。そうだけど」


46:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 21:15:32.85 :sQkayUhXO

P「知ってるんですか?」 

ちひろ「知ってるもなにも、飛び級とかしてる凄い子ですよ。この間ニュースで見ました」 

P「そうだったんですか…」 

志希「……」 

志希(あれ…?) 

ちひろ「あ、あれ?違いましたっけ…?」 

志希「いや、合ってるけど…」 

P「それで、そんな凄い人がどうしてこんな所に…?」 

志希「あ、いやね、アイドルにちょっと興味があってね」 

志希(つい昨日までやってたし) 

P「あ、なるほどそうなんですね」 

ちひろ「大学の方は大丈夫なんですかね…?」 

志希「あ、それは、大丈夫」


47:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 21:17:55.20 :sQkayUhXO

ちひろ「私、ちょっと出掛けてきますね」 

P「はい」 

周子「行ってらっしゃーい」 

P「さて…」 

周子「どうすんの?」 

志希「ん?」 

P「いや、出来ることならスカウトしたいな」 

志希「おー」 

周子「お、珍しい。根拠は?」 

P「何というか、いいな。ってキラキラ出来そうだなって」 

周子「ふーん。そっか」 

P「あとなんて言うかな。初めて会った気がしないんだ」 

周子「なにそれ、口説き文句?」ジト 

P「そう言う訳じゃないんだけどな」 

志希「あはは」


51:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 23:49:56.81 :Wr/7a9fEo

周子「さてと…」 

P「レッスンか?」 

周子「うん。いってきま」 

志希「あ、あたしも行くー」 

P「今日からいきなりレッスンは始まらないぞ?」 

志希「でも、ちょっと付いていきたいなぁって思ったり」 

周子「いいんじゃない? レッスンについて改めて説明する手間も省けるし。Pさんも来たら一ノ瀬さんの実力見れるよ」 

P「確かにそうだな…」


52:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 23:51:13.32 :Wr/7a9fEo

レッスン室 

周子「……」 

P「……」 

志希「あはは♪」 

志希(これくらいずっとやってたし) 

周子「Pさん」 

P「ん?」 

周子「Pさんの目凄いね」 

P「俺の想像を遥かに超えてるけどな。踊りも歌もここまで出来るとはな」 

周子「天才は違うのかなぁ…」 

志希「そんなことはないと思うけどね」 

周子「おぉ…優等生っぽい発言。見習わなきゃなー」 

P「なにかやってたのか?」 

志希「んー秘密で♪」 

周子「大型新人って感じだね」 

P「そうだな」


53:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 23:52:51.14 :Wr/7a9fEo

P「それじゃ、俺は先に帰るな」 

周子「了解」 

志希「はーい」 

* 

周子「ねぇねぇ」 

志希「ん?」 

周子「えっと、一ノ瀬さんはなんかやってたの?」 

志希「この事務所以外は入ったことないよ」 

周子「ふーん。そうなんだ」 

志希「そう言えば、文香ちゃんとかは?」 

周子「……ん?」 

志希「あれ?」 

周子「誰だろ…?そんな子居たっけなぁ…?」 

志希(あれ?まだ、入ってないんだっけ?) 

志希「あ、それじゃ、杏ちゃんとか」 

周子「杏? 一ノ瀬さんどこか他の事務所と勘違いしてない?」 

志希「いや、それはないけど…まだ時差ボケでもしてるのかな」アハハ 

周子「あ、なるほどね。時差ボケかー言ってみたいなそんなセリフ」 

志希「ならない方がいいと思うけどね」 

周子「でも、なんか世界を股に掛けてる感じがしない?」 

志希「あー、なんか分かる気がするけど」 

周子「でしょ?」


54:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 23:53:45.06 :Wr/7a9fEo

志希「聞きたいんだけど」 

周子「ん?」 

志希「今、この事務所にアイドルは何人いるのー?」 

周子「んー、あたし含めて六人かな。凛、あ、渋谷凛って言うんだけど、あとは…高垣楓、さん、島村卯月、城ケ崎美嘉、莉嘉。それとあたしかな」 

志希「あー、そうなんだー」 

周子「どうかしたの?」 

志希「あ、いや、折角入るから、名前と顔だけでも調べておこうかと思ってねー」 

周子「真面目だねぇ」 

志希「そうでもないと思うけどねぇ」 

周子「ふーん?ま。とりあえずよろしくね」


55:◆RfwyoP3XQY:2014/12/12(金) 23:56:02.83 :Wr/7a9fEo

事務所 

志希「あ、ちょっと聞きたいんだけど」 

P「ん?」 

志希「安部菜々とか双葉杏とかって名前に憶えはない?」 

P「ない…な。知り合いか?」 

志希「えっと、あたしの知り合いで…」 

志希(ここにいなきゃいけない人達なんだけどなぁ…) 

P「分からないな。ごめん」 

志希「いやいや、謝る必要は全くないって」 


56:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:00:54.36 :fHHkoO2Io

志希「あ、そう言えば、プロデューサーの部屋の隣に周子ちゃん住んでるよね?」 

P「周子の奴言ったのか…あぁ。それがどうした?」 

志希「その近くに双葉って部屋ないの?」 

P「どうだろうなぁ…。聞いたことあるようなないような…寝に帰ってるだけだし」 

志希「そっかそっか」 

P「さっき聞いた双葉杏?だっけか。その子の家がまさかその、俺の部屋に近い双葉だと?」 

ちひろ「凄い偶然ですねー」 

志希「ううん。そこまでは言ってないよ」 

志希「あれだね、今言ったことは全部聞かなかったことにして欲しいな」 

P「そういうことなら聞かなかったことにしておく」 

志希「さっすがー。話が分かるぅー♪」


57:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:01:33.83 :fHHkoO2Io

ちひろ「さっきの話ですけど」 

P「どうかしました?」 

ちひろ「隣人付き合いとかってないんですか?」 

P「ないですねー。一人暮らししてから会って会釈するかしないか程度ですよ」 

ちひろ「風邪引いた時に看病してあげるとか、おかず作りすぎちゃって。みたいなことはないんですね…」 

P「昔も余りなかったと思いますけど…」 

ちひろ「でしたっけ?」 

P「少なくとも俺の地元ではなかったですね」


58:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:02:15.79 :fHHkoO2Io

マンション 

志希「なにしてんだろ…あたし」 

志希「キャラじゃないよね~」アハハ 

志希「もっと…こう、ケミカルでカッコよくキラーン☆みたいな感じが似合ってたはずなのに」 

ピンポーン 

杏「…ん?」 

志希「あ、いるじゃん」 

杏「…誰?」 

志希「志希だよー。覚えてない?」 

杏「知らない」バタン 

志希「……」 

志希「うーん…一体この杏ちゃんをどうやってアイドルにしたんだろうね…?」


59:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:02:54.76 :fHHkoO2Io

メイド喫茶 

イラッシャイマセー 

志希「てか、分かったけど…アタシが入る前のことも変わってるんだね」 

志希「なんでだろ…?」 

志希「リセットした弊害かな?」 

志希「うーん」 

「あのー?」 

志希「あ、菜々ちゃんおはよー」 

菜々「は、はいっ!皆のナナですよっ!」 

志希「菜々ちゃんはずっとそのままだね」 

菜々「え、え?一回会ったことありましたっけ?」 

志希「アイドルの時にね♪」 

菜々「…だったら人違いですよ」 

志希「ん?」 

菜々「だって…ナナはアイドルになれなかったんですから」 

菜々「どこかのオーディションであったんですかね?」 

菜々「ナナはどこを受けても落ちちゃいました。最後って決めたオーディションも落ちゃって…」 

志希「……」 

菜々「あはは。変ですよね。こんなこと話しても暗い気分になるのに…ごめんなさい」 

志希「気にしなくていいって~」 

菜々「ありがとうございますね」 

志希「久々にウサミンパワーがみたいなー!」 

菜々「分かりましたっ!ナナの生まれた星、ウサミン星のとっておき見せちゃいます!」


60:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:04:36.37 :fHHkoO2Io

志希の部屋 

志希「……」 

志希「一体全体どういうことなんだろ?」 

志希「まず、分かってるのはアタシは今、世界をやり直してる」 

志希「なんでか知らないけど」 

志希「菜々さんとか、杏ちゃんとかアイドルになってない人もいるし…」 

志希「うーん?」 

志希「そう言えば、皆で撮った写真とかってどうなってるんだろ?」


61:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:05:23.80 :fHHkoO2Io

志希「えーっと写真は…っと」 

志希「……あー」 

志希「そういう感じなんだ」 

志希「事務所に所属してない人は映らないって感じかな。ここじゃ、事務所にいないから会ってないってことになるし」ポリポリ


62:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:06:24.02 :fHHkoO2Io

翌日 

事務所 

志希「おはよー」 

菜々「あ、おはようございますー」 

杏「んあ」 

志希「ん?」 

P「あ、志希おはよう」 

志希「あれ、菜々さんと杏ちゃんがいるんだけど…」 

菜々「たまたまですけどね」 

杏「なんかあれば帰るから安心して」 

志希「いや、そういう訳じゃないけど…」 

菜々「ナナなんかしちゃいましたか?」 

志希「そういう訳じゃないけど…。あ、そう言えば昨日何してたか覚えてる?」 

菜々「え?もしかして…ちょっと前に流行った脳トレですか?」 

志希「いや、そういうわけじゃないんだけど~」 

菜々「そうですねーお仕事ですかね」 

志希「メイドカフェ?」 

菜々「それは前の話で最近はアイドルのお仕事しかしてませんって」 

志希「ウサミンパワーは?」 

菜々「今でも健在ですよっ」 

志希(また、変わったのかな…?)


63:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:08:21.29 :fHHkoO2Io

仮眠室 

志希「こうも頻繁に変わると何が正しくて、何が間違ってるか分からなくなっちゃうねー」 

志希「携帯の写真なんかも今度は違う人が映ってないし」 

志希「ロジックもなにもないとお手上げだよ」 

志希(あるのかもしれないけど、分からないし…) 

志希「もしかしたらさ…あたしが覚えてる写真が間違えだったんじゃないかな?」 

志希「本当はこれだけの数しかアイドルなんていなくて」 

志希「あたしが勝手に捏造した記憶なのかな…?」 

志希「そんなことはないと思う。けど…それを否定出来るほどの情報がないのもまた事実だよね」 

志希「『もし、過去に戻れたら…か』」 

志希「あたしは未来って言う過去に戻りたいかな…」アハハ


64:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:09:13.47 :fHHkoO2Io

事務所 

ちひろ「そう言えばプロデューサーさん」 

P「なんです?」 

ちひろ「今度久々に飲みに行きませんか?」 

P「いいですけど、いきなりどうしましたか?」 

ちひろ「いえ、事務所で飲める人がプロデューサーさんしかいないんで…」 

P「え?」チラ 

菜々「な、ナナを見るのは止めて下さいよっ!」 

P「あ、すみません」 

菜々「ち、ちなみにいつくらいでしょうか?」 

ちひろ「いえ、まだ具体的な日取りは決めてませんけど…」 

P「菜々さんが空いてる日にしますね」 

菜々「えっと…はい。ありがとうございます」 


65:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:10:42.86 :fHHkoO2Io

杏「んー」ゴロゴロ 

P「飴か?」 

杏「お、流石」 

P「伊達に一緒にいないからな」 

杏「そっかそっか。苦しゅうない」 

P「杏も俺がどうして欲しいか分かるんだろ?」 

杏「残念ながら分からないんだよねこれが」 

P「またまた」 

杏「悲しいことに事実なんだよねー」 

ちひろ「そんなこと言ったらプロデューサーが悲しみますよ…」 

杏「大丈夫大丈夫。杏とプロデューサーの仲だから」 

杏「ん?花?」 

ちひろ「はい。アネモネの花です」 

杏「ふーん。知らないけど」 

ちひろ「花言葉は期待なんですよー」 

杏「誰に期待してるのさ」 

ちひろ「杏ちゃんにですよ」 

杏「ちひろさんまでそういうこと言うのか…」 

ちひろ「せめて、私とプロデューサーさんくらいは言わないとですよ」 

杏「かもしれないけどね」


66:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:11:54.60 :fHHkoO2Io

仮眠室 

志希「ん…」 

志希「寝て…たのかな?」 

志希「どうせ、次に起きた時はまた、リセットされてるだろうし、なんでもいいや…」 

志希「だけど、なんでこんなことになったんだろ…?」 

志希「誰かがあたしを操って何かをさせたい…とか?」 

志希「非、論理的だね。アタシらしくない」


67:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:12:55.09 :fHHkoO2Io

志希「でも…変なんだよね」ガバ 

志希「うーん…冷静に考えても変だよ」 

ガチャ 

P「起きたか?」 

志希「ん。ありがとうプロデューサー」 

志希「ちょっと聞いてほしーことあるんだけどいいかなー?」 

P「どうした?」 

志希「えっとね」カキカキ 

志希「ここに一本の線があります」 

P「あるな」 

志希「これをここで消します」 

P「折角綺麗に引けてたのにもったいない」 

志希「それで、もう一回線を書き足します」 

P「うん」 

志希「見て欲しいんだけど」 

P「どうした?」 

志希「アタシが消してない方の線って何か変わった?」 

P「いや、特に変化は」 

志希「だよねー」 

P「何がしたかったんだ?」 

志希「ちょっと考えごとー」 

P「悩みか?」 

志希「悩みって感じじゃないんだけどね」 

P「無理はするなよ?」 

志希「どうしよー」 

P「何かあったら力になるから」 

志希「それじゃあさ」 

P「おう」 

志希「タイムマシン作って」 

P「え?」 

志希「冗談。冗談だって♪」


68:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:13:34.07 :fHHkoO2Io

志希「でもさー」 

P「ん?」 

志希「例えば、もしアタシが迷子になったとするじゃん」 

P「迷子か」 

志希「うん。そうなったらどうする?」 

P「探すさ。ずっと」 

P「俺は、志希のプロデューサーだから」 

志希「どこでも相変わらずだね」アハハ 

P「どこでも?」 

志希「なんでもないよ」 

* 

P「タイムマシンか…」 

志希「作れそう?」 

P「いや、無理だな」 

志希「そっかー」 

P「ただ、俺は志希が望む未来を作ってやれるように努力するよ」


69:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:15:38.07 :fHHkoO2Io

事務所 

志希「それじゃ、ばいばーい」 

P「お疲れ様」 

志希「ばいばーい」 

ちひろ「気を付けて帰って下さいね」 

志希「はーい」 

* 

志希「凛ちゃんとかは、アイドルにならないでお花屋さんにいたりするのかな?」 

志希「…なんだか楽しくなってきちゃった♪」


70:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:17:28.19 :fHHkoO2Io

花屋 

凛「いらっしゃいませ」 

志希「こんにちはー」 

凛「こんにちは」 

志希「凛ちゃんのおすすめはある?」 

凛「なんで名前知ってるの?」 

志希「細かいことは気にしない気にしない」 

凛「結構重大なことだと思うけど…」 

志希「それよりも、おすすめはどれー?」 

凛「…そうだね。好みは?」 

志希「うーん…特にないっ!」 

凛「…そう」


71:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:18:36.83 :fHHkoO2Io

凛「こういうのがいいかな」 

志希「おー綺麗だね」 

凛「別に花に興味がないわけじゃないんだ」 

志希「まぁねー。いい匂いとかするし♪」 

凛「……」 

志希「どうかしたー?」 

凛「なんだろ。あなたの匂いを嗅ぐと懐かしい感じがするんだけど…」 

凛「どこかで会った?」 

志希「会ったよー」 

凛「どこで?」 

志希「今よりずっと未来で」ニコ 

凛「は?」 

志希「冗談だって。それじゃありがとー。これ貰うね~」 

凛「…どうも」 

凛(どういうことなんだろ…?) 

志希「ばいばーい」


72:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:20:27.75 :fHHkoO2Io

事務所 

志希「ただいま」 

P「あれ、志希帰ったんじゃないのか?」 

志希「んー、ちょっと気になることがあって」 

P「気になること?」 

志希「さっきの話」 

P「タイムマシン?」 

志希「そっちじゃなくて線の話」 

P「あぁ、その話か」 


73:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:21:06.62 :fHHkoO2Io

志希「そう言えば、他の人は?」 

P「もう帰ったぞ」 

志希「なら丁度いいね」 

P「丁度いいのか…?」 

志希「うん。色々話すのが大変だし」 

P「なんの話だ?」 

志希「実は――」


74:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:21:45.45 :fHHkoO2Io

P「――なるほどなぁ」 

志希「信じる?」 

P「まぁ、志希がわざわざそんな非論理的なこと言うとは考えられないし」 

志希「流石だよねー。信じてくれるなんて」 

P「割と不思議なことには慣れてるんで」 

志希「あははー」


75:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:22:47.16 :fHHkoO2Io

志希「ちなみにどう思う?」 

P「そういうことは志希が専門だろうに」 

志希「専門じゃないってー。嫌いじゃないけど」 

志希「キミの意見が聞きたいの」 

P「多分、もう一人いる」 

志希「もう一人?」 

P「志希みたいな人がいる」 

志希「なるほどねー。それだと線の話に説明が付くね」 

P「ただ、皆目見当もつかないけどな」 

志希「その人に?」 

P「あぁ。志希以外は付かないだろうな」 

志希「どうして?」 

P「今以外の現実を見てる人がいないから」 

志希「確かに…」 

P「話を聞くに、俺の担当してるアイドルも若干変わってるみたいだし」 

志希「そうだね。でも、キミは本当に約束は破らないよね」 

P「なんの話だ?」 

志希「なんでもないよ~」


76:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:23:26.23 :fHHkoO2Io

志希「とりあえず、もう一人に会ってみようと思う」 

P「そうか。気を付けてな」 

志希「別に取って食われる訳じゃないって」 

志希「ただ、あたしみたいに迷子なだけだよ」 


77:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:24:05.19 :fHHkoO2Io

翌日 
事務所 

P「それじゃ行ってきます」 

ちひろ「行ってらっしゃい」 

志希「行ってらっしゃーい」 

志希「そう言えば、ちひろさん。他の子は?」 

ちひろ「今日はもういませんねー」 

志希「そっかー」 

ちひろ「なにかあったんですか?」 

志希「いや、別に」 

ちひろ「あ、そうなんですか」 

志希「それより、ちひろさん。一つ聞いていい?」 

ちひろ「なんですか?」 

志希「高垣楓さんって知ってる?」 

ちひろ「え?」ピクッ 

志希「それか…夕美ちゃんとか」 

ちひろ「…はい」 

志希「そっかー。良かったー…」ハァ 

ちひろ「良かったって…もしかして」 

志希「いや、詳しくは分からないんだけどね」 

ちひろ「私も詳しいことは分からないんですよ…」 

ちひろ「ただ、やり直せばいいと思って振る舞ってたはずなのに…」 

志希「あたし達が未来を知ってるってことが既にイレギュラーだったのかもね」 

ちひろ「かも…しれませんね」 

ちひろ「それだとどうしようもありませんけど…」


78:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:25:16.41 :fHHkoO2Io

ちひろ「それにしても、よく分かりましたね」 

志希「そりゃね」 

ちひろ「でも、ここからどう戻ればいいんでしょう…?」 

志希「さぁ?」 

ちひろ「うーん……」 

志希「ズレた線はさー」 

ちひろ「はい?」 

志希「書き直すしかないんじゃない?」 

ちひろ「線ですか?」 

志希「まぁ、線ってのはあくまで例えね」 

ちひろ「なんだかプロデューサーさんみたいですね」 

志希「それは、ないと思うけど…」 

ちひろ「飼い主に似るペットみたいなものですかね」 

志希「飼い主って…プロデューサー?」 

ちひろ「えぇ」


79:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:26:02.63 :fHHkoO2Io

志希「ちなみになんだけど」 
ちひろ「はい?」 

志希「ちひろさんは、いつ頃に戻ったの?」 

ちひろ「…いつでしったけ。忘れちゃいました」アハハ 

志希「あははー…」 

志希(言いたくないのかな?) 

ちひろ「それより、どうして私たちがこんなことになってるんでしょうね」 

志希「なんでだろうねー」 

ちひろ「志希ちゃんの頭をもってしても分かりませんか」 

志希「こういうのには疎いしね」フゥ 


80:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:26:56.85 :fHHkoO2Io

深夜 
公園 

志希「タータラタラララー♪」 

志希「ん?ここどこ?」キョロキョロ 

志希「公園…ってことは」 

「あ…」 

志希「ん?」 

P「あ、いえ、なんでもないです。私はもう帰るので、そのまま踊って下さって結構ですよ?」 

志希「ううん。飽きちゃったんだ」 

P「一人でこんな所にいたら危ないですし、駅まで送りましょうか?」 

P「――それじゃ、お疲れ様」 

志希「わざわざありがとねー。ばいばい」 

志希(こんな感じだったような気もする…) 

志希「あとは…明日の朝に…って感じかな」 


81:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:27:36.60 :fHHkoO2Io

志希の部屋 

志希「……」 

志希「もし、ここが本当にたらればの世界だったとしても、これもある意味現実なんだよねぇ…」 

志希「現実ってなんだろ…?」 

志希「ま。いいや。寝よっと」


82:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:28:15.42 :fHHkoO2Io

翌日 

志希「なんだかこれが日課になるにもなぁ…」 

志希(多分上手くいってると…)チラ 

志希「ん?」 

志希「おー、全員映ってるー!」 

志希「元の世界に戻ったのかな?」 

志希「ちょっと、事務所に行ってみよっ!」 


83:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:28:54.14 :fHHkoO2Io

事務所前 

P「――。――」 

志希「あ、おーい」 

P「……」チラ 

志希「久しぶりじゃないけど、おひ――」 

P「はい。――はい。その件は――」スタスタ 

志希「…さ」 

志希「え?」 

志希(電話してたから気づかなかったのかな) 

志希「…まさかね」


84:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:29:35.06 :fHHkoO2Io

志希「あれ…」 

志希「あー、そういうパターンね」ポリポリ 

志希「あぁ、なるほど」 

志希「今度は、自分がアイドルにならない世界ってことかな」 

志希「自分で撮った写真だから盲点だったにゃ」 

志希「……誰か動けば未来が変わるってことかな」 

志希「線を引き直すように。交わっていたものがズレるように…」 

志希「どこでズレたかな?そもそもあそこでアイドルになること自体がイレギュラーだったのかな?」 

志希「キツいなぁ…これ」 

志希「…相手にされないってことは、いないと同じってことじゃん」 

志希「こんなことなら知らなきゃ良かったよ…」 

志希「…、…」ヒック 

志希「会いたいよぉ…」ヒック 

フワッ 

志希「え…?」 

志希(この匂いって…) 

志希「あっちから…かな…」


85:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:31:00.07 :fHHkoO2Io

志希の部屋 

志希「……はっ!」ガバ 

志希「…夢?」 

志希「にしては、随分と悪趣味だったな~」ポリポリ 

志希「…念の為写真を確認して…と」 

志希(あたしを含めて全員いる…) 

志希「ってことは、あれは夢かー」ハァ 

志希「良かったぁ…心臓に悪かったー」


86:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:31:43.92 :fHHkoO2Io

事務所前 

志希「…あ」ドクン 

P「――。――」 

志希(平気…だよね?) 

志希「お、おーい」 

P「はい。――はい。その件は――」 

志希「え……」 

志希「そっか。そっか。もうあたしって…誰からも…」 

P「はい。どうも」ピッ 

P「お、志希おはよう」 

志希「へ?」 

P「なんか酷い顔してるな。あれほど夜更かしするな――」 

志希「あ、あたしが分かるの?」 

P「言ってる意味は分から――」 

志希「……」ギュー 

P「し、志希?」 

志希「よかった…ホントに…」ヒック 

P「え、ちょ、泣いてるのか?」 

志希「な、泣いてない…」グス 

P「大泣きじゃないか…。ここじゃなんだし、事務所で話聞いてやるから…」 

志希「うん…」


87:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:32:22.53 :fHHkoO2Io

仮眠室 

志希「……」 

P「落ち着いたか?」 

志希「まーね」 

P「それで、どうした?」 

志希「正直、アタシも整理出来てないんだけどね。えーっと――」 


88:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:33:08.00 :fHHkoO2Io

志希「――ってことなんだよね」 

P「壮絶だな…」 

P(冗談で言ったことが本当になるとはな…) 

志希「夢だったのか、どうなのか分からないけどね」 

志希「正直今も、あんまりこれが現実か自信ないし」 

P「志希、ちょっとこっち来い」 

志希「んー?」 

ギュ 

志希「ふわ?」 

P「なぁ、志希」 

志希「え、え、なに?」 

P「プルースト効果って知ってるか?」 

志希「え……」 

P「なんだ、知らないのか」 

P「プルースト効果ってのはな…」 

志希「匂いと記憶は密接な関係があるんだよね」 

志希「自分を信じられなくても、匂いは脳はしっかり覚えてるんだよ」 

P「なんだ、知ってたのか」 

志希「この志希ちゃんを舐めちゃいけませんよ」アハハ 

志希「…ただいま。ようやくあたしの知ってるキミに会った気がする」


89:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:33:46.79 :fHHkoO2Io

P「コーヒー飲むか?」 

志希「ありがと」 

P「しかし、なんだったんだろうな」 

志希「全くだよー」 


90:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:34:42.84 :fHHkoO2Io

P「ちなみに目が醒めたら夢オチって感じだったのか?」 

志希「まぁ、結論だけ見るとそうなのかな」 

P「なるほどなぁ」 

志希「でも、キミがいたからここに戻ってきたのかも」 

P「ん?」 

志希「どうしようもなくて、心が折れそうになった時にふとキミの匂いがしたんだよね」 

P「そんなにキツいか俺の匂い」クンクン 

志希「気にするほどじゃないって。でも、あたしにはしっかり分かったよ」 

P「そうなのか」 

志希「うん。たとえ、もう一回同じことになっても分かると思うよ」 

志希「夢でも、違う世界でも」


91:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:35:54.63 :fHHkoO2Io

志希「あ、そういえばキミに聞きたいんだけど」 

P「ん?」 

志希「タイムマシンは作れそう?」 

P「無理だな」 

志希「だよねー」 

P「今の質問に意味はあったのか?」 

志希「ん。意味はないよ。意味は」 


92:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:36:46.39 :fHHkoO2Io

P「しかし、タイムマシンか…」 

志希「あれ?もしかして作れる?」 

P「いや、それは無理だって」 

P「でもさ」 

志希「うん?」 

P「過去に戻るタイムマシンは無理だが、志希に未来を見せることは出来るよ」 

志希「……」 

P「志希が望む未来を作れるように努力するよ」 

P「今、未来から帰ってきたって考えてみたらどうだ?」 

志希「へ?」 

P「ほら、変えたい未来があって、未来から志希は戻ってきたんだよ今」 

志希「あは…」 

P「ん?」 

志希「あははははは!」ケラケラ 

P「ど、どうした?」 

志希「いや、なんでもないよ。なんでも」クスクス 

志希「やっぱり、キミは最高だよ」


93:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:37:25.08 :fHHkoO2Io

志希「『いつの時代でも、あたしはキミに会いに行こうと思うよ』って言ったじゃん」 

P「言ってたな」 

志希「その言葉に嘘はなかったでしょ?」 

P「そうみたいだな」 

志希「匂いってのは記憶と密接な関係があるの。そして、記憶は感情と密接な関係があるんだよね」 

志希「こうやってキミの隣に来るまで、たまたま遠くから歩いてきただけ。それだけのことなんだよね」 

志希「たった一夜。匂いを辿って歩いただけ」 

志希「ふふっ♪」 


94:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:38:04.02 :fHHkoO2Io

事務所 

周子「おはよー」 

ちひろ「あ、どうもー」 

周子「ちひろさんどうかしたの?飲み過ぎ?」 

ちひろ「いえ…なんと言いますか、夢見が悪くてですね…」 

ちひろ(まさか…あんな出来事がねぇ?) 

周子「あらあら。飴でも舐める?」 

ちひろ「杏ちゃんじゃないですけど…頂きます」 

ガチャ 

志希「おはよー!」 

凛「あ、おはよ」 

志希「おはよー」


95:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:38:50.24 :fHHkoO2Io

凛「ねぇ」 

志希「ん?」 

凛「志希ってさ」 

志希「ん?」 

凛「ウチの花屋来たことあるっけ?」 

志希「さぁ?」 

凛「なんか、ちょっと前に見たことあるような気がするんだよね」 

P「なかなか志希を見間違えるのはなさそうだな」 

凛「だよね」 

志希「ふふふ。秘密だよ~」 


96:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:39:31.08 :fHHkoO2Io

車内 

志希「ねぇねぇ」 

P「どうした?」 

志希「昔のどんな凄い人でも、錬金術は完成させることは出来なかったし、タイムマシンも作ることは出来なかったよね」 

P「そうだな」 

志希「今の技術があれば出来たのかな?」 

P「今の技術はそれこそ、その人達の失敗のおかげで成り立ってるから何とも言えないな」 

志希「言われてみればそうだね」


97:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:40:48.01 :fHHkoO2Io

志希「そう言えばさ」 

志希「キミの言葉はあたしをキラキラと輝かせてくれるんだよね?」 

P「努力はする。ただ、俺は賢者でもなんでもないからなぁ…」 

志希「キミ一人の感想は聞いてないの」 

志希「未来から帰って来たあたしが言うの。どんな賢者でも成し遂げられなかった偉業でも、キミとなら叶えられるって」 

P「随分なことを言うんだな未来の志希は」 

志希「だって、出来るんでしょ?」 

志希「未来を見せてくれるんでしょ?あたしがキラキラになる未来を」 

P「あぁ」 


98:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:41:27.44 :fHHkoO2Io

志希「でもね」 

P「ん?」 

志希「アタシがまた迷っちゃうかもしれない」 

P「そうか?」 

志希「…うん」


99:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:42:06.36 :fHHkoO2Io

志希「そう言えば、五感ってなにか知ってる?」 

P「視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚だろ?」 

志希「そうそう。流石だね」 

志希「匂いだけじゃなくて、五感でキミのことを知りたくなったよ」 

P「五感で?」 

志希「うん。目で見て、耳で聞いて、匂いを嗅いで、キミに触れて…」 

P「今ので四つか」 

P(まぁ、味覚なんてないだろうな。俺は食べ物じゃないし) 

志希「うん。だからさ…」スッ 

P「ん?」 

志希「…ぷは」 

志希「これなら忘れようがないかなって。味も覚えちゃった♪」 

志希「あははっ。もう忘れられないな~」カァァ 

P「なっ……」 

志希「シンパシー感じちゃえ♪」


100:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:42:45.54 :fHHkoO2Io

周子「お。おかえり」 

P「どうしたんだ外になんかいて珍しい」 

周子「たまにはシューコちゃんも夜風に当たりたくなるんですよ」 

P「そうか。風邪引くなよ」 

周子「顔赤いね」 

P「そうか?」 

周子「うん。なにかあった?」 

P「何もないよ」 

周子「ふぅん?」


101:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:43:24.41 :fHHkoO2Io

P「そういやさ」 

周子「なに?」 

P「なんで、過去にも未来にも行きたくないって言ったんだ?」 

周子「ん?」 

P「いや、この間さ」 

周子「あーあー、あれね」 

周子「大した理由はないって言ったじゃん」 

P「ちょっと気になってな」 

周子「そうだね…満足してるからかな。現在の状況に」 

周子「過去をやり直す気も、未来を先に知っちゃう気もしないから」 

周子「そっちの方が面白いしね」 

周子「例えばさ」 

P「うん」 

周子「もし、今のアタシが過去に戻ってPさんと京都で会ってスカウトされたとするじゃん」 

P「おう」 

周子「でも、それはアタシからしたら決まってたことだから、そこまで何も感じないと思うんだ」 

周子「暗記問題の復習をしてる感じで」 

P「分からなくないな…」 

周子「でしょ?」 

周子「どんなに自分の思い通りにやり直せたとしても、あの時のアタシと同じ気持ちは抱けないからさ」 

P「なるほどな」 

周子「…って、なんでPさんにこんなこと語ってるんだろ…恥ずかしい」 

周子「寒くなってきたし家に戻るね」 

P「そうか。お疲れさん」 

周子「あ、そうそう」 

P「ん?」 

周子「なにもなかったのかもしれないけどさ、スーツについてる髪の毛は取っておきなよ」 

周子「いらない誤解を受けるからね」 

周子「じゃね♪」バタン


102:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:44:12.73 :fHHkoO2Io

終わりです。 
読んで下さった方ありがとうございます。 


103:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:48:52.35 :fHHkoO2Io

簡単な解説です。 

今回は、よくあるタイムスリップを題材に書いてみました。 

筒井康隆の「時をかける少女」や、アメリカでヒットした「BTF」や、「バタフライエフェクト」など枚挙にいとまがないですね。 

各々はそれぞれかなり有名なので説明は割愛させて頂きます。 


105:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:53:26.72 :fHHkoO2Io

加えて、今回書いたSSについて簡単な説明をさせて頂きたいと思います。 

志希がメインで色々な『たら、れば』の世界、時代に行きますが、基本的に大きく影響を及ぼしているのはちひろさんの方です。 

まぁ、そっちは敢えて書かなかった為、急に事務所に所属しているアイドルが変わったりしているように思えたんですね。 

志希がアイドルとしてスカウトされない。という状況になったのもそういうことです。 

分かり辛くてすみません。 

分かり辛いと言う意見もあるかと思いますが、精進致しますのでこれからもよろしくお願い致します。


107:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 00:56:55.66 :fHHkoO2Io

最近、単発で何種類かSSを書いていたので更新するのが遅れてしまいました。 

十二月は誕生日が多いですが、それをカバー出来るほど筆が早い気もしません。 

一応、イブの話は先月から決まっていますが、完成は副業次第です。 

単発モノが少しでも気になる方は、モバP「二人三脚の魔法使い」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417327970/ 

の最後の方を参考にしてくだされば幸いです。 


108:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 01:00:03.11 :fHHkoO2Io

あ、そういえば、「神を冒涜する12番目の理論」というフレーズは、「Steins;Gate」 から引用させて頂きました。 

失礼いたしました。 

なにかあればどうぞ。


110:◆RfwyoP3XQY:2014/12/13(土) 06:13:28.22 :ESJKk1LkO

ボイス総選挙も終わってしまい、ステマなどは出来ませんでしたが、今まで書いていました古典シリーズが少しでも投票の切っ掛けになっていれば、書いている者としてこれほど嬉しいことはありません。


元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418366373