1:◆yfWmR9mD4k:2013/09/03(火) 02:04:53.08 :EeVspyYxo

――――――――――――事務所 


ちひろ「いやいやいや。給料日この間だったじゃないですか?」 


P「まあ……いろいろありまして」 

ちひろ「あっ……まさか、変な所に行ってるんじゃないでしょうね?」 

P「ち、ち、違いますよ!……その……いろいろです」 

ちひろ「でも、どうするんですか? 出費もこれからあるでしょう?」 

P「一応、生活する最低限の家賃や携帯代などは残してます」 

ちひろ「……まあ、それならいいんですが」 



ちひろ(って……よくねーよ! スタエナ買ってくれないじゃん!)


2:◆yfWmR9mD4k:2013/09/03(火) 02:05:27.77 :EeVspyYxo

P「そういうわけでして……今回はドリンクは無しで……」 

ちひろ「ちょっと待った!!」 

P「えっ?」 

ちひろ「はあぁ……仕方ありませんね。いつも、お世話になってるPさんですし」 

P「まさか……」 

ちひろ「500MCでスタ5本+2本おまけしますよ」 

P「やったあああ! さすがちひろんさんです! ありがとうございます!!」 

ちひろ「もう……今回だけですからね?」 



ちひろ(まあ、これでも十分利益は出るんだけどね……)


3:◆yfWmR9mD4k:2013/09/03(火) 02:06:20.18 :EeVspyYxo

――――――――――――後日、事務所 


ぐぎゅるるるるるるるるる 


ちひろ「Pさん」 

P「はい」 

ちひろ「お腹鳴りすぎですよ」 

P「お恥ずかしいです……」 

ちひろ「ご飯食べてないんですか?」 

P「一応食べてます」 

ちひろ「じゃあ、どうしてそんなにお腹が?」 

P「今日はテレビの収録無いですから……」 

ちひろ「どういうことです?」 

P「テレビの収録だとお弁当出ますからね。お昼代が浮きます」 

ちひろ「朝は?」 

P「カロリーメイトで」 

ちひろ「夜は?」 

P「お弁当の残りを……」 

ちひろ「何やってるんですか! いつか倒れちゃいますよ!?」 

P「ですね……この間調子に乗って30000MC使ったのがまずかったかな?」 



ちひろ(ヤバいっ!!)


4:◆yfWmR9mD4k:2013/09/03(火) 02:06:52.26 :EeVspyYxo

P「ちひろさん、やっぱり今月はドリン」 

ちひろ「わかりました! じゃあ、ドリンクのおまけに私がお弁当作ってあげますよ!」 

P「えっ? そこまでしてもらえるんですか?!」 

ちひろ「はあぁ……仕方ないですね。Pさんのためですもの。それくらいしてあげます」 

P「ちひろさん……なんて優しい女性なんですか」 

ちひろ「ふふふ、どうです? ドリンク買います?」 

P「買います! ありがとうございます!」 

ちひろ「毎度どうも~」 



ちひろ(本当、甲斐性なしなんだから)


5:◆yfWmR9mD4k:2013/09/03(火) 02:07:51.14 :EeVspyYxo

――――――――――――後日、事務所 


P「ごちそうさまでした。すごく美味しかったです!」 

ちひろ「それはどうも」 

ちひろ(おかげで早起きしちゃったじゃないの……眠い) 

P「お弁当持ってきてくれるなんて感激です! ありがとうございました!」 

ちひろ「そんなことより、Pさん」 

P「はい?」 

ちひろ「クリーニングにスーツ出したのPさんでしょ?」 

P「あっ。バレました?」 

ちひろ「バレました、じゃないです! これはアイドルの衣装や練習着を洗うためのものですよ?!」 

P「すいません……」 

ちひろ「こういうのはご自身で出されてください」 

P「はい……」 

ちひろ「おまけにYシャツまで……洗濯機くらいあるでしょ?」 

P「それが……今、壊れてて」 

ちひろ「洗濯はどうしてるんです?」 

P「近所のコインランドリーで一気に……」 



ちひろ(この流れ……ヤバい流れかも……)


6:◆yfWmR9mD4k:2013/09/03(火) 02:09:00.25 :EeVspyYxo

P「やはり事務所に迷惑はかけられませんね……洗濯機買ってきますので今回のド」 

ちひろ「わかりました!」

P「えっ?」 

ちひろ「はあぁ……仕方ないですね。私が洗ってあげますから!」 

P「え? でも、それは……下着とかもありますし」 

ちひろ「いいんですよ。男性の下着を干してると泥棒よけにもなりますし」 

P「そうですか?……では、お願いしようかな?」 




ちひろ(マンション25階に登ってくる泥棒がいたら見てみたいわ)


9:◆yfWmR9mD4k:2013/09/03(火) 02:11:02.79 :EeVspyYxo

――――――――――――後日、Pの家の前 


ぴんぽーん 


P「はい……って、ちひろさん?」 

ちひろ「どうも」 

P「僕の家までわざわざ……どうしたんですか?」 

ちひろ「洗濯物です。どうぞ」 

P「あっ……ありがとうございます! 事務所でも良かったのに」 

ちひろ「私がPさんの洗濯物を渡している姿を、みんなが見たらどう思いますか?」 

P「ああ、なるほど……そうですね。立ち話でもなんですし、よかったら中でお茶でも」 

ちひろ「ありがとうございます。それではお言葉に甘えて……って、何ですか?! この部屋は!」 

P「ちょっと散らかってますね。お恥ずかしい」 

ちひろ「『ちょっと』どころじゃないでしょう!? まったく……」 



ちひろ(こんな部屋じゃ病気になるわよ……そうなったら厄介ね)


10:◆yfWmR9mD4k:2013/09/03(火) 02:11:37.78 :EeVspyYxo

P「面目ない……」 

ちひろ「はあぁ……仕方ないですね。Pさんはそこに座っててください」 

P「えっ? 何を?」 

ちひろ「掃除機はどこです? せっかくなんで、ここも綺麗にします」 

P「でも、ちひろさんはお客様ですし……」 

ちひろ「こんな埃っぽい部屋で、窓も閉めきっていたら病気になりますよ」 

P「ありがとうございます……こんなことまでしていただいて」 



ちひろ(本当に世話が焼けるわね……いいわ、あとでふんだくってやるから)


11:◆yfWmR9mD4k:2013/09/03(火) 02:12:55.07 :EeVspyYxo

――――――――――――後日、事務所 


ぷるるるるるるるるるる 



ちひろ「はい、876事務所です」 

???『もしもし。そちらにPという者はおりますでしょうか?』 

ちひろ「ただいま、席を外しておりまして……失礼ですがお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」 

???『失礼しました……私、Pの母でございます』 

ちひろ「えっ……Pさんのお母様でしたか? 大変失礼しました」 

P母『あの……Pに伝えてもらえませんか? もう仕送りはいいと』 

ちひろ「仕送り……ですか?」 

P母『あの子……Pは主人がリストラされてからずっと家に仕送りしてるんです』 

ちひろ「そうだったんですか……」 

P母『私達だけじゃなく祖母にまで仕送りして……本人も奨学金の返済で大変なはずなのに……』 

ちひろ「おばあちゃんにも……奨学金まで……」 



P『ち、ち、違いますよ!……その……いろいろです』 



ちひろ(バカね……正直に言えばいいのに……) 


ちひろ(その上ドリンクまで買うなんて……お人好しがすぎるでしょ……)


12:◆yfWmR9mD4k:2013/09/03(火) 02:14:06.98 :EeVspyYxo

――――――――――――数カ月後 


ちひろ「どうしたんですか、Pさん? こんな所に呼び出して?」 

P「あ、あの……えっと……」 

ちひろ「なんですか? はっきり言ってください」 

P「その……ちひろさん、いつも僕のお弁当作ってくれたり、洗濯や掃除までしてもらって……」 

ちひろ「別にいいんですよ。わたしが勝手にやってるんで気にしないでください」 

P「その……ドリンクもすごく安くしてくれて……」 

ちひろ「Pさんのためですから」 



ちひろ(お陰で赤字なんですけどー!)


13:◆yfWmR9mD4k:2013/09/03(火) 02:15:37.44 :EeVspyYxo

P「そ、それでですね……こ、これを……受け取ってほしいなと……」 

ちひろ「ん? プレゼント?」 


ガサガサ 


ちひろ「こ、これ!……どうしたんです? この指輪!?」 

P「そ、その……給料の三ヶ月分……やっと貯まって……」 

ちひろ「……」 

P「う、うちの婆ちゃんが……その……ひ孫の顔を見たいと言いまして……その……」 

ちひろ「……はぁ」 

P「……」 





ちひろ「くすっ……仕方ないですね。お受けします」 





おわり


14:◆yfWmR9mD4k:2013/09/03(火) 02:16:37.49 :EeVspyYxo

※これでおわりです 

3%ガチャチケでSR出してくれたんで感謝して書きました 
後悔はしてない


元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1378141492