1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 22:46:52.42 :hL9n8y6G0

千早「プロデューサー?」

P「なに?」

千早「765プロ、つぶれてしまいましたね」 


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 22:48:12.20 :0cEu/hHU0

P「そりゃ、零細企業、風吹きゃ飛んでくさ」

千早「私の力及ばず、申し訳ないです」

P「なあに、五体満足なんだ、生きてさえいればいいよ」

千早「でも、他のメンバーと離れ離れに」

P「仕方ない、こういう別れもあるさ。みんななんとかやっていけるよ、きっと」

千早「……割と適当ですね」

P「俺には千早さえいればいいからな」

千早「嬉しいですけど返答に困ります」

P「そこは素直に喜んどけ」 


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 22:50:24.78 :0cEu/hHU0

後日……

P「うーん貯金も尽きてきたし次の仕事探すか」

千早「プロデューサー、今日、ハローワークにいったらこんな求人がありましたよ」

P「なんだ千早学校サボって俺のためにそんなことまで……泣けてくるぜ」

ピラリピラリ(資料をめくる音)

P「これは何々、恐山でイタコの補佐?安定した収入にはならなさそうだなあ」

千早「そうですか。じゃあこっちならどうです?」

P「アンテナを売り歩く仕事です?怪しさMAXだな」

千早「でも、歩合制で頑張れば、こんなに!」

P「おお、これだけ稼げれば二人でも食べていけそうだな」

千早「私、学校やめて手伝いますから二人でやりましょう」

P「うーん、学校にはなんとかいった方がいいぞ、千早、成績優秀なんだし」

千早「プロデューサーがいうならそうします。でも学校が終わったらすぐに手伝いにいきますから!」

P「そうか、そうしてくれると助かる。こういうのは華があったほうがいいだろうし」 


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 22:52:01.76 :0cEu/hHU0

午前……

P「住所によるとここがアンテナ屋の事務所らしけど」

千早「ついてきちゃいました」

P「常に千早がとなりにいるなんて俺は幸せものだなぁ」

千早「プロデューサーったら、ふふっ」

P「うん。とりあえず入ってみるか。一階は車庫みたいだな」

千早「二階が事務所のようですね、階段上りましょう」

コンコン

P「ごめんくださーい、連絡してたプロデューサーというものですが」

千早「せっかくだから、私はこの赤の扉を選びますね」

イラッシャイ♪イラッシャイ♪(音声合成ソフトで喋らせたような声)

P「ハイテクなんだかなんなのかよくわからんな」 


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 22:53:56.99 :0cEu/hHU0

?「……ようこそ」

P(低めのいい声だ。でも顔……というか全身が黒くてよくわからんぞ)

社長「キミがプロデューサーくんかね。私はアンテナショップ『765kHz』の高林だ。以後社長とよんでくれたまえ」

P「わかりました、社長!」(なんかしっくりくるな)

千早「如月千早です。プロデューサーのパ、パートナーです/// ……ところで社長、このお店ではどんなアンテナを売っているんですか?」

社長「そうだね、テレビ用の八木・宇田アンテナ、ラジオ用のループアンテナ、衛星放送受信用のパラボラアンテナ、あとは大学や企業の実験用の特別なアンテナなどを扱っているよ」

P「アンテナに明るくないのでよくわかりませんけど、ともかく種類はそろっていると」

社長「その通りだ。それで販売方法なのだが訪問販売、路上販売が基本になる。一階にあるリアカーにたくさんアンテナを乗せて出歩いてほしい」

P(リ、リアカー……)

社長「CO2削減の折にね」

千早(単に会社がビンボーなのでは……)

社長「今日のところあとは雇用契約などになる。ともかく明日から早速売り歩いて欲しい。敏腕新人として期待しているよ」

P「はい!期待に答えられるよう全力で頑張ります!」(大丈夫かこの会社……俺は傾きかけの企業を渡り歩くプレインズウォーカーか)

千早(プロデューサー、その例えわかりづらいです) 


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 22:54:56.74 :0cEu/hHU0

翌日、午前中……

P「さて、今日から本格的な仕事だ」

P「ちなみにかわいいかわいい千早ちゃんは学校に行っております」

P「誰に言ってるんだ俺」

P「今日は一階のシャッターが空いてるぞ。あれ、社長がいる」

……

P「社長!おはようございます!」

社長「おお!キミかね。おはよう。待っていたよ。とりあえず今商品を車に乗せてるから手伝ってくれ」

P「了解しました」

黙々と作業する二人……

P「おわりました!」

社長「よくやってくれた。少し休んだら早速販売に行ってもらいたい」 


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 22:56:06.30 :0cEu/hHU0

P\アンテナー、アンテナはいかがですかー?/

P(社長の出してきた拡声器でこうして売り歩いているわけだが……)

P「いや、アンテナなんて売れないだろう、常識的に考えて」

P(あ、おばさん)「お姉さん、アンテナなんていりませんかね」

おばさん「まあ、お姉さんだなんて!ところでアンテナ?なんのアンテナ?」

P「テレビ用とかラジオ用とかです」

おばさん「そういえば、旦那がインターネットでラジオが聞きたいとかいってたんだけどそれにもアンテナいるのかしら?」

P「いやー、それは多分いらないと思いますよ」

おばさん「そう、じゃあ必要ないわね」

P「そうですか、またよろしくお願いします」(ですよねー) 


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 22:57:18.85 :0cEu/hHU0

午後……

P「うーん、ひとつも売れないまま昼を過ぎてしまった」

アオイートリー モシシアワセー

P「あ、千早からメール」

題名:いまどこですか?
本文:さっき学校おわりました。いまからそっちに合流します。

P「メイン板きた!これで勝つる!」

……

千早「プロデューサー、こんにちは」

P「はいこんちは。千早ー売れないんだようアンテナがよう」

千早「……まったく、プロデューサーは私がいないとダメなんですから、ふふっ」 


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 22:58:16.11 :0cEu/hHU0

千早\アンテナいかがですかー/

P(千早が来てくれたものの相変わらず売れない)

千早「プロデューサー、売れませんね」

P「ああ、こんなんでやっていけるのかな……ん、あっちの青年がこっちをジロジロみているぞ」

千早「近づいてきましたね」

青年「あの、もしかして如月千早さんですか!?」

千早「あー、はいそうです」

青年「うわーこんなところで会えるなんて感激です!ところで一体何を?」

千早「アンテナ売りを……」

青年「じゃあ、アンテナ買うんでサインしてもらえませんか?」

千早「いいですよ、ではこのパラボラアンテナに、えい」

青年「ありがとうございます!これお代です!家宝にします!」

千早「こちらこそ、ありがとうございます!」

P(そして青年は去っていた) 


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 22:59:09.45 :0cEu/hHU0

P「何はともあれ千早のお陰でひとつ売れたな」

千早「グッズでアンテナを売っておけばよかったかもしれませんね」

社長「ふたりともおかえり」

P「あの、社長、すいません、ひとつしか売れませんでした」

社長「なんと!初日にしてひとつ売るなんて流石じゃないか」

P(なんだ上出来なのか)

社長「まあ、ともかく今日はこれで終わりだ。ご苦労様」 


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:01:08.23 :0cEu/hHU0

一週間後……

千早「くっ……プロデューサー、全く売れません」

P「千早、『売れない』って言ったら罰金百円な」

P(初日に売れてからはからっきしだ。社長からは静かなプレッシャーを感じるし……)

P「そうだ、訪問販売をやってみるか」

千早「今よりは積極的な分売れそうな気もしますね」

P「じゃあとりあえずこの家でいってみよう」

ピンポーン 


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:02:30.87 :0cEu/hHU0

ガチャ

老婆「はい、どちらさまですか?」

P「アンテナショップ『765kHz』のものですが、只今アンテナを販売しておりまして」

老婆「アンテナ?何に必要なんですかねそれは」

P「テレビやラジオを受信したり……」

老婆「いま、じいさんの腰痛がひどくてね、それに効くならいいんだけど」

P「はい!もちろん効きますよ」(ってあれ?)

千早(そんな効能、社長言ってませんでしたよ!)

老婆「本当に!じゃあひとついただくかねぇ」

P(今更嘘なんて言えんしなあ)「あ、ああ……ありがとうございます」 


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:04:19.89 :0cEu/hHU0

千早「いいんですかプロデューサー、お婆さんに嘘ついてしまって……」

P「まずいよなー、店の名前言っちゃったし、インチキだって連絡されるかもしれん。そしたらまた無職……」

千早「また三食水かけご飯……」 


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:05:51.19 :0cEu/hHU0

数日後……

社長「おはよう!今日も元気かね」

P「おはようございます社長」

社長「今日はお知らせがある」

P(やばい、例の件がバレたか……)

社長「先日キミからアンテナを買ったというお客さんから連絡があってね、なんでもアンテナがとっても良い商品だったとのことだよ、いやー嬉しいことだよ」

P(あれー、そんなバナナ。じいさんの腰痛治ったの、もしかして?) 


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:06:39.80 :0cEu/hHU0

P「今後はこの路線で行こうかな」

千早「え、また嘘ついて売るんですか?」

P「話を盛るだけだからさ。こっちも生活かかってるし」

千早「なんだか納得いきません」

P「まあ、世の中には電位治療器とかいうものもあるんだ、似たようなもんだろ」 


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:07:34.32 :0cEu/hHU0

翌日から……

P「腰や肩の疲れがとれたりするんですよ」

……

P「ちょっとした風邪なんかにも効く効く」

……

P「ほら彼女、僕のパートナー、以前は全然元気がなかったんですけど、アンテナのお陰で今ではほらほらこんな風にオペラを歌ってくれるんですよ!」

千早「ラーララーララーラーラー……」 


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:08:35.48 :0cEu/hHU0

数週間後……

P(俺が効能を詐称してからというもののアンテナは飛ぶように売れた)

千早「今日はお寿司なんて、こんなご馳走、食べても大丈夫なんですか?」

P「給料日だからな。社長からたくさんもらってるし」

千早「でも私、人を騙してまでこんなもの食べたくありません」

P「まあ、そうはいうがね。売った人には必ず連絡先を教えてるけど苦情はゼロ件、案外本当に効果があるのかもしれんぞ」

千早「それはそうですけど……」 


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:10:34.84 :0cEu/hHU0

P「さーて今日もアンテナ売るぞー」

千早「……はい」

P「今日はとりあえずこの家に入ってみるか」

ピンポーン

P「ごめんくださーい、アンテナ売りの者ですが」

ガラガラ

P(中から主婦らしき人がでてきたぞ)

主婦「あなたアンテナ売りの……」

P「ああ、はい、アンテナ売ってます」

主婦「色々お話伺ってます。ご相談したいことがあるので中に入ってもらいませんか」

P「ええ、ぜひとも」(こりゃ好感触だな) 


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:11:29.48 :0cEu/hHU0

主婦「あの……うちの息子と会ってもらえませんか」

P「もちろんです」

廊下を抜けて子供の部屋へ歩いていく

主婦「こちらです」

P(ベッドに小さな男の子が寝ている)

男の子「……」

千早「……」

主婦「この子、何ヶ月もこんなかんじで一向に良くならないんです、もしかしたら評判のアンテナを立ててもらえば良くなるかもって思って……」

P「ええ、お安いご用ですよ!すぐにでも準備させてもらいます」 


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:12:37.19 :0cEu/hHU0

帰り道、交差点……

千早「プロデューサー」

P「どうした」

千早「やっぱりおかしいです、こんなこと間違ってます」

P「そうだな」

千早「あのお母さん、わらにもすがる思いでアンテナを買って、あの……男の子のために!プロデューサーは罪悪感を感じないんですか!?」

P「最初は感じてたよ。でも慣れてきた」

千早「おかしいです、こんなこと」

P「生活のためだ、割りきってくれ」

千早「嫌です、プロデューサーのいくじなし!」 


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:13:56.19 :0cEu/hHU0

P「おい、千早、まだ赤……」

P(千早が道路に飛び出したその瞬間、全ての動きがスローモーションになった。俺は「危ない!」と言いたいんだけど、千早に向かってくる乗用車を止めることはできなくて)

P(そのまま世界は物理法則の通りに動いて、千早は車に轢かれた)

千早『弟は……車に轢かれて……』

P「千早!」

病院……

P「では、大きな外傷はないと」

医者「ええ、数カ所の打撲になります。ですが、ひとつ気になるのが少し頭を打っているところです。これに関してはMRIなどの精密検査を行います」

P「良かった……本当に良かった……」

医者「事故に合われた方には精神的な看病も必要です、是非隣についておいてあげてください」

P「はい、ありがとうございます」 


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:14:53.02 :0cEu/hHU0

病室……

P(千早、気を失ってる顔もかわいいな)

P(いかんいかん、なに考えてるんだ俺は…)

P(お、千早が目を覚ますぞ)

千早「……ここはどこ?」

P「おはよう千早、ここは病室だよ、お前事故にあって……」

千早「お兄ちゃん、だれ?」

P「え?プロデューサーだけど?」

千早「ぷろでゅうさあ?はじめましてー」 


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:16:13.61 :0cEu/hHU0

一週間後……

P(医者が言うには今の千早は記憶喪失というよりは幼児退行を起こしているというのが適切らしい)

千早「お兄ちゃん、千早、早くお外に出て遊びたい!」ジタバタジタバタ

P(ただ、その原因は不明だと。あてにならんもんだな)

P「OKOK、今日から外に出てもいいって先生がいってたから一緒に遊ぼうな」

千早「わーい!何して遊ぼうかな~」

P(体は大きいまま幼児言葉になっていてこれはこれで……いやいや)

P(ふー、プロデューサー業からアンテナ売りに転職して今度は保育士か?我ながら忙しい奴だ)

P「じゃあ、千早、一緒に散歩しよう」

千早「お兄ちゃんと一緒に散歩、嬉し~」 


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:17:16.35 :0cEu/hHU0

P「おお千早、この病院前の広場、今度サーカスが来るみたいだぞ」

千早「サーカス?それって楽しいの?」

P「ああ、楽しいぞー、俺も子供の頃に連れて行ってもらったきりだけどさ、猛獣使い、ピエロの曲芸、空中ブランコ……」

千早「ふーん、でもお兄ちゃんがいうならきっと楽しいんだね」

P「サーカスが来たら連れて行ってやるから、たのしみにしておけよ」

千早「うん、とってもうれしい。お兄ちゃんありがとー」 


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:18:27.71 :0cEu/hHU0

P(さて、こうして数日経ってサーカスにやってきたわけだが)

P「思ったより豪華だな。広場の中央に大テント、周りにいくつか見世物小屋がある」

千早「人がたくさんいるね、お兄ちゃん、わたしを置いていかないでね」

P「はいはい、大丈夫ですよお姫様」

千早「わたしお姫さま?じゃあお兄ちゃん、王子さまね」

P「ではお姫さま大テントの方へ」

千早「くるしゅーないぞ、えへへ」 


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:19:22.94 :0cEu/hHU0

大テント内……

P「ほら千早、これが空中ブランコだぞ」

千早「わー!こわいけどすごいすごい!」

……

P「次はピエロの曲芸だ」

千早「はー……」

P「どうしたんだ千早、面白くないのか?」

千早「こんなにおもしろいんだから弟も連れてきたかったな」

P(そうか、弟さんが生きていた頃に戻っているのか) 


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:20:54.81 :0cEu/hHU0

大テント外……

P(なんだここ呪術師の小屋?あなたの願いを叶えます?)

P「千早、ここに入ってみよう」

千早「うんいいよ」

P(薄暗い小屋で中心にテーブルと大きい水晶玉が乗っている。千早は入るなりそのテーブルに向かって水晶玉を転がして遊んでる)

バーさん「んんーお客さんかね」

P(それっぽいしわくちゃのバーさんだ)

P「ええ、願い叶えますって、気になって」

バーさん「それはもしかしてそのお嬢ちゃんのことかね」

P「わかるんですか?」

バーさん「ああ、わかるとも。伊達にこの稼業何十年とやってないさ」

P「あの、この子、千早っていうんですけど、事故にあってから幼児退行を起こしていて、それを元に戻したいんです」

バーさん「わしが叶えられるのは、その人の願望そのものじゃ。あんたが本当にお嬢ちゃんを元に戻したいのなら自然とそうなる」

P「それなら、なんとかお願いします」 


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:22:48.80 :0cEu/hHU0

バーさん「じゃあ、そのテーブルの前の椅子に二人で座って」

P(婆さんがおいてある水晶玉に手をかざす、段々と光が集まってくる)

P「さあ、千早、お婆さんのいうとおりにするんだよ」

千早「仕方ないなー」

バーさん「さあ、水晶玉に集中して、じっと中身をみて」

……

バーさん「二人は段々、玉のなかに吸い込まれる。吸い込まれていく……」

バーさん「あなたの願望を強く想いなさい。そのまま水晶玉の中に願望を放ちなさい」

P(千早、もとに戻ってくれ。そしたらいっしょに頑張っていこう……)

バーさん「その願望は増幅されて世界を書き換え、定着させる……」 


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:23:33.90 :0cEu/hHU0

小屋の外……

P(千早、あのまま寝てしまった。仕方ないからそのままお姫さま抱っこで連れだしてきた)

P「だいぶ、夜も更けてきたからか、人も減ってきたな。このまま帰るか」

P(あんなバーさんに願いを叶えてもらうなんて俺もどうかしてるな。これが藁にもすがるってやつか……) 


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:24:29.90 :0cEu/hHU0

病室……

P「よっこいしょっと、さあ、お姫様、ベッドでお眠りください」

千早「zzz...」

P(月明かりが綺麗だ)

P「窓際に置いといたアンテナ、なんか錆びてるな」

千早「……プロデューサー」

P「!?千早、今お前!」

千早「zzz...」

P「なんだ寝言か……」 


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:25:32.55 :0cEu/hHU0

P(多分、千早は元に戻らない、そんな気がする)

P「そうか、願望、自分の願望は……」

千早『プロデューサーのいくじなし!』

P(千早に反発されるのが怖かったんだ。二人の関係が壊れるのが嫌だったんだ)

P(だから、千早が元に戻らなくてもいいと願ってしまったんだ、それが本音だったんだ)

P「いや、大丈夫だ。俺、千早を一生かけて幸せにするから。だから大丈夫だよ」

千早「zzz...」 


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:26:30.46 :0cEu/hHU0

その後二人はアンテナを売って幸せに暮らしましたとさ

『プロデューサー、だあいすき!』

END 


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 23:30:07.10 :0cEu/hHU0

お付き合いいただいてありがとうございます
ご指摘の通り筋少のパロディというかモチーフです 

元スレ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1354628812