2:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:29:58.59 :oc7YzO8No
ポコン
P「いて」
比奈「あ、プロデューサーにも飛んで来たっスか?」
P「なんだこれ?」
比奈「キノコでスね」
P「キノコだな」
比奈「……」
P「……」
比奈「…輝子ちゃん…でスかね」
P「しかいないな」
3:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:30:44.16 :quQxPEQDO
P「おーい輝子ー」
ポコ
輝子「よ、…呼んだ?」フヒ
P「…おま、何だその格好…」
輝子「キノコのきぐるみだよ……い、いいでしょ、フヒ」
輝子「ど、どうしてもって言うなら、ぴ、Pにも、着せてあげるよ……」
P「いや、大丈夫だ」
輝子「あ、そう」フヒ…
4:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:31:21.21 :oc7YzO8No
モフモフ
比奈「なんだか…取ったら大きくなれそうなあれでスね」
輝子「?」
P「…たしかに」
P「それは仁奈にもらったのか?」
輝子「う、うん。…この前一緒に、この衣裳で、テレビに出たんだ……」
P「どんな番組だ」
柚「料理番組じゃなかった?」ヒョコ
P「いたのか、柚」
柚「いたよぅ」
5:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:32:09.81 :quQxPEQDO
P「え…じゃあ、キノコ料理でもやったのか?」
輝子「う、うん」
P「食べられる側のきぐるみを着るのか……まあ、動物じゃないだけましか…」
輝子「仁奈ちゃんは、牛さんだったよ」
P「あかん」
柚「和久井さんのお料理番組、けっこう人気みたいだねー」
P「和久井さんそんな番組やってたっけ!? 俺聞いてないぞ!」
留美「当然よ。Pくんには黙っておいてとみんなに言っておいたんだもの」
P「うおう!」
留美「……そんなに驚くことないじゃない…」
P「あ、すいません…いや、後ろからいきなり声をかけられたもので、つい」
6:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:33:17.34 :quQxPEQDO
柚「そだった…ごめんね留美さん…」
留美「いいのよ。どうせ、そのうち言うつもりだったんだから」ナデナデ
留美「ねえPくん。どうして君には黙っておいてもらったか、分かる?」
P「…ど、どうしてですか?」
留美「いつかあなたに料理を振る舞って、喜んでもらうためよ。驚いて欲しかったの」ニッコリ
留美「それに、努力は黙ってした方が輝くでしょう?」
P「……ソウデスネ」
留美「…どうして目を逸らすのかしら」
比奈(ちょっと気軽に受け止められる重さじゃなかった模様でスね…)
7:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:33:56.98 :oc7YzO8No
P「そ、そんなことより、ですね」コホン
留美「そんなこととはなによ」
ポコン
留美「きゃ」
P「この問題を解決しよう」
比奈「でスね」
ポコポコ
柚「事務所の中をキノコが飛び交ってるね♪」
P「シュールすぎるわ」
8:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:34:43.18 :quQxPEQDO
P「おい輝子」
輝子「ひっ、ちょ、P近い……いや、トモダチなら、このくらいがちょうどいい距離……? フヒヒ、いや、私たちは親友だったか……な、ならよし」ウン
P「なにぶつぶつ言ってんだ」
輝子「あ、あれだよ。……そろそろ梅雨だから、キノコも、テンションあがってるんだよ、きっと」
P「アクティブすぎるだろ」ポコ
P「……」ポコポコ
P「ええい鬱陶しい! 食ってやろうか!」
輝子「!? だ、だめ、カニバリズムは、ちょっと」
P「キノコを食するのをカニバリズムとは言わん」
9:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:35:38.27 :oc7YzO8No
ポーン
柚「ほっ」
留美「ナイスキャッチ」パチパチ
P「…まあ…百歩譲って、キノコがアクティブになった結果だと言うのは、鵜呑みにしてやろう」
比奈「いいんスか」
P「話が進まないしな」
P「…で? だからと言って、そもそも事務所にこんなにキノコがあった覚えがまずないんだが…」
輝子「う、うん。ちょっとずつ、ちょっとずつ、増やしたんだ……フヒヒ、いいでしょ」
P「よくねえよ。仕事もままならんわ」
比奈「プロデューサーの机の上もキノコ塗れでスもんね」
P「…まさか一晩でこんなことになるとは…梅雨になったらいったいどうなるんだ…」
10:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:36:25.55 :quQxPEQDO
P「事務所ではあんまりキノコを栽培しないでくれって言ったろ?」
輝子「……う、うん。でも……」
P「でも?」
輝子「い、…いいんじゃないかって、言われて……つい」
P「? 誰に」
「呼びましたか!」
P「?」
幸子「ボクですよ!」
P「……」ビュ
幸子「あう」ポコ
幸子「い、痛い! 急にキノコをこっちに投げないでください!」
P「……」ヒュッヒュ
幸子「あっあっ、やめ、ちょ、無言でキノコを投げるのはやめて…」ポコポコ
輝子「あのぅ、できれば私のトモダチをあんまし投げたりはしないで欲しい…」
比奈(絵面がシュールすぎまスね)
11:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:37:17.43 :oc7YzO8No
幸子「い、いい加減にしてください!」バッ
P「俺の台詞だ」ポコ
幸子「あう」
P「いったいどういう了見でこんな事態を許容したんだ」
幸子「い、いいじゃないですか。ボク、輝子さんの趣味は、なかなか素敵だと思いますよ」ヒョイ
幸子「キノコ、カワイイじゃないですか。ボクほどではないですけど」
輝子「! ……さ、さっちん…」キラキラ
P「可愛ければいいってもんじゃないんだけど…」
12:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:37:56.18 :quQxPEQDO
ポン
P「……俺の頭にキノコを乗せるんじゃない」
幸子「ふふ。これから梅雨の、ジメジメした季節がやって来ますからね。ちょっとくらい事務所も、騒がしいくらいの方がいいでしょう?」
P「…それは否定しないが」
幸子「えい」グイ
P「…眉にキノコを押しつけるんじゃない」グイグイ
P「お前、変なキノコでも食べたんじゃないだろうな」
幸子「そんなことありません」
13:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:38:39.98 :oc7YzO8No
輝子「フヒ……ね、ねえ、さっちん。このキノコ、どうかな……今日新しく出て来た子だよ…」
幸子「なかなかカラフルですね。ふふ、悪くないと思いますよ」
P「……あいつら、いつの間にあんなに仲良くなったんだ」
比奈「コンビにしたのはプロデューサーでしたよね?」
P「まあな。…まあ、いつも通り、適当に決めたんだけど」
比奈「思っても言っちゃだめでしょそれ」
14:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:39:23.67 :quQxPEQDO
留美「食べられるキノコはあるのかしら?」
柚「専門家に聞いてみる?」
幸子「えっと、ここにあるのだとですね…」
輝子「…さ、さすがさっちん…もうすっかり、キノコのことは詳しい……さすが、私の、トモダチのトモダチ…フヒ」
幸子「いや、ボクはあなたとも直接友達のつもりですよ」
輝子「……お、おう」
ワイワイ
P「……まあ、なんか知らんがたしかにみんな楽しそうだな。キノコのおかげで」
比奈「でスね」
15:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:40:10.95 :oc7YzO8No
ポコン
P「……まあ、いいか。このくらい、可愛いもんだよな」
比奈「そうでスね」クス
P「ただきぐるみを置いとくのは怖いな。あれに胞子がついたら、絶対大変なことになる」
比奈「仁奈ちゃんには注意しとかなきゃでスね」
楓「仁奈ちゃんには、ちゃんときのこにきを(の)つけるように言っておかないと、ですね」フフ…
P「いたんですか」
楓「(´・ω・`)」イマシタヨ…
比奈(楓さん、頭の上にあるキノコに気づいてないっスね…)カワイイ
楓「仁奈ちゃんと一緒に、お昼寝してました」ニヘラ
16:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:41:08.44 :quQxPEQDO
P「あっ、てことは、仁奈も…」
仁奈「では、輝子おねーさん!」
輝子「う、うん」
仁奈「仁奈と一緒にキノコの気持ちになるでごぜーます!」
輝子「……ま、まかせて。…それは、ばっちり…フヒヒ」
幸子「どんば場所でも、めげずに生えて来る気概ですかね」
柚「さっちんは真面目っ子だねー」
留美「……キノコの気持ち……キノコにも婚期ってあるのかしら…」ブツブツ
P「楽しそうだな」
比奈「でスねぇ」
楓「そうですね」ニコ
輝子「フヒヒ」
幸子「ふふ♪」
17:◆qEJgO2U6bM:2013/05/19(日) 12:42:51.58 :oc7YzO8No
こんな平和なお話。
ただ幸子と輝子を仲良くさせたかっただけでした。
おわりです。ありがとうございました。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368934145