■同作者SS
P『スマン、今日限りでプロダクション解散だ』ほたる『』
茄子『みんな幸せになぁれ♪』 ほたる『あ…茶柱…』


2:2013/04/18(木) 14:26:38.26 :5pyPflAf0

茄子(私には強運が味方してくれています。それは私だけでなく、周りの人達にも影響するんです) 

茄子(宝くじに何度も当選しました。福引きでは必ず何か頂けます。お正月のくじは、大吉以外引いた事はありません♪) 

茄子(私が所属してから、このプロダクションの皆に急にたくさんのお仕事が来たそうです。プロデューサーさんも忙しい日々にてんてこ舞い…加えて、まゆちゃんという可愛い女の子に毎日付きまと…尽くされちゃったりしてます♪) 


茄子「…けれど」


3:2013/04/18(木) 14:28:49.30 :5pyPflAf0

ほたる「…ぁ…あの?」 

茄子(…何故かこの子だけ、目に見える幸運に恵まれません。聞いたところによると、以前所属したいくつものプロダクションが倒産してきたとか…)ジー 

ほたる「…?……?」 

茄子(強運の才女たる私としては放っておけませんっ。鷹富士茄子、この子の薄幸オーラを打ち消してみせましょう!) 

茄子「というわけで一緒にお出掛けしましょう♪」 

ほたる「えっ」


5:2013/04/18(木) 14:40:30.67 :5pyPflAf0

―――――――――― 


茄子「ほたるちゃん、どこか行きたい所はあります?」 

ほたる「えぇと……この辺りはあまり出歩かないので…」 

茄子「んーと、それじゃあお洋服でも見に行きましょうか♪」 

茄子(ほたるちゃんと長く一緒に過ごせば、少しずつ運気が上向くはず…) 

茄子(まずはこうして親愛度を高めましょう♪)


6:2013/04/18(木) 14:43:26.52 :5pyPflAf0

\ラッシャーセー/ 


茄子「アイドルたるものオシャレは欠かせませんよー♪ほたるちゃんはどういうのが好みなんです?」 

ほたる「落ち着いた色合いのもの…なんですけど……今の私の服、地味というか…それ以前に私に華が無いとか…」 

茄子「そんなことありませんよー!ほたるちゃんはとってもキュートです!えーと…」 

茄子「ほら、これなんかどうでしょう?(フリフリのワンピ」 

ほたる「わぁ…」 

茄子「うふ、似合いますよー♪それからそれから…あ、このスカートも可愛い…」 


7:2013/04/18(木) 14:48:28.19 :5pyPflAf0

―――――――― 


茄子「…買いすぎちゃいました?」 

ほたる「こんなにたくさん…」 

茄子「経費で…と言いたいトコですが、今日は私から全部プレゼントです♪」 

ほたる「えっ……だ、大丈夫ですか?今日のおゆはんが食べられなくったりしませんか…?」 

茄子「あは、大丈夫ですよー♪ですから今度お出掛けする時は是非、可愛くオシャレしてきてください♪」 

ほたる「ぁ…ありがとうございますっ…!……えへへ…」 

茄子(あら可愛い…)


9:2013/04/18(木) 14:53:50.87 :5pyPflAf0

『お会計○○円になります。ただいま○円お買い上げ毎にくじの方を引いて頂けます。 
当店でご利用できる商品券等が当たるチャンスですので、ぜひどうぞ』 

茄子「あら……それじゃあほたるちゃん、引いてみてくださいな」 

ほたる「わ、私ですか?でも…」 

茄子(今回の運気チェックです!果たして私の加護の程は…) 


──ガラガラ回すやつ──


10:2013/04/18(木) 14:57:59.01 :5pyPflAf0

ほたる「………………」 

茄子(……全部……ハズレ…?十数回回したのに、そんな…) 

『あ、あれー…こんなに出ないなんてこと…あ、ありがとうございましたー…』 

ほたる「……ふふ」 

茄子「…ほたるちゃん?」 

ほたる「私、アレを回して初めて玉を出せました…!今まで詰まったり何故か台が壊れたりして、一度もちゃんと回せたこと無かったんですっ!」 

茄子「あ…あははー、そうなんですねー」 

茄子(…一応、幸運…なのかしら…。不憫なまでに薄幸なんですね…) 



――――――――――


11:2013/04/18(木) 15:04:26.42 :5pyPflAf0

―別の日― 

茄子(あれからレッスン等でほたるちゃんと一緒の時間を増やしてもらいました) 

茄子(どんなお稽古も一生懸命こなすほたるちゃんはとても健気です。 
ダンスレッスンの後、疲れてへたり込んだほたるちゃんは抱き締めたくなります♪) 

茄子(……いえ、別に変な意味はなく。そんなことよりも) 

茄子「この後なにかご予定あります?」 

ほたる「あ、いえ…またお出掛けですか?」 

茄子「はい、今日は…お茶しに行きましょうか♪」 


12:2013/04/18(木) 15:08:28.93 :5pyPflAf0

――――――――― 

茄子(そういえばほたるちゃんはまだ13歳…でも、今どきの中学生ならお茶くらいしますよね?) 

茄子(…今更ながら、中学生にとって20歳ってもうオバサンとか思われてたり……いえいえ、私がネガティブになってはいけませんっ) 

茄子(と、いま私達は和菓子の美味しい茶店に来ています。私もほたるちゃんも和風の方がキャラに合ってますよね。ほたるちゃんは白玉ぜんざい…) 

茄子「如何でしょう?」 

ほたる「おいしいです…味見します?」 

茄子「あら、是非に♪」 


13:2013/04/18(木) 15:16:09.52 :5pyPflAf0

椀を差し出す 

茄子「んー、そうじゃなくて…ほたるちゃんに食べさせてほしいです♪」 

ほたる「えっ?あ、あの…」 

茄子「はやくーはやくー」 

ほたる「……ぁ…………あーん…」 

茄子「あー…んっ♪」(パクッ


14:2013/04/18(木) 15:17:10.69 :5pyPflAf0

ほたる「…………///」 

茄子「んー…美味しいですー…♪それでは次は私の抹茶パフェを…」 

ほたる「ゎ、私はいいです…!」 

茄子「遠慮なさらずー♪はい、あーん♪」 

ほたる「ゃ、ぁの…っ…」 

茄子「あーん♪」 


15:2013/04/18(木) 15:18:20.17 :5pyPflAf0

ほたる「……っ…」 

茄子「……♪」 

ほたる「…………ぁーん…」(パクッ 

茄子「うふふ♪」 

ほたる「(もぐもぐもぐ……ごくん)」 

茄子「如何でしょう?」 

ほたる「……恥ずかしいです…///」 

茄子(可愛いです…♪) 


16:2013/04/18(木) 15:23:20.60 :5pyPflAf0

茄子「ほたるちゃんは、休日は何をして過ごしてるんです?」 

ほたる「えと…レッスンを…」 

茄子「まぁ真面目…」 

ほたる「レッスン楽しいです…!上達できてる実感があって……私もはやく、皆を幸せにするようなアイドルになりたいんです…」 

茄子(この子のこういう願望は、不幸体質の反動なのかしら…) 


17:2013/04/18(木) 15:25:22.44 :5pyPflAf0

茄子「ほたるちゃんえらいです。他には?」 

ほたる「…あとは……笑顔の練習…を」 

茄子「…笑う練習…?」 

ほたる「おかしいですよね……私、雰囲気が暗いみたいで…せめて華やかに笑えたら、って…」 

茄子「見せてもらえます?」 

ほたる「………、……(にこっ」 

茄子(……可愛いんですけど。下がり眉で困ったような笑顔なので、とってもいじらしい…) 


18:2013/04/18(木) 15:26:56.48 :5pyPflAf0

ほたる「…あの……やっぱり変でした…?」 

茄子「可愛いです」 

ほたる「…ぇ…」 

茄子「とても可愛いです」 

ほたる「…ぅぅ…///ありがとうございます……」 

茄子(…こんな健気な子が薄幸なままでいいはずはありません…私の全幸運を以てほたるちゃんを幸せにしてみせます…!) 

ほたる「あ、お茶に…茶柱…」 


19:2013/04/18(木) 15:36:44.63 :5pyPflAf0

―――――――――― 


P「今日は新しい宣材写真の撮影だ。茄子ー、ほたるー、準備出来てるか」 

茄子「はい、ばっちりです♪」 

P「茄子のは正月に撮ったきりで、そろそろ季節感がな…。ほたるはこれから売り出していきたいし、良いイメージの撮れるといいな」 

ほたる「がんばります…!」 

P「はは、まぁあんまし固くならないようにな」 


20:2013/04/18(木) 15:38:23.83 :5pyPflAf0

-撮影スタジオ- 

茄子「ご覧あれー♪」 

『うーんいいよいいよー!もっと袖を舞わせてみようか!』 

茄子「ひらひらー♪」 

P「相変わらず楽しんでるなー」 

ほたる「ぷ、プロデューサーさん…」 

P「お、着替えてきたか。名前のイメージで仕立ててもらったけどどうだ?」


21:2013/04/18(木) 15:39:24.65 :5pyPflAf0

ほたる「素敵だと思います、この髪飾りもきれいで…」 

P(白菊…ほたる…姓名も相まって儚げな印象強いよなぁ。まずはビジュアルで押して…写真集とか出せたらいいかもな…) 

ほたる「…Pさん?」 

P「ん、あーいや…可愛いぞ、さぁ行ってきな」 

ほたる「はい!」


22:2013/04/18(木) 15:40:41.27 :5pyPflAf0

『はーいほたるちゃんねー。カメラここね、視線合わせてねー』 

ほたる「は、はいっ…」 

『ハハハ、緊張しなくていいよー。それじゃあ…』 


-パシャッ 

ほたる「っ!」びくっ 

『あれ、フラッシュ慣れてない?』 

P「ああ申し訳ない…この子、こういう撮影初めてなもので」 

ほたる「す、すみません…」 

『いいよいいよ、徐々に馴らしていこうかー』


23:2013/04/18(木) 15:45:01.40 :5pyPflAf0

-パシャッ、パシャッ 


茄子(…ほたるちゃん、表情が固いです…。初々しくて可愛いですが、ここはやはり先輩として和ませてあげなくてはっ!) 

『はーい、それじゃあ…何か軽くポーズ取れるかな?』 

ほたる「えぇと…」 

ほたる(…あれ?茄子さん…カメラマンさんの後ろに……カンペに何か書いて……魚の絵?) 


24:2013/04/18(木) 15:48:01.55 :5pyPflAf0

茄子「[おめでタイ]」 

ほたる「」 

茄子「[よろこんぶ]」ペラッ 

P(…茄子なにやってんの) 

ほたる(……分かります…茄子さんはきっと、私の緊張を解すために笑わせようとしてくれてる…) 


25:2013/04/18(木) 15:48:53.73 :5pyPflAf0

ほたる(…でも…) 

茄子「[素敵なステッキ]」ペラッ 

ほたる(すみません全然おもしろくないです…) 

―――――――――― 

?「くしゅんっ。…いま誰かに馬鹿にされたような気が…」 

――――――――――


26:2013/04/18(木) 15:53:11.70 :5pyPflAf0

P(茄子の奇行の甲斐あって(?)、ほたるの撮影は難なく終わった。 

そこに写る困った笑顔のほたる……それは、先輩の気遣いへの感謝と、 

笑えようのない諧謔に板挟みにされた少女の苦渋の表情だった… 

…まぁ可愛く撮れてるからいいか) 


茄子(先日の撮影は無事に終わりました。珍しく何のハプニングも無く、そうしていま試供品の写真が手元に届きました…が) 

茄子「……ほたるちゃんの背後になんか写ってます…」 

ほたる「…………」 

茄子「……えぇと…」 

ほたる「…すごいですっ、心霊写真なんて初めて見ました…!宣伝に使うんですから、印象強くなりますよね…!」 

茄子「ぁ、ああー……ぅん…はい…」 

茄子(…本人が喜んでるなら…不幸じゃないんです…。……幸運って何でしたっけ…)


27:2013/04/18(木) 15:57:36.13 :5pyPflAf0

―――――――――― 


その後も何かとほたるを可愛がる茄子。 
しかし、少女の身の回りに大きな変化は無かった…。 



P「最近ずっとほたると一緒にレッスンやら営業してるよな」 

茄子「え?あ、はぁ」 

P「いや、珍しかったからさ。茄子がああいう事言い出すのって。…2人って前から仲良かったっけ?」 

茄子「いえ、そういうわけではなかったです…」 

P「あれ、そうなのか…そういや性格もタイプも全然違うしな。…はい、お茶淹れたよ」 


29:2013/04/18(木) 15:58:35.65 :5pyPflAf0

茄子「………………」 

茄子(…私は自分の幸運であの子を幸せにできると思った…) 

茄子(でも、そもそもほたるちゃんが私といる事自体を負担に感じていたら…幸せだなんて思えないです…) 

P「茄子?」 

茄子(そういえば…いつも私からあの子を連れ回して…) 

茄子(歳の差だってあるのに…) 

茄子(気弱なほたるちゃんが断れるはずないです…) 

P「おーい…」


30:2013/04/18(木) 16:00:56.74 :5pyPflAf0

-ガチャッ 


ほたる「…あ。プロデューサーさん、お疲れさまです」 

P「おぅほたる、レッスンお疲れ」 

ほたる「茄子さんもお疲れさまです」 

茄子「…………」じっ 

ほたる「…茄子さん?……ぇと…」 

茄子(…ぁぁ…目、逸らされちゃった…)


31:2013/04/18(木) 16:01:42.33 :5pyPflAf0

茄子「…今日は上がらせてもらいますね…。2人ともお疲れ様でした…」 

P「え?あ、ああ、お疲れ…」 


-ガチャッ……ばたん 


ほたる「…?……、…………」 



――――――――― 


32:2013/04/18(木) 16:02:53.64 :5pyPflAf0

茄子(……自信無くしちゃいそうです…。私、自惚れてたのかなぁ……茄子のおたんこ茄子ー……はぁ…) 


-たたたっ 


ほたる「茄子さーん…!」 

茄子「っ…、…ほたるちゃん…」 

ほたる「あ、あの…どうかしたんですか?いつもより全然…元気も無いみたいだったから…」 

茄子「…………」


33:2013/04/18(木) 16:04:40.71 :5pyPflAf0

ほたる「…茄子さん…?」 

茄子「…私、とっても運が良かったんです…回りの皆も一緒に幸せになるくらい、とっても…」 

茄子「ほたるちゃんが不幸な体質だって聞いて、わたしの出番だと思いました。 

私の強運でほたるちゃんを幸せに出来ると、そう思って…」 

ほたる「ゎ、私、幸せです…!」 

茄子「…でも……ほたるちゃん、出逢った頃と全然変わってないですよ……やっぱり…私の無理強いで…」


34:2013/04/18(木) 16:06:20.60 :5pyPflAf0

ほたる「…だから幸せなんですよ!」 

茄子「…ぇ」 

ほたる「私が今までいたプロダクションは、全部潰れてしまいました。私に関わった人たちは、みんな不幸な目に遇いました…」 

ほたる「でもっ…このプロダクションで茄子さんに出会ってから、誰も不幸になってないんです…! 

誰にも疎まれない…疫病神だった私が、普通にアイドルとして頑張れる…とっても幸せです!」 

茄子「…ほたるちゃん…」


35:2013/04/18(木) 16:07:52.42 :5pyPflAf0

ほたる「それに…いつもいつも、茄子さんが優しくしてくれて……お姉ちゃんができたみたいで、すごく嬉しくて…!」 

茄子「っ…」 


-ぎゅっ 


ほたる「ふぁ…っ」 

茄子「……ぁー……ほたるちゃん…」 


36:2013/04/18(木) 16:09:35.82 :5pyPflAf0

ほたる「…は…はぃ…」 

茄子「私、ほたるちゃんのおかけで今…とっても幸せです…♪」 

ほたる「…ゎ…わたしも……私もしあわせです…」 

ほたる「…だから今度は…一人前のアイドルになって、ファンの皆さんを幸せにしたいです…………茄子さんと一緒に…」 

茄子「うふふ…♪そうですね……この幸せをお裾分けしないと♪」


37:2013/04/18(木) 16:10:57.42 :5pyPflAf0







茄子「そういえば、なんでさっき目を逸らしたんですかー…お姉さんちょっと悲しいです…」 

ほたる「…だって……茄子さん、綺麗だから…見つめられるの恥ずかしいんです……///」 

茄子「……、……♡」 





-ちゅっ 


38:2013/04/18(木) 16:13:06.76 :5pyPflAf0

―――――――― 



P「…お、茶ばしr」 

まゆ「Pさぁん、このあとお時間ありますかぁ…?」 

P「…茶柱が……消えた…?」 




お わ り


元スレ
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