1:2013/05/17(金) 12:06:31.16 :UiwlajQvo

やよい「あ、怪我してるの……?」 

ワーム「シャーッ」 

やよい「えっと、えっと、うー……ちょっと我慢してね!」 

ワーム「シャーッ!?」 

やよい「こうしてこうして……よし、これで血は止まるよね。治るまであんまり動いちゃダメだよ?」 

ワーム「シャーッ!」 

やよい「うぅ、怒ってるみたい。あ! もうこんな時間、早く事務所に行かなきゃっ」 

ワーム「シャーッ」 

やよい「じゃあバイバイ! もう怪我しちゃダメだよ!」 

ワーム「シャーッ」


2:2013/05/17(金) 12:07:30.52 :UiwlajQvo

やよい「うっうー! 今日もいっぱい頑張ったなー! 早く帰って長介たちに晩ご飯……あれ?」 

ワーム「ギ、ギ……ギシュ」 

やよい「朝の……はわっ、カラスに襲われてる!?」 

ワーム「ギギ……シャーッ!」 

カラス「ア〝ー! ア〝ア〝ー!!」 

やよい「あっち行け、あっち行けー!」 

ワーム「シャーッ!」 

やよい「ふぅ、ふぅ、怖がらないで、大丈夫、何もしないよ……」 

ワーム「シャーッ!」 

やよい「動いちゃダメだよ! ダメ、ダメだよ……!」 

ワーム「シャーッ」 

やよい「うぅ、どうしよう。このままじゃまたカラスに……あ、あんなところに猫車!」


3:2013/05/17(金) 12:08:01.22 :UiwlajQvo

やよい「たっだいまー!」 

長介「おかえり、やよい姉ちゃうわぁ!? その服どうしたの!? ペンキ被ったみたいに緑色……」 

やよい「えへへ、ちょっとね。それより長介、カブトムシの幼虫って何食べるのか知ってる?」 

長介「え? 急にそんなこと聞いてどうしたの?」 

やよい「いいから! 長介男の子なんだから虫とか好きでしょ、どんなの食べるのか教えて!」 

長介「うーん、木の根っことか腐葉土じゃなかったかな」 

やよい「木の根っこって、ごぼうとか?」 

長介「どうだろう、食べるのかな……」 

やよい「そっか、ありがと!」 

長介「え、姉ちゃんどこ行くんだよ! 晩ご飯は!?」 

やよい「ちょっと待っててー!」 

長介「え、えー……」


4:2013/05/17(金) 12:08:30.17 :UiwlajQvo

やよい「……食べないの?」 

ワーム「……」 

やよい「うぅ、ちゃんと食べないと怪我治らないよ? それともごぼうは食べられないの?」 

ワーム「……」 

やよい「じゃあじゃあ、ジャガイモは?」 

ワーム「……ギギ、ギシュシュ」 

やよい「あんまり食べてくれない……うーん、ニンジン?」 

ワーム「……」 

やよい「お、お魚! は違うよね、多分……」 

ワーム「シャーッ」 

やよい「え? あ、食べてる! 君はお魚食べるんだ!」 

ワーム「シャーッ!」 

やよい「良かったー、これならすぐ元気になるかなーって! 待っててね、もっと持ってくるから!」 

ワーム「?」


5:2013/05/17(金) 12:08:57.42 :UiwlajQvo

やよい「美味しい?」 

ワーム「ガシュ、ぞぶ、ギシュ……」 

やよい「縁の下ならカラスも来ないし、怪我が治るまでゆっくりしていって!」 

ワーム「ごぷ、ギシュ、キチチ」 

長介「やよい姉ちゃん? そんなとこで何してんの、下に何かいるの?」 

やよい「え!? あ、ちょっと落とし物しちゃって! でもでももう取れたから、大丈夫だから!」 

長介「? 何でもいいけど、さっきからかすみたちがお腹空いたって」 

やよい「うん、すぐ準備するね! ……おとなしくしてて、ね」 

長介「ん、やよい姉ちゃん何か言った?」 

やよい「ううん、なんでもない! 今日は魚が安かったから焼き魚に……」 



ワーム「ガシュ、キチ、キチチ……シャーッ……」


6:2013/05/17(金) 12:09:23.57 :UiwlajQvo

やよい「いただきまーす!」 

長介「あれ、なんでやよい姉ちゃんだけ魚ないんだよ」 

やよい「あ、えっと……みんなの分買ったらお金足りなくて」 

長介「……俺の半分、分けるよ」 

やよい「え? だ、ダメだよ長介! 長介は育ち盛りなんだからいっぱい食べなきゃ!」 

長介「いいよ、今日はあんまりお腹空いてないし」 

やよい「ダメ! ちゃんと長介が食べなさい! 私は、その、つまみぐい!つまみぐいしたからないの!」 

長介「なんだ、心配して損した。俺、またやよい姉ちゃんが自分だけ我慢しようとしてるのかと思ったよ」 

やよい「え、えへへ……あ、浩太郎! しっかり噛んで食べなきゃダメでしょー!」 

長介「……つまみぐい、ね」


7:2013/05/17(金) 12:09:49.91 :UiwlajQvo

やよい「もうみんな寝たかな……」 

長介「ぐぅ……ぐぅ……」 

やよい「うん、大丈夫そう。あ、かすみったらまた布団け飛ばして……」 

かすみ「ん、んん~……」 

やよい「ちゃんと布団被らないと風邪ひいちゃうよ? ……これでよし、と」 

かすみ「すぅ……すぅ……」 

やよい「浩太郎も、浩二まで……うん、これでバッチリかなーって」 

浩太郎「んが……くぅ、くぅ……」 

浩二「すぅ……すぅ……」 

やよい「よく寝てるみたい……今なら大丈夫かも」 

長介「……」


8:2013/05/17(金) 12:10:16.36 :UiwlajQvo

やよい「ごめんね、もうお魚ないから……でもお芋も栄養たっぷりなんだよー」 

ワーム「シャーッ!!」 

やよい「し、しー! 静かにしないとバレちゃう……!」 

長介「誰に何がバレるの、やよい姉ちゃん?」 

やよい「あ……長、介」 

長介「そこ、何がいるの? 猫でも拾った?」 

やよい「う、うぅ……長介、みんなに秘密に出来る? 誰にも言わない?」 

長介「うわっ! すっげー、かっけー!」 

やよい「え? あ、ダメ、出てきちゃ!」 

長介「姉ちゃん何こいつ!? どこで……ん、怪我?」 

やよい「その、怪我してて、カラスが食べようとしてて、それで」 

長介「姉ちゃん」 

やよい「怪我が治るまででいいの! このままじゃ、この子……!」 

長介「……俺も手伝うよ。さっきの魚、こいつにあげたんだろ?」 

やよい「長介……う、うっうー!」


9:2013/05/17(金) 12:10:43.02 :UiwlajQvo

やよい「おっはよーございまーす!」 

貴音「おや、おはようございます、やよい。今日は一段と元気がよいですね」 

やよい「はい、昨日すっごくいいことがあったんです! あ、でもこれは秘密で!」 

貴音「誰しも秘密の一つや二つはあるもの、気にすることはありませんよ」 

やよい「えへへ、そう言ってもらえると助かりますー」 

貴音「ふふ、そう……秘密は誰もが持つもの、一つや二つや百程……」 

やよい「あのー、ところで貴音さん?」 

貴音「はて、そのように不思議な顔をしてどうしたのですか?」 

やよい「あ、でもこれって聞いちゃダメなのかなーって」 

貴音「構いませんよ、教えられないものはちゃんととっぷしぃくれっとだと答えることにしています。気軽に何でも聞いてください」 

やよい「じゃあその、今日はどうして仮面とマントを付けてるんですか?」 

貴音「とっぷしぃくれっとです」 

やよい「え」 

貴音「とっぷしぃくれっと」 

やよい「あ、はい」


10:2013/05/17(金) 12:11:20.87 :UiwlajQvo

ガリ「ファッファッファッ」 

やよい「!?」 

貴音「ファッファッファッ、ファッファッファッですよやよい。わたくしは今日からファッファッファッと笑うことにしたのです」 

やよい「そ、そう、なんですか?」 

ガリ「ファッファッファッ」 

貴音「ファッファッファッです」 

やよい「あの、どうして風もないのにマントがはためいて……」 

ガリ「ぬぅん」 

貴音「ぬぅんです、わたくしが気合を入れればまんとの一つや二つ、簡単にはためくのです」 

ガリ「ファッファッファッ」 

貴音「ファッファッファッですよ、やよい」 

やよい「ふ、ふぁっふぁっふぁっ……」 

ガリ「ぬぅん」 

貴音「ぬぅんですよ、やよい」 

やよい「ぬ、ぬぅん」


11:2013/05/17(金) 12:12:01.31 :UiwlajQvo

貴音「む、わたくしはそろそろラジオの収録時間なのでこれにて」 

やよい「あ、はい……気を付けて行ってきてください」 

貴音「行ってきまっファッファッ」 

ガリ「ファッファッファッ」 

やよい「……今日も貴音さんは不思議だったなー。あ、伊織ちゃんおはよー」 

伊織「おはよう、やよい」 

やよい「あれ? 伊織ちゃん、今日はぬいぐるみ二つなの? それにこっちのはすごくおっきい……」 

ハム「シュッシュッ!」 

やよい「!?」 

伊織「ん、んん? どうしたのやよい? まるでぬいぐるみがひとりでに動いたのを見ちゃったような顔してるわよ?」 

やよい「え、だって今」 

ハム「シュッシュッ!」 

やよい「ほら! 今! 今しゅっしゅって!」


12:2013/05/17(金) 12:12:36.04 :UiwlajQvo

伊織「どどどどこがよ全然動いてないわよほらこうやって叩いても全然動かへぶぅ!」 

ハム「シュシュッ、ふんっ」 

伊織「何すんのよあんたー! ぬいぐるみのふりしろってあれ程……!」 

やよい「伊織ちゃん?」 

伊織「……何、やよい?」 

やよい「今ぬいぐるみのふり」 

伊織「言ってない」 

やよい「さっき動い」 

伊織「気のせい」 

やよい「今も動いてる」 

伊織「遠近法よ」 

やよい「……」 

伊織「……」 

ハム「シュシュッ、シュッシュッ!」 

やよい「ねぇ伊織ちゃん」


13:2013/05/17(金) 12:13:03.48 :UiwlajQvo

伊織「つまり、水瀬の研究機関が古代生物を生き返らせたはいいのだけれど、その殆どに脱走されちゃったわけよ……」 

やよい「それってすっごく危ないんじゃ……」 

伊織「一応大丈夫って話らしいわ、一部気性の荒いのはいるけどそういうのはきっちり捕まえてあるって言ってたから」 

やよい「え、じゃあどうして逃げ出しちゃったり」 

伊織「温厚な個体から自然な生態データを取ろうとして外に出したらそのまま逃げたって……ほんと、学者って頭のいいバカばっかりよね」 

やよい「うぅ、でも学校で言ってたよ? ガイライシュが来ると元あったセータイケー? がくずれちゃうって……」 

伊織「勝手に増えることはないから心配いらないわ、万が一の為にその辺は配慮して蘇らせたみたいだし」 

やよい「ふーん、じゃあ安心だね!」 

伊織「……まぁ、そう日の経たない内に全個体が捕獲されるでしょ。研究員総出で探し回ってるらしいし」 

やよい「あれ? 伊織ちゃんはこのうさぎさん、返さなくていいの?」 

伊織「なんか気に入られたみたいで離れないのよ。学者もそれなら安心してデータを集められるとか言い出すし。ほんっと、バカじゃないの」 

ハム「シュッシュッ!」 

伊織「ってさっきから人に向かってシャドーボクシングしてんじゃないわよ!」 

ハム「シュッ!」 

やよい「仲良しなんだねー!」


14:2013/05/17(金) 12:13:40.06 :UiwlajQvo

伊織「まぁ、そんなわけで変な生き物みたら教えてちょうだい」 

やよい「変な生き物……う、うん。それってどんなのがいるの?」 

伊織「どんなだったかしら……研究室をちょっと見せてもらった時はあんまり興味なかったし……」 

やよい「そ、そうなんだ」 

伊織「あ、でも忘れようにも忘れられないキッツいビジュアルのが一匹いたわ!」 

やよい「え!? それって、どんな?」 

伊織「虫よ虫! こんなでっかい茶色い虫! 尖った牙、お腹でわさわさする足……ひぃ、思い出すだけで気持ち悪い!」 

やよい「う、うぅ……あの、それって緑色の目でシャーッって鳴く?」 

伊織「そうそう! 目が沢山横並びになっててどっから出してんだか分からないようなって、え? やよい、あんた知ってるの?」 

やよい「……昨日、その子を拾ったかなーって」 

伊織「……」 

やよい「……え、えへへ」 

ハム「ぷぅ」 

伊織「空気読みなさいよこの屁こきうさへぷぅ!」 

やよい「い、伊織ちゃん! ああ、鼻血が!」


15:2013/05/17(金) 12:14:13.31 :UiwlajQvo

伊織「その様子なら問題はなさそうね。一応報告はしておくけど、多分捕まえに行ったりはしないと思うわ」 

やよい「う、うん」 

伊織「あー、餌はこれ食べさせろって渡しに行くかも。ま、困ったら私に相談しなさい」 

やよい「うん。伊織ちゃん、鼻大丈夫?」 

伊織「ふ、ふふふ……大丈夫よ、大丈夫。強い者がリーダーシップを握るのよ、どっちがご主人様かきっちり仕込んでやるわ!」 

やよい「やめようよ、伊織ちゃん~……」 

伊織「私は冷静よやよい、ええかつてない程に冷静よ」 

ハム「シュッシュッ!」 

伊織「こ、この……ふんっ! 呑気にシャドーボクシングしてられるのも今の内よ、すぐに私の怖さを思い知らせてあげるわ!」 

高木「おや、水瀬君。そろそろテレビ局に行かないと打合せに間に合わなくなるぞ」 

伊織「嘘、もうこんな時間!? 命拾いしたわね[ピザ]うさぎ、覚えてなさい! 行ってきまーす!」 

ハム「シュッシュッ!」 

伊織「ちょ、ついてこないでよー!」 

高木「うんうん、元気があっていいことだ」 

やよい「あの、社長? なんだか今日は角ばってますねー」


16:2013/05/17(金) 12:14:40.11 :UiwlajQvo

高木「うむ、イメチェンというやつだよ、はっはっは」 

やよい「へー、なんだかすごく、えーと、角ばってます!」 

高木「なんてね、冗談だよ。備え付けのホワイトボードだけじゃ予定を書き切れないから、道に落ちてた黒板を拾ってきたんだ」 

やよい「あ、黒板だったんですか……はわ!? い、今、黒板に立体的な顔がぼこって!」 

高木「ん? 顔、顔……至って平面のようだが? む、今のは駄洒落ではないぞ!」 

やよい「あ、はい」 

高木「見間違いかなにかだろう、うん」 

モノリス「ガタッ」 

やよい「社、社長! 黒板から手みたいなのが生えました!」 

高木「手? はっはっは、高槻君も冗談が好きだねえ。おっとそろそろ私は出掛けなければ。高槻君も頑張り給えよ」 

モノリス「ガタッ」 

やよい「あ、黒板が、浮いて……ついていっちゃった。もしかして、あれも伊織ちゃんが言ってたヘンな生き物?」


17:2013/05/17(金) 12:15:16.11 :UiwlajQvo

雪歩「うふふ、うふふふふ」 

やよい「あ、おはようございます雪歩さん!」 

雪歩「うん、おはようやよいちゃん」 

やよい「雪歩さん、なんだかすっごくご機嫌ですね!」 

雪歩「うふふ、うんっ。昨日夜空を見ながら詩を書いてたら、妖精さんが降りてきてね……」 

ピクシー「ピュイッ」 

やよい「あ、かわいいー!」 

雪歩「ね、なんだかこの子に懐かれちゃったみたいで、昨日からずっとお話してるの、ふふ、うふふふふ」 

やよい「昨日からずっとって、徹夜ですかー!? ちゃんと寝ないとダメですよー!」 

雪歩「うん、でもこの子と話してると、どんどんインスピレーションが湧いてきて……あ、また良い詩が書けそう……!」 

ピクシー「ピ、ピピ、ピュイ!」 

雪歩「うん、そうだよね。そうだよね、書かなきゃっ。じゃあねやよいちゃん!」 

やよい「あ、はい! あんなにフラフラで大丈夫かなーって……心配ですぅ」


18:2013/05/17(金) 12:16:14.25 :UiwlajQvo

響「やよいー! ライ吾郎見なかったか!?」 

やよい「ライ、え?」 

響「ライ吾郎! えーと狼みたいな感じで頭に角が生えてて、とにかく動物! 動物がこっちに来なかったか!?」 

やよい「いえ、見てないですけど……どうかしたんですか?」 

響「うん、この間、もう一週間以上前だな、ライ吾郎がうちの家族になったんだけど……」 

やよい「あー! また逃げられちゃったんですかー!?」 

響「またとか言うなー! 自分はただ、ちょっとだけご飯分けて貰おうとして……」 

やよい「……」 

響「と、とにかくこっちには来てないんだな!?」 

やよい「えっと、はい、来てないです」 

響「ライ吾郎ー! どこだー、自分が悪かったー! 戻って来てよー! ライ吾郎ー!」 

やよい「狼なのに角……さっきの雪歩さんの妖精さんも、多分伊織ちゃんが言ってたヘンな生き物、だよね」


19:2013/05/17(金) 12:16:58.43 :UiwlajQvo

真美「ねーえやよいっち?」 

亜美「こっち向ーいて?」 

やよい「え? ……はわぁっ!?」 

スエゾー「ハーッ!?」 

真美「んっふっふ~、ナイスリアクションだよやよいっち」 

亜美「どうこの子、キモかわいいっしょー?」 

やよい「え? え? なにこの……なに?」 

亜美「わかんない、その辺歩いてたから捕まえた!」 

真美「こんなん見たら誰だって捕まえるしかないっしょー!」 

やよい「生きてる、の?」 

真美「生きてるよん! もうこの子真美にベタ惚れで困っちゃうんだよねぃ」 

亜美「違うよう、この子は亜美にゾッコンラビュなのー!」 

スエゾー「ふぁあ……んがっ」 

やよい「えっと、ちょっと怖いかなーって……」


20:2013/05/17(金) 12:17:27.60 :UiwlajQvo

真美「お子様のやよいっちにはまだ早かったかぁ……」 

亜美「お子様には分からない苦み走ったミリキってやつさぁ……」 

スエゾー「ハー……」 

やよい「むっ、二人の方が私より年下でしょー! 私だって大人の味ぐらい分かるよー!」 

真美「そうやって背伸びするところ、正に子供!」 

亜美「やよいっちは終身名誉こどもだからちかたないね」 

やよい「もー! いいかげんにしないと怒るよー!」 

スエゾー「カーッ!」 

亜美「うわーいやよいっちが怒ったー! 逃げろ逃げろー!」 

真美「亜美ー、次誰驚かすー? んっふっふ~!」 

亜美「んとね、んとね……んっふっふ~!」 

やよい「全くもう……でもあんな変な生き物見たことないかなーって。もしかして逃げ 
出した動物はみんなここに集まってる……?」


21:2013/05/17(金) 12:18:18.78 :UiwlajQvo

春香「おはようございまーす!」 

ディノ「ギャオー!」 

やよい「あ、春香さん! おはようござはわっ!? 春香さんも動物を……」 

春香「おはようやよい! この子が気になる? ふふ、可愛いでしょ」 

やよい「とってもかっこいいですー!」 

春香「今朝起きたら家の庭でこの子が寝てたんだよ」 

やよい「なんだか恐竜みたいですー」 

春香「私も最初はちょっと怖かったけど、この子の目を見てたら守ってあげなきゃって思っちゃって」 

やよい「えへへ、春香さんらしいですね!」 

春香「この子はすごいんだよ、衣装とか入った鞄も楽々運べるし、それにほらっ」 

ディノ「ギャオ」 

やよい「うわー、力持ちなんですねー!」 

春香「こうやって上に乗せてもらえば、もうドンガラアイドルなんて言われることもないし!」 

やよい「春香さん、傾いてます傾いてます!」 

春香「え? あ、すべすべで掴まる所が……きゃああ!?」


22:2013/05/17(金) 12:18:45.49 :UiwlajQvo

春香「あはは……ちょっと苦しいけどセーフかな?」 

やよい「襟を口で噛んで春香さんを助けるなんて、すごい力ですー!」 

春香「うん、服に穴空いちゃったけどね……」 

やよい「でもでも、怪我しなくて良かったかなーって!」 

春香「そうだよね。ありがとう、恐竜君!」 

ディノ「ギャオン」 

春香「あ、そろそろ局の人とのミーティング! 行くよ、恐竜君!」 

ディノ「ギャオーン!」 

やよい「行ってらっしゃいですー!」 

小鳥「行ってらっしゃーい」 

春香「行ってきまーす!」 

やよい「あ、小鳥さん」 

小鳥「おはよう、やよいちゃん」 

やよい「あの、頭がツタでぐるぐる巻きになってますけど大丈夫なんですか?」 

小鳥「これがこのこの子の愛情表現なの、全然苦しくないわよ?」


23:2013/05/17(金) 12:19:25.82 :UiwlajQvo

プラント「シュルシュル……」 

やよい「植物なのにすっごく動いてますね」 

小鳥「食虫植物、に近いみたいなのよね。ご飯も魚とかお肉とか食べるし」 

やよい「肉食なんですか!?」 

小鳥「そうよ? ほら、ここが口」 

プラント「クェックェックェ!」 

小鳥「ね?」 

やよい「こ、こわいかなーって!」 

小鳥「とっても大人しいんだか大丈夫よ、ほらほら」 

やよい「そ、そんな所に手を入れたら噛まれちゃいますよ!」 

小鳥「大丈夫よ、人を攻撃したりしないわ。ね?」 

プラント「シュルシュル……」 

やよい「小鳥さんが緑色のツタで巻かれたミイラみたいになっちゃった……」 

小鳥「愛情表現よー? ……あら電話、はいこちら765プロです」


24:2013/05/17(金) 12:20:32.30 :UiwlajQvo

やよい「あれも伊織ちゃんが言ってた昔の動物、なのかなぁ……口、怖かったな」 

律子「やよい、何をぶつぶつ言ってるの?」 

やよい「あ、律子さん! 小鳥さんの顔にツタを巻いてるアレってなんなんですか?」 

律子「? 何って、ただの観葉植物でしょ? 変なこと気にするのねえ」 

やよい「だってあんなぐるぐる巻きになってて……あれ、律子さんが持ってるその玩具はなんですか?」 

律子「ぎくぅ! こ、これ? これは何でもないのよ、何でも、うん。強いて言うなら新しいカメラってところかしら?」 

やよい「へー、なんだか可愛い形のカメラですね! 足が四本生えてるみたいな、触ってみてもいいですかー?」 

律子「ダメよ、ダメダメ! 壊れたらどうやって直すのか私も知らないし!」 

ヘンガー「ウィ、ウィウィーン」 

やよい「今シャッター切りました? 動いたような音が」 

律子「切ったわ! やよいがあんまり可愛いからつい撮っちゃったわ! だからカメラには触っちゃダ」 

ヘンガー「ガシャガシャ、チュイン、ガショ、キュゥン……」 

やよい「はわっ、大きくなりましたよ!?」 

律子「最新型だから! 今時のカメラは変形機能も付いてるのが普通だから!」 

やよい「そうだったんですか!」


25:2013/05/17(金) 12:20:59.02 :UiwlajQvo

やよい「あり得ないかなーって」 

律子「無茶な嘘だっていうのは分かってたわよ……それにしても水瀬財閥がねえ」 

やよい「えへへ。事情を知らなかったら騙されてたかもですけど、もう何が来ても驚きませんよ!」 

律子「へぇ? じゃあこれはどうかしらね、あずささーん!」 

あずさ「はぁい」 

律子「そのバケツの中身、やよいに見せてあげてください」 

あずさ「え? でも……」 

律子「どうやら大丈夫みたいです、それにその子の出処も分かりましたし」 

あずさ「そうなんですか? じゃあ……はい、やよいちゃん」 

やよい「あ、もしかしてお魚さんですか? ……? あの、水が入ってるだけみたいですけど」 

律子「ふふ、そう思うでしょ? 私も最初は騙されたわ」


26:2013/05/17(金) 12:22:05.76 :UiwlajQvo

あずさ「出て来てー」 

ゲル「ミョインッ、ベチャ!」 

やよい「み、水が勝手に跳ねました!?」 

律子「跳ねるだけじゃないわよ」 

ゲル「ドロドロ、ドロロロ……ニュウ」 

やよい「私と同じ形になっちゃいました! すごいですー!」 

あずさ「ふふ、すごいわよねえ。ね、もう元の形に戻って?」 

ゲル「ウニニニ……ドロロ」 

やよい「水なのに人の形みたいな、何だか不思議な生き物ですねー」 

あずさ「可愛らしいでしょう? 昨日シャワーを浴びていたら蛇口から出て来たの」 

律子「メカメカしい割に肉食なうちの子も大概ですけど、そっちも相当ですよね」


27:2013/05/17(金) 12:22:57.85 :UiwlajQvo

あずさ「そうですか? 生きてるんですもの、お腹も減るわよねー?」 

ゲル「チャプン」 

あずさ「ほら、この子もそうだって言ってます」 

律子「いやいや、その理屈はおかしい……あ、そろそろ水着グラビア撮る時間ですよ、あずささん」 

あずさ「あら、じゃあこの子も連れて行こうかしら。水を服みたいにまとった写真なんて、面白そうじゃありませんか?」 

ゲル「ニュルルル、プワン」 

律子「なるほど、いいですね! じゃあそこにうちの子のレーザーを上手く反射させたりしてみたり……うん、いけるわ!」 

ヘンガー「ウィウィー、カシャン」 

あずさ「ふふ、律子さんもインスピレーションが湧いて来たみたいですね。それじゃあやよいちゃん、行ってくるわね」 

律子「ってあずささんどこ行くんですか、こっちこっち! じゃあやよい、貴方もレッスン頑張るのよ! 行ってきまーす!」 

やよい「行ってらっしゃいですー! やっぱり皆あの不思議な生き物拾ってたんだ……」 

真「やよい、不思議な生き物って何の話?」


28:2013/05/17(金) 12:23:24.21 :UiwlajQvo

やよい「あ、真さん! おはようございまーす!」 

真「おはよう、やよいは今日も元気だね」 

やよい「はい! 私、元気だけが取り柄ですから! ……あれ? そっちの着ぐるみは誰が入ってるんですか?」 

真「こ、これ!? えっと、雪歩」 

雪歩「あ、おはよう真ちゃん。その着ぐるみ、なぁに?」 

真「……じゃなくて、そう! 中には何も入ってないんだ! 手品! ボクも社長みたいに手品の練習中なんだ!」 

ニャー「……フーッ」 

やよい「あの、威嚇してるみたいな声が出てるんですけど」 

真「いやー、腹話術を習得するのも苦労したよ! それはそうと雪歩、その肩の妖精みたいなのは一体」 

ピクシー「ピュイ?」 

雪歩「あ、背中にチャックが付いて……ひぃ!?」 

真「あ! 開けちゃダメー!!」


29:2013/05/17(金) 12:23:58.40 :UiwlajQvo

雪歩「きゅう……」 

ピクシー「ピュウ……」 

真「気絶しちゃった……うーん、こっちの子も人形じゃないみたいだし、本当に妖精?」 

やよい「あのー、真さん。この着ぐるみの中には何が入ってるんですか?」 

真「うーん、これ以上嘘をついても仕方ないか。実は着ぐるみじゃないんだ、だから背中のチャックを開けたら内臓とかが詰まってる」 

やよい「えっ」 

真「雪歩が気絶するのも仕方ないよね、あはは……」 

やよい「い、生き物なのにチャックが、ついてるんですか?」 

ニャー「……ニィ」 

真「不思議だよねー。さて、雪歩をソファに運ばなきゃ。キミも手伝って」 

ニャー「ミャ」 

やよい「すごい、雪歩さんを軽々……」


30:2013/05/17(金) 12:24:32.05 :UiwlajQvo

美希「おはようなのー……あふぅ」 

やよい「おはようございます、美希さん!」 

美希「おはよ。やよいにも紹介したげるね、ミキの新しいお友達」 

ラウー「ボヘェ」 

やよい「今度はお猿さん……」 

美希「なんかこの子といるとのーんびりしちゃうの……あふぅ」 

やよい「ちょっと分かる気がします」 

美希「そういうわけだから、ミキは向こうでお昼寝するね……あふぅ」 

ラウー「グオォ……ボヘェ」 

やよい「は、はい」 

ラウー「ウイー、ウォホホ」 

やよい「え? バナナ、くれるんですか? ありがとうござい、ます?」 

ラウー「……ボヘェ」 

やよい「もぐもぐ……ごく。もしかすると、千早さんも不思議な生き物を連れてきてるかなーって」


31:2013/05/17(金) 12:25:11.67 :UiwlajQvo

千早「あら。こんにちは、高槻さん」 

やよい「待ってましたー! こんにちは、千早さん!」 

千早「待ってたの? 私を? 何か用事かしら」 

やよい「あのあの、不思議な生き物に会ったりしましたか?」 

千早「不思議な……生き物かどうかは分からないのだけれど、確かに会ったわ。でもどうして?」 

やよい「話すと長くなるんですけど、実は伊織ちゃんの所の……」 

千早「へえ、やっぱりそうだったのね」 

やよい「やっぱり?」 

千早「ええ、最初はもしかしてあの子じゃ、って思ったりもしたのだけれど」 

やよい「? あの子って一体」 

千早「ほら、出てきなさい。この子の姿を見てると、どうしても思い出しちゃうのよ」 

ゴースト「スウゥ……」


32:2013/05/17(金) 12:25:59.77 :UiwlajQvo

千早「優のこと、少しだけ思い出しちゃうの。もう吹っ切れたと思っていたのだけれどね」 

やよい「千早さん、あの、私……」 

千早「いいの、気にすることはないわ。一人暮らしも寂しく思い始めた所だったから、ね?」 

ゴースト「ヒュルルルー……ポンッ」 

千早「こうやって手品で楽しませてくれるもの、退屈しないわ」 

やよい「……うっうー! 千早さんが嬉しそうで私も嬉しいですー!」 

千早「それにしても今日は事務所の中が賑やかね、お客さんかしら?」 

やよい「はい! 実は千早さんだけじゃなくて皆さんも不思議な生き物に出会ってて」 

千早「皆も?」


33:2013/05/17(金) 12:26:25.90 :UiwlajQvo

やよい「ただいまー!」 

長介「おかえり姉ちゃん! こいつすごいよ、もう傷が塞がってるんだ!」 

ワーム「シャーッ」 

やよい「ちょ、長介! かすみたちに見つかったら」 

長介「大丈夫だよ、俺がちゃんと説明しといたから。かすみたちも家族が増えたって喜んでる」 

やよい「でも、お父さんやお母さんには」 

長介「二人が帰ってきたら言ってみよう? 俺も説得、手伝うからさ。家族は多い方が楽しいだろ?」 

やよい「……そっか。うん、そうだよね! よーし、それじゃもっともーっとお金を稼いで、うんと美味しいご飯作らなきゃね!」 

ワーム「ギチチ、キチ、キチチチ」 

やよい「えっへへー、明日は一緒に事務所行こうね! きっと沢山お友達が出来るよ!」


34:2013/05/17(金) 12:27:03.77 :UiwlajQvo

社長「音無君、これは一体どういうことかね?」 

小鳥「私にもさっぱり……もう事務所っていうか動物園ですね」 

ディノ「ギャオン」 

ライガー「ガウ、ガウッ」 

ハム「シュッ、シュシュッ」 

ラウー「……ボヘェ」 

スエゾー「ハーッ、ンガ」 

ワーム「シャーッ」 

ゲル「チャプチャプ、ドタプーン」 

ガリ「ファッファッファッ」 

モノリス「カタカタカタ」 

ニャー「……ニィ」 

社長「……賑やかだねぇ」 

小鳥「そうでモゴモゴ」 

プラント「シュルシュル……」


35:2013/05/17(金) 12:27:30.03 :UiwlajQvo

やよい「じゃあこれで逃げ出した動物は全部なの?」 

伊織「みたいね。まさかうちの事務所に全員集まるとは思ってなかったけれど、とにかく見つかって良かったわ」 

やよい「ね、伊織ちゃん。あの子たち、いつかは連れて帰っちゃうの?」 

伊織「どうかしら。人に危害加えたりしたら一発で処分だと思うけど、学者連中は喉から手が出る程データが欲しいでしょうし」 

やよい「怪我させたりなんかしないよ!」 

伊織「そうよね、うちのバカうさぎ以外は大人しそうだし。なんであいつはあんなに反抗的なのかしら」 

やよい「い、伊織ちゃん、あの子も悪気があるわけじゃ、だから」 

伊織「分かってるわよ、送り返したりしないわ。ま、もうしばらく主導権争いは続くでしょうけど。ふ、ふふっ、ふふふ」 

やよい「伊織ちゃん……怖いよ?」 

伊織「今日こそはどっちがご主人様が思い知らせてやるわ……!」 

やよい「あぅ……が、頑張ってね」


36:2013/05/17(金) 12:27:57.05 :UiwlajQvo

亜美「なーんかスエッチョは真美ばっかり構っててつまんない感じー!」 

スエゾー「ハーッ!?」 

亜美「ふん、何さ何さ! 社長もおたおたしながらしっかり手懐けちゃってさ!」 

モノリス「ガタッ」 

亜美「……白いキャンバスを汚したくなるのは人のサガだよねぃ?」 

モノリス「カタカタカタカタカタカタカタカタ」 

亜美「隙ありぃーっ!!」 

モノリス「ガタタッ」 

亜美「くぬ、くーしてくーして……へへ、一丁上がり!」 

モノリス「……」 

亜美「黒地に白の落書きがかっこいいぜぃ!」 

スエゾー「ハッ……!?」 

亜美「ん? スエッチョどうかちたの?」 

モノリス「カタ、カタカタカタカタ、ガタタッ」 

亜美「え?」


37:2013/05/17(金) 12:28:51.46 :UiwlajQvo

モノリス「ガタガタガタガタガタガタ!!」 

亜美「ちょ、そんなに怒んないでよー! お茶目なイタズラ、冗談っしょー!?」 

モノリス「ガタガタガタガタガタガタ!!」 

亜美「ス、スエッチョ助けてー!」 

スエゾー「フアァ……ンガ」 

亜美「役立たずー!」 

モノリス「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ!!」 

亜美「ひ、や……きゃあー!?」


38:2013/05/17(金) 12:29:17.72 :UiwlajQvo

伊織「亜美、亜美!?」 

亜美「いおりん……亜美は一体……そうだ、社長のモノッペに落書きしたら、そしたら」 

ラクガキ「ヘヘッ!」 

亜美「うあうあー!? 何これ何これー!?」 

伊織「ん、こんな時に電話? もしもし……え? これも古代生物? こいつのデータも? ちょ、ちょっと!」 

亜美「どったのいおりん?」 

ラクガキ「シシシシ」 

伊織「そのよく判らない奴も昔の文献に記述があるからデータを取りたいって研究者がってなんで早速仲良く肩組んでるのよ!?」 

亜美「いやー、なんだかポンチーカンを覚えちゃって」 

伊織「それを言うなら親近感でしょ、はぁ。仲良くなれたのなら都合がいいわ、そいつは亜美が引き取りなさい」 

亜美「え? いいの!? やったー! 」 

ラクガキ「ヘヘッ!」


39:2013/05/17(金) 12:30:00.47 :UiwlajQvo

伊織「ますます事務所が狭く、騒がしくなるわね……ま、賑やかなのもたまにはいいかしらね?」 

ハム「ぷぅ」 

伊織「おならしてんじゃないわよ! 空気読みなさいよバカウサはぶっ!」 

ハム「シュシュッ、シュッ」 

伊織「こ、この……! 待ちなさーい!」 



やよい「元気になってよかったね、これからずーっと一緒だよ! えへへ!」 

ワーム「シャーッ」 

おわり





52:2013/05/19(日) 00:48:12.21 :iJmGq504o

やよい「三ヶ月で随分大きくなったねー、研究者さんたちがくれるお肉美味しそうだもんね」 

ワーム「キチチチ」 

やよい「うん、ワームは今日も元気いっぱいだね!」 

ワーム「シャーッ」 

やよい「はじめはお父さんもお母さんも反対してたけど、どうにか丸く収まって良かったー」 

ワーム「ギチチ、キチ」 

やよい「うん、そろそろ事務所に行こっか。今日も乗せて行ってくれる?」 

ワーム「キチチチ、ギチ」 

やよい「ありがとう! よいしょ……っと。それじゃワーム、しゅっぱーつ!」 

ワーム「シャーッ」


53:2013/05/19(日) 00:48:38.62 :iJmGq504o

伊織「もぐもぐ、あによ」 

ハム「……」 

伊織「あげないわよ、これは私のおやつなの」 

ハム「シュッシュッ」 

伊織「ふふん、当たるわけないじゃない。そんなトロいジャブじゃ蚊が止まるわ」 

ハム「シュッシュッシュッ」 

伊織「もうとっくに見切ったわ、何度やっても同じよ?」 

ハム「……フゥ、フゥ」 

伊織「悔しかったら痩せなさいぶたうさぎ! そんなだらしないお腹で私の隣歩かないでよね!」 

ハム「シュッ」 

伊織「あ、こら! 私のマカロン返しなさーい!」 

ハム「ぷぅ」 

伊織「くさっ! こ、このぉ……!」 

ハム「シュッシュシュシュッ」 

伊織「あぶぶぶ」


54:2013/05/19(日) 00:49:05.23 :iJmGq504o

やよい「おはよう伊織ちゃん、今日もハムと勝負して負けたの? はい、ティッシュ」 

伊織「おはようやよい、あにがと。これれ208戦112勝81敗15分け、まら勝ちこしてるわ」 

やよい「3日に1回は鼻血出してる気がするけど大丈夫?」 

伊織「あのバカに一言ぎゃふんと言わせるまで私の戦いは終わらないのよ!」 

やよい「あうぅ、あんまり無理しないでね?」 

伊織「それに比べてあんたのとこのワームは賢いわよねぇ、どうしてこんなに差が出たのかしら……」 

やよい「なんでだろうね? あ、そういえば、ワームってこれからまだまだ大きくなるの?」 

伊織「え? どうして?」 

やよい「あんまり大きくなったらうちの庭に入りきらないかなーって……」 

伊織「安心していいわ。学者が言うには、成長スピードも弄ってあるんだって」 

やよい「?」 

伊織「幼体期が短くて代わりに成体期が長くなってる、とかなんとか」 

やよい「ええ!? それって、つまり……どういうこと?」 

伊織「驚いてみただけだったのね……つまりあっという間に大人になってそこそこ長生きするってこと」 

やよい「あ、そーなんだ。良かったー」


55:2013/05/19(日) 00:49:31.80 :iJmGq504o

伊織「ま、なんでもいいけれど。いざとなったらウチに、って、あら? このニュース……」 

やよい「えーと、こだい、なまもの? が、けんきゅうきかんから、だっそう……研究機関から脱走?」 

伊織「ちょ、これ! ハムたちを復活させた機関じゃない!?」 

やよい「え? でも、事務所に全員集まったんじゃなかったの?」 

伊織「いいえ……凶暴性の高い奴らや、まだ未解析の奴らは厳重に閉じ込められているはず」 

やよい「じゃあじゃあ、逃げ出したのって……!」 

伊織「もしもし、私よ! 研究室の責任者を出し、はぁ!? 行方不明ってちょ、もし、もしもーし!?」 

やよい「伊織ちゃん……」 

伊織「やばいわ。話に聞かされてる通りなら、怪我じゃ済まない人も出てくるかも」


56:2013/05/19(日) 00:49:57.93 :iJmGq504o

やよい「そんなの絶対ダメだよ! 絶対、絶対捕まえて止めないと!」 

伊織「って言っても、私たちにはどうしようも……大丈夫、警察やうちの私設部隊がなんとかしてくれるわ」 

やよい「うー……でも、誰かが怪我するのは嫌かなーって」 

伊織「人間だってバカじゃないわ、きっと上手くやってくれるはずよ」 

やよい「伊織ちゃん!」 

伊織「私たち素人が下手に動いて邪魔になる方がよっぽどまずいわ。だから、ね?」 

やよい「……うん」


57:2013/05/19(日) 00:50:26.64 :iJmGq504o

伊織「おかしいわ、あれから一週間よ? 事件はおろか目撃情報もないなんて……」 

やよい「うーん、皆お腹が空いたから元のお家に帰ったのかも?」 

伊織「捕獲したなら大々的にニュースで取り上げると思うんだけど……」 

やよい「もしかしたら山の方に逃げて、大人しく暮らしてるんじゃないかなーって!」 

伊織「……だといいんだけど」 

律子「伊織、いる?」 

伊織「どうしたのよ律子? 何か用?」 

律子「ちょっとあずささんの話を聞いて欲しいの、例の逃げ出した奴らと関係あるかも」 

伊織「それ、どういうこと!?」 

律子「詳しくはあずささんから聞いて、判斷つくのはあなたぐらいなんだから」 

やよい「あの、律子さん」 

律子「……大丈夫よ、やよいは何も心配しなくていいわ」 

やよい「そう、ですか」


58:2013/05/19(日) 00:50:53.08 :iJmGq504o

伊織「帰り道で怪物に襲われた?」 

あずさ「ええ、あれから一週間何もないでしょう? 警察に言ってもイタズラと思われちゃって」 

伊織「それで、相手はどんな?」 

あずさ「なんというか、体のすごく大きな人と下半身が蛇みたいな人。暗くてよく見えなかったのだけれど」 

伊織「ふんふん……」 

あずさ「あ、それと竜みたいなのも……もしあの時ゲルちゃんが居なかったら、私、きっと今頃」 

伊織「間違いないわね、逃げ出した奴らだわ……」 

あずさ「は、早く捕まえないとまた私みたいに襲われる人が出ちゃうわ!」 

伊織「場所はどの辺り? 時間は? 何でもいいの、出来るだけ手がかりがあった方が探しやすいわ」 

あずさ「ええと、事務所の最寄駅近くで、時間は夜の10時頃かしら? 手がかり、手がかり……あ」 

伊織「何か思い出した?」 

あずさ「どこかで聞いた覚えのある話し声が、聞こえていたような」 

伊織「誰の話し声だったか思い出せる?」 

あずさ「……ごめんなさい、すぐには思い出せそうにないわ」 

伊織「そ、ありがと。怖いこと思い出させて悪かったわね。もしもし、私。すぐに動いて。場所は……」


59:2013/05/19(日) 00:51:19.46 :iJmGq504o

伊織「はぁ、結局一晩探しても見つからなかった、か。根気良くやるしかないわね……おはようございまー」 

やよい「伊織ちゃん!」 

伊織「やよい? おはよう、どうしたのよそんなに慌てて」 

やよい「春香さんたちが、春香さんたちも……!」 

伊織「ちょ、落ち着きなさいよ! 何があったの?」 

やよい「は、春香さんと千早さんも、例の逃げ出した子たちに襲われたって」 

伊織「それ、本当!? 春香たちに怪我は!?」 

やよい「春香さんたちには、怪我はなかったみたい」 

伊織「ふぅ。そ、不幸中の幸いってやつね」 

やよい「でもディノたちが……」 

伊織「……!」


60:2013/05/19(日) 00:51:49.42 :iJmGq504o

春香『もしもし? ……うん、昨日の帰り道で。ディノとゴーストが私たちを、ぐす、庇って』 

伊織「大丈夫、研究者連中がきっと怪我を治してくれるわ。それはそうと……そう、聞き覚えのある声?」 

春香『うん、役に立たなくてごめんね。きっと、すぐに捕まるよね?』 

伊織「ええ、きっとすぐよ。だから春香も……うん。そう、それじゃ切るわね」 

やよい「い、伊織ちゃん……」 

伊織「心配いらないわ、二匹ともしっかり元気になって帰ってくるから」 

やよい「う、うん」 

伊織「それに、これ以上被害を出さない為にも犯人は必ず捕まえてみせるわ」 

やよい「捕まえるって……伊織ちゃん、お巡りさんたちの邪魔になるといけないよ!」 

伊織「任せきりでもう三人も危ない目にあってるのよ? ゲルやディノたちだって襲われてる」 

やよい「でも……」 

伊織「心配いらないわ、あんたはいつも通りにしてればいいから。元はうちの不始末だもの、私がなんとかするわ」 

やよい「……私も行くよ、伊織ちゃん」 

伊織「バカ、何聞いてたのよ。危ないからやよいは手を出さないで」 

やよい「バカは伊織ちゃんだよ!」


61:2013/05/19(日) 00:52:53.17 :iJmGq504o

伊織「な、やよいっ?」 

やよい「伊織ちゃん、バカだよ……危ないのは、伊織ちゃんだって、同じなんだよ?」 

伊織「それはそうだけど、でもこれ以上は」 

やよい「伊織ちゃんがパトロールするなら私もついていく! 伊織ちゃんにまで何かあったら、私」 

伊織「……何言っても聞く耳を持たない雰囲気ね、分かったわ。美少女探偵コンビ、結成と行きましょうか」 

やよい「えへへ、うん!」 

伊織「ただし、ワームを連れてくること。私もハムを用心棒に連れていくわ。それと危ないと思ったら」 

やよい「すぐに大声で助けを呼びながら逃げること。学校でも習ったよ」 

伊織「この辺りに不審者が少ないわけね、しっかり教育されてるわ」 

やよい「じゃあ今夜」 

伊織「ええ、私たちの大事な仲間を傷付けた、罪深い犯人を見つけてやりましょうか」


62:2013/05/19(日) 00:53:21.06 :iJmGq504o

伊織「私のカンが正しければ今夜、この道に出るはず。気を抜いちゃだめよ、やよい」 

やよい「うん、段々暗くなってきたね……あれ、ワーム? 具合悪いの? 大丈夫?」 

ワーム「ギチチ、ギシュ、キチチチ」 

伊織「ハム、毎日美味しいもの食べさせてあげてるんだから、しっかり私たちを守りなさいよ?」 

ハム「シュッシュッ」 

伊織「本当に分かってるのかしら……やよい? ワームがどうかしたの?」 

やよい「うん、なんだか調子悪そうで……」 

伊織「うーん、どうしたのかしら? 何にしてもそんな状態じゃ怪我するだけよね、今夜は中止にしましょ」 

やよい「うん、ごめんね伊織ちゃん」 

伊織「いいのよ、正直言うと私もちょっと怖かったし。なんたって用心棒がこのバカウサギじゃ」 

ハム「ぷぅ」 

伊織「ほら、ねえ?」 

やよい「あはは、ハムはおならばっかりしてるよね! それじゃ、帰ろっか」 

伊織「ええ。そうだ、今晩は私の家で食べて行かな、っ!?」


63:2013/05/19(日) 00:53:51.35 :iJmGq504o

やよい「? 伊織ちゃん? 」 

伊織「……タイミング最悪ね」 

やよい「え? どうしたの、後ろに何か、はわっ!?」 

伊織「犯人のお出ましよ、やよい。それもナーガにドラゴン、マジンなんて最悪も最悪だわ」 

ナーガ「キシャアアア!」 

ドラゴン「グルルル……」 

マジン「……!」 

やよい「あ、い、伊織ちゃん! 助けを呼ばなきゃ!」 

???「わ、悪い! 驚かせちまったか? こいつらナリはこんなだけどそこまで凶暴じゃ……ん? お前らは」 

伊織「ジュピター!? あんたたちこんなとこで何してんのよ!?」 

冬馬「何って……ただの散歩だ、昼間は人目につくから夜になるのは当然だろ」 

北斗「チャオ☆ エンジェルちゃんたちも散歩?」 

翔太「ってのん気に挨拶してる場合じゃないよ冬馬君! 北斗君! 伊織さんたちも動物連れてるって!」 

冬馬「なぁ!? やべぇ、止まれナーガ!!」 

ナーガ「キシャアアア!」


64:2013/05/19(日) 00:54:18.36 :iJmGq504o

ナーガ「グググ……!」 

マジン「……」 

ドラゴン「グルルル……ボフ、ボフゥ」 

北斗「マジン、その調子その調子。しっかり抑えておかなきゃエンジェルちゃんたちが怪我しちゃうからね」 

翔太「頑張れドラゴン、そのまた捕まえておいて! 黒ちゃんに怒られるのはもう嫌だからね!」 

伊織「え、何? どういうことなの、これ……」 

冬馬「見りゃ分かんだろ、こいつがお前らを襲おうとしてんだよ! 早く逃げろ!」 

伊織「じゃあやっぱりあんたたちがあずさを、春香たちを!」 

冬馬「わざとじゃねーんだ! こいつは同じ匂いのする生き物見るとすぐ殴りかかっちまうだけで!」 

伊織「悪意の塊じゃないの!」 

冬馬「ちげーよ! そこのうさぎと虫さえいなけりゃこいつも気の良い奴なんだ!」 

伊織「はぁ!? いきなり襲いかかって来ておいて、気の良いも何もないわよ!」 

冬馬「って、だからそんな話してる場合じゃねぇだろ!?」


65:2013/05/19(日) 00:54:44.73 :iJmGq504o

やよい「い、伊織ちゃん! ワームが、ワームがぁ……」 

伊織「今そんな場合じゃないわ、早く逃げないとって、え?何これどうなってんのよ、サナギ?」 

ナーガ「シャアッ!」 

マジン「……!」 

ドラゴン「ガァア!」 

北斗「マジンたちの腕をすり抜けて……!? まずい!」 

ナーガ「クルルル……」 

ハム「……」 

伊織「あんた……」 

ハム「フンッ」 

伊織「……かっこいいじゃない、守ってくれるってわけ?」 

ハム「シュッシュッ、シュシュッ」 

伊織「っ、分かったわ、任せる。でも無茶だけはしないでよ!」


66:2013/05/19(日) 00:55:11.87 :iJmGq504o

ハム「シュッ、シュシュッ、シュッ」 

ナーガ「グッ……!」 

伊織「あんた、本当はこんなに強かったの……?」 

ハム「フンッ」 

伊織「どや顔やめなさいよ、って危ない! 前見なさい前!」 

ハム「シュッ、シュシュッ」 

ナーガ「キシシ、キシャアアア!」 

伊織「うわ、すご。あんなに早い爪を避けながら、何発もパンチ入れてる……」 

やよい「ワーム、どうしちゃったの? 返事してよぉ」 

ワーム「……」 

やよい「うぅ、どうしよう……どうしよう……」 

ワーム「……トクン」


67:2013/05/19(日) 00:55:40.11 :iJmGq504o

冬馬「お前ら何ボサっとしてんだ! 早く逃げろって言ってんだろ!」 

北斗「マジン、合図したらすぐに止めに入れよ?」 

マジン「……」 

翔太「うわー、下手に乱入したらあのウサギごと踏み潰しちゃうよね? ドラゴン、とりあえず待機っ」 

ドラゴン「グルルル……」 

伊織「上手く躱してるけど、段々疲れて来てる……だから痩せろって言ったのよ、バカ……!」 

ナーガ「キシャアアア!」 

ハム「フゥ、フゥ……シュッ」 

冬馬「ナーガ! お前もいい加減落ち着け! ……くそっ、興奮して聞こえてねぇ!」 

ハム「シュッシュッ、フゥ、フゥ……」 

ナーガ「クルル、カッ! キシャアアア!」 

伊織「あぶな……! ハム、もういいわ! やよい、とにかく今はここを離れましょう!」 

やよい「でも、ワームが……!」 

伊織「このままじゃ皆、怪我どころじゃ済まないのよ!?」 

やよい「で、でもぉ!」


68:2013/05/19(日) 00:56:07.09 :iJmGq504o

ナーガ「キシャアアア!」 

ハム「クキュッ……!?」 

伊織「ハ、ハム!? 嘘、いや、あんな、血、血が……起き、なさい。お、起きなさいよぉ!」 

ハム「……」 

ナーガ「キシャアアア!」 

伊織「ひっ」 

北斗「マジン!」 

マジン「……!」 

翔太「行っけー!」 

ドラゴン「ガァアアア!」 

ナーガ「キシャアアア!」


69:2013/05/19(日) 00:56:56.04 :iJmGq504o

ドラゴン「グ、ガ……ガァア」 

マジン「ヌ……」 

冬馬「おい、嘘だろ……一撃で両方倒すなんて……」 

ナーガ「キシャアアア!」 

翔太「ドラゴン! 返事してよ、ねぇ!」 

北斗「……ふふ、仕方ない。こうなったら俺が足止めしてる間に、エンジェルちゃんたちにはご退場願おう」 

伊織「ちょ、あんなの人間が相手出来るわけ……!」 

北斗「これでも男なんだ、かっこつけさせて欲しいな☆」 

冬馬「元はと言えば俺が散歩させてたのが原因だしな、足止め手伝うぜ」 

翔太「二人ともずるいよねー、こんな状況じゃ僕一人だけ逃げるなんて出来ないじゃん!」 

伊織「……っ、やよい! やよい!!」 

やよい「だってワーム、ワームが……!」 

ナーガ「クルルル……キシ、キシ」 

冬馬「来るぞ、気合入れろ!」 

ナーガ「キシャアアア!!」


70:2013/05/19(日) 00:58:07.38 :iJmGq504o

ナーガ「キシャアアア! キシャアアア!! クルルルァ!」 

冬馬「……あ? な、なんともない?」 

北斗「これは、一体……?」 

翔太「っていうかこの壁何? どこから、ううん何時の間に」 

やよい「……ワーム」 

伊織「え?」 

やよい「ワームだよ伊織ちゃん! ほら、マユから孵ったんだ!」 

伊織「確かにサナギの中身は空っぽになってるけど、だって、こんな姿じゃなかったじゃない!」 

やよい「ううん、絶対ワームだよ! 私には分かるもん! ね、ワーム!」 

ナーガ「キシャアアア!」 

やよい「ワーム、やっちゃえー!!」 





マグナビートル「……ゴォオオオオオオオオオオオオオオ!!」


71:2013/05/19(日) 00:59:03.71 :iJmGq504o

うーん、映ってるかな? 小鳥さん、これで撮れてるんですかー? あ、はーい。 
それじゃ、こほん……うっうー! 高槻やよいでーっす! 
なんだか昨日は色々なことがあったのでプロデューサーにも報告しようかなーって! 

まず、伊織ちゃんの家からいっぱい動物が逃げ出しちゃったんですー……。 
でもキケンな動物は逃げ出してなくて、でもでも後から脱走しちゃって! 
それで行方不明になってたんですけど、961プロのジュピターの3人が拾ってたみたいなんです! 

それであの、1匹はナーガっていうキョーボーな動物だったんです。 
でも北斗さんと翔太君のマジンとドラゴンに戦いを挑んで負けてから大人しくしてたみたいで! 
なんか、ショーシャには従うシューセー? みたいなのがあるらしいんです! 
それで夜の散歩をしてたんですけど、他の動物を襲って危なかったんですけどでももう大丈夫! 
伊織ちゃんのハムと私のワームがコテンパンにやっつけて無事に檻に入りました! うっうー! 

あ、冬馬さんが時々遊びに来た時はナーガも嬉しそうにしてるらしいですよ? 
伊織ちゃんも学者さんも、冬馬さんへの懐きようにびっくりしてました。 
ただ一つ心配なのは、動物はみんな捕まえたと思ったんですけどまだ一匹見つかってないみたいなんですー……。 
もしアメリカで見かけたら伊織ちゃんに教えてあげて下さいね! 

えーっとそれから……あ、それで事務所がすーっごく賑やかになったんです! 
きっとびっくりしますよ、楽しみにしてて下さいね! 
それとそれと、早くアメリカのケンシューから帰って来てくーださい! 
みんなもお土産期待してるって言ってましたよ! 
でわでわ、高槻やよいでしたー!


72:2013/05/19(日) 01:00:36.69 :iJmGq504o

P「ん、んー……はぁ。ただいま日本」 

P「結局、何度見直してみても、やよいからのビデオレターはなんだか要領を得なかったなぁ」 

P「事件があって、ジュピターが関わってて、丸く収まって、事務所にアイドルが増えたってことなのか?」 

P「伊織のハムってなんだよ、水瀬グループは食肉加工にも手を付けたのか? それともタイアップ?」 

P「やよいのワームっていうのもよく分からないし、逃げ出した動物の特徴は書いてないし」 

P「あ、そう言えば土産のことも言ってたな。すっかり買い忘れてる……けど別にいいか!」 

P「ま、その辺のことは事務所に着いてからゆっくり話をしよう。長い飛行機で足も鈍ってるし、歩くぞー!」 

P「ってうわあ!?」 

P「……いててて。はは、何にもない所で転ぶなんてまるで春、ん?」 

P「何だこれ? さっきまでこんなのなかったよな……何だろう、石盤?」 

P「んー、丁度いいや。これをアメリカ土産ってことにしよう。ん、見た目通り結構重いな、よいしょっと」 

P「? 今、模様が動いたような……いや、気のせいだな、うん。みんな元気にしてるかなー……」 

ディスク「……スルル」 

おわり


73:2013/05/19(日) 01:08:40.07 :iJmGq504o

パートナー紹介だけで終わっちゃったって意見あったから続けてみたけど 
結局全員分のパートナー紹介になっちゃったごめん 
これでほんとにおわり、もう続かない


元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368759991