文香「……」 

文香「…?」 


ちょこん 


仁奈「…」 

文香「…」 

仁奈「…」ニヘ 

ころころ 

もふん 

文香「?」 

仁奈「文香おねーさんは、なにを読んでやがります?」 

文香「……」 

文香「…本に…興味があるの?」 

仁奈「絵本などをたしなむてーどでごぜーます」 

文香「……うん」 

文香「絵本も…素敵ですね」 

仁奈「はい。さらに羊が出るなら間違いはごぜーません。」コクコクコクコク 

文香(……今度は…羊が出てくる絵本を持って来よう……)モフモフ 

仁奈「くすぐってーですよー♪」キャッキャッ 



P「なにあれまざりたい」 

ちひろ「捕まりますよ」カタカタ 



・一応シリーズもの 
・鷺沢さん 


2:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 00:58:13.97 :62KfhtsAo

文香「……」パラ 

文香「…?」 


ぽとっ 


文香「…」 

文香「…」ヒョイ 

柚「あ、文香サーン。ごめんね、当たってないよね?」 

文香「あ……いえ…はい」 

柚「よかった。へへ、拾ってくれてありがとー」 

文香「いえ…」 

柚「お、なんだか分厚い本を読んでるねー。お勉強かな?」 

文香「?……べつに、勉強というわけでは……」 

柚「べ、勉強じゃないのに本を読むですと……」 

文香「あまり…柚さんは、本は…読まないですか?」 

柚「うん。雑誌なんかは読むけど、本を読んじゃうと、目が回っちゃうよね!」グルー 

文香「??」メガマワルホン…ソウイウエホンカナ…? 


3:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 00:58:51.54 :3RbXpwEDO

柚「文香サンはえらいなー」 

文香「……えらい…ですか」 

柚「うんっ。だから柚が褒めちゃうよー労っちゃうよっ」ナデナデ 

文香「……」 

柚「へへ」ニパ 

柚「けど好きでも、ずーっと読んでると疲れちゃうでしょ?」 

文香「…はい。それは……そうですね」 

柚「だよねっ。だから――よっと」タタッ 

文香「…?」 


4:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 00:59:30.97 :62KfhtsAo

柚「よぉし来ーい」 

文香「……」 

文香「あの……なに……なんですか?」 

柚「それそれ。こっちに投げて欲しいかなーって」 

文香「……あ……これ…」 

文香「……ええと……。」 

文香「えい」 

柚「お、ナイスパスっ――…よっ、柚スマーッシュ!」パコッ 


スパーン 


文香「……」 

柚「へへっ」 


5:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:00:11.36 :3RbXpwEDO

柚「たまには体を動かすのもいいんじゃないかなー♪」 

柚「誘ってくれたらバドミントンとか、アタシ付き合っちゃうよ!」 

文香「……」 

柚「へへ」ニパニパ 

文香「……」 

文香「……あの」 



P「ほう」 

柚「」ビクゥ 


6:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:01:09.83 :62KfhtsAo

P「事務所内は危ないから、バドミントンは禁止だと…」 

P「つい先日言ったばかりのはずなんだが」 

柚「……」ダラダラ 

柚「ほ、ほらっ。なにをしても許される、許され系アイドル目指すんだーって、」 

柚「それもついこの前話したばっかりじゃないかなーっ…て、てね…てへ?」 

P「失敗してもじゃなかったか?」 

柚「……」 

P「…」 

P「…」ジリ 

柚「…」サッ 

P「…」 

柚「…っ――にっ、」 

柚「逃げるが勝ちかもっ」ダッ 

P「あっこら待てっ」ダダッ 

文香「……」 



文香「……えっと…はい」 

文香(また……バドミントンの指南書でも……見つけておこう) 

仁奈「??なにかおっしゃったです?」 

文香「……いえ…なにも」 


7:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:01:41.74 :3RbXpwEDO

文香「……」パラ 

文香「…?」 


ぽこん 


文香「きゃ」 

輝子「あっ」 

文香「…?」ヒョイ 

輝子「ご、…ごめんねっ、文香さん……私のトモダチが、その…フヒ…」 

文香「……いえ」 

文香「??友達……?」 

輝子「??う、うん…」フヒ 

文香「…………」ポコポコ 

文香「……どこですか?」 

輝子「グヘァッ」 

仁奈「会心の一撃ですよ!」 

文香「???」 


8:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:02:24.11 :62KfhtsAo

輝子「……フッ…フヒヒッ…お、おけ、おけー……」プルプル… 

輝子「ど、どうせ、……私は……キノコは少数派だから…分かってた分かってた……。ぐす」 


仁奈「ほーほーのていでやがります」 

文香「…難しい言葉を知っていますね」モフモフ 

仁奈「えっへんです!」ヘヘー 


輝子「フヒァヘアヒア」 

比奈「あの、ほのぼのーな会話もけっこうなんでスけど、輝子ちゃんのフォローもしてあげて欲しいっス」 

文香「あ……こんにちは」 

仁奈「おはよーごぜーます、比奈おねーさん!」 

比奈「どもっス」 


9:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:03:13.49 :3RbXpwEDO

ひょい 


比奈「このキノコが輝子ちゃんのトモダチっス」 

文香「…茸が……ですか」 

比奈「はいっス。まあちょっと違うかもしれないでスけど」 

比奈「本も生きてるっスよね。そんな感じっス」 

文香「…………」 

文香「…そう……ですね。なんとなく……分かるような、気はします…」 

比奈「それはよかったでスー」 


輝子「おお……また育ててしまった……やっぱキノコの友情パワーは世界共通だぜぇ!比奈サァン!」 

比奈「プロデューサーたちはお仕事中なので静かにっスよ」 

輝子「あ、はい。はい」 

文香(…………気のせいだったかも…) 



P「今日は茸グラタンだな」ブチブチ 

輝子「あっあっ、そ、その辺は食べる用じゃないから……やめ、ちょ、ホント勘弁してください……あっいや、また繁茂させたのは、その、出来心で……スイマセンスイマセン…」 


10:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:03:52.78 :62KfhtsAo

文香「……」パラ 

文香「…?」 

楓「…」 

文香「…」 

楓「……」フフ 

楓「文香ちゃん宛ての文が来たそうよ?」 

文香「……」 

楓「……、ぷ、ぷふっ…」プルプル… 


仁奈「楓おねーさんは自分にあめーですね」 

比奈(さらっと辛辣っス) 

文香「??」 


11:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:04:26.78 :3RbXpwEDO

文香「あ……手紙、ですか?」 

P「ああ。ファンレターだな。読むか?」 

文香「…………」 

文香「……」 

P「?」 

文香「……」 

文香「…思ったより……勇気がいりますね…自分が、勇気がないのに、少し……分かってはいたんですが。改めて……驚いたというか」 

P「そっか」 


12:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:05:08.59 :62KfhtsAo

P「まあ、初めてのファンレターを少しも怖がらずに読める子なんていないと思うよ」 

文香「そう…でしょうか」 

P「うん。それがフツウだよ」 

文香「…」 

文香「?」 


13:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:05:53.24 :3RbXpwEDO

柚「よっ♪」パコン 

仁奈「なんのでごぜーます!」ズサー パコッ 

柚「おおっやるな仁奈チャンっ」 



比奈「プロデューサーに怒られないくらいには収拾がつくようにしとくっス」ポコポコ 

輝子「あ、……ありがと比奈さん…フヒ」ポコポコ 

比奈「いえいえ。トモダチでスし。私もキノコが飛び交ってると原稿できないし」フフ 



楓「……」 

楓「…!」ピコーン 

楓「文香ちゃん、…フミカー、…伸ばすとなんだかミニカーみたい……ふふっ」フフフ… 



文香「…………」 

P(楓さんはまたなんかしょうもないことを…はは…) 

P「…、?」 


14:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:06:33.44 :62KfhtsAo

P「…なあ文香」 

文香「?はい」 

P「いま…笑ったか?」 

文香「…………。」 

文香「……さあ…どうでしょう」スッ 

P「あ、隠れるなよ。そんな本の使い方ずるいぞ」 

文香「……ふふ」 


15:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:07:29.76 :3RbXpwEDO

文香「……」 

文香「……アイドルになると」 

文香「きぐるみだったり羽根だったり、茸だったり……笑い声だったり、誘いかけだったり……ダジャレだったり、ファンレターだったり」 

文香「……自分からなにもしなくても、いろいろなことが飛んで来て……不思議です」 

P(大半がうちの事務所に限定された話のような気もするが) 

文香「??」 

P「いや、なんでもない」 


16:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:08:15.82 :62KfhtsAo

P「不思議……か」 

P「困ったりはしてないか?」 

文香「初めは…戸惑いました。でも」 

文香「それこそ不思議と……楽しいです。今まで通り、」 

文香「ときには書と立ち止まる時間を持てるなら……こうして目まぐるしいのも……悪くないかも、と」 

P「そっか」 

P「じゃあ、よかった」 

文香「…はい……よかった、です」 

P「…あ」 

文香「?」 

P「いま笑ったよな?」 

文香「さあ」サッ 

P「なっ…くそー」 

文香「ふふふ」 


17:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:09:15.70 :3RbXpwEDO

文香「……ありがとうございます。頂いたファンレターは……また…そのうち」 

P「うん。無理しないで、ゆっくり見るといいよ」 

文香「はい」 



文香「なにか……プロデューサーさんや、みなさんに、お礼ができると……いいんですが」 

P「いやいや、そんな気を遣わなくても」 

文香「…!」 

文香「栞を作って、事務所中に飛ばすというのは……」 

P「仕事にならないからやめて!」 

文香「……冗談です……ふふふ…」 



文香「少しずつでも変わるのは、楽しい…ですね。プロデューサーさん」 

P「そっか」 

文香「はい」 

P「あ、今度こそ笑ったよな?」 

文香「どうでしょう」サッ 

文香「…………ふふ…」 



・・・・おしまい 


18:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:11:09.61 :3RbXpwEDO

おわりん 


元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382025386