1:2012/12/12(水) 20:48:41.48 :OSzrQy3H0

カポーン 


P「ふぃ~、この時期の風呂はいいなぁ~」 

P「あ゛ー……よいしょっと」 

ズキッ 

P「……っ!?」 

P(……足を貫く……痛み…………っ) 

P(この感覚は……そう、忘れもしない) 



P「水虫……だ……」 


2:2012/12/12(水) 20:49:19.26 :OSzrQy3H0

P「あー、おいしょっ」 

P(親指か……気付かない内に、症状が進行していたようだ) 

P「……くさっ」 

P(まだ足裏全体には及んでいない……とも言えるが……放っておくとまずいな) 



P「しかし、なんで再発したんだ……?」 

スリッパ「ハロー」 

P「……こいつか」 


3:2012/12/12(水) 20:49:56.78 :OSzrQy3H0

P(俺と『奴』との出会いは、遡ること数年前) 


P(ふと指の間にかゆみを感じ……見れば、赤く裂けていた) 


P(『奴』の名を教えてくれたのは実家の父だった) 


P(父の薬が切れていたため、俺は薬局でナ○エールとかいう薬を買った) 


P(CMでやってるようなゴツイのを買うのは…………何だか気まずかったのだ) 


P(今でも思い出す……初めてナ○エールを使った時の痛みを) 


P「……………くそっ」 


4:2012/12/12(水) 20:50:24.07 :OSzrQy3H0

P(スリッパ買うの忘れてたなぁ……意味があるのか知らないが)ガサゴソ 

P「……ん、あった」 

P(ナ○エール、確か今シーズンはまだ登板なし) 

P「じゃ、お手柔らかに……」カシュッ 



P「……ん?」カシュッ 

カシュッ カシュッ カシュッ 

P「……」 


P「切れてる……」 


5:2012/12/12(水) 20:50:58.29 :OSzrQy3H0

P「まずいことになった」 

P「水虫が再発、まぁこれはしょうがない。何かのCMでも言ってたし」 

P「だが……薬が切れた、これはまずい」 


P「痒い」 


P「痒いんだ……」 

P「あと、ちょっと痛い」 


P「まぁ、我慢して明日買いにいこう」 

P「……寝るか」 


6:2012/12/12(水) 20:52:44.90 :OSzrQy3H0

春香『プロデューサーさん、水虫なんですか?臭いですね(笑)』 

伊織『ちょっと、近付かないでもらえる?うつったらどうすんのよ!』 

美希『……キモいの』 

雪歩『はうぅ……やっぱり男の人は不潔ですぅ』 

亜美『うあ~、兄ちゃんの水虫がうつるぞ!にっげろ→』 

真美『一緒のプールには入れませんな!』 

律子『プロデューサー……失望しました』 

春香『プロデューサー』 

伊織『プロデューサー』 

真『プロデューサー』 



『『プロデューサー』』 




P「うっ……うわぁああああああ!!!」ガバッ 

P「……夢か……」 


7:2012/12/12(水) 20:53:49.59 :OSzrQy3H0

P「酷い夢だったな、全く」 

チーン 

P「焼けたか……っと」 

ズキッ 

P(もうこの痛みにも慣れた気がする) 


P(……俺が水虫持ちってバレたら、みんなあんな反応するんだろうな) 

P「……」 

P(バレないとは思うが……) 


8:2012/12/12(水) 20:54:57.28 :OSzrQy3H0

ガチャッ 

P「おはようございます」 

小鳥「あら、早いですね」 

P「そうですか?小鳥さんこそ……」 

小鳥「あぁ、ちょっと買い出しに行く用があったので」ガサッ 

P「何買ってきたんですか?……って」 


P(ブ○ナロック……だと……?) 


小鳥「社長も人使いが荒いですよねー」クスッ 

P(あぁ……社長のか) 


9:2012/12/12(水) 20:56:15.76 :OSzrQy3H0

高木「こらこら君たち、陰口はいけないな」 

P「あ、社長おはようございます」 

高木「うむ。……音無くん、例の物は」 

小鳥「はい、買ってきましたよ」 

高木「おぉ!助かるよ、知らぬ間に切れてしまっていてね」 


P(小鳥さんが社長と一定の距離を保っているのを、俺は見逃さなかった) 


10:2012/12/12(水) 20:56:48.21 :OSzrQy3H0

小鳥「……はぁ」 

P「大変ですね」 

小鳥「分かります?」 

P「……えぇ、まぁ」 

小鳥「嫌ですよね、水虫」 

P「…………そうですね」 

小鳥「仮にもアイドル事務所なんだから……」 


P(嫌だ!話を合わせる自分が嫌だ!) 


11:2012/12/12(水) 20:57:26.82 :OSzrQy3H0

P(実際、水虫に対する一般のイメージは良くない) 


P(臭い、汚い、不潔……あながち間違ってはいないが) 


P(もし学校なんかで水虫が発覚すれば、いじめられたっておかしくないだろう) 


P(プール入れないし) 


P(……どうせ汚いとか思ってんだろうな……これを見てる人たちも) 

春香「プロデューサーさん、どこ見てるんですか?」 

P「どわっ!?」 


ドンガラガッシャーン 


12:2012/12/12(水) 20:58:19.13 :OSzrQy3H0

P「ぐふっ……」 

春香「わわっ、大丈夫ですか!?」 

P「心配はいらん、かすり傷だ……あとなんか小指ぶつけた」 

春香「小指!?」 

P「いっ……たくねー全然いたくねー」 

P「でも今日ちょっと用事あるから帰るわ」 

春香「……もうっ、何言ってるんですか急に」 


春香「ほら、足見せて下さい」 

P(何……だと……) 


13:2012/12/12(水) 20:58:54.44 :OSzrQy3H0

P(やべーよ……やべーよ……) 

春香「えへへ、私絆創膏持ってるんですよ、絆創膏!」 

P(このままでは破滅が待っている……) 

春香「いつも転んでるから用意してるんです」ニコッ 

P(どうする?どうすれば足を見せずに) 

春香「……プロデューサーさん?」 



P「……」 

P(アイドルには……知らなくていいこともあるだろう) 


14:2012/12/12(水) 21:02:29.18 :OSzrQy3H0

P「春香」 

春香「はい?」 

P「……」ズイッ 

春香「!?」 

春香(え、ち、近……) 

P「……」 

春香「……ちょっ……」 

P「……」 

春香「……///」 





P「……ほら、ゴミ付いてるぞ」 

春香「……へ?」 


15:2012/12/12(水) 21:03:53.65 :OSzrQy3H0

P「駅かどっかで転んだんじゃないか?春香はドジだなぁ」 

春香「……~~~っ」 


春香「プ、プロデューサーさんのバカぁーっ!!」 

ガチャッ バタン 


P(ふぅ……上手くいったな) 


P(足から意識をそらすつもりだったが、少しやり過ぎたかもな) 


16:2012/12/12(水) 21:05:10.41 :OSzrQy3H0

ガチャッ 

亜美「あ→、疲れた→」 

真美「いおりんも少しは手伝ってYO!」 

伊織「うるさいわね……ちょっと、アンタ何したの?春香めっちゃ全力でダッシュしてたわよ」 

P「えっと……それは」 

亜美「チワワ喧嘩ってやつだね!」 

真美「兄ちゃんも女泣かせですな→」 

P「それを言うなら痴話喧嘩な」 



P「……って別に痴話喧嘩でもないわ!」 


17:2012/12/12(水) 21:06:24.63 :OSzrQy3H0

P「で?亜美と真美が持ってるその段ボールは何だ?」 

亜美「ふっふっふ~、よくぞ聞いてくれました!」 

真美「さすが兄ちゃん、お目が高い!いよっ!」 

P(……嫌な予感がする) 

亜美「それじゃあいくよっ!せーの」 


亜美真美「「オープン・ザ・プライス!」」 


P「いや、そういうのいいから」 

ベリベリッ 


18:2012/12/12(水) 21:06:54.46 :OSzrQy3H0

P「……」 

真美「あ→、兄ちゃんまだ溜めが足りないよ→」 

P「…………え、なにこれは」 



伊織「見て分からないの?コタツよ」 

P(マジか……) 

亜美「事務所が寒いから皆で暖まろうって、いおりんが持ってきてくれたんだYO!」 

伊織「かっ、感謝しなさいよね!」 


19:2012/12/12(水) 21:08:37.03 :OSzrQy3H0

P「そうか、えらいな伊織は」ナデナデ 

伊織「ちょっ、何すんのよ!///」 

P「本当はコタツなんて持ってきちゃ駄目なんだけど……大目に見てやろう」 

小鳥「いいんですか?律子さんに怒られますよ」 

P「まあ、俺が責任持つってことで」 



亜美「ヒャッハ→!」 

真美「兄ちゃんも遊ぼうZE!」 

P「ダメだダメだ、俺は仕事があるからな」 

亜美「いいもん、いおりんと三人でど○ぶつの森やるもんね→」 


20:2012/12/12(水) 21:09:02.77 :OSzrQy3H0

伊織「10匹!?アンタ達虫取り上手すぎよ、全く!」 

亜美「日頃からバッタと触れ合ってるからね→」 

真美「その内バッタ人間になるんだYO!」 


P(……本当は、俺もあいつらとじゃれあいたいんだが) 


伊織「じゃあ、次は海の幸ツアーに行きmひゃっ!?」 

亜美「いおりんのくつしたをつかまえた!」 

真美「図鑑に記録しておこう!」 

伊織「き、記録するなぁ!返しなさい!」 


P(きっとああなるだろうな、と思って辞退したのだ) 


21:2012/12/12(水) 21:09:56.29 :OSzrQy3H0

P(俺の裸足、それはいわば奴らの本拠地) 


P(今朝の夢を現実にする力がある) 


P(俺は……アイドル達をそんな夢の国に連れていきたくない) 


亜美「ね→、兄ちゃんも遊ぼうYO!」 

真美「官能的靴下娯楽しようYO!」 

P「中国語みたいに言うんじゃ……待て、なんだ官能的靴下娯楽って」 

亜美「靴下を脱がしあうゲームだYO!」 

伊織「え?それ私も参加してるの?」 

P(……どうする) 


22:2012/12/12(水) 21:11:34.30 :OSzrQy3H0

P(伊織と亜美真美の共通点……それはまだ幼いこと) 


P(本能に訴えかけてやめさせよう) 

P「……」ガタッ 

亜美「お、兄ちゃんやる気ですな!」 

P「なぁ……お前ら」 


P「『脱がしあう』ことの意味……その恐ろしさを知っているか?」 

真美「え?」 

伊織「ちょっとアンタ、ふざけたこと言ってんじゃ……」 

P「今、それを教えてやる」 

ガバッ 


23:2012/12/12(水) 21:12:44.77 :OSzrQy3H0

真美「え……兄……ちゃん?」 

P「真美」 

真美「え、ぁ、えっ?」 

P「……いくぞ」ボソッ 

真美「……ぇと、その……」 

シュルッ 

真美「……っ……」 

小鳥(随分ゆっくり脱がすのね……) 

パサッ 

P「……分かったか?これが(靴下を)脱がすってことだ」 

真美「……///」 

P「それでもやるって言うなら、俺は……」 

ガチャッ 

律子「……」 

P「……あ」 


24:2012/12/12(水) 21:13:18.79 :OSzrQy3H0

P「反省してますごめんなさい、もう二度と致しません」 

律子「全くもう、何してるんですか……」 

真美「……」ポケー 

律子「何か起こってからじゃ遅いんですからね!」 

P「はい、すいません!」 

律子「竜宮、あずささん捕まったから行くわよ!」 

亜美「……りょ、りょうか→い」 

伊織「……わ、分かってるわよ……」 

律子「くれぐれも頼みますよ?プロデューサー殿」 

P「はい!」 

ガチャッ バタン 

P「……ふぅ」 


25:2012/12/12(水) 21:13:46.06 :OSzrQy3H0

P(あれだけやれば、もう俺の靴下が脱がされることも無いだろう) 


P(律子が来てくれて助かったな……あのままだとどうなっていたか) 


真美「……ねぇ、兄ちゃん?」 

P(このままでもまずいけど) 

真美「あのね、真美……」 

P「ごめん」 

真美「……えっ?」 

P「俺、そろそろ美希をラジオの収録に連れてかないと」 

真美「……そう、なんだ」 


26:2012/12/12(水) 21:14:31.16 :OSzrQy3H0

P「あぁ、それと」 

真美「……」 

P「……真美の足、綺麗だった」 

真美「……っ」 

P(俺なんかとは違って……) 

P「それじゃっ!」ダッ 

真美「ぁ……」 


P「ほら美希起きろ、時間だぞー」ユサユサ 

美希「あふぅ……」 



真美「…………ばか」 


27:2012/12/12(水) 21:16:58.63 :OSzrQy3H0

ブロロロロ 


P(今のところ、まだ俺の水虫は発覚していない) 


P(早く仕事終わらせて薬局行こう……) 

美希「ねー、ハニー」 

P「どうした?」 

美希「ミキねー、夢見てたの!」 

P「ほー」 

美希「それでね、その夢にね」 

P「うん」 

美希「水虫さんが出てきたの!」 

P「へー、そりゃすごい」 



P「……へ?」 


28:2012/12/12(水) 21:18:41.72 :OSzrQy3H0

P(何だ?どういうことだ?) 

P「美希、その水虫さんはどんな奴だった?」 

美希「うーん、小さくて見つけにくかったの」 

P(見つけたのか……まあ夢だしな) 

美希「水虫さんが言ってたの」 

P「ああ」 

美希「最近は辛い、ただ生きるだけで嫌われる、って……むずかしいの」 

P「……」 


29:2012/12/12(水) 21:20:32.01 :OSzrQy3H0

美希「水虫さんは大変なの……」 

P「ああ、そうだな」 

P(どうやら……美希は水虫を知っている) 

美希「きっと、水虫さんも楽しく生きたいだけなの!」 

P(しかもかなり肯定的だ) 

美希「それでミキね、水虫さんが可哀想だったから」 

P「うん」 

美希「池に返してあげたの!」 

P「はは、美希は偉いな」 



P「……は?」 


30:2012/12/12(水) 21:22:06.60 :OSzrQy3H0

P「……」 

美希「……え、ハニー知らないの?ミズムシ」 

P「知ってるも何も……ゲフン」 

美希「この前図鑑で読んだの!ミズムシさんなの!」 

P「ミズムシ……図鑑……ああ、なるほど」 

P(美希は昆虫の話をしていたのか) 

美希「ミズムシさんはね……」 



P(遂に理解者が現れたかと思ったんだけどなぁ……) 


31:2012/12/12(水) 21:23:33.39 :OSzrQy3H0

ガチャッ 

P「ただいま戻りましたー」 

真「あ、おかえりなさいプロデューサー」 

雪歩「お茶淹れますね」 

P「ありがとう、いつも悪いな」 

P(コタツで雪歩の淹れるお茶か……悪くない) 


P(こいつらなら靴下の心配はいらないだろう) 

真「プロデューサーもコタツに来ませんか?」 

P(だが……) 


32:2012/12/12(水) 21:24:29.47 :OSzrQy3H0

P「ごめんな真、まだ仕事溜まってるんだ」 

真「ちぇっ、まぁいいですけど」 

雪歩「お茶ですぅ」コトッ 

P「ありがとう雪歩」 

雪歩「い、いえそんな……」 

P「……」 

P(俺は今、足が蒸れている) 


P(美希が収録でもミズムシの話をするものだから……変な汗をかいたのだ) 


P(正直、靴を脱ぎたくない) 


33:2012/12/12(水) 21:25:47.68 :OSzrQy3H0

P「……」カタカタ 

P「……」ズズッ 

真「プロデューサー!来週の収録、こんな服どうです?」 

P「うーん……ちょっと派手すぎないか?」 

雪歩「そうだよ真ちゃん」 

真「そうかなぁ……」 


P(実際、靴を脱いだところでそこまで臭わないかもしれない) 


P(だが、靴を脱がずには臭いは確認できない) 


真「あー……暖まるね、雪歩」 

雪歩「そうだね、真ちゃん」 


P(俺は……こいつらの笑顔を邪魔したくない) 


34:2012/12/12(水) 21:26:42.67 :OSzrQy3H0

P「……」カタカタ 

P「ん、もうこんな時間か……」 

P「それじゃ、お先に失礼します」 

小鳥「はーい」 

ガチャッ バタン 

P「……」 


P(今日は大変だったな……) 


P(春香や真美には迷惑をかけたし、美希たちにはいつも通りに接することが出来なかった) 


P「はぁ……」 


P(全て水虫が悪いんだ、水虫が) 


P(……早く薬局行こう) 


35:2012/12/12(水) 21:27:59.63 :OSzrQy3H0

ウィーン 

店員「ぃらっしゃいぁせぇー」 

P(……なんでコンビニに来てるんだ俺は……) 

P「……」ペラッ 

P(事務所から直で薬局は気まずかったんだ、うん) 

P「……」ペラッ 

P(誰に見られてる訳でもないが……) 

P「……」ペラッ 

P(何やってんだ、俺) 

P「……」パタン 

P「すいません、あんまん1つ下さい」 


36:2012/12/12(水) 21:28:34.94 :OSzrQy3H0

ウィーン 

P(遂に来たぞ、薬局……サ○ドラッグ) 

ドクン 

P(人が少ない……もう夜遅いからな) 

ドクン 

P(…………さぁ、来たぞ) 

ドクン ドクン ドクン ドクン 



P(水虫薬コーナー……!!) 


38:2012/12/12(水) 21:30:12.07 :OSzrQy3H0

P(まず第一候補として挙げられるのはナ○エール、前も使っていたものだから安心感がある) 


P(次に考えられるのはブ○ナロック、CMでよく見かけるから効き目には期待していいだろう) 


P(おっ、容量はナ○エールの方が多いな) 


P「コスパで考え……いや、早く治したいから……」ブツブツ 


律子「そうなると……いや、信用がおけるのは……」ブツブツ 


P「……ん?」 

律子「……え?」 


39:2012/12/12(水) 21:30:42.55 :OSzrQy3H0

P「えーっ……と」 

律子「……」 

P「……その」 

律子「……」パクパク 

P「律……子……?だよな?」 

律子「…………い」 




律子「いやぁあああああっ!!!!」 


40:2012/12/12(水) 21:32:07.84 :OSzrQy3H0

律子『お父さん、ちょっと相談が』 

律子父『ん、どうした?』 

律子『私の友達、足が痒いって言うのよ……ほら、写真なんて』 

律子父『……』 

律子『こういうのは詳しくないんだけど、やっぱり病気かしら……』 

律子父『これは……水虫だ』 

律子『……えっ?』 

律子父『その子も女性なのに災難だなぁ……』 

律子『……』 


41:2012/12/12(水) 21:32:33.49 :OSzrQy3H0

小鳥『水虫なんて汚いし、臭いし最悪です!』 

P『そうですね……』 

律子『違う……違うの、私は』 

高木『実はね、ワシも水虫なんじゃよ』 

律子『社長、違う、違うんです』 

高木『驚いたよ……君のような若き女性が、まさか水虫だとはね』 

律子『ちがっ……私……は』 



『『 水 虫 』』 



律子「……ぁあ゛あ゛っ!!」ガバッ 


42:2012/12/12(水) 21:33:30.90 :OSzrQy3H0

律子「……ん」 

律子(あれ?ここは……というか私は……) 

P「おっ、起きたか」 

律子「プロ……デューサー……?」 

P「いやあ、突然ぶっ倒れたから驚いたよ」 

律子「あ……」 

P「それに、すごいうなされてたし」 

律子「……」 

P「……とりあえず」 

コトン 

P「今日の所は、俺のナ○エールで我慢してくれ」 


43:2012/12/12(水) 21:34:02.74 :OSzrQy3H0

律子「……」 

P「なぁ、律子」 

律子「……はい」 

P「俺のナ○エールと社長のブ○ナロック、どちらも知らない内に切れていた」 

P「……律子が使ったのか?」 

律子「……」カシュン 

P(ナ○エールの使い方を知っている……無言の肯定か) 


44:2012/12/12(水) 21:34:59.77 :OSzrQy3H0

P「……あとさ」 

P「美希が見たっていうミズムシの図鑑、俺は知らないんだ」 


P「学校でそんなマニアックなものを見るとは思えないし、まるで水虫持ちみたいな言い方だった」 

律子「……」 

P「美希が水虫持ちなのかとも思ったけど……律子が吹き込んだんだな」 

律子「……はぁ」 



律子「寝てた横で愚痴ってたんです……美希、聞いてたんだ」 

P「……」 

律子「図鑑は図書館で借りたの。無駄に重いし別のミズムシだったから……事務所に置いてたんだけど……」 

P「……そうか」 


45:2012/12/12(水) 21:35:37.71 :OSzrQy3H0

律子「バレたらおしまいだって思って……ずっと隠してて……」 

P「……ああ」 

律子「なのに……なのに……」グスッ 

P「律子……」 

律子「もう嫌……私……もうお嫁にいけない……」 

P「……」 

ギュッ 

律子「!?」 


46:2012/12/12(水) 21:36:04.18 :OSzrQy3H0

P「…… 律子、俺はな」 

P「水虫だからって差別したりしない」 

律子「嘘よ!」 

P「嘘じゃない!」 

律子「だって……だって」 

P「律子!」 

律子「!」ビクッ 

P「よく聞け……俺は」 





P「お前が好きだ!!」 


律子「…………!!」 


47:2012/12/12(水) 21:37:10.76 :OSzrQy3H0

P「律子、お前が水虫だとか関係ない」 

P「俺は水虫の律子だって好きだ!」 

律子「……ふふっ」 

P「律子?」 

律子「何ですか水虫水虫、もう雰囲気も何も……」ポロッ 

律子「……あれ?なんでだろ……」ポロポロ 

律子「おかしいな…………ひぐっ、ぐすっ」ポロポロ 

P「律子……」ギュッ 

律子「……えへへっ」 



律子「私も……大好きです、プロデューサー!」 


48:2012/12/12(水) 21:38:52.25 :OSzrQy3H0

美希「あふぅ……寝坊したの」 

美希「律子に怒られるの……でもいいの」 

美希「ミキは律子の秘密を知ってるの!」 

美希「律子はミズムシなの!この前言ってたのー!」 

美希「だから大丈夫なの……」ガチャッ 

ザワザワ ザワザワ 

美希「?」 

春香「あぁ、美希」 

美希「春香、何があったの?」 

春香「なんでも……プロデューサーさんから重大発表があるんだって」 

美希「なんなのなの……」 


50:2012/12/12(水) 21:40:29.58 :OSzrQy3H0

P「みんな、今日は朝早くから集まってくれてありがとう」 

伊織「で?結局何の話なのよ、重大発表って」 

亜美「もしかしてライブ?」 

真「えっ、ライブ!?」 

P「いや、違う」 



P「実は……律子と結婚することになった」 


一同「「……ぇえええっ!?」」 


51:2012/12/12(水) 21:41:19.55 :OSzrQy3H0

春香「プロデューサーさん……いつの間に……あんなことしておいて」 

真美「真美は遊びだったの……?」ウルッ 

P「おい待て、誤解を招く表現は……」 

律子「プロデューサー?どういうことですか……?」ゴゴゴゴ 

P「いや、待ってくれ、誤解だ誤解!話せば分かる……落ち着いて……!」 


ウギャアアアアア 


雪歩「……案外お似合いかもしれないね」 

春香「ふふっ、そうだね」 


52:2012/12/12(水) 21:42:00.18 :OSzrQy3H0

高木「いやはや、実にめでたい!」 

小鳥「よかったですねぇ……いつか私も……」 

美希「むー……なんか納得いかないの!」 

P「ははっ……あ」 

P「重大発表、もう1つある」 

春香「え?」 


P「実は俺…………」 












P「水虫なんだ」 




完 


55:2012/12/12(水) 21:48:33.25 :OSzrQy3H0

見てくれた方、ありがとうございました。 

水虫のイメージが悪い気がしたので書いてみました… 



水虫特有の臭いはあるけど気にするほどでは無いと思うんだ、うん


元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1355312921