3:2013/12/20(金) 01:57:08.73 :Kx+lHJzB0

杏「あー、寒い寒い」 

杏「北海道生まれだから寒いのには慣れてるとかそんなのないから、ホント」 

杏「早く暖かい事務所に戻りたい…」 


杏「ただいまー」ガチャ 

飛鳥「……」 

杏(…なんか知らない人が窓の外見ながら黄昏てるんだけど) 

杏「もしもーし?」 

飛鳥「…ん、あぁ、ごめん。ここの人かい?」 

杏「そうだよー。そっちは?」 

飛鳥「今日からここでアイドルとして働くことになったんだけど…」 

杏「あー、なるほど。プロデューサー、まーた見境もなく新しい子をホイホイと」 

飛鳥「?…どういうことだい?」 

杏「ウチのプロデューサーは、目に付いた子を片っ端からスカウトして拉致してくるんだよ」 

飛鳥「フフ…拉致、ね。ボクも最初に声をかけられた時は少し驚いたかもね」


4:2013/12/20(金) 01:58:48.35 :Kx+lHJzB0

飛鳥「片っ端から…と言っていたけど、この事務所には何人アイドルがいるんだい?」 

杏「えーと…180ぐらいだっけ?」 

飛鳥「百っ……流石に驚いたな」 

杏「全員集まったら事務所に入らないっていうね」 

飛鳥「確かに…この広さで全員が入るのは無理があるね」 

杏「そのうち、どっかに引っ越したりするのかなぁ」 

飛鳥「ボクはその辺りはよく知らないけど…もう少し広い方が便利かもしれないね」 

杏「ねー。…あー、で、そうそう自己紹介がまだだったね」 

飛鳥「あぁ、そうだったね。こういうのは後輩であるボクが先に言うべきなのかな?」 

飛鳥「はじめまして、ボクは二宮飛鳥。14歳だよ」 

杏「双葉杏だよー。これでも17だよー、よろしくー」 

飛鳥「ん…双葉…杏…?」 

杏「お、杏の事知ってた?」 

飛鳥「もしかして…あの、ラジオの?」 

杏「あー、そっちでかぁ。そうだよ、ラジオの」 

飛鳥「驚いた…いきなり大物と遭遇するなんて」 

杏「いや、別に大物ではないと思うけど」


5:2013/12/20(金) 02:00:32.96 :Kx+lHJzB0

杏「にしても、ラジオで知ったって、また微妙にレアだねぇ」 

飛鳥「テレビは殆ど見ないけど…ラジオはよく聴くからね」 

飛鳥「たまたま耳にして、随分変わった番組だなと思っていたんだよ」 

飛鳥「パーソナリティの正体が、まさかこんなに可愛らしい子だったなんてね」 

飛鳥「しかもボクより3つも上とは…うん、ここに来てやっぱり正解だったかな」 

杏「どゆこと?」 

飛鳥「退屈しなさそうだな、と思ってね。非日常って感じで、凄くいいと思わないかい?」 

杏(あ、この子中二だ) 

杏「あー、家と学校は退屈だー、みたいな?」 

飛鳥「そう、そうなんだよ。杏さんは分かってくれてるみたいで嬉しいよ」 

杏(間違いない、中二だ。蘭子とは違うベクトルの) 

飛鳥「もしかして、今、ボクの事を痛いヤツって思ったかい?」 

杏「うん」 

飛鳥「フフ、随分と正直なんだね」 

杏「まぁ、別ベクトルで似たようなのがウチにいるからねぇ」 

杏「それ以外にも変わり者は山ほどいるし」 

飛鳥「へぇ…それは興味深いね」


6:2013/12/20(金) 02:03:02.45 :Kx+lHJzB0

飛鳥「そういえば、ラジオは確か3人でやっていたね。あとの2人は今日はいないのかい?」 

杏「んー?そろそろ帰ってくるんじゃない?」 

小梅「お、お疲れ様です…」ガチャ 

輝子「フヒヒ…た、ただいま…」ガチャ 

杏「うん、素晴らしいタイミングだ」 

小梅「え…?」 

輝子「ど、どういうこと…?」 

杏「ほい、ニノさん、この二人が今言ってたあとの2人だよ」 

飛鳥「それは分かったけど…その前に、今の『ニノさん』って言うのはなんだい?」 

杏「二宮だから、ニノさん」 

飛鳥「…なるほど」 

杏「普通に飛鳥でも、超必殺飛鳥文化アタックでもいいけど」 

飛鳥「後者は長すぎて呼ぶのも一苦労じゃないかな?」 

杏「冗談冗談。まぁ、適当に使い分けさせてもらうよー」 

飛鳥「よっぽど変なあだ名じゃなければ、ボクからは何も言わないよ」 

小梅「え…えっと、杏さん…?」 

輝子「フヒ…こ、この人は…どなたでしょう…」 

杏「あぁ、ごめんごめん」


7:2013/12/20(金) 02:04:42.07 :Kx+lHJzB0

小梅「な、なるほど…新しい人…だったんだね…」 

輝子「プロデューサー…そういえば、静岡に行くとか…言ってたね…」 

杏「そうそう、そこでまた新しい子をお持ち帰りしてきたんだよ」 

小梅「え、えっと…白坂小梅です…13歳…です。よろしくお願いします…」 

輝子「フヒ…ほ、星輝子…15歳…。よ、よろしく…」 

飛鳥「小梅に輝子だね、よろしく」 

輝子「お近づきの印に…キノコを、どうぞ…フヒヒ」 

飛鳥「キノコ…?…よくわからないけど…頂いておくよ」 

小梅「あ…じゃ、じゃあ、何か…温かい飲み物…入れてくるね…」 

輝子「私も…手伝うよ」 

飛鳥「ありがとう。ただ…申し訳ないけど、お茶は苦手だからそれ以外でお願いしてもいいかな?」 

小梅「お茶…苦手なの…?じゃ、じゃあ…コーヒーで…いい…?」 

飛鳥「うん、それなら問題ないよ」 

小梅「わ、分かった…少し…待っててね…」 

杏「お茶が苦手とは変わってるねぇ。あの子が聞いたら何て言うか」 

飛鳥「ん、あの子?」


9:2013/12/20(金) 02:06:41.86 :Kx+lHJzB0

茜「お疲れ様です!!!!」バンッ 

飛鳥「!?」 

杏「お、またしてもグッドタイミング」 

杏「茜お疲れー、あと、もう少し声小さくして、扉もゆっくり開けようね」 

茜「あ、そうでした!いつもの癖で!!」 

茜「ふぅ、今日も暑いですね!!」 

杏「うん、もう12月も終わろうとしてるよー」 

茜「こういう時に飲む、冷たいお茶が最高に……おや?貴女は?」 

杏「お、やっと気付いた。この子は新人の子だよー」 

飛鳥「…はじめまして」 

茜「なんと、そうでしたか!!はじめまして、日野茜です!!!」 

茜「お茶と走る事が好きです!!よろしくお願いします!!」 

飛鳥「えっと…二宮飛鳥だよ。髪を弄るのと…ラジオを聴くのが好きかな。よろしくね」 

飛鳥(…ん?今、お茶が好きって…。もしかして…) 

杏「あー、もしかしてこれ、エクステなの?」 

飛鳥「ん、そうだよ。ささやかな抵抗ってヤツさ」 

杏(校則的な意味でなんだろうか) 

杏「なるほどねー…びよんびよん」 

飛鳥「こらこら、人のエクステで遊んではいけないよ」


10:2013/12/20(金) 02:08:45.73 :Kx+lHJzB0

小梅「あ、茜さん…お帰りなさい…」 

茜「あ、小梅さんお疲れ様です!」 

小梅「い、今…コーヒーを淹れてるけど…の、飲む…?」 

茜「ありがとうございます!ですが、今ちょっと暑いので冷たいお茶を飲もうかと思いまして…!」 

小梅「あ…う、うん…分かった…」 

茜「飛鳥さん!よかったら友情の証に一緒にお茶を飲みますか!?」 

飛鳥「随分と出来るのが早いんだね、友情の証」 

飛鳥「あと、申し訳ないけどお茶は苦手で…あっ」 

飛鳥(しまった、つい) 

茜「な……なっ……!」ガクガク 

飛鳥「えっと…茜、さん?」 

飛鳥(もしかして、怒らせてしまっただろうか) 

茜「なんということでしょうー!!」ガクゥ 

飛鳥「えっ」 

茜「こんなに美味しいお茶が苦手だなんて…!いえ、しかし、人に苦手なものを押し付けるのは…!」 

茜「私は…私は…どうすればー!!」 

飛鳥「…困ったな」 

杏(面白いから放って置こう)


11:2013/12/20(金) 02:11:34.15 :Kx+lHJzB0

飛鳥(仕方ない、ここはボクが折れるべきか…) 

飛鳥「いや、こちらこそ、何も考えずに苦手だなんて言ってしまって」 

飛鳥「お茶、一口もらっていいかな?」 

茜「あ…あ…飛鳥さーーーーーん!!」ムギュ 

飛鳥「うわぁ!?」 

茜「ありがとうございます!ありがとうございます!」 

茜「私、今、もーれつに感動しています!!お茶ですね、どうぞどうぞ!!」 

茜「一口と言わず、全部飲み干しちゃって下さい!!!」 

飛鳥(飲み干せって言われても…1.5リットルのペットボトルなんだけどな) 

飛鳥「…じゃあ、少しだけ」ゴクゴク 

小梅「お、おまたせ……あ、あれ…飛鳥さん、お茶…飲んでる…?」 

輝子「ど、どういうこと…?」 

杏「感動のドラマがあったんだよ」 

小梅・輝子「?」 

飛鳥「…ん、ありがとう」 

茜「どういたしまして!!また飲みたくなったらいつでもどうぞ!!」 

飛鳥「ん、分かったよ」 

飛鳥(やっぱりこれは苦手だ…)


12:2013/12/20(金) 02:12:14.12 :Kx+lHJzB0

杏「んじゃ、小梅と輝子にコーヒーとお菓子用意してもらったし」 

杏「飛鳥のプチ歓迎会といきますかね」 

小梅「う、うん…そうだね…」 

輝子「い、いいね…そうしよう…」 

茜「それは素晴らしいですね!!」 

飛鳥「ん、歓迎会を開いてくれるのかい?」 

杏「まぁ、またその内、正式なのがあると思うけど、とりあえず杏達だけで先に」 

飛鳥「そうか…うん、ありがとう」 

小梅「あ、茜さん…また、隣…いい…?」 

輝子「フヒ…わ、私も…」 

茜「勿論です!!ゆっくり暖まっていってください!」 

杏「あー、しまった、また隣を取られてしまった」 

杏「んー、じゃ、杏は飛鳥の膝の上ー」ヒョイ 

飛鳥「おっと…いきなりだね?ボクは茜さんほど暖かくないと思うけど」 

杏「人肌は暖かいもんだよー」 

飛鳥「…そういうものなのかな。ボクにはよく分からないけど」


14:2013/12/20(金) 02:13:38.21 :Kx+lHJzB0

小梅「え…えっと、それじゃあ…飛鳥さん…よ、ようこそ…CGプロに…」 

杏「これからよろしくねー」 

輝子「フヒ…よ、よろしく…」 

茜「よろしくお願いします!!!!」 

飛鳥「うん、こちらこそ、よろしく」 

飛鳥(…ん、いつのまにかこんな和気藹々と…) 

飛鳥(ボクは別にこんなことをするつもりはなかったんだけど…) 

小梅「えへへ…や、やっぱり…茜さん、暖かい…」スリスリ 

輝子「暖房要らず…フヒヒ」スリスリ 

茜(あぁ、やっぱり可愛いです…!) 

杏「お菓子うまー」モグモグ 

飛鳥(……まぁ、これもボクにとって、一つの新しい世界、かな) 

飛鳥(それにしても、小梅以外は全員年上みたいだけど…) 

飛鳥(みんな、小柄だな) 


おしり


16:2013/12/20(金) 02:14:40.47 :Kx+lHJzB0

イエノミ見てたら遅くなってしまった 

飛鳥ちゃん可愛い(確信) 
趣味にラジオを聴くことってあるし素晴らしいですね 

見てくれた人ありがとう


元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1387472102