1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:16:18.21 :1jJJcflE0

765プロ

千早「…………」ガチャ

小鳥「千早ちゃん? 今日は早いのね」

千早「……おはようございます」

小鳥「お、おはようございます……」

千早「…………」


小鳥(険しい顔、というかあれは……怒ってる?)

小鳥(なんだか、機嫌が悪そうね……なにかあったのかしら) 


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:18:02.57 :1jJJcflE0

P「おはようございまーす」

小鳥「あっ、プロデューサーさん……ちょっとちょっと」

P「どうしました、音無さん?」

小鳥「ほら、あっちあっち」


千早「…………」


P「千早ですけど……それがどうかしました?」

小鳥「それが、なんだか機嫌が悪そうに見えるんですよ」

P「あー……やっぱり怒ってんのかな」

小鳥「えっ? プロデューサーさん、なにかあったんですか?」

P「ええ、実は……昨日、千早とメールしてる途中で返信せずに寝てしまって」

小鳥「……は?」 


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:20:08.54 :1jJJcflE0

小鳥「あの、それってつまり……昨日の夜は千早ちゃんとずっとメールを?」

P「昨日、というかほとんど毎晩ですね。いつもはおやすみ、ってメールをしてから寝るんですけど……」

小鳥「え、ええっ!? 毎晩!?」

P「声が大きいですよ音無さん……千早に聞こえちゃいます」

小鳥「ご、ごめんなさい。でも、びっくりしちゃって……」

P「ん? なにか驚く要素ありました?」

小鳥「だって、プロデューサーさんと千早ちゃんがそんな仲だったなんて」

P「えっ? 俺と千早はプロデューサーとアイドルの関係ですからおかしくはないですよね」

小鳥「そ、そうなんですか?」

P「ええ、なにもおかしい事なんてありませんよ」


小鳥(私がおかしいのかしら……いや、でも……) 


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:22:07.04 :1jJJcflE0

小鳥「と、とりあえず今はそれはいいとして、千早ちゃんの機嫌をどうにかしてくださいよ」

P「んー……わかりました、俺がなんとかしてみます」

小鳥「頼みましたよ、プロデューサーさん」


P「おはよう、千早」

千早「……おはようございます」

P「ああ、昨日はよく眠れたか」

千早「ええ、プロデューサーよりは眠れていないと思いますけど」

P「そ、そうか……」


小鳥(うわー、言い方がちょっとキツイわね……本当になんとかなるのかしら) 


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:24:05.90 :1jJJcflE0

P「あのー、千早?」

千早「なんですか? 用があるのなら手短にお願いします」

P「えっと……昨日は済まなかった」

千早「なんの事ですか? そんな事する必要、無いと思いますけど」


小鳥(謝ることすら許さない、これは難しい……)


P「千早さん、ちょいとお耳を」

千早「……なんですか、手短にお願いします」

P「――今日のレッスンですが、いつもよりいい場所、押さえてあります」

千早「えっ?」 


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:26:05.74 :1jJJcflE0

P「……スタジオみたいな場所で今日はレッスンの予定です」

千早「そ、そうですか。まあ、場所なんてどこでも構いませんが……」

P「……その場所、録音や録画もできるから、後で歌い方のチェックもできます」

千早「歌い方の、チェック……」

P「……千早さんの歌唱レベル、上がる事間違いなしです」

千早「…………」

P「……昨日の事、許してもらってもいいでしょうか?」

千早「し、仕方ありませんね。時間がもったいないですから、早く向かいましょう」

P「ああ、千早は先に降りててくれ。俺もすぐに行くから」

千早「わかりました、急いでくださいね」 


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:28:05.95 :1jJJcflE0

小鳥「……プロデューサーさん、上手くやりましたね」

P「まあ、物で釣ってるみたいであまり良い事ではないですけどね」

小鳥「それでも、千早ちゃんものすごく目がキラキラしてましたよ。効果絶大ですね」

P「ええ、機嫌を良くしてもらってよかったです。じゃあ、待たせるのも悪いんで行きますね」

小鳥「はーい、いってらっしゃーい」


小鳥(あっ、メールのこと聞くの忘れてた……) 


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:30:06.69 :1jJJcflE0

それから一週間後 765プロ



千早「…………」ガチャ

小鳥「あら、千早ちゃん……って」

小鳥(また険しい顔してる……なんだか今日も機嫌が悪そうね。とりあえず挨拶を)


小鳥「お、おはよう千早ちゃん」

千早「……おはようございます」

小鳥「えっと、今日もいい天気ね」

千早「……そうですね」

小鳥「え、ええ……」


小鳥(うー……私では無理ね。プロデューサーさん、早く来て!) 


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:32:06.87 :1jJJcflE0

P「おはようございまーす」

小鳥「プロデューサーさん! ちょっとちょっと……」

P「ど、どうしました音無さん」

小鳥「まーた千早ちゃんの機嫌が悪いみたいなんですけど……メール返さなかったんですか?」

P「あー……いや、違うんですよ。実は」

小鳥「実は?」

P「……昨日、亜美と美希が」 


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:34:09.49 :1jJJcflE0

回想

亜美「うーん、やっぱお山って大きい方がいいのかなー」

美希「ミキはそうだと思うよ。ね、ハニー?」

P「えっ? うーん、俺は別に……というかなんでそんな話に」

美希「素直になった方がいいと思うな。ハニーもミキみたいなお山の方が好きでしょ?」ギュム

P「お、おい、胸当たってるぞ」

美希「あはっ☆ 当ててるの、ってやつなの」

亜美「おー! ミキミキせっきょくてき→!」

P「は、離れろって……」  バタン

P「……ん? 今、誰か来たか?」

亜美「あれ? 千早お姉ちゃんがチラッと見えた気がするけど、気のせいだったかなー」


P(……なんだか、嫌な予感がする) 


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:36:05.07 :1jJJcflE0

P「という訳です。やっぱり千早、あの時いたのか……」

小鳥「それってつまり、千早ちゃんが自分の胸を気にして……」

P「そうかもしれませんね……まったく、別に気にしなくてもいいのに」

小鳥(それはプロデューサーさんがどうなのか、って事だと思うけど……)


P「とりあえず、話を聞いてみます」

小鳥「え、ええ、よろしくお願いします 


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:38:05.13 :1jJJcflE0

P「あー……千早、おはよう」

千早「……おはようございます」

P「えーっと、今日もいい天気だな」

千早「……そうですね」

P「あの、昨日なんだけど……事務所にいたか?」

千早「ええ、美希に胸を当てられて嬉しそうなプロデューサーを見かけました」

P「いや、別に嬉しそうになんて」

千早「そうですか。まあ、どうでもいいですけど」


小鳥(あらら……これは簡単には機嫌直さないわね)

小鳥(まあ、デレデレしてたプロデューサーさんにむくれてるってだけだから理由は可愛いんだけど) 


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:40:11.78 :1jJJcflE0

P「……わかった。千早さん、ちょいとお耳を」

千早「またですか? どうせ大した事ではないんでしょうけど」

P「――音楽番組の仕事、取りました」

千早「えっ?」

P「……ローカル局ですけど、しっかりとした音楽番組です」

千早「え、えっと……時間は」

P「……千早さんだけで、インタビュー合わせて七分です」

千早「七分も……」

P「……上手く行けば、千早さんの音楽のお仕事、増えるかもしれません」

千早「…………」


小鳥(あら、また千早ちゃんの目がキラキラしてきた)

小鳥(それどころか、音楽の仕事が来たのが嬉しいけど、それを隠そうと頑張ってるように見えるわね) 


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:42:06.67 :1jJJcflE0

P「……機嫌、直していただけましたか?」

千早「べ、別に私は機嫌悪くなんてありません」

P「そうか、それなら良いんだ。それと千早……」

千早「まだなにかあるんですか?」

P「……俺は、千早みたいな胸の方が好きだぞ」

千早「……っ!? ふ、ふざけた事言わないでください!」

P「ご、ごめんごめん。ほら、番組の内容が書かれた書類だ。目を通しておいてくれ」

千早「……もう」


小鳥(さりげなく物凄い恥ずかしい事言ってる……千早ちゃん、顔真っ赤ね) 


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:44:12.71 :1jJJcflE0

小鳥「プロデューサーさん、上手くやりましたね」

P「ええ、なんとか機嫌を直してもらって良かったですよ」

小鳥「それにしても、プロデューサーさんはそういう趣味だったんですね……」

P「趣味……? なんの事ですか?」

小鳥「とぼけないでくださいよー。小さい方が好きって言ってたじゃないですか」

P「ああ、それは違いますよ。小さいのが好きって訳じゃなくて、千早が小さいからそういうのが好きってだけです」

小鳥「ああ、なるほど。…………ん?」

P「どうかしましたか?」

小鳥「い、いえ……」


小鳥(さらーっととんでもない事聞いたような気がするけど……深くは掘り下げないでおこう)


P「それにしても音無さん、耳いいですね。耳年増……ってのは意味が違うか」

小鳥「……今、なにか言いましたか?」

P「い、いえ、なんでもないです」 


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:47:07.59 :1jJJcflE0

それから一週間後

千早「…………」ガチャ

小鳥「あら千早ちゃ……あっ」

小鳥(まーたまた千早ちゃんの機嫌が悪いみたいね……どうせプロデューサーさん関係でしょうけど)


小鳥「おはよう、千早ちゃん」

千早「……おはようございます」


小鳥(さわらぬ神に何とやら……ささっとプロデューサーさんに解決してもらった方が良さそうね) 


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:49:06.41 :1jJJcflE0

P「おはようございまーす」

小鳥「プロデューサーさん、ちょいとちょいと」

P「あれ、このパターンはまさか……」

小鳥「そのまさかですよ。今回はなにがあったんですか?」

P「いや、実は……昨日映画を観に行ったんですよ」

小鳥「映画、ですか?」

P「ええ、千早と一緒に」

小鳥「……それ、デートじゃないですか」

P「いやいや、ただご飯を一緒に食べて洋服を見て映画を観に行っただけですよ」

小鳥「世界はそれをデートと呼びますね、間違いなく」

P「そうですか? まあ、実はその時――」 


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:51:08.65 :1jJJcflE0

P「いい映画だったな……なあ、千早」

千早「ええ……許されない恋、ありきたりな内容と言えばそうですが、心に来るものがありました」

P「まあ、教育係がお姫様と結ばれるなんて事はさすがに許されないからな」

千早「そうでしょうか? 私は物事を教えるだけでなく、二人で悩む姿に共感しましたが」

P「うーん、でも物事には限度ってもんがあるだろ?」

千早「……現実ではあの二人のような恋は有り得ないと言いたいんですか?」

P「ああ、男と女っていっても、その前に自分のやるべき事があるからな」

千早「……そうですか、そうなんですね」

P「ん? どうした千早?」

千早「……なんでもありません、今日はここで失礼します」

P「いや、それなら送って行くけ 千早「結構です」

P「そ、そうか……気を付けて」

千早「……さようなら」 


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:53:43.02 :1jJJcflE0

P「――って感じで、どうやら怒らせてしまったんですよ」

小鳥「……これは酷い」

P「酷い……? あの、どこが酷いんですか?」

小鳥「もういいです、私がどうこう言う問題では無いですから。ほら、さっさと行ってくださいよ」

P「えっ、は、はい」

小鳥(機嫌が悪いというか、なんというか……まあ、なんとかなるでしょう)

P「ち、千早、おはよう」

千早「……おはようございます」

P「えっと、昨日は楽しかったな」

千早「……そうですね」

P「あのー……怒ってる?」

千早「怒る? どうして私がプロデューサーに怒る必要があるんですか?」

P「いや、でも」

千早「私は怒ってなんかいません。ただそれだけです」


小鳥(うーん、これはさすがに厳しいかしら……) 


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:55:09.79 :1jJJcflE0

P「……えーっと、千早さん、少々お耳を」

千早「……くだらない事なら聞きませんよ」

P「――実は、新曲が完成しました」

千早「えっ?」

P「……千早さんの新曲、頼んでおいたのが完成したんです」

千早「し、新曲……」

P「……しっかりと歌い上げる必要のある、バラードです」

千早「歌い上げる、必要がある……」

P「……楽譜、明日には届きます」

千早「…………」


小鳥(新曲……これは千早ちゃんも嬉しいはず、というか今回も隠しきれてないわね) 


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:57:21.64 :1jJJcflE0

P「……千早さんさえよければ、明日から新曲を中心にスケジュールを組みますが」

千早「そ、そうですね……プロデューサーがそう言うのであれば従います」

P「機嫌、直してくれたか?」

千早「別に、機嫌が悪かった訳では……」

P「あと、もう一つあるんだけど」

千早「なんですか?」

P「昨日の映画は昔の話で、今の時代とは全然違う」

千早「え、ええ、そうですけど」

P「だから、その……俺と千早の関係とはまた違うと思うんだ」

千早「……えっ? ぷ、プロデューサー、それは……その」

P「いや、それだけだ。ほら、今日は春香と美希と一緒に収録だろ? 送迎は律子に頼んであるから」

千早「は、はい……」 


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 07:59:20.69 :1jJJcflE0

小鳥「……プロデューサーさーん」

P「なんですかそのニヤケ顔……」

小鳥「もーう、ちゃんと分かってるじゃないですかー。このこのー!」

P「さ、さて、響と貴音がそろそろ来るし準備するかなー」

小鳥「またそうやってはぐらかそうとしてー」

P「とりあえず、音無さんもちゃんと仕事してくださいね。机の上の領収書、結構時間かかりそうですし」

小鳥「そうなんですよ……社長がこまめに渡してくれれば……」

P「じゃ、お互いに今日も頑張りましょう」

小鳥「そうですね……はあ」 


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:01:11.56 :1jJJcflE0

それから二週間後 765プロ

千早「…………」ガチャ

小鳥「…………」

小鳥(……プロデューサーさん、またなにかあったのね。まあ、もう驚く事でもないけど)

小鳥「千早ちゃん、おはよう」

千早「……おはようございます」


小鳥(さーて、今回はなにがあったのかしら……) 


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:03:12.65 :1jJJcflE0

P「おはようございまーす」

小鳥「はい、今回はなんですか?」

P「えっ? まさか……」

小鳥「ええ、千早ちゃんは機嫌が悪いのでさっさと上手い事やってください」

P「あー……やっぱり怒ってんのか」

小鳥「心当たりはあるみたいですね。なにがあったんですか?」

P「いや、実は昨日……千早の作ってくれた夜ご飯を食べられなくて」

小鳥「……は?」 


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:05:04.51 :1jJJcflE0

P「昨日は千早が夜ご飯を作って待っててくれたんですけど、社長に誘われちゃって」

小鳥「う、うん?」

P「さすがに千早が家で待ってるとは言えないじゃないですか。だから飲みに行ったんですよ」

小鳥「え、ええ」

P「それでなんとか終電で帰ったんですけど、千早は帰っちゃったみたいで」

小鳥「はあ」

P「メモが置いてあって、『私の料理は不必要ですね、失礼します』って……」

小鳥「…………」

P「千早の料理は美味いから、不必要どころか今では必要不可欠なのに……音無さん?」

小鳥「……まあ、今までの流れから考えて驚く事でもないわね」

P「……?」 


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:07:10.22 :1jJJcflE0

小鳥「もうここまでくると痴話喧嘩ですね、ちゃちゃっとお願いします」

P「は、はい」

小鳥(……千早ちゃんも千早ちゃんね。それってもうほとんど恋人じゃない)

小鳥(でも付き合ってたらそれはそれで問題か……後で聞いてみよう)


P「ち、千早、おはよう」

千早「……おはようございます」

P「えっと、昨日の事なんだけど」

千早「社長との時間を邪魔してすいませんでした。以降は気を付けます」

P「いや、その……」


小鳥(もうこれはむくれる千早ちゃん可愛い、ってスタンスでいた方がよさそうね) 


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:09:04.84 :1jJJcflE0

P「……千早さん、お耳をお貸しください」

千早「またそうやってごまかそうとするんですね……手短にお願いします」

P「……実は、この前の番組を見ていたらしくて」

千早「ああ……あのローカル番組の」

P「……その見ていた人っていうのが、有名な番組のプロデューサーで」

千早「えっ……?」

P「――千早さん、ミューステ、決まりました」

千早「みゅ、ミューステに……私が?」


小鳥(おおっ!? まさかの超有名番組!?) 


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:12:06.57 :1jJJcflE0

P「……あのローカル番組、実は売れる歌手の登竜門だったみたいで」

千早「私の歌う姿を見ていたって事ですか……?」

P「……千早さん、みんなより先にミューステ、出ませんか?」

千早「生放送で、私の歌声を……」

P「……聞くまでも無いか。千早、出演は結構先だがそれまでしっかりと準備しないとな」

千早「は、はい!」


小鳥(さすがに今回は隠しきれてない、やっぱり千早ちゃんは笑った方が良いわね) 


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:14:07.27 :1jJJcflE0

P「それと、昨日の事なんだけど……悪かったな」

千早「いえ……私の方こそ、プロデューサーにも付き合いがあるのに」

P「それなんだけど、千早の作ってくれたハンバーグ……弁当箱に詰めて持ってきたよ」

千早「えっ……? 本当ですか?」

P「ああ、全部詰めてきたから一緒に食べないか?」

千早「は、はい。……でも、せっかくだから出来立てを食べて欲しかったです」

P「じゃあ、今日も作ってくれよ。千早が良かったらだけど」

千早「……仕方ないですね、今日はちゃんと食べてくれないと怒りますから」

P「楽しみにしてるよ。さて……本番まで忙しくなるなー」

千早「ええ……頑張ります」


小鳥(……なんだろう、急に寂しさと虚しさと心弱さが) 


51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:16:05.43 :1jJJcflE0

それから一か月後 765プロ


千早「……はあ」

小鳥「あら千早ちゃん、おはよう」

千早「……おはようございます」


小鳥(なんだか元気がないみたい……機嫌が悪いって訳ではないみたいだけど)

小鳥(こういう時はプロデューサーさんに……って、そういえば)

小鳥(プロデューサーさんは出張だから三日前からいないのよね……帰ってくるのは)

小鳥(早くても今日の夜、しばらく千早ちゃんはこのままかしら……) 


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:18:08.54 :1jJJcflE0

千早「…………はあ」

小鳥(うーん、さすがに放っておくのも……声をかけてみる位なら)


小鳥「あの、千早ちゃん? どうかしたの?」

千早「えっ? い、いえ……なんでもありません」

小鳥「ひょっとして、プロデューサーさんとなにかあった?」

千早「……っ!」

小鳥「……図星、みたいね」

千早「音無さん……私、プロデューサーに…………ごめんなさい、なんでも無いんです」

小鳥「千早ちゃん……」


小鳥(やっぱりプロデューサーさんじゃないと、ダメね……) 


54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:20:56.18 :1jJJcflE0

千早「…………」


小鳥(あれから一時間位かしら……ずっとあのまま)

小鳥(……他の子は今日はみんな仕事、千早ちゃんは……あら?)

小鳥(千早ちゃんは今日はオフのはず、どうして事務所に……あっ)

小鳥(もしかして、プロデューサーさんを待っている……?)


小鳥(プロデューサーさん……早く来ないと、泣いちゃいますよ) 


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:22:07.18 :1jJJcflE0


小鳥(あれからずっとこのまま……千早ちゃんは会う人全員に何でもないと言ったけど)

小鳥(……でも、私も含めて他の誰かでは解決できない問題みたいね)

小鳥(もう帰る時間なんだけど……うーん)


小鳥「……千早ちゃん、もうこんな時間になってしまったけど」

千早「えっ……? あっ……ごめんなさい、もう帰らないといけませんよね」

小鳥「ううん、別にいいのよ。……待ってるのよね」

千早「…………」 


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:24:04.35 :1jJJcflE0

小鳥「電話、してみたの?」

千早「……電源、切っているんです」

小鳥「えっ……? ど、どうして?」

千早「……怖くて」

小鳥「千早ちゃん……」


「はあ……どうりで連絡が取れないと思ったよ」


千早「あっ……」

小鳥「ぷ、プロデューサーさん! 遅いですよ、もう……」

P「えっと……なんだかすいません。これでも急いだんですけどね」 


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:26:10.84 :1jJJcflE0

小鳥「ほら、プロデューサーさん。いつもみたいにお願いしますよ」

P「え、ええ……なあ、千早」

千早「プロデューサー……あれはやっぱり、無かったことにしてください」

P「千早、耳貸せ」

千早「えっ……?」

P「――、――――――」

千早「……っ!?」


小鳥(うーん……今回は聞こえなかったわね。まあ、聞かない方がよさそうだけど) 


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:28:07.62 :1jJJcflE0

千早「ほ、本当ですか……?」

P「ああ、こんな事冗談で言う訳ないだろ? ……これを言うために千早のマンション寄ったのに」

千早「……私のマンションに行ったんですか?」

P「でも千早はいなくて電話も繋がらないんだから困ったよ。……まあ、こうして会えて良かった」

千早「プロデューサー……私、不安で……怖くて……でも、会いたくて」

P「……千早、ただいま」

千早「……おかえりなさい」


小鳥(……上手くいった、みたいね) 


60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:30:07.03 :1jJJcflE0

P「えっと、俺はまだやる事があるんだ……だから」

千早「……分かりました、先に帰って食事を用意しておきます」

P「えっ? いや、無理しなくていいんだぞ? 何時になるか分かんないし」

千早「私がそうしたいから、そうするんです。……いけませんか?」

P「分かった……美味いもん、用意してくれよ」

千早「それだと、いつも作っているのが美味しくないみたいに聞こえますね」

P「ち、違う違う、そんなつもりは」

千早「ふふっ……頑張って早く帰ってきてくださいね、プロデューサー」

P「……ああ」


小鳥(…………独りって、辛いわね) 


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:32:02.78 :1jJJcflE0

小鳥「……で、プロデューサーさん、千早ちゃんもいませんし聞かせてもらえますよね」

P「あー……言わなきゃダメですか?」

小鳥「当たり前ですよ。今日、どれだけ私が苦労したと思ってるんですか?」

P「……実はですね、千早に、その……告白されまして」

小鳥「こ、告白!?」

P「そんなに驚く事じゃ……いや、驚きますよね」

小鳥「え、ええ」

小鳥(千早ちゃんから、っていうのと今更、っていう二つの意味で驚いたわ……) 


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:34:15.18 :1jJJcflE0

小鳥「でも、あの千早ちゃんが……なにがあったんですか?」

P「千早と出張先で電話していたんですけど、その時に……」


『あなたに会えない事がこんなに辛いとは思いませんでした……まるで、何かを失ったようで』
『こんな思いする位なら……いっその事、全て打ち明けます。プロデューサー、私は――』


P「って感じで……たった数日間会えないだけでこんなになるとは」

小鳥「……それ、ただののろけ話じゃないですか」

P「そうですか? でも、千早がその後すぐに電話を切って……正直不安だったんですよ」

小鳥「千早ちゃんは千早ちゃんで、二人の関係が壊れるかもしれなくて不安だった……って感じかしら」

P「ええ……いやー、千早ってやっぱり可愛いですね」

小鳥「……心配して損した気がします。まあ、千早ちゃんが笑っていればそれでいいですけどね」 


66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:36:06.13 :1jJJcflE0

小鳥「ところでプロデューサーさん、アイドルと付き合うって事になりますよね?」

P「ま、まあ、そうなりますね」

小鳥「……社長やらみんなにばれたら大変ですよねー」

P「……何が望みですか?」

小鳥「たるき屋奢り、それと……誰か素敵な人、紹介してください」

P「なんか、切実ですね」

小鳥「ええ……幸せそうな人を見て不幸せな自分をはっきりと認識してしまって」

P「な、なるほど……」

小鳥「そういえば、千早ちゃんに耳打ちした時、なんて言ったんですか?」

P「えっ……? いや、それはさすがに……」

小鳥「まあまあ、減るもんじゃないですよ」

P「……えっと、あの時は千早に――」 


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/29(月) 08:38:22.77 :1jJJcflE0

P「――って言ったんですよ」

小鳥「…………」

P「お、音無さん?」

小鳥「……頑張れ、私。がんばるのよ小鳥ー!」

P「そ、そうですね。そろそろさんじゅ……あっ」

小鳥「プロデューサー、さん?」

P「あ、いや、今のは……」

小鳥「今度は私の機嫌がとてつもなーく悪くなったので、たるき屋二回でお願いしますね」

P「……了解です」




    オッワリーン 

元スレ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1351462578