4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 22:01:22.58 :+/GHzKXl0

春香「…………」ズーーン 

春香「うぅ……帰って来たはいいけど…………どうしよう……」 

春香「…………気をつければ大丈夫かなぁ……」 

春香「……大丈夫…………かなぁ…………」 

春香「はぁあ…………なんでこんなことに……」ズーーン 

――― 

P「……春香たち、今日は遅いですね」 

小鳥「まぁ昨日まで旅行でしたし……まだ、疲れが残ってるのかもしれないですね」 

P「うーん……」 

小鳥「……あ、噂をすれば、みたいですよ?」 


ガチャ 


春香「お、おはよーございまーす!」 

P「おお春香、おかえり!」 

小鳥「お帰りなさい、春香ちゃん。中国旅行、どうだった?」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 22:08:46.62 :+/GHzKXl0

春香「あは、あははは……そりゃあもちろん楽しかったですよ!」 

P「そうかそうかぁ、そりゃよかった」 

小鳥「他の人たちはまだかしら?」 

春香「そ、そうですねぇ…………二人とも、だいぶ疲れちゃってたみたいですよぉ……」 

P「ふーん……大変だったんだなぁ」 

春香「そ、そんなことより……!お土産ですよ、お土産!」 

春香「事務所のみんなに、中国お菓子と、中国人形の置き物、買ってきたんです」 

小鳥「あらぁ、可愛いじゃない。……ありがとう、春香ちゃん」 

P「へぇ~こっちがお菓子か。……向こうのお菓子ってどんな味なんだろうなぁ」 

小鳥「食べてみますか?……私たちだけ最初に食べちゃっていいかしら?春香ちゃん」 

春香「どうぞどうぞ!いっぱいあるんで遠慮しないで下さい!」 

小鳥「そう。それじゃあお茶でも用意して……」 

P「……あ、小鳥さん。俺は水あるんでいいですよ」 

春香「小鳥さん、私手伝いますよ………………うわぁ!?」コケッ 


ドンガラガッシャーン


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 22:15:17.73 :+/GHzKXl0

――― 

?「……まさか……今時、水撒きのおばちゃんの水にかかるなんて……ね」 

?「漫画じゃあるまいし……ははは」 

?「……どうしようかしら。今からでも家に戻って…………」 

?「うーん……この距離だと765プロのほうが近いけど……」 


「あ、あのぉ……」 

?「ん?誰ですか……」 

?「………………あ」 

あずさ「……?あれ、ええとぉ……どこかでお会いしましたっけ?」 

?「え、いえ!?……し、知り合いに似てたので……ははは」 

?「な、何か御用でしたか?」 

あずさ「はい。……あの、765プロに行く途中で迷ってしまって」 

あずさ「……初対面で変に思われるかもしれませんが……あなただったら知ってるんじゃないかって……」 

あずさ「なんとなくそう思ったので……。765プロ、ご存知でしたでしょうか?」 

?「え、ええ……」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 22:20:44.55 :+/GHzKXl0

(……一緒について案内したほうがいいわね。あずささんだし) 

?「すぐ近くですから……こっちですよ」 

あずさ「あぁ……私なんかのために、わざわざありがとうございます」 

?「えーと……こっちですよ、ほら」 


ギュッ 


あずさ「!?」ボッ 

?「……?どうかしましたか?」 

あずさ「え!?い、いえ……なんでも……」 

あずさ「なんでも……ありません…………///」 

?「……?まぁいいや。手、離さないで下さいね」 

あずさ「は、はぃ……///」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 22:25:31.54 :+/GHzKXl0

(なんだか初めて会った気がしないわ……) 

(それに、とても大きくて安心する背中……) 

(声も落ち着いていて、心が落ち着くみたい……) 

(ひょっとして…………いいえ、きっとそうだわ……!) 

(この人が私の……) 

(運命の人!) 

?「…………!?」ゾワワワワ 

?「ひ……!?ど、どうかしましたか!?」 

あずさ「……い、いぇ……少し考え事を……///」 

(…………素敵な男の人……) 

(その……) 

(眼鏡の奥で光る瞳も、とっても綺麗です) 



律子(……ひいいぃ!?背中のあずささんから謎の悪寒をぉ……) 

律子(ど、どうしてこんなことにぃ……)


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 22:32:31.36 :+/GHzKXl0

――― 

男律子「こ、ここですよ……765プロ」 

あずさ「はい。ありがとうございます……///」 

男律子「そ、それはどうも……」 

あずさ「あの~、もしよろしければ……お礼にお茶でも、どうでしょうか」 

男律子「は、はは……そうですねぇ……」 


ガシャーン!! 


男律子「!?」 

あずさ「えぇ!?な、何事でしょうか!?」 

?「……ふん。この程度で我を御したつもりか、木偶が」 

男律子「あの声……まさか…………!」 


ガシャーン!! 


男律子「ヤバ……。あ、あずささんは事務所から離れて!私が見てきますから!」


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 22:37:42.09 :+/GHzKXl0

あずさ「え!?わ、わかりました……」 

男律子「そ、それじゃ!」 

ダッ 

あずさ「…………あら?」 

あずさ「私……あの人に名前教えたかしら?」 

――― 

ガチャ! 

男律子「は、春香!?」 

閣下「……おぉ、そなたか。今、無礼な振る舞いをするこやつ等に仕置きをしていたところじゃ」 

小鳥「ひ、ひいいぃ……」 

P「だ、誰!?ていうかこれは何、夢!?夢なら早く覚めて!」 

男律子「お、落ち着いて下さいプロデューサー……」 

男律子「……ハァ。…………給湯室、借りますね」 

閣下「なんじゃ終いか。せっかく灸を据えてやろうと思っておったのに」 

男律子「……いいから春香、こっち来て」


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 22:45:56.86 :+/GHzKXl0

――― 

P「春香たちが中国の池で溺れたってぇ!?」 

律子「しーーーーっ!向こうにあずささん居るんですから!」 

小鳥「で、でも……なんでこんなことに……」 

春香「す、すみませんでした。実は私のせいなんです……」 


――― 


ガイド「お客さんたち、ここが『呪泉郷』ね。入ると大変あるから、近づくだけで済ますよろし」 

律子「昔は修行場だったらしいけど、今は直通バスもあるのね~」 

ガイド「はは、でもここ、観光名所の中でも特に危険。お客さんたち変わり者ね」 

春香「えへへ……面白そうだったんで」 

律子「まったくもう。美希なんてバスの中から今までグッスリよ?」 

美希「んにゃ……あふぅ。池ばっかりでつまんないの」


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 22:53:23.88 :+/GHzKXl0

春香「ほら美希、こっちこっち」 

ガイド「お客さぁ~ん、くれぐれも入っちゃダメあるよぉー?」 

律子「ふ~ん……池によって効果がまったく違うのね」 

美希「看板中国語だけど……漢字だからミキにもわかるのっ」 

律子「ほぉ~、じゃあここの泉の名前は?」 

美希「えーとここは……阿……阿…………読めないの」 

律子「もうちょっと勉強が必要ね」 

美希「む~……」 


ドンガラガッシャーン 


律子「!?」 

美希「え!?」 

ガイド「アイヤー、お客さん言わんこっちゃない!」 

ガイド「そこの泉は『閣下溺泉』!」 

ガイド「その昔、『閣下』と呼ばれた高名な女傑が溺れ死んだ、悲劇的伝説のある泉ね!」


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 22:58:51.58 :+/GHzKXl0

美希「ぐーしあ、にーちゅあん……?」 

律子「で、でも……あくまで伝説でしょ!?それよりも春香を助けないと!」 

タッタッタ 

律子「春香、だいじょ 

グイッ 

律子「え!?」 


ポーン 

ヒュー…… 

ドボーン! 


閣下「……ふん。貴様のような下等な小娘に助けてもらうほど、朦朧しておらぬわ」 

美希「り、律子!……春香……本当に春香なの…………?」 

ガイド「た、ただの伝説なんかじゃないあるね!」 

ガイド「閣下溺泉……その伝説以来、この泉で溺れた者は……」 

ガイド「水を被ると、閣下と同じ性格になってしまうね!」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 23:04:49.14 :+/GHzKXl0

男律子「うぇ~、ゲホゲホ……いきなりなんだって言うのよ春香……」 

美希「!?り……律子ぉ!?」 

男律子「……何よ美希、何をそんなに…………」 

男律子「……え、私?」 

ガイド「アイヤー!こっちのお客さんは『男溺泉』に入ってしまったあるか!?」 

ガイド「その泉で溺れた者……水を被ると男になってしまうね!」 

男律子「お、おと……おと、こ……?」 

ペタッ 

男律子「む、胸が……ない………………胸板は厚いけど」 

ムニュ 

男律子「ひぃぃ……あ、『ある』!?無いはずのものが…………有る!?」 

美希「そ、そんな……!」 

美希「は、春香酷いの!今すぐ律子を元に戻すの!」 

ドゲシッ 

閣下「喧しい」


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 23:10:53.61 :+/GHzKXl0

ドッボーン 

美希「……」 

美希「……マーオ?」 

男律子「み、美希が猫に……」 

ガイド「そこの泉は『猫溺泉』!溺れた者、水を被ると猫になってしまうね!」 

閣下「ふんっ、愉快な姿ではないか」 

猫美希「……フシャー!」 

閣下「なんじゃ?毛を逆立ておって。……踏み潰してほしいのか?」 

男律子「が、ガイドさん……元に戻す方法は無いんですか!?」 

ガイド「うむ……呪泉郷で溺れて水を被り、姿形変わった者たち……」 

ガイド「お湯を被ることで、元の姿に戻ること可能ある」 

男律子「お湯……」 

ガイド「私たちいつもいる詰め所行けば、お湯手に入るね」 

男律子「わ、わかりました。すぐ持ってきます!」


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 23:21:45.32 :+/GHzKXl0

バシャ!バシャ! 

春香「……あううぅ…………」 

美希「……!?や、いや!?ミキ、なんで裸なの!?」 

律子「わああぁ~!が、ガイドさんすいません、向こう向いててください!」 

ガイド「あ、アイヤ、わかったね」 

………… 

律子「猫になると服も脱げちゃうから……元に戻るときは要注意ね」 

美希「うぅ~……濡れててベタベタするから着にくいのぉ……」 

春香「こ、怖かった……意識はあるのに自分でも自分を止められなくて……」 

ガイド(後ろ向き)「お客さん落ちた閣下溺泉、意識をはっきり持たないと閣下の人格暴走してしまうね」 

ガイド「精神力強い人、元の人格持ったまま、高圧的になるだけで済むね」 

律子「……だけで済む、っていうほど軽い症状でもないわね、それでも」 

ガイド「大丈夫、お客さんみたいにそこまで精神力強くない人でも、覚悟して水浴びれば、人格暴走しないある」 

ガイド「さっきみたいに不意に変身すると、閣下の人格強く出てしまうよろし」 

春香「……ていうか、元に戻りたいんですけど…………」


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 23:30:20.86 :+/GHzKXl0

律子「……ハッ!そ、そうですよガイドさん」 

律子「私は男の人が溺れた泉に入った……」 

律子「てことは……女の人が溺れた泉も存在するんじゃないですか!?」 

美希「そっか!そこに入れば、水をかぶって女の人になるから……元通りなの!」 

ガイド「……お客さん、中々鋭いあるね」 

ガイド「『娘溺泉』、確かに存在するね」 

春香「じゃ、じゃあ……そこに行けば……!」 

ガイド「でも今は無理あるよ」 

律子「な、なんで!?」 

ガイド「この呪泉郷、季節によって泉が枯れたり、逆に大量に湧き出たりするときがあるね」 

ガイド「娘溺泉は今がちょうど枯渇期にあるから……泉は枯れてて使えないある」 

春香「そ、そんな……!」 

律子「いつごろ……戻るんでしょうか」 

ガイド「それぞれの泉によっても変わるある。今だったら3ヵ月後くらいにはまた湧き出るね」 

美希「さ、3ヶ月……そんな長い間、中国にいられないの……」


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 23:37:23.07 :+/GHzKXl0

――― 

P「……で、結局どうしたんだよ」 

律子「しょうがないので……こちらの事務所の電話番号を伝えて……」 

律子「娘溺泉がまた湧き出たら、その時に連絡をもらうことにしました」 

小鳥「ってことは……あと3ヶ月は、みんなこのまま……」 

春香「あうぅ~……本当にすみません……」 

小鳥「ぷ、プロデューサーさん……どうしますか?」 

P「うーーーん…………」 

律子「この話は、今のところ私と春香と美希」 

律子「あと今話した小鳥さんとプロデューサー以外には伝えてません」 

律子「可能ならば……変身体質は隠したまま過ごしたいんですが……」 

P「……まぁ律子はな。にわか雨とか、……その、今朝の漫画みたいな出来事とか……」 

P「そういうのさえ無ければ、多分大丈夫だろう」 

P「…………問題は春香と美希だよ」 

春香「……あ、あはははは…………」


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 23:45:03.25 :+/GHzKXl0

律子「そうなんですよ……不意に水を被らなきゃそこまで暴走しない、とは言っても……」 

小鳥「日常で水を被る機会なんてないものね……」 

P「それこそ、今朝の春香みたいな状況じゃないと」 

春香「な、なるべく……なるべく、気をつけます!」 

P「……水を被ることになったら、いち早く覚悟して変身してくれ」 

春香(被ること前提ですかぁ…………酷い、プロデューサーさん) 

律子「……あと美希もですよ」 

律子「美希もそういう危なっかしいところがありますけど……」 

律子「あの子はそれ以上に、変身体質を忘れて行動する可能性があります」 

P「う……確かに」 

小鳥「ためらいなくプールに飛び込みそうですよね……」 

律子「そんで水面に飛び込む直前に思い出すタイプです」 


P・小鳥「ウンウン」 


春香(……そもそも美希ってば遅いなぁ。何してるんだろう……)


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/17(火) 23:53:20.68 :+/GHzKXl0

コンコン 

あずさ「あの、みなさーん?」 

P「はい、何でしょう?あずささん」 

あずさ「いえ、あの……事務所の前に、猫ちゃんがいて……」 

あずさ「私が近づくと逃げちゃうんですけど……事務所から離れようとしないんです」 

律子「…………毛並みは?」 

あずさ「毛並みですか?……黄色と茶色と、ライムグリーンの三毛猫ちゃんでした」 

あずさ「うふふ、珍しい色の猫ちゃんですよね」 

小鳥「…………」 

P「…………もしかして……」 

律子「もしかしなくてもそうです。……今、連れてきます」 

――― 

猫美希「マーオ、マーオ」 

小鳥「か、可愛い!!可愛すぎるわ美希ちゃん!!」 

P「これが……本当に美希なのか」


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 00:01:08.27 :1Tve+RNl0

春香「……あ、お湯が用意できたみたいですよ」 

P「やれやれ……」 

P「おーし、美希。今元に戻してやるぞー」 

トポポ 

猫美希「ンニ゛ャ!?」 

サッ 

バシャ 

P「あれ?」 

小鳥「み、美希ちゃん、なんで避けちゃうの!?」 

律子「人の話聞いてましたか!?」 

律子「服着てないから、いま元に戻ったら裸になっちゃうでしょうが!」 

P「…………あ、そうか。ごめん」 

小鳥「でも……じゃあどうしましょう」 

律子「ジャージなら更衣室に行けばありますよ。……あとプロデューサー殿はここから出て!」 

P「そ、そうですね!」


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 00:12:06.08 :1Tve+RNl0

ホカホカ 

美希「うぅ~……律子、さん。ありがとうなの」 

律子「どういたしまして。……いつまで素っ裸でいるの。ほら、早く着替えて」 

美希「はーい」 

春香「……美希はこれから、事務所に着替え置いておいたほうがいいかもね」 

美希「うん、そうするの」 

小鳥「ていうか、なんで猫のまま事務所に来ちゃったの?」 

美希「えーとね……ここに来る途中で、男の人が二人、何かけんかしてたの」 

春香「それで?」 

美希「けんかの理由はわかんなかったけど……おさげ髪の人が、バンダナ巻いた人に水をバシャーってやってて……」 

美希「物凄い勢いで振り回してて、美希もそれに当たっちゃったの」 

律子「何それ……よくわからん喧嘩ねー。あんたも災難だわ」 

美希「ホントなの!猫ちゃんのまま文句言おうとしたけど……気付いたらどこかに行っちゃってたの!」 

春香「それで、事情を知ってる私たちが居ると思って事務所に……」 

美希「あはっ☆そーゆーことだよ」


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 00:20:33.52 :1Tve+RNl0

律子「でも何もあずささんから逃げんでもいいでしょうに」 

美希「それは……やっぱり、律子、さんとか春香とか……」 

美希「ちゃんと知ってる人以外には、絶対知られたくないから……」 

小鳥「えぇ~……あんなに可愛いのに……」 

律子「……小鳥さんは置いといて……まぁあずささんなら受け入れてくれるでしょうけど……」 

律子「何かの間違いで亜美真美の耳に入ったりしたら……」 

春香「」コクコクコク 

小鳥「そっか……じゃあ事情を知ってる人は、最小限にとどめておくべきってことね」 

律子「はい、おねがいします」 

美希「あ……ミキ、変身してからずっと道に置きっぱなしだから……服、拾ってくるね」 

律子「気をつけなさいよー」 

――― 

あずさ「あぁ、今朝のあの人はどこへ行ってしまったんでしょう……」 

あずさ「私の……運命の人……///」ポッ


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 00:25:09.81 :1Tve+RNl0

――― 

律子「……!?」ゾワワワワ 

春香「律子さんどうしたんですか?」 

律子「い、いや……何か……あってはならない感情を受信してしまったような……」 

春香「?」 

――― 

タッタッタ 

美希「あ、ミキの服みーっけ!」 

美希「む~……やっぱり道におきっぱだったから汚れてる……ハァ、しょうがないの」 


ザッバーン 


美希「……ん?」 



猫「ニィニィ……」 

美希「あれ、猫さんだ。溺れてるのかな……助けるの!」


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 00:34:13.86 :1Tve+RNl0

美希「……ハッ!?」 

美希「あ、危ないところだったの……水に入ったらまた……」 

美希「えーーと…………うーん…………」 

美希「……んもー!しょうがないの!」 

タッタッタ…… 

美希「猫さん大丈夫!?こ……この服に掴まるの!」 

猫「……マオ?……ンニャー」 

タシッ 

グイッ 

美希「ふぅ~……これで一安心なの……」 

美希「でも服が…………ううん!猫さんが助かったんだから……これでいいの!」 

猫「ンニャー、マーオ♪」 

美希「慰めてくれるの?ありがとう、猫さん……白くて可愛いね」 

猫「ンナーゴ♪」


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 00:43:20.42 :1Tve+RNl0

――― 

律子「……じゃあそういう訳で…………」 

春香「しばらく律子さんは竜宮と……私と美希のプロデュースも兼任する……」 

春香「い、いいんですか?それってすごく大変なんじゃ……」 

律子「知らないところで閣下になられる方が大変だわ」 

春香「そ、それはそうですけどぉ……」 

律子「幸い、私の場合は水被っても男になるだけよ」 

律子「お湯被って元に戻るのにも、特に支障はないわ」 

律子「でもアンタらはもし水被ったら、とんでもないことになるでしょうが」 

春香「は、はいぃ……」 

律子「3ヶ月間、これもプロデュース業の修行だと思って、何とかするわよ」 

春香「す、すみません……」 

律子「……んもー、元気出しなさいよぉ春香」 

律子「中国に居る間……とりあえず閣下の状態でも、私なら打ち解けられるようにはなったんだし」 

律子「私がついてれば、そんな大事にはならないはずよ」


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 00:54:15.80 :1Tve+RNl0

――― 

翌日 

春香「今日は室内でのゲーム番組の収録……ですね、律子さん」 

律子「一応、昨日のうちに『水着グラビア』とかの仕事は全部キャンセルしといたわ」 

律子「竜宮は伊織に任せて、美希は事務所でレッスン……小鳥さん付きでね」 

春香「ふぅ……大丈夫でしょうか」 

律子「大丈夫じゃなきゃ困るわよ。……しばらくは、これで何とかなりそうね」 

春香「はい……と、とにかく……水だけは被らないようにします!」 

律子「……期待して見守ってるわ」 


――― 


天の声「ここまでの得点……女性アイドルチームが340Pt、男性アイドルチームが360Pt」 

天の声「非常に接戦であります。……次の対決は、『激烈山手線ゲーム』!!」 


ワーワーパチパチ


72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 01:02:09.11 :1Tve+RNl0

天の声「ルールは通常の山手線ゲームですが……」 

天の声「両チームの方々の頭上には、巨大な風船があります」 

天の声「制限時間をオーバーして、風船を割ったチームが負けとなります」 


天の声「さぁ、風船が膨らむプレッシャーに耐えられるか……最初のテーマは『少年サンデーの連載漫画』です!」 


――― 

律子「あの風船の中ってまさか……」 

律子「いや、まさか……ねぇ?」 

――― 

春香「えぇと、名探偵コナン……は言ったし……『犬夜叉』!」 

ピンポーン 

冬馬「……『神のみぞ知るセカイ』」 

ピンポーン 

――― 

律子「まさか……ねぇ?」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 01:09:13.30 :1Tve+RNl0

天の声「さぁ、いよいよ4周目に入りましたー」 

春香「えーとえーとえーと……タキシード銀……は言ったから……えーと……」 

春香「あれー、なんだっけなぁ……ま、まずいまずい……!」 

冬馬「……ハッ、もう終わりだな」 


ドパーンッ! 


春香(……!来る!) 

ザバーッ 


杏「うぇ~……びしょ濡れだよおい……」 

愛「あ、あはは……春香さん、ドンマイです!」 

天の声「ああーっと!特性、水入り巨大風船の餌食となったのは、女性アイドルチームだったぁ!」 

――― 

律子「はぁあ~……やっぱりかぁ……どうしようかしら……」 

律子「……とりあえずお湯は用意しておきましょう」


77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 01:18:19.87 :1Tve+RNl0

――― 

冬馬「ふっふっふ……天海春香、そのずぶぬれ姿がお前にはお似合いだよ」 

愛「そ、そんなことないですよ!……ね、春香さん!?」 

閣下「……」 

閣下「……ククク……童が随分と吠えるではないか」 

愛「……は、春香さん!?」 

閣下「よかろう。お主の汚辱に塗れた顔が見とうなったわ」 

冬馬「……は?なんだお前急に……どうした?」 

閣下「ククククク……」 

杏「おい……お前、こんな時に邪気眼してどーするんだよ」 

閣下「喧しい。……小娘ども、貴様らも協力しなければただでは済まさんぞ?」 

愛「はい!なんかよくわかんないですけど、わかりました!」 

――― 

律子「……暴走はしてないみたいね。…………あとはお湯をかけるタイミングだけど……」 

律子「このスタジオの給湯室ってどこよ……」


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 01:26:59.67 :1Tve+RNl0

天の声「最後の対決は『激烈もぐら叩き』~!」 

天の声「制限時間内に叩いたもぐらの数が、そのままポイントとなります」 

天の声「なお、女性アイドルチームには女性用ハンデとして―――」 


閣下「おい小娘ども。お前たちは始まったらすぐに後ろに下がっておれ」 

愛「えっ!?」 

杏「はぁ~?動かなくていいんならいいけど……お前一人でどうする気だよ?」 

閣下「むしろお前たちが居るほうが危なくてかなわん。我一人に任せておけ」 

杏「協力って言うのか?それ」 

閣下「ああ……我が最大限の力を発揮できる場所を与える……それも協力の内じゃ」 

愛「な、なんか……いつもと違うけど、春香さんがすごくかっこいいです!」 


天の声「ではゲームスタート!」 

カーン 

閣下「」シュババババババババババ 

冬馬「ブッー!な……なんだアイツ……速すぎるだろ!?」


82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 01:34:38.34 :1Tve+RNl0

――― 

ガイド『閣下溺泉……実は性格だけじゃなく、閣下の身体能力もそのまま受け継ぐね』 

ガイド『閣下呼ばれた女傑は、中国でその名轟かせた格闘技の達人だたよ』 

ガイド『だからこそ、閣下の人格が暴走したりすると大変なことになるね』 


律子「……って言ってたけど……ありゃあ確かに凄いわ」 

――― 

春香「」シュババババババババ 

男性アイドルA「な、なんだよアレ……」 

男性アイドルB「人間技じゃねえよ……」 

冬馬「お、おいお前ら!何ボーッとしてんだよ!体動かせって!」 



杏「うわー、えげつねー……」 

愛「春香さーん!頑張ってくださーい!」


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 01:44:39.54 :1Tve+RNl0

天の声「しゅ、しゅーりょー……」 

天の声「た、ただいまの得点……男性アイドルチーム、240Pt……合計700Pt」 

天の声「女性アイドルチーム……ご、5060Pt……合計が……5450Pt……」 


ザワザワ……ザワザワ…… 


天の声「よ、よって……優勝は、女性アイドルチームのみなさんです!」 

閣下「ふむ……やはりこの小娘の体では実力も上手く発揮できんのぉ」 

閣下「ま、良しとするか」 


冬馬「…………」ワナワナ 

――― 

冬馬「何しやがった!?おい、答えろよ!」 

春香「す、すみませぇえん……」 

律子「負けたからって、うちのアイドルに因縁をつけるのは止めてもらえますか?」 

冬馬「ふざけるな!あんなの誰が見たって異常だろうが!」


84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 01:50:43.17 :1Tve+RNl0

律子「そうは言っても……事実は事実ですし、受け入れてもらうしかありませんね」 

冬馬「こ、この野郎……!」 

春香「す、すみません、すみません!」 

冬馬「……テメェも何なんだよ。さっきまであんだけ偉そうな口たたいといて、急にぶりっ子か、おい?」 

春香「い、いえ!そういうわけじゃなくて……」 

春香「あれは私じゃないっていうか……私だけど私じゃないようなもので……」 

冬馬「はぁ?」 

律子(春香、あんまり口を滑らすとマズイわよ) 

春香(は、はい……) 

春香「きょ、今日はすみませんでした!」 


冬馬「あ、おい待て!…………クソッ」 


――― 

春香「はぁ~……暴走しないで済んだけど……やっぱり変身したら気が強くなりすぎちゃうし……」 

律子「上手いことコントロールできればいいんだけどねぇ……」


86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 01:59:59.79 :1Tve+RNl0

春香「と、とりあえず……気分を落ち着かせるために水でも……」 

コケッ 

春香「あ」 

律子「あ……あーあ」 

律子「…………またお湯借りなきゃ……」 

――― 

閣下「おい、そこの童」 

冬馬「……まだ何か用があるのかよ」 

閣下「また突っかかって来られても困るのでな。こちらから灸を据えに来てやった」 

冬馬「……はぁ?お前何言って 

ヒョイッ 

ドサァッ! 

冬馬「……は?…………え?」 

閣下「……お主は地べたに這い蹲る姿がお似合いじゃな」 

冬馬「……え?何で?え?」


87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 02:08:27.31 :1Tve+RNl0

閣下「今後、下らぬことで我に突っかかって来るでないぞ?」 

グリィッ 

冬馬「いぎいっ!?そ、そんなとこ踏むな……踏むなぁ!」 

閣下「…………ハァ」グリグリ 

閣下「返事はどうしたのじゃ?」 

冬馬「ひぎぃ!あ、……ぎ、ぎいぃ……」 

閣下「…………」グリグリ 

閣下「つまらんな……このまま潰してしまおう」 

ググッ…… 

冬馬「ひ、ひぃ!?や、やめます!やめますやめますぅ!」 

閣下「……ふ、それでよい」 

スタスタスタスタ…… 



冬馬「ひ、ひぃ……ひぃい……」ガクガクガクガク 

翔太「……冬馬君、なんでこんなとこで寝っころがってるの?」


89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 02:18:18.67 :1Tve+RNl0

――― 

翌日 

律子「も~美希……なんでこう、事務所に来るだけで猫になっちゃうのよ……」 

猫美希「マーオ……」 


トポポポポ 


美希「ふぅ……今日もけんかにまきこまれちゃったの」 

律子「はぁ」 

美希「なんかすごくハワイアンな人がいて……竹刀持った人とけんかしてたの」 

美希「ハワイアンな人が椰子の実の形した爆弾みたいなの投げたら、水道管が破裂しちゃって……」 

律子「……ここってそんなに治安悪かったかしら」 

美希「道に落ちちゃったから……また服、取ってくるの」 

律子「私も一緒に行くわ、美希」 

美希「いいの?」 

律子「そんな危ない人がいるとこに、美希一人で行かせられないわよ」


92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 02:26:38.14 :1Tve+RNl0

美希「律子……うん、ありがとうなの!」 

律子「さん、を付けなさい」 

美希「えへへ……」 

――― 


ガァー、ガァー! 

美希「あ、カモさんだ」 

律子「あれはアヒルよ。……ってメガネしてるわね。どこかのペットかしら」 

美希「あ、でも行っちゃったみたい」 

律子「……治安が悪いと言うか……変な人や動物が多い町なのねぇ」 

――― 

美希「あれ、事務所の前に誰かいるよ?」 

律子「ほんとだわ……あれ?昨日の番組のスタジオで見たわね」 

美希「知ってる人なの?」 

律子「いや……顔は見たけど、スタッフさんだったかどうかは……」


94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 02:37:22.71 :1Tve+RNl0

――― 

律子「は、春香を格闘大会に出場させるぅ~!?」 

ディレ「は!私、『強いアイドル』を探して全国津々浦々を巡っております」 

ディレ「『アイドル・バトル・アルティメイト』のディレクターでございます」 

律子「アイドル・バトル・アルティメイト……IBUのディレクターが直々に……」 

美希(……律子、さん。それってそんなにスゴイ大会なの?) 

律子(……ええ。美希たちには縁が無いでしょうけど……これもアイドル・アルティメイトに並ぶ超大規模な大会よ) 

律子(優勝者は……例えば、スポーツ用品ブランドのスポンサーから引く手数多だし) 

律子(場合によっては、IU以上の名声を勝ち取ることも可能な大会よ) 

ディレ「今や可愛いだけのアイドルでは古い!これからは『可愛くて強い』アイドルが求められる時代」 

ディレ「そこで、有望なアイドルを見つけ、大会に出場させたいと考えていた折に……」 

ディレ「昨日の春香さんの超人的な運動神経に、目をつけさせていただきました!」 

ディレ「ぜひとも、春香さんにも参加していただいて、IBUを盛り上げて欲しいのです!」 

美希(……だってよ、律子、さん) 

律子(そう、ねぇ…………)


96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 02:45:35.13 :1Tve+RNl0

律子「…………」 

律子「春香が参加するかどうか、は置いておいて……」 

律子「それで言えば……うちの菊地真、なんかはどうでしょうか?」 

ディレ「ああ、菊地さん!いいですねぇ。今回お伺いした一番の目的は春香さんだったんですが……」 

ディレ「実は、菊地さんにも参加してもらおうとは考えていたんですよ」 

律子「あ、そうだったんですか」 

ディレ「はい~。元々は別の日に伺う予定だったんですが……」 

ディレ「昨日のアレを見せられて、いてもたってもいられなくなりましてねぇ」 

律子「ふーむ……」 

ディレ「……どうでしょうか?」 

律子「……とりあえず、時間を下さい。本人たちにも確認して、それからご連絡差し上げます」 

――― 

真「IBU!?もちろん出場するに決まってるじゃないか!」 

律子「……ま、だろうとは思ってたわ。念のためね」


99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 02:54:07.10 :1Tve+RNl0

千早「私は断固反対ですっ!春香をそんな危険な大会に出場させるだなんて……!」 

春香「ち、千早ちゃん……落ち着いて、ね?」 

千早「これが落ち着いていられるわけないでしょ、春香!?」 

千早「大体、なんで春香なんですか!?」 

律子「え、えーとね……あはは……話せば色々と長くなる事情が……」 

千早「はぁ、事情?」 

律子「……春香、千早にだったら、大丈夫かしら?」 

春香「え、あ、うん……大丈夫です律子さん」 

真「……?何、何が?」 

美希「あ、あは~……真君は、ミキとちょっとお買い物に出かけよ!」 

真「え?今?」 

美希「み、ミキ、美味しいババロアが食べたいの!……ね!」 

真「わ、わかったよ美希……」 

律子(よし、よくやったわ美希!後でボーナスおにぎりあげるわ!) 

千早「…………どういうことなの?」


100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 03:03:16.76 :1Tve+RNl0

――― 

千早「……冗談もいい加減に……って」 

千早「律子のその姿見せられたら……言えないわね」 

男律子「……飲み込みが早くて助かるわ」 

千早「ご、ごめんなさい……その姿で女言葉は……プ、クク……」 

男律子「……まぁ、自分でも違和感バリバリだけどさぁ」 

春香「ち、千早ちゃん。そういうことなんだ……」 

千早「……でも私は反対よ。水を被って強くなろうと、春香は春香だわ」 

千早「私は……大事な親友に、危険な目にはあって欲しくない」 

春香「千早ちゃん……」ジーン 

律子「ハァ~やれやれ……」 

律子「ちなみに聞くけど……春香自身は、どうなの?」 

春香「私、ですか?」 

律子「ええ。最終的には春香に決めてもらうしかないわけだし」 

春香「私は…………」


101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 03:12:32.34 :1Tve+RNl0

春香「……挑戦、してみたい」グッ 

千早「ちょ……春香、あなた自分が何言って……!」 

春香「わかってる!わかってるよ千早ちゃん!」 

春香「でも私……今まで、一番になったこととか無くて……」 

春香「何のとりえも無いって思ってきたから……」 

春香「たとえ変身した状態でも……一番を取れれば、何かが変わるんじゃないかって……」 

春香「だから私、挑戦してみたいの!」 

律子「…………」 

千早「な、何考えてるのよ……春香!」 

千早「もし試合中にお湯でも被って変身が解けたら……」 

春香「その時はまた水を被るようにするよ。被れないで負けたら、そこまでだったんだって思うことにする」 

千早「か、閣下の状態でも勝てないくらい強い人が出てきて、春香の身体に傷がついたら……」 

春香「……どんな分野でも、1番を取るためにたくさん傷つくのは覚悟してるよ」 

千早「そ、そんな……!」


102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 03:21:40.57 :1Tve+RNl0

律子「いいでしょ千早、本人がここまで言ってるんだから」 

千早「……イヤ!私には納得行かない!……春香を……誰からも傷つけたくない!」 

春香「千早ちゃん……」 

律子「……埒があかないわね」 

バシャ 

千早「!?」 

閣下「……いきなり何をするか」 

律子「千早ちゃんを説得してください、閣下」 

千早「んな!?」 

閣下「ククク……小娘がよくもまぁ、厚かましいものよ」 

閣下「……ま、我の余興を他人にどうこうされるのも癪だからな……」 

キッ 

千早「!?」ビクッ 

閣下「そこの貧乳小娘、引き際を考えぬ意固地な女は死期が近づくぞ?」 

閣下「……ついでに、身体の成長も阻害されるかのぅ」


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 03:29:47.49 :1Tve+RNl0

千早「くっ!?……わ、私の胸のことは関係ないでしょう!?」 

閣下「フフフフ……下らんことで熱くなりおって」 

グイッ 

千早「きゃっ!?」 

閣下「良いか?我が負けることなど断じて有り得ぬ。その身体に証拠を刻み付けてやっても良いのだぞ?」 

千早「ひ……」 

閣下「クク、この程度で身体を鳴かせおって……」 

千早「や、いやぁ……」ジワァ 

閣下「どうじゃ?我に従うか?」 

千早「……」コクコク 

閣下「……ふ、他愛も無い」 


トポポポ 

律子「じゃ、春香も出場決定で」 

春香「ご、ごめんね、千早ちゃん……」


104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 03:39:02.38 :1Tve+RNl0

千早「…………」 

千早(さっき、春香に……閣下に、急に見つめられたとき……) 

千早(そして、力ずくで説き伏せられていたとき……) 

千早(なんか、こう……) 

千早(……新しい扉が……開いたような…………///) 

――― 

響「おー、IBUの特集やってるぞー」 

伊織「優勝候補の特集で……真っ先に春香が取り上げられるなんて……」 

亜美「うぅ~ん、最近のはるるんってちょっと怖いときあるもんねー……」 

響「そうだなぁ。春香があんなに運動神経良いなんて知らなかったぞ」 

伊織「……あの春香がねぇ…………」 

亜美「千早おねーちゃんも最近怖いよね」 

響「……春香が怖いときだけ、異常に近づくんだよなぁ……」 

伊織「あの春香が千早を組み伏せるのも驚いたけど……」 

響「……うん、千早がわざとそうなるために近づいてるように、見えるんだよなぁ……」


106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 03:47:34.29 :1Tve+RNl0

響「……お、961プロも参戦表明だってさ」 

亜美「あそこに強い女の人なんていたっけ?」 

伊織「……『シャンプー』?聞いたことないわね」 

亜美「うわぁー!でもすっごく綺麗だよ!」 

響「ほんとだなぁ。しかも強いって……どれくらい強いんだ?」 


アナ『シャンプーさん、IBUの意気込みのほどは?』 

シャンプー『私、アイドルのことはよくわからないけど……強い人間居たら倒す。それだけのことね』 


伊織「キツそうな性格してるわねー」 

亜美「いおりんがそれ言っちゃうんだ」 

伊織「……どういうことよ」


110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 03:55:11.57 :1Tve+RNl0

――― 

真『どれだけ出来るかはわからないですけど……ベストを尽くします!』 


亜美「まこちんかっこい~」 

伊織「真も優勝候補の一角なのねぇ」 


MC『えーでは来るべき大会に向けて、ここでルールのおさらいをしておきましょう』 


①大会はトーナメント方式で争われる 

②顔面・頭部への攻撃はNG、ボディーは可 

③武器は使用可能だが、刃物と銃火器系はNG 

④ダウンして10カウント以内に立ち上がれない場合はKO 

⑤KOで勝負が付かない場合は判定へ 

⑥KO・判定、どちらの場合においても、「美しさ」が最重要項目となる 

⑦試合中に美しくない攻撃を行った場合、KO勝ちをした場合でも失格となる 

⑧相手への有効打が少ない場合でも、試合中の振る舞いが美しい場合は判定で有利になる


111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 04:04:36.31 :1Tve+RNl0

伊織「見れば見るほど、とんでもないルールよねぇ……」 

亜美「えーとね、『格闘流アイドルコンサート』って提唱してるんだってさ」 

響「……どこにコンサートの要素があるんだ…………」 

亜美「お客さんの前でやってるからじゃない?」 


――― 


黒井「いやぁ~シャンプーちゃん!インタビューもバッチリだったよぉ!」 

シャンプー「このくらい当然ね。それより黒井社長、約束覚えてるあるか?」 

黒井「もちろんだとも。シャンプーちゃんが優勝した暁には……」 

黒井「中国の呪泉郷にある『男溺泉』、いくらでも汲み出してきてあげようじゃないかぁ!」 

シャンプー「……それならいいね。私、絶対優勝してあげるよ」 

黒井「ああ、頼んだよぉ」 

シャンプー(負けられないね……!) 

黒井(中国仕込みの技術は本物だ……彼女さえいれば今年のIBUは貰ったも同然だな……)


112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 04:13:52.64 :1Tve+RNl0

黒井(……そうだな。念には念を入れておくか) 

シャンプー「……?黒井社長、どうしたね?」 

黒井「いや、なんでもないよシャンプーちゃん……」ニヤリ 

――― 

P「ま、真ぉ!どうしたんだその足!?」 

真「へ、へへ……すいません」ヒョコッ 

真「なんだかフラフラ運転してる危ない車がいて……慌てて避けたんですけど……足ひねっちゃいました」 

P「あ、足って……大丈夫なのか!?ちゃんと歩けるのか!?」 

真「も、も~……全治2週間くらいで、ちゃんと歩けるようになれますよ」 

P「そうか……よかったぁ……」 

雪歩「で、でも真ちゃん……明日はIBUの大会の日なのに……」 

真「しょうがないよ……運も実力のうちさ」 

真「そりゃあ悔しいけど、前日に怪我するなんて……ボクの実力が足りなかったってことだよ」 

雪歩「そ、そんな……!」


113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 04:22:23.16 :1Tve+RNl0

春香「真……」 

真「春香、ボクの分も頑張ってきてくれ。頼むよ」 

春香「う、うん!」 

律子「…………」 

美希「……?律子、さん……?」 

――― 

IBU当日 

律子「いい?美希……何食わぬ顔で961の控え室に行って……情報を集めてくるのよ?」 

猫美希「マーオ!」 

律子「きっと真の怪我も黒井の仕業だわ。……ま、そうでないとしても、情報収集はしておかなくちゃね」 

律子「相手の黒い情報を入手できれば良し、シャンプーの情報を集められればそれも良し!」 

律子「……大丈夫ね?」 

猫美希「マーオ!」 

律子「よし、いい返事よ。……おかかのたっぷり入ったおにぎり、作って待ってるわ」 

猫美希「フニャー!ニャンニャニャン!」


115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 04:30:17.44 :1Tve+RNl0

タッタッタ…… 

律子「……さて」 

バシャッ 

男律子「美希だけじゃ不安だから……私もやるだけのことはやらないとね」 

――― 

765プロ控え室 

閣下「……足りん」 

ゲシッ 

千早「も、申し訳ありません閣下!」 

閣下「足の指圧はもっと力を入れるようにと申したであろうが。なんだその力は、赤子か」 

千早「も、もっともっとですね……!」 

グイグイグイグイ 

閣下「おお、そうじゃそうじゃ。非力で貧乳の割にはやりおるではないか」 

千早(くっ……良い様に言われ、言い様にこき使われているというのに……) 

千早(な、なんだか気持ちいい……!)


116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 04:39:25.63 :1Tve+RNl0

――― 

961プロ控え室 

猫美希「…………ンニャ」 

サササッ 

猫美希(……まだ誰も来てないみたいニャの) 

猫美希「……ニャ?」 

黒井「……何、まだ来れない?試合は1時間後だぞ!?」 

黒井「出前って……大会を何だと思ってるんだ!」 

黒井「本当に間に合うんだろうな……。……よし、きっちり聞いたからな」 

黒井「……何?お湯を用意しておけだと?」 

黒井「……まぁいい、わかった。用意させよう。遅れたら話にならんのだ……わかったな!?」 

ピッ 

黒井「ハァまったく……。シャンプーのヤツめ、こんな日にまで出前のバイトなど……」 

黒井「しかし何故にお湯を……まぁいいか。……おい、手のあいている者、給湯室でお湯を沸かしておけ!」 


猫美希「…………フニャア?」


125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 06:06:55.84 :1Tve+RNl0

――― 

MC「さあ始まりました、アイドル・バトル・アルティメイト!」 

MC「最も美しく、最も強い女性は誰なのか……それが今日決定致します!」 

MC「各地方・各事務所から集まった、美しさと強さを備えたアイドルたちが、リング上で繰り広げる舞の数々……」 

MC「みなさんには、そんな『格闘流アイドルコンサート』を心行くまで楽しんでいってもらいたいと思います!」 

ウオー、オー 

閣下「……ふ」 



男律子「春香、ていうか閣下……は大丈夫そうね」 

男律子「さて、と……」 


MC「……ルールは以上となります!」 

MC「では早速一回戦から始めて行きましょう!一回戦、第一試合のカードは―――」


126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 06:18:03.02 :1Tve+RNl0

男律子「美希~、美希ちゃんどこかな~?」 

警備員「……ん?君は関係者かね?」 

男律子「はいそうですよー。ほら」 

警備員「……む、『冬月律』……よし、わざわざ呼び止めてすまなかったな」 

男律子「いえいえ、それでは」 


男律子「ふぅ、小鳥さんに感謝しないとね……」 

男律子「まぁこのテの許可証なんて、そこまで詳細な戸籍を聞かれるわけでもないものね」 

男律子「美希~、お湯と着替えとおにぎり用意してきたよ~」 

――― 

シャンプー「シャンプー、ただいま到着ある」 

黒井「まったく余計な心配をかけさせおって……」 

黒井「ほれ、お湯も用意しておいたぞ」 

シャンプー「わぁ、黒井社長感謝ね。……でも使わないで済むのが一番ね」 

黒井「……?何のことだ?」


128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 06:28:26.84 :1Tve+RNl0

――― 

MC「つ、強い強い!」 

閣下「その程度の力で我に叶うはずが無かろうが、木偶め」 

MC「わずか一瞬!わずか一瞬の出来事でありました!」 

MC「ゴングとともに的確に急所を突き、一瞬で相手をリングに沈めましたぁー!」 

MC「強さ、美しさ、ともに文句なし!一回戦、第七試合の勝者は765プロ所属、天海春香さんでーす!」 

ワーワーパチパチ 


あずさ「あらぁ、春香ちゃんは勝てたのね。よかったわぁ」 

あずさ「……でも困りましたぁ……ここはどこなんでしょうか……」 

あずさ「…………あら!?…………あ、あの人は……」 


男律子(うーん、961の控え室前まで来たはいいけど……) 

男律子(美希ってば、もう765の控え室まで帰ちゃったのかしら) 

あずさ「あ、あの……!」 

男律子「…………げ」


156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 13:08:00.61 :1Tve+RNl0

あずさ「まさか……こんなところでまた会えるなんて……///」キラキラ 

男律子(や、やばい……この状態の時にあずささんに会うと、なぜか悪寒が……)ゾワワワ 

あずさ「すみませんが……あの時のように、また道案内をしていただけないでしょうか?」 

男律子「道案内……ね。はは、は……そのくらいならお安い御用ですよ……はは」 

あずさ「本当ですか?ありがとうございます……!」 

ギュッ 

男律子(ひ、ひー……!なぜか人肌以上の熱を手のひらから感じるぅ……) 


?「どういうことなんだキミ!?説明したまえ!」 

ディレ「す、すみません……!しかし、実力は確かなので……なにとぞ……」 

?「強くて可愛ければ誰でもいい、というその考えは何とかしたまえ!」 


男律子(……うちにスカウトに来たディレクターの声?) 

男律子「……ちょっとすいません」 

グイッ 

あずさ「え……えぇ!?こ、こんな、こんな所で抱き寄せるだなんて……///」


159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 13:18:21.56 :1Tve+RNl0

男律子「……しばらくじっとしてて下さい」 

あずさ「は、はいぃ……///」ドキドキドキドキ 



?「いくら実力主義の大会とは言ってもな、スポンサーやマスコミの手前、素人を参加させるわけにはいかんのだよ!」 

?「前日に棄権者が出たからと言ってだな……芸能事務所にも所属してない者はアイドルとは呼べんだろうが」 

ディレ「そ、それなんですが会長……!一応、昨日付けで突貫的に事務所所属にはしておきました!」 

会長「本当か?……どこの事務所だ?」 

ディレ「えー……昨日、彼女がいきなり事務所に押しかけてきまして、参加をしたいと……」 

ディレ「容姿も端麗で、実力を見たところ、優勝候補に匹敵する力の持ち主だったものですから……」 

ディレ「それで急遽、各事務所に連絡をとって在籍させられるかを確認していました」 

会長「前置きはいい。結局、どこ所属になったんだ?」 

ディレ「ちょうどアイドルが不足していた……とのことで、876プロに。石川社長も快諾してくださいまして」 

会長「ふぅ、そうか。……スカウトに熱を入れるのはいいが、余計なトラブルは避けてくれよ?」 

ディレ「は、はい……。申し訳も……」


160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 13:28:56.49 :1Tve+RNl0

男律子(……昨日の棄権者……真のことかしら) 

男律子(876プロ所属……か。昨日のことだけど……涼には連絡行ってるかしら?) 

あずさ「はぁあ~……///」 

あずさ(なんだか……抱きしめられていると、すごく暖かい気持ちになってしまいます~……) 

あずさ(やっぱり間違いないわ……) 

あずさ(この人が私の……運命の人……) 

ギュッ 

男律子「!?」ゾワワワワワワワワワ 

バッ 

あずさ「あっ…………。ど、どうして離して……」 

男律子「す、すみませんでした!道案内ですよね!どこ、どこですか!?」 

あずさ「あ……は、はい……」シュン 

あずさ「…………765プロの控え室に……」 

男律子「そーですか!765プロはこっちですよ!さあ行きましょう行きましょう!」 

あずさ「…………ハァ」


161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 13:38:36.14 :1Tve+RNl0

――― 

猫美希「マーオ!」 

あずさ「あら、この前の珍しい三毛猫ちゃん!」 

男律子「お、おぉ~……えーと……み……ミケ!ミケ!こんなところにいたのか!」 

あずさ「ミケ……?ひょっとして、あなたの猫ちゃんなんですか……?」 

男律子「そ、そーなんですよー!こんなとこにいたのかミケー!心配したぞー!」 

猫美希「ニャ……フニャ」 

男律子「あ、ここが765プロの控え室ですよ!それじゃ!」 

スタスタスタスタ…… 

あずさ「え!?あ、ちょ、せ……せめてお礼の一言だけでも……」 

あずさ「……行ってしまいました。あぁ……私の運命の人……」 



トポポポ 

美希「ふー!ニャんとかバレずに済んだの!」 

律子「はい服……あと口調が猫になってるわよ」


163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 13:48:24.42 :1Tve+RNl0

美希「あれだけ長い間猫になってたことなんてないんだから、しょうがニャいの!」 

律子「はいはい……ともかく、ご苦労様」 

律子「何かわかったこと、あったかしら?」 

美希「えーとね、シャンプーって人、ここに来る直前まで出前のお仕事してたみたい」 

律子「…………」 

律子「………………他には?」 

美希「んとね……なんだかたくさん、お湯を用意してもらってたよ」 

美希「でも何に使うのかはわからなかったの」 

律子「お湯…………」 

美希「そのくらいかなぁ」 

美希「あとはシャンプーって人が、控え室ですっごい集中してて怖かったから……居れなかったの」 

律子「……ん、いや十分だわ。ありがとう。……はい、おかかおにぎり」 

美希「ンニャー!ありがとうなの律子……さん!」 

律子(お湯…………いや、中国の出身みたいだし……ひょっとしてひょっとすると……)


164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 13:58:15.82 :1Tve+RNl0

シャンプー「ハッ!」 

ドゴオッ 


カンカンカーン 

MC「み、見事に決まりました!シャンプー選手、決勝ラウンドに出場決定です!」 

ワーワーパチパチ 

MC「先ほどの試合で、天海春香選手はすでに決勝行きのチケットを手に入れております」 

MC「そして今、2人目の椅子が埋まりました」 

MC「……さぁ次の試合とその次の試合で、3人目、4人目の……」 

MC「…………え!?……し、しかし……」 

MC「……えー、発表いたします…………」 

MC「第3試合の対戦選手の一人が、腹痛を訴え大会の棄権を表明いたしました」 

ザワザワ……ザワザワ…… 

MC「よって本来ならば不戦勝になるのですが……」 

MC「その選手が、『第4試合の二人もまとめて相手にしてやる』と仰っておりまして……」


165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 14:09:07.56 :1Tve+RNl0

MC「第4試合の各選手に話を伺ったところ……お二方ともこれを承諾!」 

MC「さらにさらに、決勝をトーナメントではなく……」 

MC「この試合同様に、3人対戦形式のバトルロワイヤルにすることを、大会側も承諾いたしましたぁー!」 

ウオー!ヒューヒュー! 


MC「よってこの第3試合と、この試合を勝ちあがった勝者たちとで行われる決勝戦……」 

MC「3人対戦形式のバトルロワイヤル方式で、真のIBU女王を決定したいと思います!」 

パチパチパチパチパチパチパチ 


MC「さぁでは早速、第3試合の選手たちに登場してもらいましょう」 

MC「まずはこのバトルロワイヤル方式の発案者!無名でありながら圧倒的な実力で勝ち進んできた正にダークホース!」 

MC「876プロ所属―――」 


――― 

閣下「こやつ……やるな」 

千早「……そんなに強いんですか?」 

閣下「ああ。少なくとも、画面に映っておるあの2人では相手にならぬわ」


166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 14:18:19.84 :1Tve+RNl0

千早「あのシャンプーって人もそうだけど……この人も……」 

千早「はる……閣下!その……負けないで下さいね!」 

閣下「……ふ」 

グイッ 

千早「きゃっ!?」 

閣下「お主は安心して見ておればいい。我が勝ち進む所をな」 

閣下「……お主の指圧、悪くはなかったぞ」 

千早「か、閣下……はい!」 

あずさ「……え、えぇとぉ…………」 

あずさ「控え室に来れたのはいいけど……どういうことなのかしらぁ……」 

――― 

美希「律子、さん。そんなに水ばっかり用意して、どうするの?」 

律子「……多分だけど決勝戦……この水が、絶対に必要になるわよ」 

律子「ほら、美希もペットボトルでもなんでもいいから……入れられるだけ入れなさい」


167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 14:28:12.99 :1Tve+RNl0

――― 

MC「さぁ、長かったこの大会も、ついにこれを残すのみとなりました……」 

MC「アイドル・バトル・アルティメイト……決勝戦です!」 

ウオー、オォー! 

MC「会場も割れんばかりの大声援に包まれております!」 

MC「今回は例年とは違い、急遽バトルロワイヤル方式での、3人同時決戦となりました!」 

MC「果たしてこれがどのように運命を分けるのかぁ~!」 

MC「それでは早速、栄えある決勝戦の舞台に勝ちあがった、3人の美しく強いアイドルたちをご紹介いたしましょーう!」 

MC「まずは961プロ所属、『シャンプー』!」 


チリンチリーン 

シャンプー「毎度!シャンプーお待たせある!」 

MC「961プロに所属しながら、中華料理屋でもアルバイトをされている働く美人アイドル!」 

MC「しかぁーし!中国仕込みの拳法の腕前は達人級だぁー!」 

MC「決勝戦には、馴染みの自転車とおかもちを持参で入場!」


169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 14:40:36.10 :1Tve+RNl0

MC「セコンドには店の従業員仲間であり、同じく拳法の使い手、『ムース』さんが付きます!」 

ムース「シャンプー!オラがついてるから優勝間違いなしだぞ!」 

ギュッ 

観客「は、はぁ……どうも」 

シャンプー「…………はぁ。乱馬が付いてくれればよかたあるのに……」 


MC「続きまして、765プロ所属……『天海春香』!」 

ウオォー!ウォー!! 

閣下「……なんじゃ貴様ら、我に向かって図が高いわ。そこに跪くが良い」 

ハハァー! 


orzorzorzorzorz 


MC「可愛らしいドジッ娘アイドルが突如豹変!?期待の格闘アイドル新星の登場です!」 

MC「そのギャップにやられるファンが続出!中には自分から踏んでもらおうとする奇特なファンの姿も!」 

MC「可愛らしい女の子と、高圧的な女王様が内包された、まったく新しい二面性アイドルの道を切り開きました!」


171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 14:53:00.27 :1Tve+RNl0

MC「今回は、彼女が『女王様』の時の勝負衣装……パンキッシュゴシックで入場です!」 

MC「セコンドには同じ事務所の同僚、如月千早さんが付きます!」 

千早「が、がんばって……!」 

閣下「……ふ、任せておれ」 


MC「そして最後の選手……876プロ所属、『乙女屋乱子』選手!」 

乱子「うふっ!よろしくお願いしまーす!」 

MC「なんとエントリーは昨日!876プロにも昨日付けで所属!まさに新人、まさにダークホース!」 

MC「しかしその強さと可愛さは折り紙つき!予選でも他を寄せ付けない圧倒的な実力を見せていました!」 

MC「少々男っぽく、荒っぽい立ち回りが気になる所ですが……優勝如何に関わらず、大会後も要注目のアイドルとなるでしょう!」 

MC「そして何より、このバトルロワイヤル方式の提案者!その型破りな発想力で、IBU女王の座も奪えるか!?」 


MC「セコンドには、ご友人の『天道あかね』さん、そして同じ事務所の『秋月涼』さんが付きます」 

涼「な、なんで僕がこんなことに……」 

あかね「ごめんなさい涼くん……アイドルの振る舞いなんて、アイツ全然わからないから」 

あかね「美しくない、って減点されると困るし……アドバイスだけでもお願い!」


172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 15:02:40.57 :1Tve+RNl0

涼「わ、わかりました……」 

乱子「……へっ!問題ねぇよ。俺にかかればアイドルだろうが何だろうが、華麗にぶちのめしてやるよ」 

あかね「もう……」 


――― 

律子「ふぅ~ん、涼のやつ……」 

律子「…………」ピッ 

プルルルルル…… 

――― 

涼「ひぃ!?ね、姉ちゃん!?」 

涼「あ、あかねさんちょっと失礼します!」 


ピッ 

涼「……なんだよぉ、律子姉ちゃん…………」 

涼「えぇ!?ら、乱子さんの情報ぅ~!?」 

涼「話さないと僕の正体もバラすぅ~!?ぎゃ……ぎゃおおおおおん!」


173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 15:12:05.31 :1Tve+RNl0

――― 

ピッ 

律子「ふっふっふっふっふ……」 

美希「律子、悪い人みたいな笑い方してるよ」 

律子「偶然にしては出来すぎね……もはや運命……かしら?」 

美希「何が?」 

律子「……美希、いつ猫になってもいいように、準備しておきなさい」 

美希「…………なんで?」 

――― 

涼「ううううぅ……ご、ごめんなさい……」 

あかね「ど、どうしたの涼くん、いきなり謝ってきて……」 

涼「あ、あかねさん……できれば『くん』じゃなくて『ちゃん』で……」 

あかね「あ、ごめんなさい。……でもすごい落ち込み方だけど…………」 

涼「いえ、いいんですいいんです……」


175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 15:26:52.12 :1Tve+RNl0

カーン! 

MC「さあ決勝戦が始まりました!」 

MC「……と、どういうことだ~!?3人が3人とも、間合いを計ったまま動けません!」 


乱子(シャンプー……はわかるが……この女相当……) 

シャンプー(……こっちの小さい女も、こっちのリボンの女も……強い……!) 

閣下(……ククククク。疼きおるわ。こやつら中々……) 

――― 

美希「『早乙女乱馬』……名前違うよ?乱子、じゃないの?」 

律子「芸名ね、それは。本名は乱馬よ、涼から聞いたわ」 

律子「大会で優勝すれば、世界中を簡単に飛びまわれるようになる……ってことで参加したらしいわ」 

律子「昨日、876の事務所に挨拶に来たときに色々とあったらしくて……涼とは打ち解けたみたい」 

美希「ふぅ~ん」 

律子「ふっふっふ…………」


176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 15:40:12.76 :1Tve+RNl0

乱子「……でりゃあ!」 

閣下「ふんっ」ヒラッ 

ドゴォ! 

MC「最初に仕掛けたのは乱子選手!そのパンチで早くもリングに穴が開いたぁー!」 

シャンプー「二人いっぺんに……くたばるよろし!」 

ドガッドガッ! 

MC「シャンプー選手、自前の大きな球のついた棍棒を振り回します!」 

閣下「……面白いではないか」 

……ヒュッ! 

乱子「あで!?……くっそ手前ぇ……」 

MC「春香選手のけたぐりが乱子選手にクリーンヒット!流れるような美しい動きも見事です!」 

乱子「ぐ……そうか、美しさも考慮しないといけないんだった」 

乱子「美しさ…………よし、スピードなら負けねぇ……だから、速さで魅せる!」 

ヒュッヒュッヒュッ! 

閣下(……打撃か、しかも速い!)


177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 15:56:10.37 :1Tve+RNl0

ガガッ 

閣下(む……的確に急所を狙っておる。一切の澱み無い動き……天性のものじゃな) 

MC「春香選手、かろうじて防御しましたが乱子選手のスピードについていくのがやっとです」 

乱子「……よし、これで技術点も稼げただろ」 

ゴンッ 

乱子「がっ…………!」 

シャンプー「なに余所見してるか。油断大敵ね」 

乱子「しゃ、シャンプーお前……」 

ハラッ 

乱子「……あ」 

シャンプー「!?も、もしかして……乱馬?」 

MC「おっと、乱子選手……どうやらショートヘアーはカツラだったようです」 

MC「しかしおさげ髪も似合っています!……なぜカツラを被っていたのでしょう」 

シャンプー「やっぱり……やっぱり乱馬ね!」 

乱馬「……セコンドにあかねが居る時点で気付けっつーの」


178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 16:08:29.20 :1Tve+RNl0

ドゲッ 

シャンプー「あいやっ」 

ドガッ 

乱馬「がっ!?」 

閣下「お前たちこそ余所見をするのが好きなようじゃな……」 

MC「決勝戦バトルロワイヤル、混戦の様相を見せてきましたー!」 


男律子「……よし、これだけ荒れてくれば…………」 


シャンプー「乱馬!ここは一時休戦ね」 

乱馬「おうよ、まずはあの……生意気な女を先に叩く!」 

閣下「おぉ二対一か、構わんぞ。良い余興じゃ」 

乱馬「ほざけ!」 

シュバッ 

シャンプー「こっちもね!」 

ヒュッ!


180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 16:18:12.92 :1Tve+RNl0

閣下「……ふん」ヒラリッ 

カーン!! 

乱馬「あぅ……」 

シャンプー「あいや……」 

MC「こ、これは一大事!結託して春香選手を追い詰めた二人でしたが、それを利用されて相打ち状態に!」 

閣下「ククククク……」 

乱馬「こんのやろぉ……」 

シャンプー「ただじゃおかないね……」 

――― 

あかね「も~、乱馬もシャンプーもあの人ばっかり狙って……」 

あかね「美しさも重要だってあれほど言われたのに……あのあしらわれ方じゃ……」 

涼「ら、乱子さーん!もっと可愛く、可愛くですよ!そんなにしかめっ面じゃ……」 


乱馬「そ、そうは言ったってよぉ……」


181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 16:28:50.73 :1Tve+RNl0

ムース「そこじゃーシャンプー!相手の隙をつくのじゃー!」 

あずさ「は、はぁ……シャンプーさんは、あっちですよ」 

ムース「……む?」 

スチャ 

眼鏡装着 

あずさ「…………?」 

ムース「……綺麗な女子」 

あずさ「あ、あらあら~」 

ドゴッ 

ムース「か゜っ…………」 


シャンプー「セコンドが試合中になにしてるね!?」 

ムース「ご、誤解じゃシャンプぅー」 


MC「おっと、なぜかシャンプー選手、セコンドのムースさんに鉄球棍棒を投げつけたぞぉ!?」


182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 16:36:02.88 :1Tve+RNl0

ムース「お、女子は危ないから下がっておれ……」 

あずさ「は、はいぃ~、あなたもお気をつけて……」 


千早「閣下!」 

閣下「黙っておれ、気が散る!」 

千早「は、はい……」 

千早(……あしらってるように見えて、やっぱり二対一じゃ……) 

千早(閣下……ううん、春香……負けないで!) 


男律子「……そろそろ頃合かな」 

男律子「閣下ー、冷たい水ですよー!これで気分をリフレッシュさせてください!」 


バシャア! 


MC「おや、観客席から水が撒かれましたね」 

シャンプー「…………げ」


185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 17:17:15.86 :1Tve+RNl0

ササササッ 

……パシャッ 

MC「シャンプー選手、華麗に水を避けました」 

MC「コンサートにはファンからの差し入れも付き物!……ということで」 

MC「今大会IBUでは、使用が禁止されている刃物・銃火器を除き……」 

MC「観客席からの武器等の差し入れも許可しております!」 


ムース「な……!そういうことは早く言わぬか!」 

ムース「シャンプー使え!」 

ポーン 

MC「ムースさん、自身の得意分野でもある暗器を差し入れするようです!」 

シャンプー「…………」 


MC「シャンプー選手これをスルー!」 

MC「セコンドのムースさん泣いております!」


186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 17:26:53.12 :1Tve+RNl0

乱馬「あかね、何かないか!?」 

あかね「そ、そんなこと急に言われても……」 

乱馬「……えぇい!ムースの頭に乗ってる鉄球棍棒でいいや!貸せ!」 


男律子「それもういっちょー!」 


バシャア! 


ムース「……グァ」 

乱馬「あ、棍棒落ちた……」 

MC「なんと!水を被ったとたんに、ムースさんがアヒルに様変わりしてしまいました!」 


美希「あのアヒルさん……あのときの、メガネのアヒルさんなの!」 

男律子「なぁーるほどねー……」 

MC「信じられません……これは、これは…………」 

MC「ムースさんは稀代の手品師でもあったようです!」 

男律子「……ま、そう解釈されますか」


188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 17:35:51.40 :1Tve+RNl0

閣下「おさげ女も水を被っておったが……外れか」 

閣下「となると……」 


千早「か、閣下!私もなにか差し入れしたほうが……?」 

閣下「武器はいらん。お前も水を撒け」 

閣下「なるべく中国娘の方を狙えよ」 

千早「は、はぁ……」 


美希「はい千早さん、コレ」 

千早「美希!?なんでここに?」 

美希「細かいことは言わないのー!……あ、あとミキも手品使えるよ?」 

千早「手品って……あ、……ああ、そうね……」 

美希「なんでもいいから……あの人に水をかけるの!」 

バシャ! 

バシャ! 

シャンプー「くっ!?あちらこちらからバシャバシャと……鬱陶しいね!」


189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 17:45:52.80 :1Tve+RNl0

ヒュオ!ヒュオ! 

MC「す、すごいすごい!シャンプー選手、巧みに水をかわしていきます!」 

MC「しかし何故避ける必要があるのでしょうか!?」 


シャンプー「そんなの……言えるわけが…………」 

ムース「ガァー!グァグァ!」 

乱馬「!?シャンプー後ろだ!」 

シャンプー「……ハッ!?不覚……!」 


バシャア! 


MC「ついに水を被ったシャンプー選手……おや、シャンプー選手の姿が見えませ 


バシャア! 


シャンプー「……復活ね」ホカホカ 

961プロ社員「シャンプー様の言う通り、水を被った瞬間にお湯をかけましたが。こ、これでいいんでしょうか……」 

黒井「なんだなんだ?よく見えなかったが…………なんでアイツは水とお湯被ったくらいで着崩れしてるんだ」


191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 17:55:19.45 :1Tve+RNl0

シャンプー(この女……私の身体の秘密知ってるね) 

乱馬「おいコラ、シャンプー!」 

シャンプー「どしたか?」 

乱馬「お湯撒くならそう言えっての!こっちまでかかるとこだっただろ!」 

シャンプー「きんきゅーじたい、につき、しょうがないね」 


男律子「く……狙いは当たってたけど……あっちの対抗策も考えどおりだったわね」 

男律子(この身体だからわかる……) 

男律子(お湯を用意させていた、ということは……ひょっとしたらそれは、水を被ったときの対抗策ではないか、と言う事) 

男律子(つまりシャンプーはおそらく、……私たち同様、呪泉郷に入ってしまった者!) 

男律子(その考え自体は当たってたけど……そうなるとあの961お湯部隊がやっかいね) 


フシャー! 

961社員「うわっ!?なんだなんだ」 

961社員「ね、猫だ!会場に猫が乱入して……!」


192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 18:01:37.73 :1Tve+RNl0

黒井「なんだぁ!?猫だと?」 

961社員「そ、そのようです。お湯が次々とぶちまけられてしまって……」 

黒井「なんだそれは、猫を早くつまみ出せ!……あと追加のお湯も早く持って来い!」 

男律子「み……」サァー 

男律子(な、なに考えてるの美希!?お湯なのよ!?もし自分にかかって変身が解けたら……!) 

男律子「あーもう!いい加減にしなさい、み 

あずさ「ミケちゃん!?ミケちゃんじゃないですかぁ!」 

男律子「…………げげげ」 

あずさ「……あ…………///」 

あずさ「また……お会い、しましたね……///」 

男律子(こ、こんな時にぃ……) 


バシャア! 

MC「シャンプー選手、また水がかかりました!」 

961社員「お湯持ってるやつ……他にいないのかよ!……届くかな、それっ!」


193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 18:08:37.44 :1Tve+RNl0

バシャア! 

シャンプー「……ギリギリセーフね」 

閣下「……ふん、こちらにまで当たりそうになったわ。危ないヤツめ」 


あずさ「あらあら~……びっくりしましたぁ。急に熱いお湯がかかってきてしまって……」 

あずさ「あ、あなたは……大丈夫ですか///?」 

あずさ「……あれ、何だかさっきよりも小さくなったような…………」 

律子(……お、終わった…………) 


バシャッ! 


あずさ「きゃっ!?」 

男律子「……水!?誰が……」 

猫美希「ニィニィー!」 

男律子「美希……でかした!」グッ 

猫美希「フニャーニャン♪!」


194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 18:16:35.79 :1Tve+RNl0

黒井「何ぃ~!?お湯のストックが無くなったぁー!?」 

黒井「追加分はまだか!?」 

961社員「も、もう3分少々かかるようで……」 

黒井「誰が熱湯を持って来いと言った!風呂の温度でいい、1分で持って来い!」 


男律子「……ははは、リングの近くは危ないですからねぇ。ここまで来れば安心ですよ」 

あずさ「あ、あの……その……」 

男律子「そ、それじゃあ私は用事があるので、これにて……!」 

あずさ「あ……ま、待ってください!私の……運命の、人……!」 


MC「さぁさぁ、リング上は撒かれた水とお湯でビシャビシャだぁー!」 

MC「大きな水溜りが出来ているぞぉー!?このまま動くと水がかかることは必至!」 


シャンプー「ぐ……ま、まずいね……」 

乱馬「どうするか……お湯も尽きたみたいだから、先にシャンプーから仕留めても……」 

シャンプー「!?ら、乱馬……私を裏切るあるか!?」 

ムース(どさくさで戻った)「こらぁー乱馬!シャンプーを勝たせるのじゃ!」


195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 18:23:34.62 :1Tve+RNl0

MC「セコンドのムースさん、半裸のまま観客に絡んでおります!」 


涼「ら、乱馬さん……!」 

あかね「乱馬!勝つんでしょ!?」 

乱馬「…………!そうだ、勝負は時に非情でなければならない……!」 

乱馬「これも中国に間単に行ける様に……男溺泉のために……」 

乱馬「……許せ、シャンプー!」 

ダッ 

バシャア! 

MC「あぁーっと、乱子選手、シャンプー選手の目の前の水溜りをそのままシャンプー選手にぃー!」 


シャンプー「……万事、休す、ね…………」 

バシャッ!! 


MC「……おや、シャンプー選手の姿が見えません…………」 

MC「き……消えた!?消えました……シャンプー選手、突如姿を見せなくなりました!?」


196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 18:28:42.65 :1Tve+RNl0

ザワザワ……ザワザワ…… 

黒井「どういうことだ!?」 

961社員「こ、こちらも……何が何だか……」 

閣下「…………」 

閣下(我には見えておったぞ。飛沫が消えるその瞬間に、舞台から走り去る白い猫の姿が……な) 

乱馬「……」 


涼「ひょ、ひょっとしてシャンプーさんも……」 

あかね「……そうなの。乱馬と同じ変身体質で……」 


男律子「……一人目、ね。最後の仕上げは……」 

猫美希「ニィー、ニィー」スリスリ 

男律子「あ、美希……」 

ゴツン 

猫美希「フニー!?」 

男律子「あんたねぇ……もし客席でお湯被ってたら……どうするつもりだったのよ」


197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 18:33:58.90 :1Tve+RNl0

男律子「いくら春香たちのためでも、自分が危ない目に会っちゃ意味ないじゃないの」 

猫美希「フニャ……」 

男律子「……ま、あんたなりに一生懸命頑張ってくれたんだろうけどね」 

猫美希「ンニャ?」 

男律子「フゥ……私だって……本当に本気で、心配したんだから……」 

猫美希「ニャオ……フミャー♪」ペロペロ 

男律子「もう、調子いいんだから……」 


MC「え、えー……シャンプー選手!?いらっしゃらないんでしょうか!?」 

MC「こ、このままでは……」 


閣下「良いではないか、あの中国娘がいなくなろうと」 

乱馬「!?」 

MC「え!?」 

閣下「奴が水が苦手なのかどうかは知らんが……水を被ったくらいで姿を消した」 

閣下「これは紛れも無い事実じゃ。このような醜態を晒したものが美しいアイドルのはずなかろう」


198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 18:38:28.29 :1Tve+RNl0

閣下「……どうじゃ?我に異の有る者はおらぬのか?」 


シーーン…… 


閣下「……ふ、明白ではないか」 

閣下「そこの貴様!」 

MC「は、はい!」 

閣下「……試合を再開させよ」 


ウオォォォォォーーーー!!! 


乱馬「くそ、こいつ……」 

MC「そ、それでは……決勝戦、乱子選手と春香選手の2名で、試合再開です!」 



黒井「ど、どうなってるんだ!?なぜ消えたんだ!!」 

961社員「こここ、こちらも何もわからないので……」 

黒井「ええええぇ~い……!あの女はどこまで自分勝手なんだ……!」


199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 18:42:52.11 :1Tve+RNl0

961社員「……お待たせしました!お湯です!」 

黒井「そんなものはもういらん!」 

961社員「え……えぇ!?」 

黒井「そんなことよりシャンプーを見つけろ!勝手に逃げおって……許さん!」 


――― 

涼「とうとう、二人で最終決戦ですか……」ゴクリ 

あかね「あの春香っていう人、すごく強い……乱馬があんなに苦戦するなんて……」 

涼「……まさか春香さんがあんなに強かったなんて……」 

――― 

ムース(シャンプーと一緒に水にかかった)「ガァー!グァグァ!ガー!!」 

――― 

千早「春香……お願い……!」


201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 18:51:43.42 :1Tve+RNl0

ズガガガガッ 

閣下「ほれほれどうした、二人がかりでなければその程度か?」 

乱馬「うるっせえ!わざわざシャンプー抜きでやってやるんだ……感謝しろよ!」 

ガガガッ!ガガガッ! 

MC「圧倒的なスピードで猛攻を見せる乱子選手!そしてそれを華麗にいなして行く春香選手!」 

MC「正に見ている者たちを魅了する!そんな試合であります!」 

MC「もうすぐ試合終了のゴングの鳴る時!そこまでで決着がつかなければ、判定となります」 

MC「攻めの猛アピールを魅せる乱子選手か!華麗な舞いのような戦いを魅せた春香選手か!」 


乱馬(くそ……美しさで言ったら、あっちが圧倒的に有利) 

乱馬(判定じゃ厳しい……だから、この場で仕留める!) 


閣下「なんじゃなんじゃ、我の周りをグルグルと回っていても意味がないぞ?」 

乱馬「…………」 

乱馬(室内でやるのは気が引けるが……もう止められねえ!)


202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 18:58:39.08 :1Tve+RNl0

乱馬(冷静に……冷静に……) 


氷の心でステップを踏み、らせん状に動くことで「闘気の渦」を作り出す 

そしてらせんの中心に来たとき、冷たい「気」で渦の中心を……打ち抜く! 


ビュッ! 


それによって闘気の渦は上昇気流となり…… 

竜巻を生み出す! 


乱馬「はああああああぁぁぁぁぁぁ!」 


ビュゴオオオオオオォォォォォォ!!!! 


閣下「ぬ!?」 

MC「な、なんだぁ!?と、突如会場に、た、た、たつたつ竜巻が……発生しました!」 


あかね「あのバカ……!室内でやるなんて……」 

涼「ぎゃ、ぎゃおおおおおん!」


203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 19:03:28.54 :1Tve+RNl0

キャー!!ヒィー!!ウワァー!! 

ビュゴオオオオオォォォォ……!! 


閣下「そうか、これは……女傑族に伝わる『飛竜昇天破』……」 

閣下「……あやつはどこじゃ?」 

乱馬「ここだよ!」 

閣下「!?」 

ドゴォ! 

閣下「ぐ……」 

乱馬「はっはー、流石のお前さんも、竜巻の中じゃ上手く動けないみたいだな」 

閣下「戯け……!貴様なんぞに負けるものか」 


千早「は、春香ぁー!返事して春香ぁー!」 

男律子「す、すごい……」 

猫美希「フニャー!!フニャー!!」 

MC「竜巻の中では依然闘っているようですが……強風でまったく見ることができません!」


204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 19:07:15.88 :1Tve+RNl0

黒井「な、なんなのだこれは!?悪夢でも見ているのか!?」 

961社員「い、いいから社長、避難してください!」 

961社員「……あ、サブのお湯が竜巻に…………」 

黒井「熱い!熱っ!?おい、ちょっとかかったぞ!」 


――― 

乱馬「これで……終わりだ!」 

閣下「ほざけ……!」 


バシャア! 


乱馬「そりゃ!」 

ビュッ! 

閣下「…………!」 

閣下(ま、まずい……このままでは……) 

閣下(…………!)


205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 19:11:48.08 :1Tve+RNl0

MC「つ、ついに……竜巻が弱まってきたようです……」 

シュルシュルシュルシュル…… 

MC「強風でまったく見えなかったリング上では、それでもなお、戦いが続いていた模様です」 

MC「……ご、ご覧下さい!」 

MC「リング上には……春香選手が、倒れています!」 

ザワザワ…… 

千早「は、春香……そんな……」 

MC「そしてリング上に堂々と立っているのは……!」 

男乱馬「お……お……」 

男乱馬「俺だー!!!俺が勝ったんだぁー!!!」 


MC「……誰……なんでしょうか」 

ピシッ 

あかね「……終わったわ」 

涼「…………これ、終わりですね」


206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 19:17:27.13 :1Tve+RNl0

男乱馬「…………」 

男乱馬「…………………あ」 


MC「ど、どういうことでしょうかー!?」 

MC「竜巻が消えたと思ったら、乱子選手が居なくなり……」 

MC「同じ服、同じ髪型の……『男』の選手がリング上に立っていましたぁ!」 


男乱馬「やべ…………」サァー 

MC「こ、これはムースさんのような手品の一種なんでしょうか……」 

男乱馬「み、水……水さえあれば、言い訳も……」 


あかね「あんたねぇ……竜巻で水も何もかも、ぜぇ~んぶふっ飛ばしちゃったくせに」 

涼「ら、乱馬さん……もう、フォローも無理です……」 


MC「こ、これはまさかまさか……乱子選手失格!性別を偽って大会出場していたため……失格です!!」 

男乱馬「……お、終わった…………」ガラガラガラガラ


207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 19:23:55.80 :1Tve+RNl0

MC「しかし、どうすればいいのでしょうかぁー!?最後に残った乱子選手は失格となり……」 

「私が……」 


春香「私がいます!」 


ザワッ!? 

MC「た、倒れていた春香選手……まだ意識があった模様です!」 

千早「春香!しっかりして、春香!」 

春香「く……う、うぅ……」 

MC「もはや春香選手以外はすべて失格者!ここで立ち上がり、最後の一人となれば……栄えあるIBU女王の座に輝きます!」 


男乱馬(こいつ……さっき竜巻の中で俺の最後の一撃をガードして……) 

男乱馬(そしたら急に、闘気が抜けたみたいに弱々しくなった……) 

男乱馬(あの状態でリングに叩きつけられたっていうのに……それでも立ち上がれるのか?) 


春香「私は……一番に……なる!」 

春香「それが、他の人の力でも……最後だけは、自分の力で……立ち上がりたい!」


210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 19:28:06.57 :1Tve+RNl0

MC「お、おぉ、おおおぉ…………!」 

千早「春香……!」 

男乱馬「……へっ、たいしたヤツじゃねぇか」 


春香「……」 

春香「…………」グッ 


MC「見事立ち上がり……ガッツポーズを決めました!」 

MC「これにより、今年度IBU女王の座に輝いたのは……765プロ所属、天海春香さんです!」 


ウオオオオオォォォォォーーーー!!! 


春香「へ、へへ……私、やったよ……。ありがとうみんな……。ありがとう……閣下」


212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 19:34:45.12 :1Tve+RNl0

――― 

千早「春香、しっかりして……春香!」 

シャンプー「だーかーら、安静にすればなおるよ。大きな声だすと逆効果ね」 

千早「う、すいません……」 

シャンプー「私の曾祖母ちゃん秘伝の薬、コレくらいの怪我ならすぐに治せるね」 

千早「あ、ありがとうございます……」 



乱馬「てことは、あんたたちも……」 

律子「ええ、すいませんでした。黙っていたこともそうですけど、そっちの涼から情報をもらってましたし」 

涼「ひぅ~、ご、ごめんなさいー……」 

あかね「りょ、涼くん気にしないで……こいつなんて、存在そのものが弱点だらけみたいなものだから」 

乱馬「……どういう意味だよ寸胴」 

あかね「……誰が寸胴だって?」 

涼「ひぃぃぃ……お二人とも、喧嘩はやめてください……」


213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 19:40:19.17 :1Tve+RNl0

シャンプー「……」チラッ 

美希「……?どうしたの?……あ、えとねー。ミキの名前は、星井美希、だよ」 

シャンプー「星井……美希……」 

シャンプー(この女、私と同じ『猫溺泉』に入ったね。しかも猫の姿で、試合を邪魔された……) 

美希「に、にらまないでほしいの……ミキ、何か悪いことした?」 

シャンプー(……しかし以前、川に落ちたとき……助けてもらたこと、ある) 

シャンプー(…………) 

シャンプー「……ま、貸し借りチャラで……死の接吻は勘弁しておいてやるね」 

美希「しのせっぷん……?」 


乱馬「へぇ~、じゃあ俺とまったくの逆なのか」 

律子「ええ、水を被ると男になって……お湯を被ると女に戻る」 

律子「……涼も含めて、男か女かわからないアイドルユニット、でも作りますか?」 

涼「ひぃぃい!?」


214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 19:46:03.63 :1Tve+RNl0

あかね「でもシャンプーいいの?あの社長さん、すっごく怒ってたわよ」 

シャンプー「……どうせ負けたらクビになる契約だったある。もうあの会社とは関係ないね」 

律子「あら、そうだったの」 

律子「じゃあシャンプーさん……765プロに来てみる気は無い?」 

涼「んな!?」 

乱馬「お、おいおいおい……」 

シャンプー「765プロ……?」 

律子「うちの……春香とかが所属してる事務所よ」 

律子「もし961プロに居た頃にやってた活動に、少しでも興味があったなら……今度は私たちの事務所がサポートするわよ」 

シャンプー「ふーん……」 

シャンプー「じゃ、とりあえずこっちも」 

スッ 

律子「……『猫飯店』?中華料理屋かしら」 

シャンプー「私の働いてる店ね。24時間、年中無休で出前お届けに行くあるよ」 

律子「…………贔屓にさせてもらおうかしら」


215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 19:52:27.63 :1Tve+RNl0

――― 

春香(こうして大会は……かなり異例の事態とか……会場の混乱とかあったけど) 

春香(ともかくも……大成功で終わりました) 

春香(IBUのディレクターさんという人が、私たちにたくさん仕事を持ってきてくれたり) 

春香(シャンプーさんがあれ以来、よく事務所に出前を届けに来てくれたり) 

春香(ちょっと今までとは違うけど……楽しい毎日が続いています) 



律子「美希ぃ~……なんでそんなに猫になるのが好きなのよ」 

美希「ち、違うの!今日は完全にとばっちりなの!」 

美希「急にお好み焼きが目の前に降ってきて、すっごく熱かったから冷まそうとしただけなの!」 

律子「お好み焼きってあーた……」 

美希「ホントにホントなの~!」


216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 20:00:09.99 :1Tve+RNl0

春香(乱馬さんやあかねさんたちとも、よく遊びに行ったりします) 

春香(特に乱馬さんは、男溺泉の情報について、律子さんからしょっちゅう話を聞きに来ます) 

春香(その時はムースさんや、バンダナを巻いたお友達の人も一緒です) 


P「よし春香、次は格闘技雑誌の取材だ」 

春香「はい」 

P「……いいのか?まだこのままでいるなんて」 

P「ちゃんと自分一人の力で乗り気ならないと意味無いんじゃ……」 

春香「大丈夫ですよ、プロデューサーさん!」 

春香「なんだか最近は……閣下の状態の時も、楽しいかな、って思えるようになってきたんです」 

P「……それはいいことなのか?」 

春香「あははー……」 


春香(……閣下に頼りすぎるのはよくないと思うけど……) 

春香(閣下になることが出来たおかげで……あの大会のとき……私の力でも立ち上がれたんだって思うんです) 

春香(だからもう少しだけ……私を変える手伝いを、してもらおうと思います)


219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 20:04:48.55 :1Tve+RNl0

P「よしじゃあ取材に行くから……水をお願い」 

春香「……はい」 

バシャ! 

閣下「……ふふ…………」 

閣下「あの貧弱な小娘が、あまつさえ我を利用するなどと考えるとは……面白いヤツじゃ」 

P「えー……閣下?どうかしましたか?」 

閣下「……なに、こっちの話だ」 

閣下「では参るぞ、プロデューサー殿」 

P「は、はい」 



小鳥「……ドSな春香ちゃんもやっぱりいいわよねー」 

千早「…………正直、結構クるものがありますね……」 


あずさ「いつになったらまた会えるんでしょう……運命の人……」 

律子「も、もう諦めたほうがいいかもしれないですよ、は、はは、はは……」


220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 20:07:50.99 :1Tve+RNl0

閣下(小娘よ……どうせ利用するなら、我の髄まで利用してみせよ) 

閣下(このような面白き世界……我にとっても興味が多少はあるでな) 

閣下(もうしばらくは付き合ってやるとしようか……のう、小娘) 



閣下(いや…………) 

閣下(天海……春香よ) 






おわり


224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/18(水) 20:13:13.44 :1Tve+RNl0

「これもうアイマスSSじゃないよね」 

と言われたら、否定しきれません。申し訳ありませんでした。 

伏線が張りっぱなしになってたらすみません。忘れっぽいので。 


今回、保守や支援のお陰で、最後まで書ききることが出来ました。 

感謝してもしきれません。 







らんまで好きなキャラはシャンプーとムースです。 

なので趣味でたくさん出してあげました。 

嫌いなキャラは八宝斎です。パンスト太郎は好きです。 



最後までごらんいただき、本当にありがとうございました。


元スレ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342530031