1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 00:42:42.28 :t7mxksZz0

社長「はっはっは、なぁに……形式だけでいいんだよ」

P「あの、結婚する気なんてさらさら無いのですが」

社長「先ずは会ってみて欲しいんだよ、私の古い友人でねぇ」

P「なるほど、誰かいい人はいないのかとなって俺ですか」

社長「そう睨まないでくれたまえ、スーツ代他は私がポケットマネーで持とうじゃないか」

P「それは魅力的……じゃなくて、俺でいいんですか?」

社長「まあ、相手はいいところのお嬢様ではあるが……君の写真を見せたらいたく気に入ったようでねぇ」

P「ということは休みをもらえるんですね」

社長「すっぽかして遊びに行こうなんて考えるんじゃないよ君ィ」

P「なんと……仕方ありません、行きます」

社長「助かったよ君ィ! 日曜の15時に○○という料亭で行われるからね」

P「判りました……え、俺一人で行くんですか? 付き添いは?」

社長「まぁ君なら一人でも大丈夫だろう、はっはっは」

P「うおお……親を呼ぶのもアレだし……一人で行くか……」

社長「……ふふふふふ、せいぜい頑張りたまえ」 


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 00:49:07.02 :t7mxksZz0

日曜 料亭○○

P「……はぁあ……」

P(せめて相手の苗字とか写真とか無いのかな、相手は俺の写真見てるんだろ?)

「××様、でいらっしゃいますか?」

P「はい」

「ご予約を承っております、只今ご案内いたします」

P「よろしくお願いします」

「はい、こちらです」

P(断るにはどうしたらいいんだろうな、来なければ良かったんだろうけど)

P(……社長のことだからな、本当に何するかわからんし)

P「……はぁ」

「ご気分が優れませんか?」

P「いえ、大丈夫です」 


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 00:55:09.03 :t7mxksZz0

「こちらの鶴の間でお待ちください」

P「ありがとうございました」

「相手方は後ほどいらっしゃいます、掛けてお待ちください」

P「はい」

P(別に上座下座は考えなくていいよな……? というかどっちが客なんだ)

P(さてと、あとは待つばかり……社長の知り合いでお嬢様……うーん?)

P「釣り合うとは思えないんだけどな……?」




P「……緊張する、そろそろ15時か」

『××様』

P「はい」

『相手方がお見えになりました、お通ししても宜しいですか?』

P「……はい、お願いします」 


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 01:01:37.13 :t7mxksZz0

『承知いたしました。 どうぞお入りください』

「失礼します」

「失礼しますわ」

P「どうも、本日はお日柄も良く……!?」

「ふふっ、驚いていますわね!」

「こら、騒がないの」

「はい、お母様」

P「……はあ」

「あら、その溜息は我が美しさに酔いしれてのでしょうか」

P「違います……いやちげーよ」

「ふふ、今日は宜しくお願いしますね」

P「はい……宜しくお願いします」

「宜しくお願いしますわね、Pちゃま」

P「お前なぁ……何してるんだよ……桃華ぁ……」 


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 01:05:59.42 :t7mxksZz0

桃華「うふふ、どっきり大成功ですわね!」

「こら、桃華」

桃華「こほん……本日は宜しくお願いいたします、櫻井桃華です」

P「ご丁寧にどうも……××です……」

「桃華の母でございます、いつも桃華がお世話になってます」

P「いえいえ、桃華ちゃんも素晴らしい活躍で」

「プロデューサー様のお陰ですわね」

P「いえいえ、お母様のご指導の賜物かと」

「そんな謙遜なさらないで、貴方のプロデュースのお陰です」

P「とてもてとても、そんなそんな」

「いえいえ、そんなそんな」

P「いやいやいや」

桃華「無視しないでくださいまし」 


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 01:10:05.58 :t7mxksZz0

P「別に無視してたわけじゃないんだが」

「そうよ、挨拶じゃない」

桃華「日が暮れるまでそうしていそうでしたから」

「そんなことないわよ」

P「そんなことないぞ……と、あくまでも見合いだったな」

「ええ、今日は宜しくお願いしますね」

P「はい……えと、どちらと?」

桃華「わたくしに決まっていますわ!」

P「……」

桃華「何て顔をなさいますの?」

P「まだ12歳じゃん」

「うふふ」

P「……あの?」 


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 01:14:43.58 :t7mxksZz0

「いえ……ほら、自己紹介なさいな」

桃華「先に済ませましたのに?」

「仕切りなおし、趣味なんかもね」

桃華「はい」

「知っているでしょうけど、聞いてあげてくださいね」

P「わかりました」

桃華「櫻井桃華、12歳ですわ。 趣味はお茶ですの」

P「××、2×歳。 趣味は……なんだろう?」

桃華「ちょっと……しっかりしてくださいまし」

P「あはは、最近プロデュースのことで頭が一杯だからね」

「まぁ……仕事熱心ですのね」

P「無趣味とも言えてしまいますが」

「お仕事に情熱を注ぐことは素晴らしいことだと思いますよ?」

P「そういって貰えると助かります」

桃華「ですからわたくし抜きで話を進めないでくださいまし」 


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 01:20:19.11 :t7mxksZz0

「はいはい」

P「はいはい」

桃華「流さないでくださいましよ? わたくしとPちゃまが今日の主役なのですから」

P「主役ってもなぁ……おめかししてるな、似合ってるぞ」

桃華「ふふん♪ わたくしに似合うのは勿論、Pちゃまの好みに合わせましたの!」

P「ん? 俺の好み?」

「はい、何でも……淡い色が好みだとか」

桃華「京都に行ったときに着物を褒めてもらいましたから、今日も同じ物を着て来ましたの」

P「なるほど、京都に行ったときのか」

桃華「その時にPちゃまは耳元で『桃華には淡い色が良く似合うぜ』と……きゃ」

「ええ、そう聞きました」

P「……似合うとは言った、でも耳元で言ってないだろ」

「……そうなの?」

桃華「いけずですわ」

P「誇張するからだ」 


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 01:25:40.95 :t7mxksZz0

「では後は若いお二人で……おほほほほ」

P「ちょっと!?」

桃華「良いではありませんの、Pちゃま」

P「お母様も充分若いんじゃ……」

「あらお上手♪ 失礼しますね」

P「あ……ああもう……」

桃華「……Pちゃま」

P「うん?」

桃華「二人きり……ですわね……」

P「そうだな、足崩していいか?」

桃華「どうぞ」

P「悪いな……と」

桃華「うふふ……Pちゃま、お茶はいかが?」

P「この雰囲気に紅茶は合わないだろ」 


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 01:30:46.64 :t7mxksZz0

桃華「わたくしを見くびってもらっては困りますわ」

P「おお、番茶も淹れられるのか……ポットじゃん」

桃華「朝飯前ですわ♪ どうぞ」

P「ありがと……ん、美味い」

桃華「お茶菓子もありますのよ」

P「なんか高そうな奴だな」

桃華「気になさらないでくださいまし、社長持ちですもの♪」

P「それもそうだな、いただきます……ん?」

桃華「何か……?」

P「そんな見られても何も出ないぞ」

桃華「いえ、好きで見ていますから」

P「……いや、見てなくていいぞ」

桃華「んもう、わからずやですわね」 


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 01:35:07.86 :t7mxksZz0

P「うん、流石に美味いな」

桃華「しつこくない甘さというものは沢山食べてしまいたくなりますわね」

P「いくらでも食っていいぞ」

桃華「そんなはしたない席ではありませんのよ?」

P「まあ、見合いだもんな」

桃華「ええ、お見合いですもの」

P「…………」

桃華「…………」

P「なあ桃華」

桃華「はい」

P「どうして見合いなんかしようと思ったんだ? 相手俺だし」

桃華「……良家の一人娘というものは、夫となる相手を迎えなければなりません」

P「跡継ぎだとそうなるよな」

桃華「ですがわたくしにはPちゃまがいます」

P「うん……うん?」 


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 01:41:51.27 :t7mxksZz0

桃華「他の誰かなんて考えられませんの、わたくしにはPちゃましか……」

P「……」

桃華「将来誰かと夫婦になるのであれば、わたくしはPちゃまとの未来を望みますわ」

P「……本気か?」

桃華「本気でもなければ、こんな真似は致しません」

P「……そうか、真剣なんだな」

桃華「ええ……叶わないことはわかっています、ですが……今だけは」

P「ああ、今だけはここにいるのは俺と桃華だけだ、桃華しか見えてないよ」

桃華「……ありがとうございます、Pちゃま」

P「いやいや、本気には本気で応じるよ」

桃華「それでこそわたくしの見込んだPちゃまですわ」

P「ありがとう」

桃華「いえいえ♪」 


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 01:46:39.13 :t7mxksZz0

P「庭でも見に行くか」

桃華「はい♪」

P「……おお、すごいな……流石料亭」

桃華「日本庭園……ですわね」

P「まあ、こんな中を歩くのも風情があるな」

桃華「今日が晴れていて嬉しいですわ」

P「そうだな……と。 桃華、そこに立ってみてくれ」

桃華「ここですか……?」

P「そうそう、それでもうちょっとこっち向きで……」

桃華「あの、Pちゃま?」

P「……ん、絵になる……綺麗だぞ」

桃華「もう……お上手ですのね」

P「いやいや、本心だよ」

桃華「嬉しいですわ♪」 


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 01:51:26.33 :t7mxksZz0

P「結構歩いたな、疲れてないか?」

桃華「平気ですわ」

P「そうか、もう5時か……早いな」

桃華「好きな相手との時間というものは、早く感じてしまうものですわ♪」

P「ストレートに言われると桃華でも照れるな……」

桃華「Pちゃま、どういうことですの?」

P「なんでもないよ」

桃華「はぐらかさないでくださいまし!」

P「あはは、そうムキになるなって」

桃華「Pちゃまはお調子者なんですから……でも、許して差し上げますわ!」

P「サンキュ、そろそろお母様呼んだ方がいいな」

桃華「時間も時間ですわね、お夕飯はこちらで頂く手はずですわ」

P「社長大丈夫かな」

桃華「社長ですもの♪」 


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 01:59:02.16 :t7mxksZz0

P「あはは、それもそうか……でも社長になんて報告しよう」

桃華「Pちゃまのお好きなようにでいいと思いますわよ?」

P「うーん、破談でいいのかな」

桃華「ええ、わたくしはそれで構いません」

P「そう報告しておくな、大体12歳の担当アイドルと見合いしてOKなんてなったら俺はロリコンになってしまう」

桃華「婚約者と捕らえればよろしいのではなくて?」

P「それこそ問題だって、権力に擦り寄った男みたいになるだろ」

桃華「わたくしが子供でなければ都合は悪くない……ということですの?」

P「それのほかにも沢山あるけどさ……それじゃあこうしよう」

桃華「こうとは……?」

P「桃華が18歳になったときに、お互いに相手が居なければ……もう一度お見合いしようか」

桃華「Pちゃま……!」

P「あと6年経って誰も居なかったら……俺いい年だな……」

桃華「6年、6年ですわね! お母様!」 


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 02:04:08.10 :t7mxksZz0

「ええ、録音してあるわ」

P「ちょっと!?」

「6年後、楽しみにしていますね……うふふ、おほほほほほ」

P「これは……やっちまったか」

「6時より夕食となっています、それまでお話しましょうか……ゆっくりと……」

桃華「Pちゃま、この6年間の計画を立てましょう?」

P「……うわぁ……」

「うふふ、末永く桃華を宜しくお願いしますね♪」

桃華「……不束者ですが、よろしくお願いしますわ♪」

P「……でも、桃華に恋愛感情は抱いてないぞ? 当たり前だけど」

「あら、そんなこと関係ありませんよ?」

桃華「この6年で、しっかり虜にして差し上げますわ……Pちゃま♪」

P「……いやこれは良くない、良くないぞ!」


おわり 


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/08(月) 02:05:26.10 :t7mxksZz0

ちゃま誕生日おめでとう

熊本弁無理だから蘭子無理

誰か任せた 


元スレ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1365349362