1:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 21:58:24.62 :5DrdJ43no

P「唐突だったな。経緯から説明する」 

凛「うん」 

P「事務所から数人、CDデビューさせようという話がある」 

凛「!」 

P「うちの事務所はまだ立ち上がったばかりで実績があまり無い。 
  だが最近レッスンが進むにつれ、幾人かはだいぶ実力も付いてきた。 
  そこで今回、満を持してCDを出そうという話になったんだ」 

凛「へぇ……。それで?」 

P「候補は5人。双葉杏、三村かな子、高垣楓、城ヶ崎莉嘉、そして渋谷凛、お前だ」 

凛「……っ」 

P「理解が早くて助かる。今回の候補に島村卯月、本田未央の両名は含まれていない」 

凛「……」 

P「結果として、あくまでも結果としてだが 
  この話を受ければお前は二人を出し抜くことになる」 

凛「出し、抜く……」 

P「もう一度聞く。渋谷凛、一人で走る覚悟はあるか?」 


2:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 21:59:48.86 :5DrdJ43no

―――― 
―― 


未央「お、しぶりんおかえりー」 

卯月「おかえり、凛ちゃん。プロデューサーさんなんだって?」 

凛「うん、ちょっとね。まだしゃべっちゃダメみたい」 

未央「なんだそれー。まぁいいや、帰ろう!」 

卯月「うん!」 


3:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:01:16.04 :5DrdJ43no

―――― 
―― 

― 自宅:風呂 ― 


凛「CD、デビューか……」 

凛「……あ~♪」~♪ 

凛「確かに、前よりは声が出るようになったかな」 

凛「頑張ってきたもんね」 

凛(じゃあ卯月や未央は頑張ってなかった? そんなことない) 

凛(なんでだろう、こういうイベントは3人一緒だと思ってた。思い込んでた) 

凛「チャンス……」 

凛(っ、違う! 出し抜くチャンスじゃなくって、私が先へ進むためのっ!) 

凛「誰に言い訳してるんだろう」 

凛「二人には相談できないし……自分で決めなくちゃ」 

凛「一人で走る覚悟、か……」 


4:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:01:51.18 :5DrdJ43no

―――― 
―― 


凛「プロデューサー」 

P「ん、凛か。"決まった"か?」 

凛「はい、"決めました"」 

P「いい表情(かお)だ。 
  先にミーティングルームに行っててくれ。ここ片付けてから行く」 


5:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:04:26.59 :5DrdJ43no

― ミーティングルーム ― 

P「さて、これから凛にはボーカルを重点的にトレーニングして貰う事になる」 

凛「うん」 

P「そしてその後にダンスとビジュアルだな。 
  まだどんな楽曲になるかは分からないが、販促の為ステージに立つことになる」 

凛「うん」 

P「ちなみに局はもう依頼してある。765プロの我那覇響さんてわかるか?」 

凛「動物番組とかに出てるよね」 

P「ああ。そういえば凛は犬飼ってたっけ」 

凛「ハナコだよ」 

P「そうだったな。で、我那覇さんの代表曲とも言える"Next Life"を書いた方に 
  今回凛の曲を依頼してある」 

凛「依頼してあるんだ」 

P「あー。たぶん凛ならこの話をうけてくれるだろうと踏んで先に依頼した」 

凛「ふうん。まぁ、いいけど」 


6:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:06:45.89 :5DrdJ43no

P「この人はトランスなんかの格好いい曲を多く手がけてる人だ。 
  "Next Life"のようなダンサブルなナンバーが来ることも考えられる」 

凛「それでダンス。なかなか大変だね」 

P「ああ、大変だ。我が事務所の第一弾だからな。 
  ちなみにその中でもお前は1番にナンバリングされる」 

凛「……責任重大だ」 

P「この第一弾の、いうなればお前の出来如何によって今後第二弾三弾のCDが 
  出るかが決まると言っても過言ではない」 

凛「……本当に、責任重大だね」 

P「でもそんなに不安にならなくてもいいぞ。俺も全力でサポートする」 

凛「ありがとう」 

P「がんばろうな。そんで卯月や未央のデビューまでこぎ着けよう」 

凛「うん、そうだね」 

P「今までと比べれば卯月、未央と一緒に居ることは少なくなるだろうし、 
  何か辛いことがあるかもしれない。そのときには遠慮無く相談してくれ」 

凛「わかったよ。それじゃ、よろしくねプロデューサー」 

P「こちらこそ。ああ、一旦"Next Life"のCDとライブのBDを貸しておくから 
  見聞きしてみるといい」 


7:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:08:22.70 :5DrdJ43no

―――――― 
―――― 
―― 

― 川沿い:散歩道 ― 


凛「~♪」シャカシャカ 

凛「……かっこいい」 

ハナコ < ワンワン 

凛「ハナコ、静かにね」 


凛(我那覇さん、ダンスが得意っていうのは知ってたけど歌もこんなにすごいんだ) 

凛(動物たちと遊んでるときはあんなに可愛い人なのに) 


凛『忘れはしない君の温もりと 偽り無い真剣な 眼差しを ずっと』~♪ 


凛「……難しい」 


凛『永久に続く生命の鎖が 絡み合って運命の地へ続いていく』~♪ 


凛「動き、こんな感じかな……?」 

?「んー、もうちょっと緩急をつけた方がかっこよく見えると思うぞ」 

凛「!?」 


8:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:10:17.59 :5DrdJ43no

響「あ、ごめん」 

ハナコ < ワンワン 

響「お? なんだキミはー可愛いやつだなーうりうり~♪」 

凛「が、我那覇さん!?」 

響「ん? 知ってるのか? はいさい! 我那覇響だぞ!」 

凛「知ってます!」 

ハナコ < ワンワンワンワンペロ 

響「あはははは、くすぐったいよ」 

凛「ちょっと、ハナコ!」 

響「そっかー、キミはハナコって言うのかー」 

凛「すみません我那覇さん……」 

響「自分の方こそ、急に声かけちゃってごめんな」 

凛「いえ、私こそその、勝手に歌って……」 

響「ううん、すっごく嬉しかったぞ。ちなみにさっきの部分のダンスは――こう!」 

凛「……すごい……」 

響「えへへ、面と向かって言われると照れちゃうなぁ」/// 

凛「こう、――こう、ですか?」 

響「そうそう。で、指先はこっちで視線はこっちね。 
  そのときつま先から腰まで、そこから脇腹の線の意識して」 

凛「なるほど」 


9:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:11:41.91 :5DrdJ43no

響「ってごめん。自分ダンスのことになるとつい熱くなっちゃって」 

凛「いえ、とても勉強になります。あの、私もアイドルをしていて……」 

響「そうなの!? うわ、得意げに教えちゃってなんだか恥ずかしいぞ」 

凛「いえ、アイドルと言ってもまだCDデビュー前の新人なんです。 
  それで今度CDを出させて貰えることになったんですけど、 
  その曲を我那覇さんと同じ人に書いて貰えるらしくて……」 

響「へぇ……! おめでとうだぞ!」 

凛「ありがとうございます。なので、さっきのダンスのお話とても勉強になりました」 

響「そ、そう? あのさ、もしまた何かあったら聞いてよ」 

凛「いいんですか?」 

響「うん。嬉しかったからさ」 

凛「ありがとうございます」 

響「それで、一つだけ聞いてもいい?」 

凛「はい」 

響「名前なんて言うんだ?」 

凛「!」 


10:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:14:51.01 :5DrdJ43no

―――――― 
―――― 
―― 


― ミーティングルーム ― 


凛「失礼します」 

P「おう。来たか」 

凛「はい」 

P「まぁ座れ。依頼していた曲が上がってきた」 

凛「!」ゴクリ 

P「そんな緊張するな。とりあえず聞いてみよう。 
 当然、お前がまだ歌ってないんだから仮歌ってやつだけどな。 
 タイトルは "Never say never" だ」 


―― 
ずっと強く そう強く あの場所へ 走り出そう 
 ~ 
  どこまでも走ってゆくよ いつか辿り着けるその日まで 
―― 


P「どうだ?」 

凛「これを、私が歌うんだ……」 

P「ああ」 

凛「"Never say never"か。私も頑張るよ」 

P「期待してるぞ。そういえば卯月と未央ももう凛のデビューの話は知ってるよな?」 

凛「事務所のみんなが知ってるからね。"おめでとう""がんばって"って言われたよ」 

P「そうか。あいつら、心から喜んでただろ?」 

凛「そうだね」 

P「ちゃんと、あいつらに繋げてやろうな」 

凛「うん」 


11:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:15:59.63 :5DrdJ43no

―――――― 
―――― 
―― 


『To:我那覇響 
 Subject:こんばんは 
 ―――― 
 お疲れ様です。 
 無事、ではないけどデビューイベント終了しました。 
 とても緊張しました。 
 プロデューサーや、一緒にステージに立ったみんなに助けて貰ったと思います。 
 たくさんアドバイス頂いて、本当にありがとうございました。 
』 


『To:渋谷凛 
 Subject:Re:こんばんは 
 ―――― 
 お疲れ様! 
 改めてCDデビューおめでとう! 
 自分も凛のCD買ったぞ! いい歌だね。 
 上手く言えなくてあんまり役には立たなかったかもしれないけど、 
 そう言って貰えるとうれしいな。 
 今日はゆっくり休んでね! 
』 


『To:我那覇響 
 Subject:Re:Re:こんばんは 
 ―――― 
 CD買ってくださったんですか!? 
 ありがとうございます。我那覇さんには貰って欲しかったんですけど……。 
 長めにお風呂に浸かってしっかり疲れを取ろうと思います。 
 お休みなさい。 
』 


12:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:17:11.64 :5DrdJ43no

―――――― 
―――― 
―― 


― 事務所 ― 

卯月「ただいまー。あ、凛ちゃん」 

未央「たっだいまー! お?」 

凛「卯月、未央。おかえり」 

未央「おー、しぶりんだ。久しぶりだね」 

凛「そうだね、最近ちょっと忙しかったから」 

卯月「疲れてない? 大丈夫?」 

凛「大丈夫だよ。ありがとう」 


13:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:18:06.13 :5DrdJ43no

未央「あ、この後時間あったりする? 卯月とケーキでも食べに――」 


P「凛! 居るか?」 

凛・卯月・未央「!」 


凛「はい、プロデューサー」 

P「おし。そんじゃ言ってあったようにこれからグラビアの撮影だ。もう出られるな?」 

凛「はい」 

P「じゃあ車で待ってるから。卯月と未央もまたな」 

卯月「あ、はい。お疲れ様です」 

未央「お疲れ様でーす」 


14:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:18:37.00 :5DrdJ43no

凛「……ごめん」 

卯月「ううん! がんばってね」 

未央「そうそう。いい写真撮って貰っておいで」 

凛「うん、行ってきます」 


< クッソー,アタシモ早クCDデビューシタイナァ 
< 一緒ニ頑張ロウネ 


凛(一緒、か……) 


15:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:19:26.94 :5DrdJ43no

―― 

『To:我那覇響 
 Subject:お疲れ様です。 
 ―――― 
 今日はグラビアの撮影がありました。 
 写真を撮られるのはまだ慣れないです。 
 撮影の前にちょっとしたことがあって、上手く笑顔を作れませんでした。 
 でもそれが返って評判が良くて……複雑な気持ちです。 
』 
『To:我那覇響 
 Subject: 
 ―――― 
 ごめんなさい。ただの愚痴ですね。 
』 


16:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:20:41.52 :5DrdJ43no

『To:渋谷凛 
 Subject:Re: 
 ―――― 
 お疲れ様! 
 どうしたんだ? 何かあったのか? 
 相談くらいいつでものるからな! 
』 


『To:我那覇響 
 Subject:Re:Re: 
 ―――― 
 ありがとうございます。でも本当に些細なことなので、大丈夫です。 
』 


『To:渋谷凛 
 Subject:Re:Re:Re: 
 ―――― 
 そう? それならいいんだけど。 
 やな事があったときはハナコと散歩するといいぞ! 
 自分も犬美と散歩して体動かしてすっきりするんだ! 
』 



凛「お母さーん。ちょっとハナコの散歩行ってくるー」 


17:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:21:30.33 :5DrdJ43no

―――――― 
―――― 
―― 


『To:我那覇響 
 Subject:こんにちは。 
 ―――― 
 今日、卯月のCDデビューが決まりました。 
 卯月はずっと泣きながら嬉しそうにしていました。 
 私と未央でおめでとうっていうと、何度も"ありがとう"って言ってました。 
 ちゃんと"次"に繋ぐことが出来たんだなって、少しほっとしています。 
』 


『To:渋谷凛 
 Subject:Re:こんにちは。 
 ―――― 
 おめでとう! 
 そっかー、卯月デビューかー。 
 これであとは未央だね! 
 早く三人で一緒に歌えるといいね。 
 自分も貴音と美希と歌ってるときはすごく楽しいぞ! 
』 


18:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:23:35.97 :5DrdJ43no

―――――― 
―――― 
―― 


P「凛! 卯月! もう下に車来てるから出るぞ!」 

卯月「っふぎゅ!?」 

凛「っ、ほら卯月、お茶飲んで」 

未央「プロデューサーいきなり大声出さないでよー。今おやつ食べてたんだからー」 

P「ん? ああすまん。卯月大丈夫か?」 

卯月「んっんっくっぷはっ。大丈夫です」 

P「そうか。今日は向こうさんに車出して貰ってるから待たせられないんだ。 
  すぐ出られるか?」 

凛「うん、大丈夫だよ」 

P「おしじゃあ行くぞ!」 

卯月「行ってくるね、未央ちゃん」 

凛「行ってくるよ」 

未央「行ってらっしゃーい」 


19:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:24:12.12 :5DrdJ43no

凛「あ。テーブルに目薬忘れてきたみたい」 

卯月「取ってくる?」 

凛「うん。先行ってて」 

卯月「わかった」 


20:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:25:16.47 :5DrdJ43no

凛「未――」 

未央「すぅぅぅぅぅぅはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。……顔洗ってこよっと」 

凛「未央?」 

未央「うわ!? え、どうしたの?」 

凜「目薬忘れて。それより未央の方こそどうしたの」 

未央「えっと、そう昨日マンガ読んで徹夜しちゃってさー! あくびしてたんだ」 

凛「目、赤くなってるよ?」 

未央「うそ!? 充血しちゃったのかな、私も目薬買おうかなー! なんて……」 

凛「目薬買うんだったら、あまりスーッとしないタイプがいいよ」 

未央「そうなんだ」 

凛「じゃあ今度こそ、行くね」 

未央「行ってらっしゃーい」 



凛「未央……」 


21:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:26:08.74 :5DrdJ43no

―――――― 
―――― 
―― 


『To:我那覇響 
 Subject:こんばんは。 
 ―――― 
 今日、ついに未央のCDデビューが決まりました。 
 CDを出すのは未央なのに、ずっと卯月が泣いていました。 
 途中からつられて未央も泣いてたっけ。 
 でも泣きながら二人ともずっと笑ってました。 
 私も一緒に笑いながら、おめでとうって言いました。 
 以前我那覇さんが言っていたように、一緒に歌う夢に近づきました。 
』 


『To:渋谷凛 
 Subject:Re:こんばんは。 
 ―――― 
 やったな! おめでとう! 
 凛のデビューが決ってから一年かちょっと短いくらいかな。 
 凛もずっと心配してたもんな。 
 本当におめでとう。 
』 


22:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:28:41.25 :5DrdJ43no

―――――― 
―――― 
―― 


『To:渋谷凛 
 Subject:はいさーい! 
 ―――― 
 自分たちアリーナライブが決ったんだ! 
 よかったら凛も見に来ないか? 
 卯月と未央も一緒に! 
 自分、プロデューサーにチケット頼んでみるぞ! 
』 


『To:我那覇響 
 Subject:Re:はいさーい! 
 ―――― 
 アリーナですか! おめでとうございます。 
 ライブ是非伺いたいですが、ご迷惑じゃないでしょうか……。 
』 


『To:渋谷凛 
 Subject:Re:Re:はいさーい! 
 ―――― 
 迷惑なんかじゃないぞ! 
 自分、凛達にステージを見て欲しいんだ。 
』 


23:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:29:11.70 :5DrdJ43no

『To:我那覇響 
 Subject:Re:Re:Re:はいさーい! 
 ―――― 
 じゃあ、プロデューサーにスケジュール聞いてみます。 
 もし大丈夫そうなら改めてお願いします。 
』 


『To:渋谷凛 
 Subject:Re:Re:Re:Re:はいさーい! 
 ―――― 
 わかったぞ! 
 あ、でも自分もプロデューサーにお願いしてみるけど、 
 もしもダメだったらゴメン……。 
』 


『To:我那覇響 
 Subject:Re:Re:Re:Re:Re:はいさーい! 
 ―――― 
 はい、大丈夫です。 
』 


24:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:30:09.86 :5DrdJ43no

―――――― 
―――― 
―― 


『To:我那覇響 
 Subject:こんばんは 
 ―――― 
 先日誘って頂いたアリーナライブの件なのですが、 
 ちょうど他のアーティストの方と合同のライブがあり 
 行けなくなってしまいました。 
 せっかく誘って頂いたのに、申し訳ありません。 
 そのライブなんですが、初めて武道館に立つことになりました。 
 精一杯歌ってこようと思います。 
』 


『To:渋谷凛 
 Subject:Re:こんばんは 
 ―――― 
 武道館おめでとう! 
 重なっちゃったのは残念だけど、楽しんで来てね! 
 でもそっかー、同じ日ってことは自分も凛達のステージ見に行けないんだなー。 
 でもお互い頑張るさっ! 
』 


25:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:30:41.20 :5DrdJ43no

―――――― 
―――― 
―― 


trrrrrr 

真「電話鳴ってるよ?」 

千早「我那覇さんのじゃない?」 

響「うん? 本当だ。えーっと、凛からだ。もしもし?」 

凛『もしもし、渋谷です。今大丈夫ですか?』 

響「大丈夫だぞ。どうかしたのか?」 


28:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:33:25.41 :5DrdJ43no

千早「凛って渋谷さんかしら」 

真「そうじゃない? 時々連絡とってるみたいだよ」 

千早「そうなの?」 

真「この間もボクらのアリーナライブBDのCMを渋谷の交差点で見たとかメールしてた」 

千早「渋谷さんが渋谷で!?」ブフッ 

真「あー、そこなんだ……」 


29:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:34:22.59 :5DrdJ43no

凛『単独ライブが決りました。 
  以前合同ライブとかで立ったことのあるステージよりは小さいですけど、 
  私たちだけでライブです』 

響「本当か!? おめでとう!」 

凛『ありがとうございます』 

響「よかったなー」 

凛『はい』 

響「これから練習とか大変だと思うケド、けがしないようにな!」 

凛『気を付けて頑張ります。それじゃ……』 

響「うん、わざわざありがとう!」 


30:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:34:49.86 :5DrdJ43no

―――――― 
―――― 
―― 


凛「いよいよだね」 

卯月「うん」 

未央「ついにって感じだね」 

凛「楓さん達は?」 

卯月「スタッフさんと段取りの話し合いしてる」 

未央「私たちは行かなくていいのかな?」 

卯月「私たちはもうちょっと後だって」 

未央「そっか」 


31:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:35:59.22 :5DrdJ43no

凛「――ずっと二人に言いたかったことがあるんだ。聞いてくれる?」 

卯月「?」 

未央「なに?」 

凛「私さ、二人より先にCDデビューして、アイドルとしても先に忙しくなって」 

未央「そうだったねぇ」 

卯月「うん。凛ちゃん頑張ってたよね」 

凛「それでね。正直ちょっと不安だったんだ。 
  あのとき一歩進む事を選んだのは私のはずなのに、 
  どこか私が置いてけぼりにされたような気持ちもあったんだ」 

卯月「凛ちゃん……」 

凛「今、一緒に居てくれてありがとう。ずっと一緒に走って来てくれて、ありがとう」 


32:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:36:30.97 :5DrdJ43no

未央「――あたしもね、二人が先にどんどん進んでいって、 
   一人ぼっちになっちゃった気がしてたんだ。 
   正直もう無理なのかなって思った事もある。 
   でもしぶりんがずっと頑張ってるのを見て、頑張れって言われてる気がした。 
   しまむーの楽しそうな姿を見て、私も早くああなりたいって思ったんだ」 

凛「……」 

未央「二人とも、私の友達でいてくれてありがとう」 

卯月「わ、私も! 凛ちゃんがすっごく頑張ってたの知ってるよ! 
   プロデューサーさんがね"凛達が活躍すれば他の娘達にも繋がる"って言ってたの。 
   だから私も頑張って、凛ちゃんも未央ちゃんも応援しようって……」 

凛「うん、知ってる」 

未央「ちゃんと届いてた」 

卯月「えへへ……よかった。私、二人と一緒でよかった」 


33:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:37:24.80 :5DrdJ43no

凛「そろそろいこっか」 

卯月「そうだね。ぐすっ、メイク崩れてないかな? 大丈夫?」 

未央「大丈夫大丈夫」 

凛「未央は目薬はいいの?」 

未央「ちょ、しぶりん~」 

卯月「目薬?」 

未央「なんでもないよー」 

卯月「え? 仲間はずれ?」 

未央「いや、そんなんじゃないから」 

凛「ふふっ。それじゃ、行こうか!」 

卯月・未央「おー!」 


― 終 ― 


34:◆gMXhl5W0Oc:2014/04/04(金) 22:40:05.18 :5DrdJ43no

ありがとうございました。 
個人的なことなのですが、劇場版公開日にシンデレラガールズが武道館のステージに立っていて、 
ああこの娘達もがんばってるんだなと思いました。 
明日の単独ライブも頑張って欲しいです。


元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396616304