1:2014/07/06(日) 01:15:30.69 :gzH6cX/AO

貴音「あなた様。まだ、起きていらっしゃいますか?」クイクイ 

貴音「ふふっ。起きていてくださって、良かったです」クスクス 

貴音「あなた様。今宵は久方ぶりに、雨の降らない夜だそうです」 

貴音「べらんだに、出ませんか?」


2:2014/07/06(日) 01:18:37.99 :gzH6cX/AO

貴音「んっ…霜月とはいえ、深夜ともなると、少々肌寒いですね」クスクス 

貴音「…はい?何故、べらんだに出たか?」 

貴音「ふふっ。あなた様はいけずです」 

貴音「わかっている癖に」クスクス 

貴音「えぇ。知っていますとも、分かっていますとも」 

貴音「わたくしに、言わせたいのでしょう?」クスクス 

貴音「あなた様と、久方ぶりの夜空を、眺めたかったのですよ」


4:2014/07/06(日) 01:25:08.95 :gzH6cX/AO

貴音「しかし、都会というのは何故こうも、人工の光に溢れているのでしょうか」 

貴音「それぞれの光ひとつひとつに、それぞれの生がある」 

貴音「聞こえは良いですが、何処か、寂しさも感じてしまいます」クスッ 

貴音「…ふふっ。ですが」 

貴音「こうもきらきらと照らされていますと、星の海に漂っているような気がしてしまいますね」 

貴音「…む。あなた様?今のは減点ですよ?わたくしとて、女、なのです」 

貴音「ろまんてぃっくに思いを馳せるぐらい、よろしいではありませんか」 

貴音「…むぅ」ツンツン


6:2014/07/06(日) 01:27:45.75 :gzH6cX/AO

貴音「♪」 

貴音「あなた様は、ここが弱いのですか?」クスクス 

貴音「ふふっ」ツンツン、ツンツン 

貴音「あっ…」ギュッ 

貴音「…ふふっ。捕まってしまいました」クスクス 

貴音「あらあら、どう致しましょう。このまま、わるぅい狼さんに食べられてしまうのでしょうか」クスクス 

貴音「んっ…」チュッ 

貴音「…」 

貴音「……」クスッ 

貴音「ふふっ。ほんとに食べられてしまいました」クスクス


7:2014/07/06(日) 01:33:37.15 :gzH6cX/AO

貴音「…」 

貴音「……こうして」 

貴音「こうして、あなた様に抱いていただいていますと」 

貴音「離れてしまうのが惜しく感じてしまいます」ギュッ 

貴音「織女と牽牛の様に、ただ一夜の逢瀬では無いだけでも、良しとしなくてはいけないのでしょうが…」 

貴音「…」ギュッ 

貴音「納得いかないので、もっとくっつきます」


9:2014/07/06(日) 01:37:16.42 :gzH6cX/AO

貴音「…」ナデナデ 

貴音「むぅ。あなた様?」 

貴音「わたくしを、子ども扱いしないでくださいませ」チラッ 

貴音「…」ナデナデ 

貴音「いけず」 

貴音「…知りません」プイッ 

貴音「…」チラッ 

貴音「許してほしいのですか?」 

貴音「…そうですね。ならば、少し屈んでくださいませ」クスッ 

貴音「いえいえ何も企んでなど」クスクス 

貴音「そうそう。そのぐらいで結構です」 

貴音「えぃっ」チュッ


10:2014/07/06(日) 01:42:20.03 :gzH6cX/AO

貴音「ほら、あなた様?どうされたのです?わたくしを、子ども扱いするのではなくて?」クスクス 

貴音「んっ…」ブルッ 

貴音「少し、冷え込んできましたね。どうされます?部屋、戻りますか?」 

貴音「…」 

貴音「ふふっ。はいはい」ムギュッ 

貴音「ならば、もう少し、このままでいましょうか」 

貴音「どっちが、子どもなんだか」クスクス


11:2014/07/06(日) 01:46:41.75 :gzH6cX/AO

貴音「仕方がありませんから、もう少しだけあなた様に付き合ってあげます」クスクス 

貴音「はい?わたくしから?」 

貴音「知りません」クスッ 

貴音「誘ったのはわたくしですが、ここに残るのを決めたのはあなた様なのですから」 

貴音「…」 

貴音「ですが、もう少しこの肌寒さ、あなた様で温めるのも、いいかもしれませんね」 

貴音「…いーえ、何も言ってませんとも」 

貴音「早く部屋に戻りたいなどと、微塵も言っておりません」クスクス


12:2014/07/06(日) 01:47:17.18 :gzH6cX/AO

はい。ここまでありがとうございました 

満足です


元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404576930