4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 19:44:27.29 :jAIwuXyC0

それでは、前書きおば


Pが一杯、娘も一杯
娘は平仮名表記に変えました


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 19:46:57.82 :jAIwuXyC0

P「ああ、俺だ……大変な事になった」

P「こんな夜遅くに電話したのは理由がある」

P「嫁とちょっと気まずくなってな……助けて欲しいわけだ」

P「もう27にもなる嫁がサンタを信じて疑わないんだ」

P「え?お前の嫁もお前がサンタだって言ってる?あんたの家のノロケ話は聞いてねえよ!」

P「まあいい、話を戻すぞ……」

P「さっき嫁と娘と晩飯のカレーを食べていた所なんだが……こんな話があってだな」

――――――
――――
――

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 19:49:45.86 :jAIwuXyC0

12月23日
――――――――
P「年齢の割りにすごく話す言葉はしっかりしてるのに……」

たかね「……」モグモグ

P「大人しくて、案外寂しがり屋でかわいいのに」

たかね「…………」モグモグ

P「念願の一人娘というのに……」

たかね「……!」コツン

たかね「あなたしゃま!かれぇおかわりです!」

P「……なんで相変わらず『あなた様』が上手く言えないんだ?」

たかね「おかあさま!」

貴音「はい、わかりましたよ」クスッ

P「……なんだこの敗北感は」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 19:53:16.29 :jAIwuXyC0

たかね「ごちそうさまでした!」

貴音「はい、お粗末様でした」

P(作ったのは俺だけどな?……まあそんなことは些細な事だが)

貴音「あなた様、片づけはわたくしも……」

P「いや、俺がやるからいいよ」

貴音「そうですか……それならわたくし、明日の仕事のために少々電話をしてきます」

貴音「その間は娘を任せてもよろしいでしょうか?」

P「ああ、構わない……それじゃたかね、行こうか」

たかね「はい!あなたしゃま♪」

貴音「ふふ……相変わらず父によく懐きますね……それではいってまいります」

P「ああ……よし、そんじやいっちょやりますか!」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:03:10.73 :jAIwuXyC0

カチャカチャ

P「うへえ……相変わらずすげー食器の数……食洗機が欲しいわあ……ボーナスで電化製品を買いたがる妻の気持ちかよくわかる」

たかね「おかあさまが?」

P「いや、俺が専業主夫なんだけどさ、一応」

P「にしてもよく食う二人だ……食う分稼いでくるのはさすが元アイドルといったところだが」

P「エンゲル係数の高い家だ事……」

P「…………」

P「貴音の家に婿養子として嫁いでから何年だろう?」

P「ある日、貴音にダメもとで告白したんだよな……」

P「いいですよと言われた時は思わず卒倒しかけてしまった」

P「あれから秘密もなんも無くなって心置きなく二人で……いや三人か」

P「……まあ嫁入りさせようとしていたらなぜか俺が婿入りしていた現象だけは未だにトップシークレットだが」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:16:29.46 :jAIwuXyC0

たかね「……あなたしゃま!さびしいです!」

P「おっと、すまんな……ちょっと思い出に浸りすぎていたよ」ナデナデ

たかね「……あなたしゃま……♪」スリスリ

P「……しっかし他の人にはちゃんとお父様って言うのに俺にはあなたしゃまな理由がわからない」

P「結構物喋れるのにな、貴音の真似なのか?うーん……」

貴音「ただいま戻りました……まあよいではないですか、子は甘えてくるうちが可愛いものですよ?」

P「いや、そうなんだが……」

P(呼び方が変な事は甘えてくる事と関係があるのか果たして)

貴音「ならば旦那様、に致しましょうか?」

たかね「だんな……しゃま?」

P「……いや、お前の好きにしてくれ……今まで通りでいいよ」

P(なんだかんだで気に入ってるしな)


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:19:24.26 :jAIwuXyC0

貴音「それではあなた様と呼ばせていただきますね、今まで通り」

たかね「あなたしゃま!」

P「……それにしても貴音。随分と早かったな」

貴音「ええ、少々電話をするだけでしたから」

P「そうか」

貴音「ふふ……♪」

P「上機嫌だな、久しぶりにいい仕事なのか?」

貴音「ええ、久しぶりに3人でのくりすますらいぶ、だそうです♪」

P「なるほどね……たかねを連れていくか?」

たかね「たかねはあなたしゃまとが、いいです……」

貴音「そうですか……美希と響は連れてくるようですけど、それでは仕方ありませんね……わたくし一人で行く事にしましょう」

P「すまんな、行けなくて」

貴音「いえいえ、いいのですよ……歌ならいくらでもここで歌ってあげれますから」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:26:38.33 :jAIwuXyC0

たかね「ふぁ……あなたしゃま……」

P(やばい、すっかり忘れていた……飯が遅かっただけでもう寝る時間なんだよな……)

P「よしよし……たかねはもう寝る時間だぞ?もうお寝んねしなさい」ナデナデ

たかね「……ふぁい……おやすみなさい、お母様、あなたしゃま……」ペコ

P「……呼び方はともかく、礼儀正しい娘になって良かった」

貴音「そうですね……」

P「きっと綺麗な娘になるぞ、お前みたいにな」

P「学校の他のご両親もうちの娘を見習いたいと御評判なんだ、とても一年生とは思えないと」

貴音「学校といえば……小鳥嬢の娘も同じ学級に居ましたね……世間と言うのは真、狭き物ですね」

P「あとあいつの娘もな……」

貴音「あなた様、彼をそのように敵視してはいけませんよ」

P「数年間ずっと家で嫁とイチャイチャして他のアイドル達やプロデューサー仲間とも会わなかったあいつとどう仲良くしろと?」

貴音「……それにしては先日は随分と楽しそうに歓談なさっていたように思われましたが」

P「……気のせいだ、多分」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:31:26.49 :jAIwuXyC0

――――――
あいつ「くしゅん!」

あいつの娘「はにぃ、だいじょぶ?」

あいつ「いや、ちょっとタンスが埃っぽかっただけだよ、……それより子供はもう寝る時間だ、ママと一緒に寝るんだ、いいな」

あいつの娘「えー……」

あいつ「ほら、ひなちゃんもたかねちゃんももう寝てるから、な?」

あいつの娘「……はぁい……おやすみはにぃ……」

あいつ「ったく……この時期はアイツの仕事が多くて嫌になるね……帰りは遅いし、楽しそうに電話した後すぐ寝ちゃうし……」

あいつ「はぁ……人肌が恋しい……俺も寝ようかな……」

あいつ「いやいや、まだ寝るわけにはいかん、年末は忙しいから……はぁ……明日はイブたってのに……なんでこんな……」

あいつ「娘の学校が休みな日はいつも売り切れでチケットが取れないし……ステージで歌うママを生で見せたいのに……」
――――――


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:35:10.14 :jAIwuXyC0

P「ところで、だ。あいつで重大な事を思い出したんだが……」

貴音「?」

P「貴音、実は大変な事に気づいたんだ」

貴音「はて?大変な事とは一体……」

P「うちの娘も小1になってようやく気付いた事だ……それも子供の情操教育に悪影響を及ぼしかねない」

貴音「そ、それとは一体……」

P「それはだな……うちは今だにたかねにサンタがプレゼントを届けてない……という事だ!」ドン

貴音「なっ……!なんと!?あのさんでぃーくろうずがですか!?」

P「サンタクロースだ!クリスマス……聖夜とその前の日の間の夜にプレゼントを届けてくれる赤い服を来たおじさんのことだ!」

貴音「……そういえば明日のライブはそのような衣装でしたね……しかしそれが娘の情操教育とやらにどのような影響が?」

P「一昨日の事なんだが……たかねがその日から冬休みだったろ?それで学校から帰ってきた時の話なんだが……」

――――――
――――
――


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:38:39.96 :jAIwuXyC0

たかね「……ただいまもどりましたです……あなたしゃま……」フラフラ

P「おかえり……ん?」

たかね「……あなたしゃ……あっ……」ヨロッ

P「たかね?どうした?顔が真っ青だぞ?」

たかね「…………」パタッ

P「……たかね?」

たかね「……おとうさま……」

P「んなっ?!」

P(や、やっとお父様って呼んでくれた!なのに全然嬉しくない……なんだこの感覚は!?)

P(ふ、普段からいまにも消え入りそうな雰囲気のたかねが本当に消えてしまいそうだ!)


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:42:23.60 :jAIwuXyC0

たかね「おとうさま……たかねはわるいこです……」ズーン

P「た、たかねがおとうさまって……一体どれだけの事が学校で……」ガタガタ

たかね「たかねはいい子にならないといけません……」

P(て、天変地異の前触れか!?)

たかね「これからはおとうさまです……」ズーン

P(ま……まさか髪が白いとイジメに……アイドルの子供だからっていじめられないとは限らない……むしろ妬みの対象だ……)

たかね「おとうさまって呼ばないたかねはわるいこなんです……」

P(お、落ち着け俺!1年生がそんな理由で虐めたりしない!ここは父親らしく!そうだ!落ち着くんだ!……やればできる!……よし!)

P「コホン……お、お父さんはたかねが悪い子なんて、それにたかねが嫌がってまでお父様って呼んで欲しいとはこれっぽっちも思ってない」

たかね「おとうさま……」

P「さ、何があったのか言って見なさい、大丈夫……怒ったりしないから」


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:45:26.49 :jAIwuXyC0

たかね「はい……たかねはいままで……いいこじゃなかったんです…………」

P「そんなことないぞ、たかねはみんなが褒める最高に良い子だ、勉強熱心で、真面目ないい子だよ」

たかね「いえ、違います……わるいこです」

P(なぜそこまで悪い子にこだわる?)

たかね「だからたかねは……」


たかね「サンタからプレゼントをもらったことがないのです!」ドンッ


P「ナ、ナンダッテー…………」

P「えっ?」


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:50:34.92 :jAIwuXyC0

P「…………サンタ?あのサンタか?」

たかね「はい、あなたしゃまからはもらってもサンタクロースからもらったことがありません」

たかね「7組のおともだちのみきもひなも、6組ののひびきもみな毎年貰ったというのに……」

たかね「たかねだけはもらったことがないのです」グスッ

たかね「あなたしゃま……たかねはわるいこです……」ポロポロ

P(やべえかわいい……じゃなくて……なんとかしなきゃな……)

P(たかねが傷つかないような……サンタがいるような……)

ティン

P(そうだ……!でっち上げよう!……嘘だろうが知らぬが仏、嘘も方便だ)

P(あとで貴音に相談して文房具セットの他にもう一個プレゼントを買ってやろう)


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:54:59.29 :jAIwuXyC0

P「たかね……ごめんな、俺のせいなんだ」

たかね「?」

P「サンタさんも万能じゃないから、こんなにかわいい娘が生まれた事を手紙を出さないと気付くことができないんだ」

たかね「なんと……」

P「しかも忙しいから、いい子かどうかの判断はお父さんたちがするんた」

たかね「なんとー!」

P「毎年欲しいものを買いた手紙をお父さんに見せる、お父さんがその手紙にたかねはかわ……いい子だってサインをするんだ」

P「そしたらサンタさんがプレゼントを持ってきてくれるぞ……はい、この手紙になんでも欲しい物を一つ書いてくれ」

たかね「……あなたしゃま……」ウルウル

P(かわEEEEEEEEEEE)

たかね「いますぐてがみを書いてきます!」トテトテ

P「……はっ!?駆けてくたかねを見すごす迂闊……まあこれでよしと。あとはたかねが書いたのを買ってきてクリスマスツリーはないから寝てるうちに枕元においといて……それでいいな」
――
――――
――――――


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:57:41.83 :jAIwuXyC0

貴音「なんと、たかねにとってのさんたとはそのような物だったのですか……なんとも面妖な……」

P「今まではよく考えたら貴音が手渡しであげていたけどサンタはクリスマスツリーの下に置いておくものなんだ」

貴音「確かに……我が家にはくりすますつりぃが用意されておりません!」

P「…………ん?……あとは寝てる間にかけてある靴下にお菓子を詰め込んで置いたり、たんに枕元、とかだな」

貴音「確かに……今まではたかねの靴下が一夜のうちに膨らむ事などはありませんでした!それにたかねの部屋に押し入る不埒な輩はいませんでしたし」

P(なんだこの違和感は)

P「事務所にいた頃はクリスマスは雪歩の誕生パーティをしていたし、」

P「おまけにこんな現世離れしたような四条家に長くいすぎたせいですっかり存在を忘れていた!」

P「サンタはいる!だがたかねにはプレゼントを届けようとする人間はいない!」

P「だからたかねは悪い子と錯覚してしまっていたんだ!」

貴音「なるほど……それにしても妙ですね」

P「ん?」

貴音「さんたくろうすともあろうものが……わたくしの娘に気付かないとは……」

P「え?」


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 20:59:02.01 :jAIwuXyC0

P「そりゃ、俺達がクリスマスプレゼントは手渡しであげていたから……な?」

貴音「?」キョトン

P「いや、キョトンとするなよ……」

貴音「し、しかし……」

P「ん?」

貴音「聖夜の贈り物と言うのは……」


貴音「さんたくろうすが配る者ではありませんか?」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 21:04:37.17 :jAIwuXyC0

P「た、貴音!?いや、だからな?本来は手渡しじゃなくてツリーの下とか靴下に入れるものなんだよ」

貴音「……はて?なぜわたくし達がさんたくろうすの真似事をする必要があるのです?」

P(……まさか……サンタを信じて……)

P「貴音、何か勘違いをしてないか?」

貴音「勘違い……ですか?」

P「……いや、親がサンタの代わりにプレゼントを配るものだからな」

貴音「まさか……あなた様がさんたなのですか?」

P「いやそうじゃなくて……な?」

P「子供に夢を与えるために親がサンタとしてクリスマスプレゼントをこっそり渡すんだ……たかねの場合は手渡しだったわけなんだけどさ?」

貴音「……要するに、さんたくろうすなる物はいない、と?」

P「ああ」

貴音「……」

P「貴音?」

貴音「……あなた様!」バンッ


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 21:11:44.80 :jAIwuXyC0

P「」ビクッ

貴音「さんたくろうすは存在します!あなた様の失態を押し付ける真似はやめなさい!」

P「た、貴音……?」

貴音「わたくしは幼少の頃、くりすますいぶに父上と母上がそれと話しているのをこの耳で聞いたのです!」

貴音「『欧州の文化はよくわからないが、貴音達にもクリスマスを知ってもらおう』と!」

貴音「次の日、ぷれぜんとの着物がわたくしと妹の枕元に置いてあった事も覚えています!」

貴音「あれはおそらく父上がさんたに手紙を送ったからに違いありません!」

P(それもろ親じゃねーか!)

貴音「これでもさんたは居ないと申しますか!?」

P「い……いや……いるんじゃないかな……うん……」

P(こいつらが寝てからこっそりおく事にしよう……)


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 21:23:56.57 :jAIwuXyC0

貴音「……とにかく、たかねからは手紙を受け取ったのでしょう?」

P「あ、ああ」

貴音「ならば娘の事をよろしく頼むような文を書いて、投函してくださいまし」

P「当たり前だろ!たかねにはサンタは絶対くる!」

貴音「ええ、たかねはいい娘です……きっとさんたは来てくれるでしょう」

貴音「もし来てくれなかったのならは……あなた様がわたくしにサンタは居ないと思わせるために娘を蔑ろにしたか、娘が悪い子であると思っているという事」

貴音「もしそのような事があるのならば……この家と不十分しない程度の生活費をあなた様に明け渡します」

P「ええっ!?」

貴音「そして四条の姓と娘を返して貰います、宜しいですね?」

P「ちょ、ちょっとまてよ!」

貴音「明日は、娘が寝る前に帰宅して徹夜であなた様を見張ります」

貴音「わたくしが来る前に娘がさんたが来たと言うか、夜の内にぷれぜんとがおかれなかったその時には……」

P「……」サーッ

貴音「……それでは、失礼します」

P「う……嘘だろ……サンタ一人でこんな事になるなんて……」


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 21:33:49.15 :jAIwuXyC0

――――――
――――
――
P「……という事だ」

美希P『』ガチャン

P「切るなよ!」

美希P『理解の範囲を越えて受話器を落としただけだ……それで俺にどうしろと』

P「……それでお前にはサンタ役を頼みたいんだ!他の知り合いはその日には予定が入ってて……プレゼントは俺が渡すから!」

美希P『とりあえず、今の時点では【やだね】だ。貴音を説得すればいいじゃないか、それに俺に何の得がある?』

P「お前も嫁には勝てないのは百も承知だろ、それにタダでとは言わん……」

P「白赤歌合戦、大人チケットと子供チケットを1枚ずつ……最前列」スッ

美希P『んあー!?』

P「ふふ……嫁が白赤に出るのにチケットをもたもたと買う貴様とは違うのだよ貴様とは」

美希P『足元見やがって……』

P「手伝うに決まっているよな?それで手順だが……」

――――――
――――
――


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 21:41:57.60 :jAIwuXyC0

――――――
12月24日
――――――
P(なんだかんだでノリノリだったなあいつ、来年はお前もやれよとか言われた……まあいいか)

たかね「あなたしゃま!さんたは来るのですか?」

P「ああ、お前があまりにもいい子だから直接会いに来てくれるらしい」

たかね「さんた♪さんた♪」

P(さあ、早くしないと貴音が戻ってくる……といっても変装していてとてもあいつには見えないから大丈夫だ)

ピンポーン

たかね「!」

P「よしきた!」ガチャッ

サンタ(美希P)「ふぁっはっはっ!ムェリィクリスマァス!」

P(間違いない、娘の滑舌の悪さはこいつの遺伝だ)


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 21:52:35.66 :jAIwuXyC0

たかね「……」キラキラ

P(それにしても)

たかね「サンタさん!はじめましてです!たかねはたかねともうします!」キャッキャッ

P(あ、あのたかねが……すげーはしゃいでる……)

サンタ「君が四条たかねちゃんだね!君の話はよく聞いているよ!」

サンタ「とても可愛くて……綺麗な娘だとね!ふむ、君のお母さんによく似ている!」

たかね「……ありがとうございます!」

サンタ「君の欲しい物は……確か……ううむ……これかな?」ゴソゴソ

たかね「……」ドキドキ

P(発砲スチロールの欠片をたくさん入れてごまかした白い袋からたかねのプレゼントを選び出す動作は俺の発案だ)

サンタ「見つけたぞ!ふふ……これがプレゼントだぁ!」スッ

たかね「」ズギュウウウウウウン


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 21:59:28.55 :jAIwuXyC0

サンタ「ふむ、これからは君の優しさと家族の君への思いがよく伝わってくる!」

たかね「め、めめめめんようなななな……」

サンタ「これを君に……さ、手を出して」

たかね「……」スッ

P(ゆっくりと、たかねの小さな手にあいつのプレゼントが……)

サンタ「うむ!これからも一年頑張りたまえ!これならまた来年も会えそうだ!……一年間いい子でな!」

たかね「はい!」

サンタ「あと……お父さんは呼びたい名で呼びなさい!それがお父さんのためだからな!」ニヤッ

たかね「はいっ!」キラキラ

P(て、てめえ……っ)

サンタ「ふははっ!いい返事だ!それではメリークリスマス!」

たかね「めりぃくりすます!」


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 22:04:49.58 :jAIwuXyC0

P(よし、これでいいな……)

P(娘はサンタのプレゼントを貰えて大喜びだし、奴もチケットを貰えて満足だろ)

P(うんうん、一時はどうなるかと思ったけど……いい話だったなー……)

サンタ「それでは、たかねちゃん!また来ね――」


おわ


「お待ちなさいっ!」


らない


一同「!?」


貴音「あなたがさんたくろうすですか……」ゴゴゴゴゴ


P(しまった……貴音が戻ってきた!)


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 22:13:36.36 :jAIwuXyC0

P(いや、大丈夫!顔は隠しているし声色も変えてる!絶対にばれん!)

サンタ「はっはっはっ!はじめまして!君がたかねちゃんのお母さんだね?」

貴音「……あなたはわたくしの事を忘れてしまったのですか?」

サンタ「……えっ?」

貴音「幾度とぷれぜんとを置いてくれたと言うのに……」

サンタ(え?貴音ってクリスマスプレゼントもらってたの!?)

P(昨日の話聞いとけよ!)

貴音「あなた……さんたくろうすではありませんね……」

たかね「おかあさま……?」

サンタ「そ、そんな事はない!ちゃんとプレゼントもたかねちゃんの欲しい物だし、こうしてプレゼントを届けに来ただろう!」

P「そうだ貴音、サンタさんだって忘れる事もあるだろ?お前に判断のつくことじゃないしさ、な?」

貴音「そうですね……わたくしには判断はつきません……判断をするのはわたくしではありません」

サンタ「ほっ……」


みき「……はにぃ、どうしたのその服?」ヒョコッ

サンタ「!?」


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 22:21:50.15 :jAIwuXyC0

貴音「みきですよ」ベリベリ

P(ああ、変装が剥がされていく……)

みき「はにぃ、このお髭あったかいね!」モフモフ

たかね「……みきちゃんのお父様……」

美希「はぁ……はぁ……ハニー!間に合わなかったの!?」

美希P「美希……すまん……」

美希「そ……そんな……ライブが終わったら着替えもしないでみきを連れて帰ったから急いで追いかけたのに……ハニーの変装は完璧だったのに……」

P(だ、大惨事じゃねーか……)


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 22:26:48.52 :jAIwuXyC0

たかね「おかあさま……」ポロポロ

貴音「数人がかりで上げて落とすなど……卑怯千万」

P「」

美希「」

美希P「」

みき「はにぃ♪」スリスリ


貴音「さて……あなた様……覚悟はいいですね?」

P「い……いや……嘘だ……そんな……」

P「うわああっ!」

「メリークリスマース!」


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 22:36:33.93 :jAIwuXyC0

「ハッホーッ!」シャンシャンシャンシャン

貴音「!?」クルッ

美希「ソ、ソリ!?」

???「はっはっはっ!わしのバイトが手間をかけたようじゃな!」

貴音「あ、あなた様は……もしや本物のさんたくろうす!?」

たかね「わぁ……」パアッ

サンタクロース「そうだとも、そうだとも!君の事は小さい頃からよく見て来たよ!」

貴音「な、なんと……」

サンタクロース「四条さん、ここは娘さんに免じてこの者達を許してもらってくれないか?」

貴音「なっ……しかし……」

サンタクロース「頼む、この通りだ!」

たかね「さんたさん……」

貴音「…………分かりました、今回だけは見逃してあげましょう」

たかね「おかあさま……!」


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 22:40:47.99 :jAIwuXyC0

P(も、もっとジワジワとなぶり殺されるかと思ったよ……助かった……)

サンタクロース「それでは……三人とも仲良くな!それじゃバイト君とそのご家族!!ソリに乗っていくとしよう!」

美希「え?!これに乗るの!?」

サンタクロース「え、ではない!そら、乗った乗った!」

みき「わー♪そりだー♪」

美希P「そ、それじゃ御機嫌よう……」

P「おう……」

シャンシャンシャンシャン

サンタクロース「はっほー!それではまたなPさん!」

P(な、なんだっだんだ……こいつらは……)


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 22:53:04.05 :jAIwuXyC0

たかね「さようなら……」

貴音「さて……あなた様……」

P「た、貴音……」

貴音「わたくしの言うとおり、さんたくろうすはいたでしょう?」

P「あ……ああ……そうだな」

貴音「思いと言うのは、信じれば必ず現実になる物なのですよ」

P「……」


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 22:54:39.59 :jAIwuXyC0

貴音「わたくしは、これからも三人で暮らせることに感謝しております……さあ、たかね」

たかね「はい……あなたしゃま♪」ギューッ

P「たかね……」

貴音「これからも、ずっと一緒ですよ」

P「ああ、離さないよ、貴音」

貴音「……さあ、愛を確認しあったのです。もう入りましょうか……外は冷えますから……」

P「ああ……」

貴音「今日のことも……思い人とずっと離れたくないというわたくしの願いの結果なのでしょうか……」

P「え?今なんて……?」

貴音「ふふ……」

貴音「とっぷしいくれっとですよ、あなた様」

たかね「あなたしゃま♪」

おわり


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 23:03:03.71 :jAIwuXyC0

シャンシャンシャンシャン

サンタクロース「はっほーwwwww」

みき「はっほー♪」


美希「ねえハニー……」

美希P「なんだ、美希?」


美希「……ミキ達どこに行くの?」

美希P「……さあ?」

――――――
――――
――


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 23:09:19.73 :jAIwuXyC0

サンタクロース「さあ、ついたぞ!」

美希「こ、ここは……家?」

美希P「ひっそりとしたような家だが……」

サンタクロース「せっかく四条さんを驚かせて記憶に残らせようとしたのに……それか出来なくて残念だねえ……」

サンタクロース「折角驚かせようと思ったのに……まったく」

小鳥「あらあなた、もう帰っていらしたの?」

美希P「お……音無さん……ってことは……」

小鳥P「はじめましてだね、君達」ニヤニヤ

小鳥「ごめんなさいね……奇天烈な人で……おほほ……」

美希「な……なんなのなの……」

終わる


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 23:18:27.17 :jAIwuXyC0

貴音「あなた様、たかねのプレゼントは何だったのですか?」

P「ん?お菓子と、あとはたかねが書いた物がしっかり入っていたよ」

貴音「何を書いたんでしょうか……わたくしにはさっぱりとわからないですね」

P「……家族みんなが仲良くなれるように、素晴らしい物を書いてくれたよ」

貴音「素晴らしい物、ですか」


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 23:23:23.41 :jAIwuXyC0

P「ああ、とっておきのものだ、居間にわかるように飾ってあるから見てくるといい」

貴音「ふむ、それではいってまいりますね……あなた様」

P「なんだ?」

貴音「先に答えを聞いて、よろしいでしょうか?」

P「そうだな……先に教えてもいいだろう」

P「……家族みんなかいつまでも笑顔でいること」

P「そのためにたかねなりに考えた最高の物だって書いてあったよ」

貴音「……それは一体?」

P「それはだな……」


「写真立てだよ……家族みんなの写真を入れる、とっても大きい写真立て」

ホントの本当に終わり


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【2ちゃんねる】娘「あなたしゃま♪」P「……」
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