1:2012/06/29(金) 16:20:07.76 :r4eyTDiZ0

P「というわけなんだよ、響」 

響「何がというわけなんさー・・・」 

P「いやな、貴音も結構なアイドルランクになってきただろ?」 

響「そうだな、自分と同じAランクだぞ」 

P「そうなると、仔細聞かれることがあるんだよ」 

響「確かになぁ、この前自分も沖縄のあれこれを聞かれたぞ!」 

P「流石にトップシークレットで済ますにはキツくなってきたんだよ」 

響「トップシークレットで断られた仕事も幾つかあるもんね」 

P「イエス」


2:2012/06/29(金) 16:22:10.37 :r4eyTDiZ0

響「よし、貴音と親友である自分が手伝ってあげるぞ!」 

P「いいのか?親友だからこそ知られたくないものもあると思うけど?」 

響「そ、それもそうだけど・・・信じてるのに何も言ってくれないほうが悲しいぞ・・・」 

P「そっか・・・」 

??「にひひっ、いい話を聞いたわ」ヒョコ 

P「うおっ、い、伊織か・・・いつからそこに」 

伊織「ついさっきよ、貴音の正体・・・ね、私も興味があるわ」 

P「よし、それじゃあ、俺と響と伊織の少数精鋭で行こう」 

響「賛成さー!貴音は気配とか探るのがかなり上手いからなぁ」 

伊織「それを差し引いても、春香なんかいたら転んで気づかれるのがオチだわ」 

P「これより、OPERATION:TKNを発令するぞ!」 

響「TKN?」 

伊織「貴音・・・じゃないかしら?」


4:2012/06/29(金) 16:27:17.69 :r4eyTDiZ0

P「作戦は1週間毎に行なっていくぞ」 

響「あんまり連続すると貴音も警戒するもんな」 

P「いぐざくとりー」 

伊織「発音がヒドイわね」 

P「早速だけど、1週目の作戦はもう始まっているのだよ」 

伊織「どんな作戦なの?」 

P「今、律子が親戚の御用事で休暇中だ。そこで、竜宮小町が俺に一任されているのだが、それを使う」 

響「ほうほう」 

P「ここに仕事があります」ピラッ 


6:2012/06/29(金) 16:34:35.78 :r4eyTDiZ0

伊織「この仕事、貴音と響と私達竜宮小町じゃない」 

P「この作戦はあずささんや亜美にもバレてはいけないのだが、竜宮小町は3人で1つだからな」 

P「簡単に言えば、ここにあります水瀬の技術力をそこそこに結集した発信機を貴音に取り付ける。といった感じ」 

P「この作戦は伊織にかかっているんだ」 

伊織「どうして?」 

P「伊織は竜宮小町のリーダーだから変なことはしない。という固定観念を利用するんだ」 

響「それじゃまるで、自分やあずさと亜美に失礼だぞ!」 

P「響はこの前家族を見つけるとか言って、遅刻したしな、あずささんも同じ。亜美は言わずもがな」 

響「」


7:2012/06/29(金) 16:44:59.80 :r4eyTDiZ0

伊織「靴といってもどこに取り付けたらいいのよ」 

P「そこが鬼門なんだよなぁ」 

響「靴底は一瞬で気付くぞ?人間の足って結構敏感だからなー、些細なズレにも結構気付くぞ」 

P「中敷きがズレた時は一瞬で気付く位だもんな」 

伊織「外側はこのサイズだと気付くか気付かないかの一か八かになるものね」 

響「うーん・・・そうだ!」 

P「何かいい案が思いついたか?」 

響「底じゃなくて、その上というかなんというか・・・」 

P「ああ、あの足にカメラを仕込むなら定番のそこか」 

伊織「もしもし、おまわりさんこいつです」 

P「まてまて、よくそういう報道があるだろう?」 

伊織「冗談よ、でも、それってもし高さのない靴だったりしたらどうするのかしら?」 

P「それは確かに気になるところだな、響?」 

響「そ、その時は・・・うぐぐ・・・」 

響「そういう靴を履いてこないよう祈るしか無いぞ・・・」 

P「・・・」 

伊織「・・・」


8:2012/06/29(金) 16:55:43.65 :r4eyTDiZ0

P(俺達なりにない頭をフル回転させたが、名案は思い浮かばなかった) 

P(結局響の案を採用し、着々と準備し、作戦結構の日時になったのだ) 

P「よし、この楽屋にいるタイミングで決行だ」ヒソヒソ 

響「了解だぞ、役割確認だ、自分はプロデューサーの話に乗じてなるべく貴音の気を引く」ヒソヒソ 

伊織「了解したわ。私は静かに迅速にこのなるべく凹凸を減らした発信機を靴に取り付ける」ヒソヒソ 

P「伊織はなるべく後ろにいるんだぞ?」ヒソヒソ 

伊織「分かってるわ」ヒソヒソ 

P「響はなるべく貴音の靴の見える側に座り、なるべく見えないようにすることだ」ヒソヒソ 

響「オールオッケーだぞ」ヒソヒソ 

貴音「プロデューサー、響、伊織、そろそろみぃてぃんぐを始めましょう」 

P「わかった、それじゃ、みんな集まってくれー!」 

響「」ササササッ 

伊織「」カカカカッ 

P(あいつ、バックステッポ使ってやがる・・・)


9:2012/06/29(金) 17:06:22.64 :r4eyTDiZ0

P(いや、とんずらだったか?) 

P「まぁ、いいや、それじゃ・・・」 

話中間 

P(伊織がそろそろ動くはずだな・・・響は貴音にぴったりくっついてるな・・・ちょっと暑そうだ) 

P(伊織が・・・動いた!響はぴったり!行ける!行けるぞ!) 

貴音「何奴!?」 

P(っ!マズイ!!貴音が振り向く!?) 

響(そうはさせないぞ!) 

響「貴音!ここはどうしたらいいんだ?」 

貴音「・・・響、ここはぷろでゅーさーが先ほど話した通りです」 

P(ナイスフォロー!響!) 

伊織(助かったわ、響!後で何かおごってあげましょう) 

P(とりあえず、付け終わったな、後は仕事終わりに尾行するだけだな) 

伊織(本番はここからね) 

響(自分、役にたったかな?) 


10:2012/06/29(金) 17:15:25.92 :r4eyTDiZ0

仕事終わり事務所にて 

P「今日は響が良いファインプレーだったな」 

伊織「ええ、あのファインプレーがなかったら完全に見つかっていたわ」 

P伊織「よくやったな(わね)」ダブルナデナデ 

響「えへへ~///」 

伊織「それで、貴音は今どこにいるのかしら?」 

P「今は大通りかな?恐らくラーメンでも食べに行くんだろう」 

響「貴音はラーメン大好きだからなぁ」 

伊織「そうね、この前も何か呪文を唱えていたわ」 

P「麺固カラメ野菜ダブルにんにく油マシマシ、だったか?」 

響「それ、自分も聞いたことあるぞ!でも、あの体のどこに入って行ってるのか・・・」 

伊織「そうね・・・胸かしら?」 

P「千早が聞いたら、ラーメン食べに行きそうだな」 

響「胸があっても肩が凝るだけだぞ・・・」 

伊織「それは言ってはいけないセリフだと思うわ」 

P「俺もそう思う」 

響「えぇ~・・・」


11:2012/06/29(金) 17:23:10.89 :r4eyTDiZ0

1時間後 

P「なぁ、貴音が動かないんだけど・・・」 

伊織「確か、そこのラーメン屋に入ったっきりよね?」 

響「1時間も動かないのは珍しいさー、遅くても20分で食べ終わるはずだし・・・」 

伊織「ま、まさか・・・」スマホトリダシレンラク 

伊織「新堂!ここのラーメン屋に今すぐ向かって、店主に貴音はいるかどうか聞いて頂戴!」 

響「け、険しい顔して・・・アイドルらしからぬ顔だぞ」 

新堂『ご連絡いたしますお嬢様、このラーメン屋に四条貴音様はいらしていないとの事です』 

伊織「そう、ありがとう・・・」スマホシマウ 

伊織「やられたわ・・・」 

P「・・・思ったより手強いな・・・・・・」 

響「この発信機すらも欺くのか・・・」 


14:2012/06/29(金) 18:06:06.99 :r4eyTDiZ0

2週目 

P「今度の作戦はシンプルにしてみようと思う」 

伊織「そうね、シンプルイズベストという言葉もあるし」 

響「尾行だな!」 

P「だけど、ちょっと手を加えよう」 

響「みんな固まって行くんじゃなくて」 

伊織「3つの方向にしましょうか」 

P「俺と響は移動しつつ止まりの尾行方法で」 

伊織「私は、人ごみなどに紛れつつの尾行ね」 

P「よし、早速作戦開始だ!」 

響「どのくらい離れていればいいんさ・・・」 

P「わからん、体で覚えようか」 

伊織「にひひっ、それじゃ、私はいつもと違う変装をすることにするわ」


15:2012/06/29(金) 18:10:27.88 :r4eyTDiZ0

仕事終わり 

貴音「それでは、今日はお疲れ様でした、わたくしは帰りますね」 

P「おう、お疲れ様~」 

P「いくぞ!」ヒソヒソ 

響「応」ヒソヒソ 

伊織「合点」ヒソヒソ 

P「・・・お前、伊織か?」ヒソヒソ 

伊織「そうよ?」ヒソヒソ 

響「全然分からなかったぞ・・・ヒソヒソ」 

伊織「にひひっ♪これがお金の力よ」ヒソヒソ 

P「ああいう大人にはなりたくないな、響」ヒソヒソ 

響「そうだぞ」ヒソヒソ 

伊織「アンタが言う!?」ヒソヒソ


16:2012/06/29(金) 18:20:33.31 :r4eyTDiZ0

PさんLOVE「俺だ、誰か応答してくれ」 

GNHくん「自分だぞ・・・というか、この名前はなんだ?」 

デコリン「私よ・・・伊織の欠片もないわ・・・」 

GNHくん「プロデューサーのは、もう訳がわからないぞ」 

PさんLOVE「俺のサイコガンが火を吹くぜ?ヒューッ!」 

デコリン「アイマ・・・コブラじゃない!!」 

GNHくん「今のところは普通に歩いているだけだな」 

デコリン「流石Aランクの貴音ね、時々声を掛けられているあたり、流石の認知度と言ったところかしら」 

PさんLOVE「何か話しているみたいだな・・・聞こえるか?デコリン」 

デコリン「えっと、今度ウチの息子の小学校に来て歌って欲しいとかなんとか・・・」 

響「貴音が歌って踊ったら、男性教員は全員中腰確定だな!」 

PさんLOVE「全くだ、ぶるんぶるんしよるし」 

デコリン「持たざる者の悩みも少しは考えてあげて頂戴」


17:2012/06/29(金) 18:30:24.28 :r4eyTDiZ0

P「うわっ、なんか人通りが多くなってきたな・・・」 

響「確かに・・・目視が厳しくなってきたぞ、伊織、頼んだぞ!」 

伊織「任せなさい、このスーバーストーカー伊織ちゃんが任務遂行してあげるわ!」 

伊織「誰がストーカーよ!」 

響「ノリツッコミってやつか?」 

P「そうだな」 

スーバーストーカー伊織ちゃん「ん?貴音がわずかだけど加速したわ」 

伊織「というか、人多すぎなのよ・・・!ちょっと!足・・・!」 

P「伊織?大丈夫か?」 

伊織「ふざけんじゃないわよ!足踏むなんて・・・痛た・・・」 

P「おい、伊織?貴音はまだ見えるか?」 

伊織「えっ!?あっ!」 

P「またしてやられたな・・・」 

伊織「ご、ごめんなさい・・・」 

響「伊織のせいじゃないさー、足踏んだヤツが悪いぞ!」 

P「おんぶをしてやる権利をやろう」 

伊織「早速行使させてもらうわ」 

P「ハイ」 


20:2012/06/29(金) 20:05:53.00 :r4eyTDiZ0

3週目 

伊織「もう権力行使よ!」 

響「一体何の権力を使うんだ?」 

伊織「ふふふ・・・貴音ぇ・・・アンタのプライバシーはないと思いなさい!」スマホトリダシ 

伊織「新堂!水瀬グループの人工衛星は!?」 

新堂『GPS人工衛星があります、お嬢様』 

伊織「ソレで四条貴音を追いなさい!」 

新堂『しかし、お嬢様それは・・・』 

伊織「私がやりなさいっていたら、やりなさい!」 

新堂『畏まりました』 

響「遂に人工衛星だぞ・・・」 

P「思いの外話が広がっちゃった感じがするな」 

伊織「貴音ェ!!見てなさいよォ!」 

響「貴音のプライバシーは犠牲になったのだ・・・」 

P「古くから続く伊織のゴミのようなプライドの犠牲にな・・・」 

伊織「オレオ!」


21:2012/06/29(金) 20:15:19.50 :r4eyTDiZ0

水瀬グループGPS人工衛星監視室 

P「凄いな、こういうの映画だけだと思ってた」 

響「後ろがちょっと高くなってるな、お偉いさんがここで手を組んで」 

伊織「勝ったわね」 

響「とか言ってそうだぞ」 

P「しかし、GPSって映像が見られるもんじゃなかった気がするんだけどなぁ」 

伊織「こんな事もあろうかとって奴よ」 

響「今回は、このこんな事もあろうかとって奴に、感謝だな」 

伊織「ふへへへ・・・さぁ、どこへ行くのかしら?貴音ちゃん・・・!」 

P「完全に人が変わっちゃったな」 

響「プロデューサー!この椅子面白いぞー!」グルグルー 

P「あっちもあっちだな・・・ところで、伊織さん?」 

伊織「なによ!今忙しいんだから!」 

P「別なカメラなんだけどさ、なんか飛んでくるぞ?」


22:2012/06/29(金) 20:20:27.92 :r4eyTDiZ0

伊織「えっ!?」 

職員「スペースデブリ接近中!繰り返す、スペースデブリ接近中!」 

P「スペースデブリにしてはでかくないですか?」 

響「きもちわるいぃ・・・」 

伊織「天に祈るしかないわね・・・当たったら終わりよ」 

P「貴音が絡んでるんだ、当たるだろう。しかも、大破だな」 

伊織「そう思う?」 

ゴシャッ 

P「逝ったか・・・」 

伊織「・・・・・・・・・」 

P「犠牲になったのは伊織のゴミのようなプライドだったな・・・」 

P「これ、損害額いくらだ?」 

伊織「アンタ、私、暫く休暇に入るわ」 

P「律子に伝えておこう」


26 :2012/06/29(金) 20:51:38.67 :r4eyTDiZ0

4週目の事務所 

響「はいさーい!」ガチャッ 

P「おはよう、響。今日も早いな」 

響「勿論だぞ!貴音の正体が掴めるまで早起きが日課さー!」 

伊織「おはよう」ガチャッ 

P「伊織もそのクチか?」 

伊織「何がなんだか分からないけど、ええ、そうよ」 

P「そっかそっか、俺は嬉しいぞ」 

伊織「でも、今日はオフなのよね」 

響「そうだな、もし、貴音が来ないなんてことはないよな?」 

P「まさかまさか、そんな・・・」 

伊織「フラグになりかねないからやめなさい」 

P「そうだな、それじゃ、今週は不足していた日常成分を盛り込むとするか」 

伊織「それは重畳」 

響「賛成だぞ!」


27 :2012/06/29(金) 21:04:01.27 :r4eyTDiZ0

P「とは、言ったものの・・・」 

伊織「まだ、時間的には早いものね・・・」 

響「あっ、そうだ、プロデューサー」 

P「うん?」 

響「自分、今進路について考えてるんさー」 

P「おお、もう響もそんな歳になったかぁ」 

響「自分的には、動物が好きだから、ソッチの方に進みたいと思ってるんさー」 

P「えっ、アイドルは?」 

響「勿論続けるさー、アイドルだからって頭が悪いのはどうかと」 

P「頭ってことは大学とか考えてるのか?」 

響「それが難題なんだぞ」 

P「専門学校っていう手もあるもんなぁ」 

伊織「・・・・・・」 

響「ん?どうした、伊織?」 

伊織「アンタ、大学や専門行ける頭あるの?」 

響「ひ、ヒドイぞ!自分、そこまで頭悪くないぞ!」 

伊織「ほら、だっていろんなところでヒドイ扱いじゃない」 

響「た、確かにバカっぽいって言われるぞ・・・」 

P「響って意外と頭いいぞ?」 

伊織「本当に?」 

P「沖縄飛び出してきて、こっち来てから、確か結構良い高校通ってるよな?」 

響「だぞ!」 

伊織「予想外だったわ・・・」 


28 :2012/06/29(金) 21:18:56.26 :r4eyTDiZ0

お昼時 

ピヨピヨピヨ 
オヒルピヨーッ! 

P「音無さんが持ってきたあの時計なんとかならないかな」 

響「自分は好きだぞ!」 

伊織「ボイス入りなのが不可解だわ」 

P「さ、昼食と行きますか」ガサゴソ 

響「で、でたー!伝家の宝刀!プロデューサー飯!」 

伊織「あの味に愚鈍な千早ですら舌を唸らせたあのプロデューサー飯!」 

響「千早じゃなくて、春香じゃなかったか?」 

伊織「そうだったかしら?」 

P「あの時の春香は、美味いぞー!が立体化してたな」 

響「あの後、お弁当持ってかれてたぞ」 

P「午後はヤバかった・・・・・・」 

響「ねね、その唐揚げ1つちょーだい!」 

P「仕方ないなぁ、ほぅれ」 

響「あーん、ムグムグ・・・んんん!おいひー!」 

伊織「・・・・・・」 

響「んんー?なんらいおり~、もひかひて、ぷろりゅーさーのからあげ、ほひいのかぁ?」 

伊織「ちゃんと飲み込んでから喋りなさい」ズビシッ 

響「ふぎゃっ!」 


29 :2012/06/29(金) 21:29:28.62 :r4eyTDiZ0

P「まぁまぁ、喧嘩せんと~」 

伊織「・・・なら、私はそっちの卵焼きの方がいいわ」 

P「おっ、これね、ほれ」 

伊織「あーん、ムグムグ・・・・・・」 

響「どうだ伊織~?美味しいだろー?」 

伊織「アンタ、今から私の専属のコックになりなさい」 

P響「!?」 

P「いや、まだプロデューサー続けていたいんで・・・」 

響「じゃーん!実は、自分もお弁当作ってきたぞ!」 

P「響が?珍しいな」 

伊織「実は、私も作ってきたのよ」 

P「伊織も?」 

響「おお、それじゃ、みんなで食べ比べするぞー!」 

伊織「それいいわね、それじゃ、その唐揚げをもらうわ」ヒョイ 

響「うぎゃああ!自分の大好物をー!」 

やいのやいの 

小鳥「いいのよ、小鳥・・・こんな仕打ち、毎回じゃない・・・!」 

小鳥「じ、実は私も、お弁当~なんちゃって・・・はぁ・・・」 

響「おーい、ピヨ子~、お昼一緒に食べないかー?」 

小鳥「な、なんとぉ!」 

やいのやいのやいのやいの


30 :2012/06/29(金) 21:41:12.86 :r4eyTDiZ0

夜中事務所 

P「そんなことをしながら」 

響「待ってはみたものの」 

伊織「来る気配がなかったわ」 

P「これは貴音に問い詰める必要があるな」 

伊織「無断欠席ってやつになるのかしら?」 

響「今日はレッスンだけだったものの、こんなのが続くのはダメだぞ」 

P「欠席じゃなくて、欠勤な」 

伊織「//////」 

P「それじゃ、少し遅くなっちゃったし、送っていくよ」 

伊織「別に、仕事があるんだろうから、いいわよ」 

P「仕事ならもう終わってるよ」 

響「いつやったんさー・・・」 

P「この敏腕プロデューサーにかかれば書類なぞお茶の子さいさいというわけさ」 

伊織「あの事務員のも引き受けて、これ・・・」 

響「自画自賛するだけあるぞ」 

P「フゥーハッハッハ!」 

伊織「顎髭と白衣が似合いそうな笑い方ね」 

千早「助手と聞いて」 

伊織「帰りなさい」


33 :2012/06/30(土) 07:12:33.33 :RhgCLbg+0

5週目 

P(結局、先週は1度も貴音は来なかった) 

P(幸い、ずれ込んだ仕事はなかったから、休みでも問題はなかったものの) 

P「これは問い詰める必要があるな」 

響「そうだぞ、1週間も休むなんて何か理由が欲しいぞ」 

伊織「もしかしたら、何か正体について話すこともありそうね」 

貴音「お早う御座います」ガチャッ 

P「早速来たな・・・貴音!」 

貴音「何でしょうか、ぷろでゅーさー」 

P「お前、先週はなんで来なかったんだ?」 

貴音「一身上の都合により、です」 

P「なら、その事を連絡してくれてもいいだろう?」 

貴音「申し訳ありません、ですが、これ以上はお話することはできません」 

P「人は誰しも、言えないことの1つや100個あるって奴か?」 

貴音「その通りです、ぷろでゅーさー」 

貴音「ですが、そうですね・・・・・・月の魔力は時として人を惑わせます」 

P「何を言って・・・」 

貴音「そう・・・人でないものも惑わせてしまいます」 

P「よく・・・わからんのだが・・・」 

貴音「さぁ、今日のすけじゅぅるは何でしょうか、ぷろでゅーさー」 

響「完全にお茶を濁したな」 

伊織「月が何かキーワードなのかしら?」 


34 :2012/06/30(土) 07:24:05.17 :RhgCLbg+0

貴音が出かけた後 

伊織「それで、今週は何を仕掛けるの?」 

響「もうそろそろネタ切れだぞ・・・」 

P「そうだなぁ・・・なんか勘付かれた気もするし、今週も何もしないことにするか」 

響「そんなんで、本当に正体が掴めるのかー?」 

P「来週は、貴音と一緒に1日警察署長の仕事が入ってるんだ、そこで仕掛けるしかないだろう」 

伊織「私達は何をすればいいのかしら?」 

P「伊織たちはこの記事を出した、悪徳記者をひっ捕まえて欲しい」バサッ 

響「うわー・・・凄い捏造っぷりだぞ・・・」 

伊織「貴音が枕営業ね・・・」 

P「正直、貴音が正しい事を言ってくれないからこの記事も本当なのかどうかも分からないけど」 

P「俺は貴音はそんな事しないって信じてるからな」 

響「ああ!自分も信じてるぞ」 

伊織「まぁ、私も信じてるわ、響よりよっぽど信じられるもの」 

響「うがー!それはヒドイぞ伊織!」 

伊織「冗談よ」 

響「冗談、そっか、冗談で良かった・・・」 

P「さて、そろそろお前たちも仕事だろう?送っていくから行くぞ」 

ひびいお「はい!」 


36 :2012/06/30(土) 08:05:29.59 :RhgCLbg+0

6週目 

貴音「お早う御座います」ガチャッ 

P「ああ、おはよう」 

貴音「おや?今日はもう皆は仕事へと向かわれたのですか?」 

P「いや、今日は貴音以外は午後からだ」 

貴音「そうですか、それで今日のすけじゅぅるは?」ススス 

P「今日は・・・・・・貴音、どうして近づいてくるんだ?」 

貴音「いえ、なんでもありませんよ、続けて下さい」 

P「そうか・・・それじゃ、今日は、警察署の方で1日警察署長だ」 

貴音「警察署長・・・」 

P「嫌か?なんならキャンセルを・・・」 

貴音「いえ!寧ろ、光栄です!街の皆様をお守り出来るような仕事をやらせていただけるなんて!」 

P「い、嫌そうじゃなくて良かった・・・それじゃ、送っていくから早速行くか」 

貴音「はい!」 


37 :2012/06/30(土) 08:12:20.75 :RhgCLbg+0

車内 

P(心なしか貴音が近いんですけど、サイド引きにくくなるくらい近い) 

貴音「・・・・・・・・・」 

P「・・・・・・」 

貴音「ぷろでゅーさー?」 

P「ん?どうした?」 

貴音「もしもの話をするのですが、聞いていただけますか?」 

P「?構わんよ」 

貴音「では・・・・・・」 

貴音「ぷろでゅーさーには想い人はいらっしゃいますか?」 

P「ぶっ!」キキィィー! 

貴音「だ、大丈夫ですか?ぷろでゅーさー」 

P「い、いきなり何を聞くかと思えば・・・全く・・・いないよ!」 

貴音「では、いると仮定して下さい」 

P「ああ」 

貴音「その方が何か言えないようなことを抱え持っているとしたら如何しますか?」 

P「そうだなぁ・・・・・・」


38 :2012/06/30(土) 08:22:32.29 :RhgCLbg+0

P「嫌、かな」 

貴音「嫌・・・ですか」 

P「ああ、だってそれって、お前は頼りにならないから話さなくてもいいよねって遠回りにそう言ってるようなもんだ」 

貴音「!」 

P「貴音がどうしてその考えに至ったのかは分からないけど、少なくとも俺はそう思うよ」 

貴音「そうですか・・・」 

P「ああ」 

P「・・・・・・・・・」 

貴音「・・・・・・・・・」 

P(うおおおおっ、空気が重い!響ー!伊織ー!はやくきてくれー!) 

P(そうだ、あいつらは先に会場入りしてるんだったな・・・) 

P(この1日警察署長に必ず悪徳記者は来るだろうからな、捕まえてもらう算段だ) 

P(顔は水瀬のスーパーパワーで、既に割れているし、索敵の方は問題無いだろう) 

P(それにしても、あんな記事が流れたのに我関せずの姿勢が凄いな) 

P(仕事の依頼もとどまることを知らない・・・何か不思議な力が働いてるみたいだ) 

P「・・・・・・」 

P(空気の重さで胃に穴が出来そう)


39 :2012/06/30(土) 08:30:22.88 :RhgCLbg+0

警察署 

貴音「――――!――――、――――!」 

P(貴音は今演説中だ、この間に見つけたいところだが・・・・・・) 

PさんLOVE「俺だ、誰か応答してくれ」ヒソヒソ 

GNHくん「いるぞ!」ヒソヒソ 

デコリン「私もいるわ」ヒソヒソ 

PさんLOVE「作戦内容は、先週話した通りだ」 

GNHくん「自分で捕まえようとせず、なるべくプロデューサーの方に追い詰めていく。だな」 

デコリン「了解よ」 

PさんLOVE「それじゃ、散開!」 

GNHくん「応!」スサササ 

デコリン「合点!」スサササ 


40 :2012/06/30(土) 08:42:58.78 :RhgCLbg+0

響視点 

響(どこにいるんだ?見つけたらとっ捕まえてやるぞ!) 

響(・・・?あ、追い詰めるんだった・・・ん?) 

悪徳記者「ドヤァ」 

響(いたぞ!でも、どうやって追い詰めたらいいんだろ・・・) 

響(・・・・・・考えてもわからん!とりあえず、隣にぴったり張り付いてみるぞ) 

悪徳記者「・・・・・・」 

響「・・・・・・」 

悪徳記者「チッ」スサササ 

響(動いたぞ!まだまだ着いて行くぞ!)スサササ 

悪徳記者「クソッ」タタタタ 

響「逃さないぞ」タタタタ 

悪徳記者「ヤロウッ」 

響(っと、深追いは厳禁だぞ、あっちには伊織がいるはずさー) 

響(自分、野郎じゃないぞ・・・)


41 :2012/06/30(土) 08:53:12.33 :RhgCLbg+0

伊織視点 

伊織(響がいい具合にこっちに寄越してくれたみたいね) 

伊織(でも、追い詰めるってどうやったらいいのかしら?) 

伊織(まぁ、為せば成るわよね) 

伊織(こんな事もあろうかと、悪徳記者っぽい変装をしてきたのよね) 

伊織(・・・変装キャラになってる気がするわ・・・・・・) 

伊織(それで、誰にも邪魔されそうにない地点をさらっと流してやって、プロデューサーの方に仕向けるわ) 

伊織(悪徳)「イヤァ、ソッチモタイヘンソウデスナ」 

悪徳記者「マッタクダ、アノヘンチクリンナヤロウ」 

伊織(悪徳)「ハッハッハ、トコロデ、イイバショヲミツケタンダガ」 

悪徳記者「ホントウカ!ゼヒオシエテクレ!」 

伊織(悪徳)「アア、アノアタリダゼ」 

悪徳記者「オンニキルゼ」タタタタ 

伊織(悪徳)「・・・・・・」 

伊織(悪徳)「ニヒヒッ」


42 :2012/06/30(土) 08:59:53.04 :RhgCLbg+0

P視点 

P(あいつら、上手く誘き寄せてくれたみたいだな) 

P「失礼ですが、あなた、悪徳記者ですよね?」 

悪徳記者「チィ!ナゼバレタ」 

P「申し訳ないですが、水瀬の力で顔は割れていますので」 

悪徳記者「クッ、コウナッタラ」ダダダダ 

P(こっちに来る!?) 

悪徳記者「ドッセイ!」 

P「うおわああああああ!」セオイナゲ 

悪徳記者「フフフ、ザンネンダッタナ、オレハクロオビナンダヨ」 

P「イテテ・・・」 

響「プロデューサー!?」 

伊織「ちょっと、大丈夫なの!?」 


43 :2012/06/30(土) 09:34:25.14 :RhgCLbg+0

貴音視点 

ザワザワザワザワ 

貴音(なんでしょうか・・・さわがし・・・っ!?) 

ウワーヒトガナゲラレタゾー 

貴音「ぷ、ぷろでゅーさー・・・?」 

響「プロデューサー!?」 

伊織「ちょっと、大丈夫なの!?」 

貴音「・・・・・・許しません」 

悪徳記者「チッ、トクダネハゲットデキナカッタガココハニゲトコウ」 

貴音「待ちなさい!」ザッ 

悪徳記者「オヤオヤ、オジョウサン、ケガシナイウチニソコヲドキナ」 

貴音「いえ、退くことは出来かねます」 

悪徳記者「ソウカイ、ソレジャア、ナゲトバサレテモラウゾ!」グワッ 

貴音「はぁ!巻空旋!」フワッ 

悪徳記者「ウワッ!!」ドグシャ 

貴音「悪は必ず滅びるのです」 

ウワークビガヘンナホウコウニマガッテルゾー 

キュウキュウシャヲヨベー 

貴音「・・・・・・頭に血が昇り、やりすぎてしまいました」


47 :2012/06/30(土) 21:31:11.05 :RhgCLbg+0

7週目事務所にて 

P「貴音、なぜ早い時間に呼び出されたか分かるか?」 

貴音「ええ、あの記者を投げ飛ばしたことでしょう」 

P「その通りだ、貴音はあの記者について知ってることはあるか?」 

貴音「わたくしが枕営業などと、不埒な行いをしているという記事を出した方だと」 

P「その通りだ、本来こんなことがあれば、自宅謹慎・・・」 

P「というところなのだが、今回は相手が曰く付きの記者だったからお咎めは無しだ」 

貴音「高木殿の寛大な処置に、まこと、胸が詰まる思いです」 

P「それじゃ、今日のスケジュールだ―――」 

P(悪徳記者を投げ飛ばした事により、若干貴音の正体を追っていた事を忘れかけていたが) 

P(ここから、事態は悪転するのだった・・・・・・)


48 :2012/06/30(土) 21:53:58.67 :RhgCLbg+0

8週目 

ドタドタガタガタバタバタガチャッ 

P「なんだなんだ、騒がしいぞ!」 

ひびいお「プロデューサー!(ちょ、アンタ!)」 

P「響に伊織か、どうした?」 

伊織「どうしたもこうしたもないわよ!これ、見て!」バサッ 

P「なになに・・・?【Aランクアイドル四条貴音幽霊説!】」 

P「【現在、我那覇響と並ぶ765プロ所属のアイドル四条貴音が、都内の病院に入院していることが分かった】」 

P「・・・・・・え?」 

響「も、もうちょっと読み進めてみるさー」 

P「【調べによると、四条貴音は数年前から入院を続けているということが病院関係者から明かされた】」 

P「【病院内は撮影NGなので、他の入院患者やそのご家族に聞くと】」 

P「【四条貴音のような美しい銀髪ではなく、金髪だが、少なくとも顔は四条貴音そっくりだという】」 

P「【これにより、今後の765プロの対応が気になるところである】」 

P「・・・・・・」 

響「・・・・・・」 

伊織「・・・・・・」


49 :2012/06/30(土) 22:00:10.94 :RhgCLbg+0

伊織「これはちょっと、思わぬ方向に転んじゃったわね・・・」 

響「これ、自分たちのせいかなぁ・・・」 

P「・・・・・・」フリーズ 

伊織「ちょっと!固まってる場合じゃないわよ!」 

響「そうだぞ!他の人たちには自分たちが話しておくから、プロデューサーは早く事実確認をするんだぞ!」 

P「あ、ああ・・・わかった」 

伊織「この記事もちょっと文脈がおかしいわ、どうも焦って書いたみたいに見えるわ」 

P「た、確かにな・・・顔が似てるからと言って本人とは限らないよな・・・」 

響「そ、そうだぞ!そっくりさんシリーズとかあるんだぞ!」 

伊織「私は突っ込まないわよ」 

響「?」 

P「よ、よし、俺は行ってくるから、後は頼んだぞ?」 

響「まかせろー!」 

伊織「任せて頂戴」


50 :2012/06/30(土) 22:07:49.57 :RhgCLbg+0

都内病院受付 

P「す、すいません!し、四条貴音は!」 

受付「ど、どなたか存じ上げませんが、四条貴音様はいらっしゃいませんよ」 

P「そ、それじゃ、貴音、貴音は入院していますか!?」 

受付「失礼しますが、どのような御関係で?」 

P「え、えっと、その俺は、あいつのプロデューサーで・・・!」 

??「その方は私めのご友人でございます」 

P「そうそう、ご友人で・・・・・・え?」 

じいや「失礼、ご紹介が遅れました、四条貴音のじいやでございます」 

P「じ、じいやさん!?」 

受付「ご友人でしたか、それでは、いつもの部屋番です」 

じいや「参りましょうか」 

P「え・・・?ええ?」 


51 :2012/06/30(土) 22:11:34.30 :RhgCLbg+0

病院内廊下 

じいや「・・・・・・・・・」 

P(く、空気が重いよ・・・病院ってのも相まって更に重いよ・・・) 

じいや「・・・お嬢様は」 

P「はい?」 

じいや「昔から体が弱く、入退院を繰り返していたのです」 

じいや「数年前に京都からこちらの病院へと移動となりました」 

じいや「私は京都の方に残りましたが、その後」


52 :2012/06/30(土) 22:15:18.84 :RhgCLbg+0

じいや「私は京都の方に残りましたが、その後、お嬢様がご活躍と風の噂を耳にし」 

じいや「お嬢様はご回復したと、胸を撫で下ろしたものです・・・」 

じいや「ですが、先々週・・・・・・ここが、お嬢様のお部屋です」 

じいや「これより先は、お嬢様の口から伝えられると思います」 

P「・・・・・・」 

じいや「まこと、感謝を申し上げます、プロデューサー殿・・・・・・」 

ガチャリ


53 :2012/06/30(土) 22:24:35.32 :RhgCLbg+0

都内病院内――貴音病室 

P「・・・・・・貴音」 

俺がそう声をかけると、窓際に佇んでいた、いつも見慣れた銀髪の女性が振り返る 

貴音「プロデューサー・・・とうとうここまで来てしまったのですね」 

そう貴音が声を発すると同時に、ベッドの布団をめくり上げる 

P「!!」 

そこに寝ていたのは、病のせいでやせ細った金髪の――貴音 

P「貴音・・・・・・お前は何者なんだ?」 

貴音「わたくしは・・・」 

躊躇いがちに目を伏せると、すぅっと息を吸い、言う 

貴音「わたくしは、夢なのです」 

P「夢・・・?」 

貴音「ええ・・・この方が見ている夢、このように病院で長い間入院せず、意識もしっかりしていて・・・」 

貴音「この世で、歌い、踊り、そして、舞っていたならば・・・と。」 

貴音「この方が永久に夢見ていた・・・それがわたくし」 

貴音「わたくしは、この方の夢の為にとっぷあいどるにならなければなりませんでした」 

貴音「しかし、わたくしは夢」 

貴音「夢は寝ているときに見るもの。夢が見られなくなる時は起きている時と・・・それと」 

P「?」


54 :2012/06/30(土) 22:29:45.16 :RhgCLbg+0

貴音「わたくしには分かるのです、この方はわたくしであり、わたくしはこの方」 

P「ま、まさか!!」 

貴音「ええ・・・この方の身体の衰弱は著しいです」 

貴音「命の灯火、尽きるは、人の終」 

P「マジかよ・・・消える、のか・・・?」 

貴音「いえ、消えるのではありませんよ、夢から覚めるのです・・・志半ばですが、ここまでです」 

P「・・・・・・・・・」 

貴音「今まで、ありがとうございました」 

P「やめろ・・・」 

貴音「ここまでのあいどるにしていただき、まこと、感謝しております」 

P「やめろっ!」 

貴音「!」 

P「俺は、そんな事を聞きたいんじゃない!」 

P「貴音は!お前は、いいのか!?ここで、ここで終わっていいのか!?」 

P「夢だろうがなんだろうが関係ない!貴音!お前自身はどうなんだよ!!?」 

貴音「・・・・・・」 

P「もう少し、もう少しでSランクなんだ!響も一緒に!もうちょっとなんだよ!」


55 :2012/06/30(土) 22:34:46.47 :RhgCLbg+0

貴音「良い訳が・・・」 

P「貴音!」 

貴音「良い訳がないのです!!」ポロポロ 

貴音「あいどるとして、皆と修練をしている時、てれびの収録をしている時、仕事で失敗して落ち込んでいる時など全てが輝く時間でした・・・!」 

貴音「どれもこれも手放すことは出来ない大切な思い出です・・・」 

貴音「これから先も色々な事があり、わたくしは更に輝く事ができるでしょう」 

貴音「ですが、ですが・・・!もう・・・もう、持たないのです・・・」 

貴音「私に残されている時間は、殆ど残っていません・・・」 

P「・・・・・・」 

貴音「嗚呼、心なしか手足が透けて参りました・・・」 

P「・・・たかね・・・」 

貴音「なんでしょう?プロデューサー」 

P「俺は、俺は絶対に忘れないぞ・・・例え、これが夢だとして、貴音が消えてしまって、みんなが夢から覚めて、みんなが貴音を忘れてしまっても」 

P「お前は、夢なんかじゃない・・・確かにお前はここにいた!」 

P「四条貴音はここにいたんだよ!」 

貴音「プロデューサー・・・・・・」 

P「貴音っ!お前はここで終わるヤツじゃない!消えてしまっても、絶対に探し出す!」 

P「何年、何十年かかってでも探しだす!そして、その時は、その時は・・・!」 

貴音「その時は・・・なんでしょう・・・?」 

P「今度こそ、Sランクのアイドルにする!全身全霊をかけてだ!」 

貴音「ふふ・・・それでこそ・・・わたくしが・・・お慕いしております、貴方様です・・・」 

貴音「もう・・・声が出しにくく・・・なってきました・・・」 

P「絶対だぞ!?お前も忘れるなよ!?」ポロポロ 

貴音「ええ・・・・・・わすれ・・・ません・・・よ」 

貴音「おまち・・・して・・・おります・・・・・・」 

貴音「あなた・・・・・・様・・・」スゥ 

P「たかねぇええええええええ!!!」 

P(そうして、号泣する俺の声と絶命を意味する音だけがこの病室にずっと響いていた) 


56 :2012/06/30(土) 22:38:24.71 :RhgCLbg+0

数年後、事務所にて 

P(貴音が消えて、上にも書いたけど、数年後だ) 

P(今じゃ響はSランクのトップアイドルだ、あの時協力してくれた伊織も準Sランクアイドルだ) 

P(あの後、貴音はまるで本当に最初からいなかったかのように何も聞かなくなってしまった) 

P(響と伊織はうっすらと面影はあるが、しっかりとは思い出せない) 

P(それ以外のメンツは、声を揃えて誰ですか?その人って聞いてきた) 

P「四条貴音・・・大丈夫だ、まだ覚えてる。顔も、声も・・・」 

響「プロデューサー?仕事いかないのかー?」 

P「ああ、今行くよ」 

P「さて、二人共、これを読んどいてくれ」パサッ 

伊織「なにこれ?」 

P「響と伊織のユニット計画だ」 

ひびいお「自分が!?(私が!?)」 

響「あれ?でも、ここにもう一人の欄があるぞ?」 

伊織「そうね、なにかしら、コレ」 

P「今、それを考えてるんだよなぁ、中々難しくて・・・」


57 :2012/06/30(土) 22:40:35.98 :RhgCLbg+0

響「そうだなぁ・・・んっ?」 

伊織「そうねぇ・・・あら?」 

P「どうしたんだ?二人共」 

伊織「にひひっ、行くわよ?響」 

響「だぞ!」 

ひびいお「えいっ!」ドンッ 

P「うおっ、なにすん・・・?」ドサッ 

??「響、伊織、ご協力感謝致します」 

伊織「私達、なんでアンタみたいな存在感のあるのを忘れていたのかしら?」 

響「ホントだぞ?自分なんか親友なのにうっすらとしか・・・」 

P「・・・・・・・・・」 

??「いかがなさいましたか?貴方様」 

P「3人目、見つけた・・・!」 

響「だぞ!」 

伊織「にひひっ♪」 

P「お前だ!『四条貴音』!」 

貴音「ええ、お引受けいたします。貴方様」ニコッ 




END


58 :2012/06/30(土) 22:44:58.45 :RhgCLbg+0

ということで、短いですが、終わりです~ 
夢がひとり歩きするっていう設定はとあるゲームから引っ張って来ました 

後日談は全く考えていませんが、要望があれば考えるかも? 

それでは、見ていただきありがとうございました

 
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1340954407