1:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 14:43:07.19 :FtYpxA47O

響、幼少時代 

響「うぁっ!」ズシャッ 

兄「響!大丈夫か!?」 

響「い、痛いぞ………転んだぁ……」グスッ 

兄「全く……危なっかしいやつだな、来い」 

響「うぅ………にぃに………」ギュッ 

兄「全く、一人にさせると心配だよ……」なでなで 

響「ありがとう……にぃに……」///


2:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 14:52:59.92 :FtYpxA47O

響「うぅ………グスッ………」 

兄「響?どうした、泣いて?」 

響「捨て犬がいて……可哀想で……」グスッ 

兄「そうか………響は優しい子だな」なでなで 

兄「よし……母さんと父さんにその犬を飼っていいかどうか、聞いてやるよ」 

響「ほ、本当!?」 

兄「あぁ。飼うなら、名前何にする?」 

響「へへっ、いぬ美!!」 


3:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 14:57:48.92 :FtYpxA47O

葬儀場 

響「うっ………うぅっ………」グスッ 

兄「………………」 

響「にぃに………すー(父)が……」 

兄「……大丈夫、大丈夫だ、響」なでなで 

兄「今日は……目一杯泣いとけよ」ギュッ 

響「う……うあぁぁぁぁあん!!」ギュッ


5:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 15:03:14.12 :FtYpxA47O

現在、響 

響「アイドル………」 

響「………やって、みたいな……」 

響「……………」 




兄「はぁ?アイドル?」 

響「う、うん……自分、それで家計の助けもしたいし……」 

兄「無理無理、響みたいに泣き虫なやつがなれっこないさ」 

響「なっ!……自分、いつまでも子供じゃないぞ!」 

響「もういい!バイトしてお金貯めて、上京してアイドルになってやる!」タタタ 

兄「あっ!待て!……しょうがないやつだなぁ……」 

兄「………」カチッ、ジャー カチッ、ジャー 

兄「あ、もしもし、そちらは………」


6:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 15:09:17.65 :FtYpxA47O

響「そこそこ溜まったな……少ないけど、行くぞ!」 

兄「全く……傍若無人なやつだな」 

響「に、にぃに!」 

響「自分、何言われようともう行くぞ!」 

兄「止めないよ。勝手にいけ。」 

響(…………ふ、ふん!) 

兄「でも、最後にこれやるよ」 

響「??立体型パズル?」 

兄「辛くなったりしたら、それで遊べ」 

響「自分は子供かーー!!」


7:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 15:16:28.23 :FtYpxA47O

東京都 

響「ひ、人がいっぱいだぞ……」 

響「でも、アイドルになるなら、頑張らないと……」 

??「おや?君、なかなか可愛いね?」 

響「えっ!?じ、自分、初めてそんな事言われたぞ……」/// 

??「君、アイドルに興味とかないかな?ウチの事務所なら歓迎するよ?」 

響「本当!?するぞ!自分、アイドルになるぞ!」 

黒井「ククク……それはよかったよ……」


8:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 15:21:51.43 :FtYpxA47O

3ヶ月後 

黒井「さぁ響ちゃん、今日も他の事務所アイドルを蹴散らしておいで」 

響「……………う、うん…」 




オーディション会場 

響「はぁ……友達も作っちゃダメ……クールで毅然とした態度をとる……」 

響「…………辛いなぁ……」 

響「……うぅ……」じわっ 

響「な、泣かないぞ!自分、泣き虫なんかじゃ……」ドンッ 

??「痛たっ!!」


9:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 15:27:32.79 :FtYpxA47O

響「あっ!ご、ゴメン!」 

P「いやいや、大丈夫だ」 

響「本当、ゴメン!じゃあ……」 

P「あれ?君は……我那覇響ちゃん?」 

響「え?そうだぞ。」 

P「やっぱり!オーバーマスターのPVで見たよ!あれ、かっこいいね!」 

響「あ、ありがとう……」 

P「いやぁ、やっぱりオーディション会場となると有名アイドルに会うなぁ」 

響「……じゃ、じゃあ、自分行くね…」 

P「ま、待って!今日はうちのアイドルも一緒にオーディション受けるから、よろしくね!」 


響「……………」スタスタ


11:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 15:33:21.66 :FtYpxA47O

響の家 

響「…………はぁ、何だったんだろ、あの人…」 

響「うちのアイドルって言ってたし……多分、プロデューサーとかかな?」 

響「………961プロも、プロデューサー付けてくれないかなぁ……」 

響「………ずっと、1人でアイドルしないといけないのかな……」 

響「……………」 

響「………うぅ……」グスッ 

響「寂しいぞ……にぃに……あんまー……すー……」グスッ 

響「………あ、そういえば……立体型パズル……」 

響「………しよう、かな」


12:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 15:39:41.39 :FtYpxA47O

響「……………」カチャカチャ 

響「む、難しい、ぞ……」カチャカチャ 

響「……でも自分、負けないさーー!!」 



カチャッ 

響「!!この感触………」 

響「開いた!やった!にぃにに勝ったぞ!」 

響「って、勝つっておかしいか……ん?何か入ってる?」 

響「………!!こ、これって……!」 

響「お金……こ、こんなにも………」 

響「…………う、うぅ……」グスッ 

響「にぃに……にぃに……いつも心配してくれて、ありがとう……」グスッ


13:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 15:51:28.77 :FtYpxA47O

黒井「響ちゃん、最近調子がいいねぇ~」 

響「ふふん、自分完璧だからな!」 

響「じゃ、今日もお仕事行って来るぞ!」 

ガチャ 

黒井「………クククク、これで765プロを……」 





収録現場 

響「自動販売機は……あ、ここだな」 

春香「あれ?あなた、確か961プロの……」 

響「誰?」 

春香「あ、初めまして!私、765プロ所属の天海春香!」 

春香「響ちゃんの事、プロデューサーさんから聞いてね……」 

響「プロデューサーって……あぁ、もしかして、あの時ぶつかっちゃった……」


14:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 15:56:20.62 :FtYpxA47O

春香「今日の収録、よろしくね!」 

響「………ふん、自分慣れ合うつもりはないさ」 

春香「え?」 

響「自分は、友達なんて余計なものを作らずにトップアイドルになるからな!」 

春香「そ、そんな、余計なものだなんて……」 

響「社長は言ってたぞ!自分は、黒井社長を信じるぞ!」 

響「じゃあね!これ以上は関わらないで!」 

春香「ひ、響ちゃん………」


15:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 16:00:45.78 :FtYpxA47O

黒井「響ちゃん、ちゃんと余計な友人など作らず、孤高を持したかい?」 

響「うん!自分、社長を信じてやって来たからね!」 

黒井「よし、ならば今日のオーディションで765プロを完膚無きまで叩き潰して来い!」 

響(にぃに……見ててね、自分がトップアイドルになるのを!)


16:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 16:05:37.29 :FtYpxA47O

待合室前 

響(………今日、トップアイドルになるんだ……絶対!!) 

P「あ、君は……」 

響「!!」 

響「き、君は765プロの……」 

P「今日は、よろしくね。どっちが勝っても文句は無しだぞ?」 

響「………ふ、ふん、当たり前さ!」 

P「頑張ってね、響ちゃん」 

響「!!」 

響(は、初めてオーディション前に応援された……) 

響「ふ、ふん!そっちも精々最下位にならないようにね!」


17:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 16:10:10.86 :FtYpxA47O

オーディション 

響(3回戦の形式か………) 

春香「……………よしっ!いける!」 

響(………あの子、確か天海春香…) 

響(………全然緊張してない様子だな…) 

響(じ、自分だって!大丈夫!) 

審査員「では、早速一回目の審査をを始めます」 

響(今まで辛いことを乗り越えたんだ、勝てるはず!!)


18:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 16:16:26.73 :FtYpxA47O

審査員「………はい、では一回目の審査発表です。1位は我那覇響さん」 

審査員「2位は、天海春香さん」 

審査員「3位は…………さん、はい、それ以下は帰っていいですよ。」 

春香「やったぁ!やりました、プロデューサーさん!」 

P「よくやった!この調子で行こう!」 

響「……………」スタスタ 

P「あっ、春香、先に待合室で準備しててくれ!」 

春香「あ、はい!」 





P「おーーーい、響ちゃん!」 

響「………なに?」 

P「1位おめでとう、凄いね!」 

響「………当然だぞ。それで?」 

P「えっ?」 

響「他に用は?」


19:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 16:20:50.86 :FtYpxA47O

P「………いや、ないけど…」 

響「はぁ!?」 

P「いや、だって祝いの言葉を掛けたくて……」 

響「呆れたぞ……全く、敵の事務所なのに祝うなんて、変なプロデューサーだな」 

P「ライバルの成長は、悔しいけど祝いたくもあるんだ」 

響「………ふん、自分にはそんなの必要ないさ!」 

P「そっかー……響ちゃん、強いんだね。一人でも大丈夫なのか。」 

響「…………………」 

響「大丈夫……無いぞ……」 

P「ん?」


20:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 16:31:27.83 :FtYpxA47O

響「………なんでも、無い」 

響「次も1位取ってやるからな!」タタタ 

P「あ、あぁ、ウチも負けないぞ!」 

響(…………) 




オーディション 

審査員「それでは、2回目の審査を始めます」 

響(自分一人でも大丈夫何だ!アイドルにしてくれた黒井社長は正しいんだ!) 

響(自分……一人でも……一人でも……大丈夫……大丈夫!) 




兄『………大丈夫、大丈夫だ、響』 

兄『今日は……目一杯泣いとけよ』 


21:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 16:36:51.56 :FtYpxA47O

響「!!?」ウルッ 

響(あっ、しまっ………)ズシャッ 

響「痛いっ!」 

春香(ひ、響ちゃんが転んだ……!) 

審査員「…………………」 


響「うぅ………」 





審査員「はい、では審査発表をいたします」 

審査員「1位は……天海春香さん」 

響「!!?」 

響(た、大変だ!2位に入らなきゃ落ちゃう……!) 

審査員「2位は………」 

響(後半は完璧だったんだ!……お願い!!) 



審査員「…………さん、以上。それ以下はお帰りください」 

響(……………) 

響「落ち、た」


22:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 16:40:42.19 :FtYpxA47O

春香「………ひ、響ちゃん…」 

響「…………」ダッ 

春香「ひ、響ちゃん!!」 

P「……春香、先に待合室に行っといてくれ。」 

春香「………響ちゃんをおねがいしますね…」 

P「………………」 





待合室 

響「………負け、ちゃった」 

響「無様な姿、見せちゃったな……」 



コンコン 

響「!は、はい!」 



ガチャ 

黒井「私だ」


31:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 23:45:57.13 :/dkSAEZMO

響「く、黒井社長………」 

黒井「……………」 

響「黒井社長……ごめん!自分落ちちゃった……」 

響「で、でもいつか、またリベンジして汚名返上するぞ!」 

響「だから、次まで……」 




黒井「次なんて……あるわけなかろうが!この小娘が!!」 

響「ひっ!!」 

黒井「リベンジだぁ?1度負けた人間など、トップに立つ資格などない!!」 

黒井「せっかく金を掛けて育ててやったのに!!」 

黒井「しかも、負けた相手があの忌々しい765プロと来たもんだ!!」 

黒井「もうウチの事務所に顔を見せるな!!消えろ!!」 



ガチャ 

響「……………」 

響「うっ………うぅっ………」グスッ


32:◆p3yuNM37DY:2014/07/28(月) 23:55:05.76 :fvYOplI5O

響「………にぃに……ごめん、なれなかったぞ……」グスッ 


響「自分、トップアイドルに………」 

響「………!!」 

響「だ、誰?ドアの所にいるの……」 




P「…………………」 

響「……………き、君は……」 

P「話……聞いちゃったよ……ごめん……」 

P「……待合室のドアが開いたままだったから、聞こえちゃって……」 

響「…………自分を、馬鹿にしに来たのか?」 

P「そんな……馬鹿にする所なんて無いよ……」 

響「………出て、行ってよ……」 

P「………泣いてる子を、ほっといてなんて行けないよ……」 

響「……………う、ううぅ…」グスッ


33:◆p3yuNM37DY:2014/07/29(火) 00:04:56.26 :jUFf9SX2O

響(泣いてるとこ……にぃに以外に見せたく無いぞ……) 

P「………その、響ちゃん」 

P「……我慢しない方がいいよ」 

P「今は………目一杯泣きなよ」 

響「!!!」 


響(にぃにと………同じ………) 



響「…………うぇっ」ウルッ 


響「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあん!!!」ギュッ 


P「…………………」 


P「よく、頑張ったね、響ちゃん」なでなで 

響「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあん!!」ギュッ 







34:◆p3yuNM37DY:2014/07/29(火) 00:18:52.26 :jUFf9SX2O

3ヶ月後 


響「プロデューサー!早くご飯食べに行こうよ!ほらぁ!」 

P「ま、待ってくれ響、まだ予約出来てないんだって……」 

響「もぅ!遅いぞー!!」 

春香「く、961プロの時のイメージと大分変わったね……」 

真「クールなキャラは何処にいったのやら……」 

小鳥「響ちゃんがウチに移籍してもう3ヶ月も経つのね」


36:◆p3yuNM37DY:2014/07/29(火) 00:25:41.03 :jUFf9SX2O

春香「前の時は一人でなんでもするって言ってたのに、今じゃプロデューサーさんにベタベタだね」 

真「今まで一人でやって来た分、その反動なのかな……」 


響「ほらぁ!終わっただろ?早く行くぞ!」 

P「ひ、響!引っ張らないでくれぇ!」 

ガチャ 



真「行っちゃった……」 

春香「プロデューサーさん、なんの予約してたんだろ……」 

小鳥「それがね………プロデューサーさんと響ちゃん、来月に……」 


39:◆p3yuNM37DY:2014/07/29(火) 00:33:45.56 :jUFf9SX2O

1ヶ月後 

響「プロデューサー!ほら、海綺麗だろ!?」 

P「本当、沖縄の海は綺麗だな……」 

響「えへへっ!プロデューサー。実家に付いて来てくれて、ありがとうね!」 

P「前から約束してたもんな。沖縄で何かしたかったのか?」 

響「あのね、自分にぃにに返したいもんがあるんだ」 

P「返したいもの?」 

響「うん!これだぞ!」 

P「…………パズル?」


40:◆p3yuNM37DY:2014/07/29(火) 00:41:33.76 :jUFf9SX2O

響「うん!にぃにがくれた、御守り!」 

P「へぇ~、中に何か入ってるのか?」 

響「うん!お金!」 

P「お、お金が御守り……」 

響「こ、心がこもったお金なの!」 

P「使わなかったのか」 

響「うん!お金で困ってなかったし、何よりにぃにが一生懸命稼いでくれた大切なお金だからな!」


41:◆p3yuNM37DY:2014/07/29(火) 00:45:08.90 :jUFf9SX2O

P「そっか……でも、返しちゃっていいのか?」 

響「うん!だってコレは、にぃにが自分を心配してくれた物だもん!」 

響「もう、心配してもらわなくても大丈夫になったから返すんだ!」 

響「今は、大切な仲間達と……」 

響「プロデューサーが付いてくれてるからな!!」 








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